第217回 鏑木蓮 『炎罪』

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内容

京都市内にある自傷患者専門クリニック兼自宅が全焼。
精神科医・山之内一蔵が焼死体として発見され、妻・和代とは連絡がとれないままである。
警察はクリニックの患者で山之内医師とトラブルのあった連続放火犯・長門に疑いの目を向けるも決め手に欠け、さらには自殺説、行方不明の妻犯人説など様々な推理が飛び交い捜査が難航した。
混乱の中、下京署の片岡真子は山之内医師周辺のある事故に目を向け、思わぬ推理を展開するが……。
「お嬢」と呼ばれた京言葉の女性刑事が情熱で事件に挑む警察ミステリー!
デビュー10周年・乱歩賞作家・鏑木蓮が放つ渾身作!!


勝手に鏑木蓮の作品を情緒的ミステリーだと名付けてますが、

作者ならではの人間らしさや情緒が溢れた良作だと思います。


女性刑事・片岡真子がヒロインの京都を舞台にした警察ミステリーで、
『時限』の続編です。

『時限』は大分前に読んでたんですが、気づかず読んでました笑

なんかのシリーズっぽいなと作中の記述から思ってたんですが気づかず、それでも全く関係なくおもしろく読めました。


割りとこの手の社会派というか人情的なミステリーは既読感強いことも多いんですが、

犯人の描き方、
事件の解明の仕方、
動機や殺害方法など、

いろいろ新鮮で面白かった。

最後の展開は多少豪腕な感じがしましたが、
なるほどという感じで、良かったです。


割りと京都感は薄めな気がしますが、
京都弁のテンポがいい会話、
時折描かれる情緒的な街並みの描写などもストーリーを盛り上げてます。


人気作家らしい安定感あります。