第225回 島田荘司 『透明人間の納屋』

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内容
昭和52年夏、一人の女性が密室から消え失せた。孤独な少年・ヨウイチの隣人で、女性の知人でもある男は「透明人間は存在する」と囁き、納屋にある機械で透明人間になる薬を作っていると告白する。混乱するヨウイチ。やがて男は海を渡り、26年後、一通の手紙が届く。そこには驚愕の真実が記されていた。


ホテルの一室が女が消えたという、ひとつの密室から、
壮大なスケールのラストまで駆け抜ける良作。


御手洗潔のような名探偵が登場するではなく、
真相は一通の手紙から解明されるのが島田荘司作品としては新鮮。


一人の少年の語りで物語は進みますが、
幼く、純粋な思い込みによって運命が翻弄され、ラストの衝撃につながるというなんとも切ないミステリー。


ところどころに抽象的でグロテスクな挿し絵が入れ込まれていて、
物語の演出に一役買っています。
結構重たい。


ラストの意外性はかなり強めで、
ある意味突飛ではありますが、
さすがの構成力と展開で、読者を純粋に驚愕させてくれます。

ページ数少なめで濃い内容なのでおすすめ。