第227回 貫井徳郎 『女が死んでいる』
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内容
朝起きたら、知らない女の死体があった――。ひねりと企みに満ちた短篇集。

二日酔いで目覚めた朝、ベッドの横の床に見覚えのない女の死体があった。俺が殺すわけがない。知らない女だ。では誰が殺したのか――?(「女が死んでいる」)表題作他7篇を収録した、企みに満ちた短篇集。



叙述トリック名手による短編集

最近は少年の葛藤や、社会の歪みなど重いテーマを濃厚に描いた作品が多いイメージの作者でしたが、

この短編集では、ストレートで、良い意味でライトにどんでん返しを楽しめる内容を集めた印象です。


表題作『女が死んでいる』
朝起きたら自分の部屋で女が死んでいる、しかも鍵がかかっていて密室。
自分が殺したのか?
という状況にどういう結末が待っているのかとハラハラしながら読んだ。
密室自体はなんてことない方法で作られている話ですが、サスペンスフルなストーリーは一気読みでした。

『二重露出』
店の前に棲みついたホームレスを殺害し山中に埋めたはずが、全く違う場所で死体が発見された。
結末までの混乱がよく描かれていて、論理的にどんでん返し。
本格叙述ミステリーという感じ。


『母性という名の狂気』
一番ダークな雰囲気でストーリーが展開され、
ラストの一言も伏線回収でゾッとするような秀逸な作品。
ところどころの違和感が綺麗に回収されていて、鮮やかに読者を騙します。




最後の『レッツゴー』や『殺人は難しい』など、ある意味コミカルな作品もあり、様々な作風に触れることができる短編集です。 



共通して言えるのは、
すっかりシンプルにどんでん返されたい人にオススメの良作です。