第236回 宮本輝 『錦繍』


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内容
「前略 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で、まさかあなたと再会するなんて、本当に想像すら出来ないことでした」運命的な事件ゆえ愛し合いながらも離婚した二人が、紅葉に染まる蔵王で十年の歳月を隔て再会した。そして、女は男に宛てて一通の手紙を書き綴る―。往復書簡が、それぞれの孤独を生きてきた男女の過去を埋め織りなす、愛と再生のロマン。





とあることがきっかけでエッセイ『途中下車』をよむ機会があり、今更ながら気になった宮本輝作品。

昭和の作品でありながら、著者の代表作であり、今も古びていない名作です。



蔵王で運命的な再開を果たした元夫婦が文通し会う話。

物語は全て二人の手紙のなかで語られますが、手紙という制約のなかで、
二人の過去や現在、そして未来も美しい文章で語られます。


悲劇的な別れで終わり、始まった二人の男女の人生を通して、

夫婦、また人生に対する見方を深く考えさせるような普遍的価値がある小説だと思いました。