第237回 北森鴻 『花の下にて春死なむ』


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内容
年老いた俳人・片岡草魚が、自分の部屋でひっそりと死んだ。その窓辺に咲いた季節はずれの桜が、さらなる事件の真相を語る表題作をはじめ、気の利いたビアバー「香菜里屋」のマスター・工藤が、謎と人生の悲哀を解き明かす全六編の連作ミステリー。第52回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門受賞作




やはり表題作の『花の下にて春死なむ』が凄く良かった。


木造アパートでひっそりと亡くなっていた老人・片岡草魚の人生と、隣で起こった殺人事件がリンクしながら、
綺麗なラストを迎える素敵な作品です。

また、ラストで西行の短歌

願はくは花の下にて春死なむ
 そのきららぎの望月のころ

が出てくる辺りが好きです。
改めていい歌だなと思いました。



ミステリーの連作短編集ですが、基本的に推理はバーの『香菜里屋』で行われる、
いわゆる、安楽探偵ものですが、
推理をするマスターの慎ましい感じも好感


大人な感じのミステリーです。