第254回 東山彰良 『僕が殺した人と僕を殺した人』

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内容

1984年。13歳だった。夏休みが終わる2日前、ぼくたちの人生はここから大きく狂いはじめたんだ。少年時代は儚く、切なく、きらめいている。台湾が舞台の青春小説




触れ込みは青春ミステリーですが、とてもそういった枠ではくくれない、東山彰良ならではの小説。



日本のヤンキー小説とはひと味違う、荒れた台湾の少年時代を描き、

人間が壊れ、連続殺人鬼〔サックマン〕となる過程を、
独特のストーリーと人間観で描いている。


物語を通して、『僕が殺した人』とは、『僕を殺した人』とは、
そして、『なぜ、殺したのか』『僕』とは誰なのかを追っていく、ある意味ミステリー的な展開になっているのかもしれません。



ラストは明らかに悲劇であるはずの物語を、
薄い光を当てたように、救いのあるものになっているのも凄い。


序盤は台湾が舞台で、読み慣れない名前や地名でなかなか手強いですが、

後半は確実に物語の虜になると思います。



ページ数のわりにサクッと読めるような作品ではないかもしれませんが、

一度じっくり読書したい人にはおすすめです。