第256回 河合莞爾 『ダンデライオン』

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内容

東京の山間部、タンポポの咲き誇る廃牧場のサイロで、空中で刺殺されたとしか思えない異様な死体が発見された。被害者は16年前に行方不明になった女子大生・日向咲。捜査第一課の警部補・鏑木鉄生は、部下・姫野広海の口から「空を飛ぶ娘」という昔話の存在を知る。翌週、今度は都心の高層ホテル屋上で殺人事件が発生。だが犯人は空を飛んで逃げたかのように姿を消していた。やがて二つの事件の接点として、咲が大学時代に所属していた「タンポポの会」というサークルが浮上する―。





最初に言っておくと、
この作品は鏑木特捜班シリーズのひとつ、3作目になります。

もちろん、他のシリーズ作品を読まなくても十分面白いです。

そういう私も、シリーズ前作を読んだのが大分前だったので、全く覚えてなかったですが面白かったです。


このシリーズで好きなところは、
警察小説でありながら、
「本格推理小説」のエッセンスが色濃く反映されているところです。


例えば、同シリーズの『デッドマン』は
島田荘司の本格推理の金字塔、
『占星術殺人事件』をベースに着想したとか。

この『ダンデライオン』も、

廃牧場の密室サイロ内で、

「空中で殺された」としか思えない死体が発見される。

「開放密室である屋上から犯人が消えている」

など、魅力的な謎解きと警察小説の熱さが上手く融合して非常に面白いです。



そして、被害者の意外な過去に翻弄され、

お馴染みのルールすれすれのトリックにまんまと騙されました。


久しぶりに読んで、河合莞爾作品の面白さを改めて感じたので、
ミステリー好きは是非読んで欲しい作品です。