第282回 笹沢左保 『金曜日の女』
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内容
就職もせず、虚無な毎日を過ごしていた波多野卓也は、偶然訪ねた旧友・岸部桜子の家で、桜子姉弟が愛し合う衝撃の光景を目にする。数日後、卓也が再び目撃したのは姉弟の血まみれの死体だった。事件の鍵を握る謎の美女、鬼頭美千子と接触を図った卓也だが、二人の周辺で次々と不可解な殺人事件が―。驚愕のどんでん返しと残酷な結末が待ち受ける傑作ミステリー!



とにかく、官能小説並みに濡れ場が多い小説でラストも含め圧倒的に子どもには読んでほしくないミステリーww


どんでん返し系が多く、最近復刊が相次いでいる著者の作品で、
『金曜日の女』自体も古さもちょこちょこ感じる箇所はありますが、 
この本のテーマ的なところは不変で面白い。


この作品は主人公は、大企業の妾の子として育ち、その事実上の父親の現在の愛人の家に間借りして住んでいるというかなり特異な設定。

主人公や作風としてもちょっとハードボイルドっぽい硬派な表現が多く、
官能的なシーンも相まってクールです。


テーマは「女」に尽きるかと思います。
もしかすると女性の読者には響きにくい内容かもしれません。




こっからネタバレです。




ラストの展開が一番伝えたいところだとすると、
辟易するほどの官能的なシーンもとても意味あるものに感じました。

作中で主人公が愛し合うことになる、
美千子は、美しく、淫乱、そして一途で「一緒に死んでもいい」
とまでいってのける、男にとっては理想でしかない完璧な女性。

そんな女がラストで晒す幻滅的な姿態の落差ったらありゃしない。

結局女(愛や恋愛観)なんて、こんなもんだよっていうことを見せつけられる。

そのために仕組んだどんでん返しミステリーと考えれば結構深い。


もし濡れ場とか苦手じゃなければ是非読んで損はないです。