第283回 島田荘司 『UFO大通り』

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内容
鎌倉の自宅で、異様な姿で死んでいる男が発見された。白いシーツを体にぐるぐる巻き、ヘルメットとゴム手袋という重装備。同じ頃、御手洗潔は、この男の近所に住むラク婆さんの家の前を、UFOが行き交うことを聞き及ぶ。果たして御手洗の推理はいかに!?「遠隔推理」が冴える、中編「傘を折る女」も収録。





表題作『UFO大通り』と『傘を折る女』の
2つの中篇が収められた作品。


『UFO大通り』は、
ガムテープを天井からたらし、
ヘルメットをかぶり、窓を完全にテープで塞いだ状態で鍵のかけられた密室で、
不可解に死んでいる男の事件を御手洗潔が鮮やかに解決します。

老婆の宇宙人目撃情報や、職場のトラブルなどで二転三転しますが、
最後は、たったひとつの偶然を御手洗が見つけ出し、解決へと導きます。


トリックやストーリーも面白いですが、
前時代的ハラスメント要素満載の刑事と、
飄々とした御手洗の会話がテンポよくユーモラスで軽快。


『傘を折る女』は、
『UFO大通り』と比べると多少重めのストーリー。
冒頭でワトスン役の石岡くんが言うとおり、
御手洗の思考の過程を見せてくれる作品。
いつもは解決時に魔法のように真相を突きつけるので、ある意味珍しい。

横浜にいる御手洗が、愛知の警察に電話で真相を教えていく箇所は、
対話のなかでどんどん真相が暴かれていって楽しい。
「遠隔推理」は今時でいいですね。
大体真相がつかめたところでもう一捻りあるのでさらに面白い。


設定が、
ラジオに寄せられた奇妙な話という日常的な話から、
母の死を引き起こした張本人への復讐へと話の雰囲気が変わり、
飽きずに一気に読めます。


ネタバレですが、
2つの中編はどちらも、
ある要素をトリックに使い、かかれているので、そういう繋がりも楽しめそうです。



島田荘司作品だと、
『斜め屋敷の犯罪』とか『占星術殺人事件』とかが有名ですが、
そのあとにオススメ。