住まいのない失業者のために、東京都が年末年始に提供した宿泊施設が18日朝、利用期限を迎えた。

 先月28日の支援開始から約3週間。当初、生活再建を目指して833人が利用したが、都によると、この間に再就職先が決まったのは十数人とみられる。施設を期限いっぱい利用した約260人は今後、大半が生活保護を受けるなどして就職活動を続ける。用意されたバスに乗り込んだ入所者は言葉少なに施設を後にした。

 元派遣社員の男性(30)は生活保護の支給が決まり、18日から都内のアパートで独り暮らしを始める。「最初の一歩は踏み出せたが、働き口が見つかるまでは気を抜けない」。その口調は重たい。

 昨夏までは、イベント会場の設営や撤去などを請け負う業者5社に登録し不自由のない暮らしを送っていたという。日払いの仕事をこなして、ネットカフェやカプセルホテルを渡り歩いていたが、急激な景気悪化で生活できるだけの仕事を失った。先月28日、生活を立て直す決意をして施設に入り、支援団体の勧めで、生活保護を受けながら仕事探しをすることにした。

 こうした人々のために、都が最初に用意したのは国立オリンピック記念青少年総合センター(渋谷区)。今月5日からは、562人が大田区の臨時宿泊施設に移って支援を受けた。

 しかし、この間に区役所やハローワークへの交通費として支給した現金2万円を受け取った後、施設から姿を消す利用者が続出。17日夜時点で、111人の所在が不明のままだ。

 一方、一足早く生活保護の支給が決定するなどし、18日までに施設を出たのは184人。このうちの一人で、13日から都内のアパートに住み始めた元飲食店勤務の男性(41)は、現在、都内の福祉団体への就職活動を進めている。男性は、「早く自立したい。今回の経験を生かし、困窮者の相談に乗って、恩を社会に返したい」と話す。

 石原慎太郎知事は、同様の支援を今シーズン限りとする考えを示唆しているが、男性は「支援がなければ、私はまだ路上生活を続けていた。制度に改善は必要かもしれないが、支援を継続してほしい」と訴えた。

 施設提供が当初の8日間から22日間に延長されたため、運営費は当初の約3倍の約1億5000万円に膨らんだ。どのくらいの人が実際に再就職先を見つけられたのかについては、今後、ハローワークなどが調査する予定だ。

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