通信速度:3カ所で計測 LTE/WiMAX/ULTRA SPEEDで速いのは?


従来のケータイに比べて大容量のデータをやり取りすることが多いスマートフォンでは、通信速度は気になるポイントだ。
カタログスペックでは「下り最大○Mbps」などと表記されているが、当然ながら実効速度はこれよりも低い。
ドコモの次世代通信サービス「Xi」は「下り最大75Mbps」とうたわれているが、これは一部の屋内施設における数値で、大半のエリアは下り最大37.5Mbpsだ。
auの一部スマートフォンが対応するWiMAXが下り最大40Mbps、ソフトバンクのULTRA SPEEDが下り最大21Mbpsと固定網並みの数値だが、実際はどれほど速いのか。
今回は2011年度冬春モデルのスマートフォンの通信速度を3カ所で計り、実効速度のデータを掲載する。
計測したのが2月上旬のため、テストしたのは「Xperia NX SO-02D」を除き2012年1月末までに発売された機種であることをご了承いただきたい。
なお、通信速度は場所や日時、通信環境に左右されるので、今回掲載するデータは参考値ととらえてほしい。



NTTドコモのスマートフォン
「F-03D Girls'」「ARROWS X LTE F-05D」「ARROWS μ F-07D」「Optimus LTE L-01D」「PRADA phone by LG L-02D」「MEDIAS PP N-01D」
「P-01D」「LUMIX Phone P-02D」「GALAXY S II LTE SC-03D」「GALAXY NEXUS SC-04D」「AQUOS PHONE SH-01D」
「AQUOS PHONE slider SH-02D」「Xperia NX SO-02D」「REGZA Phone T-01D」

auのスマートフォン
「ARROWS Z ISW11F」「ARROWS ES IS12F」「DIGNO ISW11K」「HTC EVO 3D ISW12HT」「Optimus X IS11LG」
「GALAXY S II WiMAX ISW11SC」「MOTOROLA PHOTON ISW11M」「MEDIAS BR IS11N」「AQUOS PHONE IS13SH」
「AQUOS PHONE IS14SH」「iPhone 4S」

ソフトバンクのスマートフォン
「HONEY BEE 101K」「MEDIAS CH 101N」「LUMIX Phone 101P」「AQUOS PHONE THE HYBRID 101SH」「AQUOS PHONE 102SH」
「AQUOS PHONE 103SH」「STAR7 009Z」「iPhone 4S」

イー・モバイルのスマートフォン
「GS02」「Sony Ericsson mini(S51SE)」





計測条件は以下のとおり。

  • 計測時期は2月上旬。
  • 速度測定には「SPEEDTEST.NET」アプリを使用。
  • Tokyoサーバの調子が悪かったので、すべてIizukaサーバで計測した。
  • auの+WiMAX対応機はWiMAXをオンにして計測した。
  • Xperia NXのみ発売前の試作機で計測した。
  • 場所と時間帯は+D Mobile編集部(東京都大手町)の平日18時~19時30分、大手町屋外の平日22時~24時、東京都江東区室内の平日10時~12時。
  • 3カ所とも5回計った速度の平均値を出した。




では、それぞれの結果を見ていこう。
まずは都内某社屋から。ここはドコモのエリアマップ上ではXiをカバーしているが、周りをビルに囲まれているためか、実際は3Gハイスピードまでしか利用できない。
社内を歩くとLTE圏内となる場合もあるが、この場所は基本的にLTEは圏外。
したがってXi対応機種も下り最大14Mbpsまたは7.2MbpsのFOMAハイスピードでの通信となる。
WiMAXは室内の場所によって速度にバラツキがあるが、窓際なら比較的良好なので今回の計測も窓際で行った。



下り速度はau端末がトップ7を独占した。
トップは7.464Mbpsの「ARROWS Z ISW11F」。
2位には5.63Mbpsの「MOTOROLA PHOTON ISW11M」がランクインし、WiMAXの実力を発揮した。
最大9.2MbpsのWIN HIGH SPEEDに対応する「Optimus X IS11LG」「AQUOS PHONE IS14SH」「MEDIAS BR IS11N」も5Mbps前後の速度を出し、上位に入った。
ドコモのFOMAハイスピード対応機は3Mbps前後に集中している。
最大14Mbpsではなく7.2Mbps対応の「ARROWS X LTE F-05D」がドコモで最も速い8位に入ったのは少々意外だった。
iPhone 4Sを含むソフトバンク端末は、いずれも1Mbps台とやや苦戦した。
上りもau端末が速く、多くの機種が1Mbps以上を出した。
ドコモとイー・モバイル端末はすべて0.3Mbps台と奮わなかった。



続いて大手町屋外の結果を見ていこう。
大手町には多くのビルが建ち並ぶオフィス街があるが、計測した場所は見晴らしが良く、通常の3Gはもちろん、XiとWiMAXともに電波環境は良かった。
下りはここでもARROWS Zが最速で、9.28Mbpsを記録した。
2位は7.472Mbpsの「HTC EVO 3D ISW12HT」が入った。
Xi端末も本領を発揮し、ARROWS X LTE(6.236Mbps)が3位、「GALAXY S II LTE SC-03D」(5.9Mbps)が5位、「Optimus LTE L-01D」(5.072Mbps)が10位に入った。
ソフトバンクのULTRA SPEED対応機も好調で、「HONEY BEE 101K」が4.678Mbps、「AQUOS PHONE 102SH」が4.124Mbpsを出した。
下り最大14Mbpsの「MEDIAS CH 101N」が6.13Mbpsで、ULTRA SPEED対応機よりも速かったのは意外だった。
同じく下り14Mbpsの「iPhone 4S」も5.216Mbpsと速く、au版iPhone 4S(2.172Mbps)を上回った。
ドコモのFOMAハイスピード対応機の速度は1~3Mbpsに留まり、屋内の+D Mobile編集部より速度を落とした機種も見られた。
上りはこちらもau勢が好結果で、トップ8を独占した。
1位の4.568Mbpsをたたき出したMOTOROLA PHOTONは、WiMAXの上り15Mbpsの通信に対応しており、その性能をいかんなく発揮したといえる。
ドコモはXi端末は1Mbps前後の速度を出したが、FOMAハイスピード対応機は0.1~0.3Mbps台で、他の3キャリアよりも遅かった。



江東区室内の結果はどうか。
こちらはLTEとWiMAXいずれも圏内で、XiとWiMAX対応機が上位に入ったが、WiMAXは大手町屋外に比べるとやや速度が落ち、下りは3~4Mbpsに留まった。
1位のARROWS X LTE(6.712Mbps)や3位のOptimus LTE(5.69Mbps)など、今回はXiスマートフォンに軍配が上がった。
2位のMEDIAS CH(6.448Mbps)や6位のHONEY BEE(4.6Mbps)などソフトバンク端末も好結果を残した。
一方、auの3G通信は「AQUOS PHONE IS13SH」を除いて1Mbpsにも満たなかった。
サーバの調子が悪かったのか? ということでいくつかの機種で日を改めて何度か試したが、やはり1Mbps未満だった。
局地的に基地局の電波が弱い可能性がある。
上りは一転してau端末が好調で、1~2Mbps台の9機種がトップ9を独占した。
ここでもドコモ端末が遅く、すべて1Mbps未満。
Xi対応ながらGALAXY S II LTEとOptimus LTEは特に遅い0.1Mbps台だった。



3カ所でのテストを終え、LTEとWiMAX対応機は、受信感度の良い場所なら下り5Mbps~8Mbps程度の速度がコンスタントに出ることが分かった。
ただ、屋内では圏外になったり通信速度が下がったりする場合があり、どちらもエリア整備は途上段階だと感じた。
アプリとの相性もあるだろうが、Xi対応機を含めてドコモ端末の上り速度が全般的に遅かったのが気になった。
サイズの大きなデータをメール送信、アップロードする際に不便さを感じるかもしれない。
上り速度は3カ所ともau端末が上位を独占しており、コンスタントに1Mbps以上を計測していた。



意外な伏兵と言えるのがソフトバンクのULTRA SPEEDで、環境次第ではXiやWiMAXに匹敵する下り速度を出した。
ULTRA SPEEDでは1.5GHz帯の10MHz幅を使っており、iPhoneをはじめ既存の3Gハイスピード(HSDPA)対応機で使用している2.1GHz帯とは周波数帯が異なる。
ULTRA SPEEDは比較的新しいサービスで利用者も2.1GHz帯に比べると少ないことから、つながりやすいのだろう。
また、ソフトバンクモバイルは新たに獲得した900MHz帯での通信サービス(W-CDMA/HSPA+)を2012年7月25日に開始する。
現時点ではiPhone 4/4S、iPad 2、新しいiPad、PANTONE 4 105SHが900MHz帯をサポートしているが、この中で下り最大21MbpsのHSPA+に対応しているのは新しいiPadのみ。
その他の機種はW-CDMAでの通信となるので、7月25日以降に接続しやすくはなっても、900MHz帯において新しいiPadほど速度が向上することはなさそうだ。



参考までに、3カ所の計測結果の平均値が高かったものを順にまとめた。
下りはARROWS Z/Xの2兄弟がワンツーフィニッシュとなった。
上りはau端末がトップ9を占めている。

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GS02とHTC EVO 3Dは高速で起動する

続いて本体の起動時間も測ってみた。
使うときだけ電源を入れる、動作が不安定なので再起動するといった機会もあるので、スマートフォンは起動も速い方が望ましい。
電源キーを押してからロック解除画面が表示されるまでの時間をストップウォッチで3回測り、その平均値を出した。
最も早かったのがイー・モバイルの「GS02」で、わずか6秒ほどで起動する。
次いで11秒強のHTC EVO 3Dも速い。
3位の「AQUOS PHONE 103SH」が26.633秒なので、GS02とHTC EVO 3Dの速さが突出していることが分かる。
シャープ、ソニーモバイル、Samsung電子の端末は30秒前後でまずまずの速さだが、LGエレクトロニクス、パナソニック モバイル、富士通の端末は40~60秒以上かかる。
最も遅かったのが「ARROWS ES IS12F」で、83.933秒もかかった。
10秒とは言わないが、せめて40秒程度で起動してほしいと思う。


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