都内3か所、横浜で2か所、PCとスマートフォンで測定

データ通信サービスを利用する上で特に重要なのが「通信速度」だろう。UQ WiMAX以外はまだエリアが整備されておらず3G通信となる場合も多いが、LTEや4Gのエリア内だと実際はどの程度の速度が出るのだろうか。
都内を中心に、以下の5か所で4月中旬に速度測定を実施した。

  1. 東京国際フォーラム 屋外ベンチ 14:45~
  2. JR渋谷駅湘南新宿ライン 3・4番線ホーム 12:20~
  3. 京急蒲田駅 2Fホーム 14:00~
  4. JR横浜駅南改札内BECK'S COFEE SHOP 15:00~
  5. 横浜市西区北幸1丁目 横浜STビル前 12:00~

すべて平日で数日に分けて調査している。

1は東京駅や有楽町駅の近くにあり、まさに日本の中心。
国際フォーラムは大規模なイベントでよく使われている。
周辺はオフィス街だ。

2は日本で有数の利用客数を誇る渋谷駅。

3は都内ではあるが都心からは離れる。
NHKの朝ドラ「梅ちゃん先生」の舞台にもなっている蒲田だ。
周辺は下町の雰囲気もあるが、京急蒲田駅は羽田空港への乗り換えの駅でもあり、利用客にはビジネスパーソンも多い。

4は横浜駅内だが、改札部分は地下に位置しており、利用客数も多く意外とつながりにくい場所という印象がある。

5はその横浜駅から徒歩で5分ほど離れたオフィスビルの広場だ。


測定に使ったのはノートPCとスマートフォン(GALAXY S? LTE SC-03D)。
測定ツールとしてWEBサイトの「BNRスピードテスト」(http://www.musen-lan.com/speed/)を使用した。
スマートフォンでは「BNRスピードテスト画像読込み版」を使っている。
PC、スマートフォンともに、上りの速度測定で設定するデータサイズは200Kバイトとしている。
測定は各ルーターで3回行い、その平均速度を以下の表にまとめた。


クリップボード01


ソフトバンクの101SIが好成績、20Mbps超えも

結論から言うと最も高い数値が出たのがソフトバンクの「ULRTA WiFi 4G 101SI」だ。
5の横浜市内で下り21.03Mbpsを計測した。
それ以外にも101SIは東京国際フォーラム、京急蒲田駅で20Mbps超えを記録。
上りの数値でも5~6Mbpsが多い。
他のルーターと比べて抜きんでた印象だ。
後述するように、全体的に速度が伸び悩んだ横浜駅でも8.47Mbpsに達しており、どの地域でも結果が良い。
ただ、横浜駅と横浜市内では上り1Mbps以下となり、やや遅かった。
横浜駅では3Gエリアでの計測となったが、横浜市内では4Gでの計測で3回中1回は1Mbpsを超えていた(平均値は1Mbpsを下回る)。
都内の計測時はいずれも4Gの表示が出ており、都内とその近郊なら4Gエリアになりやすい印象だ。



2番目に成績が良かったのはイー・モバイルの「Pocket WiFi LTE(GL01P)」だ。
京急蒲田駅で下り10Mbps超えを達成し、国際フォーラムでは10Mbps近く出た。
また横浜市内でも1回10Mbps超えの結果があった。
上りの速度は101SIに一歩及ばなかったが、2~4Mbpsをコンスタントに計測した。
常にLTEエリアで計測できたのもよかった。
ただし横浜駅ではアンテナの表示が1~2本のみで、他のルーターと同じく電波が入りにくいのだろう。
他の地域はアンテナが3本立っていた。



残念ながら他のルーターは期待したほどでの速度ではなかったという印象だ。
ドコモの「BF-01D」は「WIRELESS」ランプが青色ではLTE圏内、水色では3G圏内だが、すべて青色の点灯を確認しているものの、横浜駅では測定場所から移動すると水色のランプに切り替わることがあった。
またランプの視認性が屋外では悪く、点灯している色の判別が難しいこともあり(ランプの部分に手で影をつくると見やすい)、気付かない間に水色のランプが点灯していた可能性もある。
ただし後述するように日本通信のカメレオンSIMを使った場合はLTE圏内の表示だった。



速度の伸び悩みは最もユーザー数が多いこともあり、回線が混雑しやすいということが考えられる。
ただ、それでも1Mbps以上を計測している地域が多く、スマートフォンでの測定では下り5~6Mbpsが多い。
LTEエリア内での数値としてはやや物足りないが、不満を感じるほどではないだろう。
ただし横浜周辺では上りが1Mbpsを切っており、写真のアップロードといった大容量送信がある場合は不安が残る。



WiMAXに対応した「URoad-SS10」は平均値を見ると最低値が並ぶが、実際の測定結果を3回分見ると、上下の差が激しい印象だ。
例えば、横浜市内では下り9Mbpsを超える結果もあったが、残り2回の測定で平均が大きく下がった。
通信が遅いと感じたら一度中断して、少し時間を置いて接続し直すと速度が向上するかもしれない。
また上りでは1Mbps以上ばかりで、下りの通信速度を上回っていることが多い。
ドコモのBF-01Dとは逆に写真のアップロードが多い人にはうれしいだろう。
他のルーターが不得意としている横浜駅でも上りでは唯一1Mbps超えを達成している。
またURoad-SS10には常に電波強度の「強」を示すグリーンのランプが点灯しており、他のルーターと違い「WiMAXだけ」なので、つながれば「確実に高速通信(WiMAX)」というのは、速度重視の人にはありがたいだろう(他のルーターはつながっても結局3Gということがあり得る)。



日本通信の「カメレオンSIM」+「b-mobile4G WiFi2」は速度が伸び悩んだが、それでも下りは1~5Mbpsあたりを記録した。
これはドコモの回線を使っていることもあって、通信速度の傾向がBF-01Dと似ていた。
アイコンのランプが緑色ではLTE、青色では3Gだが、常に緑色を点灯していたため、LTE圏内で計測できたようだ。
電波の強度も4~5本だが、唯一渋谷駅では3本と少なかった。
それでも下りで5Mbpsを超えており、電波の強度が弱いからといって速度が遅いとも限らないようだ。
一方で上りの通信速度は1Mbpsを切ることが多く、最低値が並ぶ。
特に横浜駅では0.21Mbps台となってしまった。
もちろん通常のファイル添付のメール送信程度なら気にならないだろうが、撮影した写真をオンラインアルバムに頻繁にアップロードするといった場合には不安だろう。
このあたりもやはりドコモのBF-01Dと似た傾向となった。




高速通信のエリアはシビア、速度が遅いときはちょっと移動がオススメ

次に地域別に見ると、JR横浜駅での計測は他の地域と比べて全体的に速度が伸び悩んでいる。
特に上りでは1Mbpsを切るのが普通だ。
こうした通信環境では、イー・モバイルのGL01PはLTEアイコンが表示されていたが、アンテナは1~2本、ソフトバンクの101SIは4Gではなく、3Gのアイコンが表示されていた。
横浜駅自体は各社のLTEや4Gのエリア内だが、測定場所が地下のカフェのため、電波が入りにくかったと考えられる。
実際、同じ横浜市内でも屋外に移ってからはGL01PのLTEのアンテナ表示は3本になり、101SIは4Gのアイコンが表示された。
通信が遅く感じるときは屋外に出る、混雑している場所から離れたところに移るといったふうに、ちょっと場所を変えるだけでも効果はありそうだ。



なお、PCとスマートフォンでは測定速度に大きな差があるが、これは測定方法の違いが大きいと思われる。
例えば東京国際フォーラムでは、BF-01DのPCでの下り速度は1Mbps台、スマートフォンでは2Mbps台であり、101SIのPCでの下り速度は15~20Mbps、スマートフォンは12~14Mbpsとなっており、ルーターによってPCかスマホのどちらかが高い(あるいは低い)数値が計測されやすいようだ。
BNRスピードテストのサイト上ではスマートフォン向けの画像読込版は、PC向けのFlash版よりも速度が低下しやすいとの注意書きがあるので、表のデータからは「PCよりもスマートフォンが速い(あるいは遅い)」とは一概には言えないだろう。
また、今回は朝や夕方のラッシュ時間帯はなるべく避けて計測しているため、混雑する時間帯や人が多い場所での計測、地方でエリアの範囲が狭い場所では期待通りの速度が出ないことは十分に考えられる。
今回の結果はあくまで1つの目安として参考にしてほしい。



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