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ぼくのおねぇちゃん2












1:名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/11/19(日) 07:15:03 ID:Zd2SDJrM

「……」

マクロス・エリシオン内、ラウンジ。
平時は戦術音楽ユニット・ワルキューレやその護衛役であるΔ小隊の面々が談笑する賑やかな寛ぎの場であるが、今はひとりの少女が黙々と目の前に投影されたディスプレイに見入っているのみである。
鮮やかなライトグリーンのショートヘアに、ゾラ系由来の尖った耳を持つ少女──ワルキューレのハッキング担当こと、レイナ・プラウラーは、その特徴的な耳にイヤホンを装着し、ただひたすら画面に集中していた。

「あ、レイナさん!お疲れ様です!」

そんな彼女に、元気の良い声がかかる。ワルキューレにおいて美雲と並ぶエースボーカル、ウィンダミア出身のフレイア・ヴィオンだ。彼女がレッスン着姿なのは、午後のレッスン前に自主練を行うためだということは、真面目で熱心なその性格を知るものからしたら考えるまでもないことだろう。

「……」

「…あれ?」

そんなフレイアが首を傾げる。聞こえない距離ではないはずなのに、レイナから返事が無かったからだ。

「(あ、イヤホンしとるからかぁ)」

ここで間違っても無視された、などと考えないことが彼女の人の良さを物語っている。そしてすぐに、その優れた視力で目の前の天才ハッカーの耳が塞がれていることに気付いた。

「…フフッ」

「(あ、ちょっと笑った。なんか面白い動画でも見とるんかな)」

クールなレイナにしては珍しい、いかにも素な笑いに好奇心をそそられたフレイアは、足音を殺してこっそりとその背後に回った。

「(どれどれ…あ、ちっと音も漏れとる。頑張れば聞こえそう…)」

それは、ちょっとしたイタズラ心でもあった。フレイアにとってレイナはワルキューレで最も年齢が近いメンバーであり、打ち解けてからはある種の親近感を覚えているが故の行動。
──藪をつつけば蛇が出る。
そんな地球の故事を知る者も、それをフレイアに伝える者も、残念ながらこの場にはいなかった。
……そして。


『イキスギィ!イクイクイク…ンアッー!!』


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3:名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/11/19(日) 07:18:43 ID:Zd2SDJrM

「うぇっ!?」

──その視界には、やたらとデカい枕に頭を預けたやたらと茶色い肌の男性が咆哮する姿が。
その耳には、見た目に反して妙に甲高く汚い声が。
両者が暴風雨のごとく叩きつけられ、純朴なウィンダミア人の少女の脳を揺さぶった。

「!」

思わず漏れた驚きの声、そして気配にようやく気付いたレイナが鋭く振り向く。

「あっ!わ、わ、わぁっ!」

それに重ねて驚いたフレイアは、思わずその場に尻餅をついてしまった。そして、動画を止めたレイナに見下ろさていることに気付くのにさして時間はかからなかった。

「あ、えっと…あの…すんません!」

すぐに立ち上がると、迷わず頭を下げる。その前髪に付いたウィンダミア人特有の器官であるルンは、彼女の気持ちを反映してすっかり暗い色になってしまっている。

「つい気になっちゃって…えっと、趣味は人それぞれやと思うし!だ、誰にも言いませんから!」




4:名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/11/19(日) 07:19:25 ID:Zd2SDJrM

まくし立てるように言う。流石のフレイアでも、レイナが観ていた動画がいわゆる成人向けの、しかも男性同士のアレなものであることはすぐに理解出来た。もちろん彼女自身にとっては縁遠い代物であり、目の前のクール少女がそんなものを愛好していることも驚きであったが。

「…別に良い。怒ってないから面を上げるべし」

「へ?」

その、妙に穏やかな声で紡がれた言葉に従い恐る恐るフレイアが顔を上げると、声と同様に柔らかい表情──しかしどこか含みのあるそれを浮かべたレイナの顔があった。

「まぁまぁ、とりあえず座りたまえ」

「は、はぁ…」

促されるまま、先程までと同じ位置に座ったレイナの隣に腰掛けるフレイア。予想外の流れに困惑していることは、ルンを見ずとも表情で明らかだった。





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5:名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/11/19(日) 07:20:05 ID:scUGzGvI

またマクロスΔSS始まってる!

「これは変なモノじゃないし、エッチな目的で観てる訳でもない。純粋なオモシロ動画」

「そ、そうなんですか…?」

少なくともフレイアの目と耳には、子供は観ちゃいけないタイプのものとしか感じられなかった。当然、レイナの言い分には困惑する他ない。

「とりあえず一度観ると良い。ホラホラホラ」

「はぁ…」

普段大人しい彼女らしからぬ押しの強さに流されるまま、イヤホンを装着しディスプレイへと目を向けるフレイア。内心逃げ出したい気分であったが、仮にも盗み見をして、挙げ句一方的に偏見で物を言ってしまったのも事実だったので、真面目で優しい彼女は甘んじて状況を受け入れることにしたのだった。

「これは第一次星間戦争の前後に作られた映像。年季が入ってるけどそれも味わい深い…まぁ兎にも角にも1章から観とけよ観とけよ」

「(1章ってことはいくつかあるんかな…)」

先行きに不安を感じつつも、度胸に定評のあるフレイアは覚悟を決め、レイナの言葉の真偽を確かめる決意を決めた。





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7:名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/11/19(日) 07:21:08 ID:Zd2SDJrM

『おいゴルァ!降りろ!』

『ワン、ワン、ワン』

『こんなんじゃ商品にならねぇんだよ』

『窓際行って…シコれ』

『バイトォ!?マジでぇ!?』

『ハハァ…』

『こ↑こ↓』

『先輩!?なにしてんすか!まずいですよ!』





「なんやこれは…たまげたなぁ…」

「堕ちたな(確信)」


後日。再びマクロス・エリシオン内ラウンジ。

「あっ!レイナさん!おはよ↑ございます!」

「オッスオッス」

何も知らない者が見れば、ちょっと癖の強い挨拶をする仲良し2人…としか見えないだろうやり取りが展開される。

「今日はKMRのインタビューとAKYSのほんへを観ていく」

「ほいな!で、次はACCEEDを…?」

「そっちはまだ早い。もっと修行を積んでから」

聞く人が聞けばスリーアウトどころではない会話である。この場にそういった人間がいないのは幸か不幸か。
──が、その時。

「レイレイ~?どこ~?…あ、フレフレ!おはよー!」




9:名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/11/19(日) 07:24:57 ID:Zd2SDJrM

やってきたのはワルキューレのセクシー&メカニック担当ことマキナ・中島だ。レイナと姉妹のように仲の良い彼女であるが、得意とする分野がやや異なるためか、意外と四六時中一緒、という訳でもない。

「あ、マキナさんオッスオッス!」

「ファッ!?ちょ、フレイアそれは…」

当然のようにフレイアの口から出てしまったその挨拶。レイナが止めようとするも時既に遅し。

「あっ…(察し)」

マキナはすぐさま何かを悟ったかのような声を漏らし、直後レイナへと向き直る……いつになく満面の、それでいて凄みを感じさせる笑顔とともに。

「レイレイ?ちょーっとお話、いいかな?今すぐに、2人きりで」

「ちょ、ちょっと急用が…」

すぐさま逃走を図ろうとするも、そうは問屋が下ろさない。

「ごめんね、こっちの方が大事な用事だから。ね?」

「…ウッス」




10:名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/11/19(日) 07:25:00 ID:p37f/xvE

NaNじぇいでマクロスΔの布教はもっとやれ


さらに迫力を増した相棒の笑顔に、ついに降参する天才少女。

「ごめんねフレフレ、ちょっとレイレイを借りていくね?」

「ん、おかのした!」

「やめてくれよ…(絶望)」

さらに無意識な火に油発言…というか語録に、マキナの笑顔とレイナの絶望が深まる。
そしてフレイアが状況を理解しないままに、ワルキューレの名物コンビはドナドナのような雰囲気を纏いつつ退場していったのだった。

「2人はほんに仲良しやねぇ…ラストシーンのヤジュトオみたい」

例のアレな独り言を呟くフレイアに、新たに声をかける人物が現れる

「何やってんだお前?」

「ハヤテ!オッスオッス!」

「!?お、お前…!?」




12:名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/11/19(日) 07:27:44 ID:Zd2SDJrM

───
──

「もう!いつも言ってるでしょ!安易にホモビを広めてはいけない(戒め)って!」

「……」

別室にて。
居心地悪そうに座るレイナを腕組したマキナが見下ろしながら怒りの言葉を放つ。事情を知らない者が見れば「やんちゃな妹を叱るしっかり者の姉」にしか見えない光景であるが、実態はそこまで微笑ましいものではない…主に怒りの内容が。

「特にフレフレはピュアなんだから!クッソ汚いもので笑う文化なんか教えるのはNGだよ!」

「…でも」

あまりに常識的な指摘にうなだれていたレイナだが、ここに来て一転、攻勢に出る。

「『淫夢外交』なんて言葉もあるし…星間戦争の時のリン・ミンメイみたいに夏の字とまずうちの存在が人々を仲良くさせることに繋がるかもしれないし…そのためにも私は身近なところから布教を」





小柄な男の子がでかい女の子とH 




13:名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/11/19(日) 07:29:00 ID:Zd2SDJrM

苦し紛れに出た、関係各所からクレームが来かねないそのあらゆる意味でぶっ飛んだ言い訳は、

「は?(威圧)」

「申し訳ナイス」

「カスが効かねぇんだよ」とばかりに、あっさりと目の前の巨乳常識人にキャンセルされたのだった。不利を悟ったワルキューレ随一の頭の良いバカは、すぐさま謝罪(?)とともに撤退へと転じた。
しかし、そこへ更なる追撃が加わる。

「この前ハヤハヤを汚染した時にも言ったのに!全然反省してないじゃん!」

「それに関しては名字がちょっと淫夢っぽかったからやった。反省はしてな」

「は?(威圧)」

「センセンシャル」




14:名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/11/19(日) 07:30:21 ID:Zd2SDJrM

───
──

みらーじゅ日記

最近、ハヤテとフレイアが何やら一段と仲が良い気がする。

「まずうちさぁ…訓練飛行の許可、取ってんだけど…乗ってかない?」

「あぁ^~いいっすねぇ^~(デートみたいに)見られないんかね…?」

「ま、多少はね?」

通じあっているというかなんというか、2人の間にしか見えないものがあるような…
気になる。
いや、ハヤテがどうとかそういう話ではない。ないけど…

「(普通の会話のようだけど、微妙に違和感が…なんとなくセリフを読んでいるみたいな…)」

もしや、ふたりで映画か何かを観て、そのセリフを使って話している…とか?

「(試しに2人が言っていた言葉をネットで検索してみよう。もしかしたら何か分かるかも)」

別に同じような感じでハヤテと話したい、とかそういうのではない。ほんとに。

「(…ん?)」



「(真夏の夜の淫夢…?)」




真夏の夜の淫夢




15:名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/11/19(日) 07:34:09 ID:Zd2SDJrM

オマケ

『あ、貴方さアルトさ、さっき私たちが歌ってた時、なかなか来なかったわよね?』

「そうだよ(名曲)」

『い、いや、そんなことねぇよ…』

『聴きたいなら聞かせてあげるわよ(美声)』



「…はっ。夢かぁ…」

「…アルトくん、シェリルさん…」


オマケ終








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16:名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/11/19(日) 07:37:04 ID:Zd2SDJrM

あっそうだ(唐突)

『マクロスF(フロンティア)』『マクロスΔ(デルタ)』と日本の伝統芸能「歌舞伎」とのコラボ企画「マクロスFとΔ合わせ 京都南座歌舞伎ノ宴」が開催決定したゾ

歌舞伎発祥の地・京都の四条大橋で日本最古の歴史をもつ劇場「南座」にて、2024年1月20日(土)~2月18日(日)までコラボ企画展が開催!
歌舞伎の扮装をした早乙女アルト、シェリル・ノーム、ランカ・リーを『マクロスF』キャラクターデザインの江端里沙氏、ワルキューレ、Yami_Q_ray(ヤミキューレ)を『マクロスΔ』キャラクターデザインのまじろ氏が新たに描きおろした特別なイラストもあるんですって、すごいわね。
描きおろし歌舞伎コラボイラストは、1月20日(土)~2月18日(日)の期間、フォトスポットとして普段は客席からしか見ることができない南座の舞台や、劇場ロビーなどに各コラボ演目の歌舞伎衣裳・小道具とともに展示され、オリジナルグッズも販売するから見とけよ見とけよ~


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17:名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/11/19(日) 07:45:15 ID:YoscDF5g

マクロスΔダイマ兄貴オッスオッス!




18:名前なんか必要ねぇんだよ!:2023/11/20(月) 02:44:57 ID:d72Hq.Ms

マクロスΔはどんどんやれ


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フレイア「ワルキューレの6人でレッスンするんよ!」

ワルキューレ(マクロスΔ)ヤンデレ路線


ワルキューレ(マクロスΔ)めんどくさい路線






フレイア・ヴィオン / 雨霧MIO / FASTEST LAP




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【50%OFF】 妻のNGがなくなっていく 総集編




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https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20196/1700345703/








過ぎてしまっててすみません






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