SvYPD6s

1 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 22:28:18 ID:VibQBgzU

これは夢なのか、現実なのか。
涼しい秋の夜長、肥大した欲望は遂に危険な領域へと突入する… 




2 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 22:28:45 ID:VibQBgzU

「希、今日私の家に来ない?」

ごく自然な誘い方。
おかしい事などないはずよ。

「ええけど…亜里沙ちゃんは大丈夫なん?」

亜里沙とは、私の妹の事。
亜里沙に悪いと思ったのかしら?
とにかく気を回したがるとこは、希らしいわね。

「亜里沙、今日は友達の家に泊まりに行くらしくって」

だから、遠慮は無用。
そういうニュアンスも込めて言ったのが通じたのか、希は頷く。

「ええよ。ついでに泊まりはOK?」
「えっ!?」

正直驚いた。
これからお願いしようとした矢先だったから。

「ありゃ、だめだった?」
「い、いやいや、OKOK、もちろんOKよ!」

嬉しいのがバレないように誤魔化してみたけど…希にはお見通しみたい。

「えりち、今日は一人なんやろ?寂しくないよう、ウチがそばにいてあげる」
「ちょっ…希!」

さ、寂しくなんて…あるけど。
まあ、考えたら渡りに船よね。
話は決まったし、早速帰りましょう。
途中でクレープを買って行くのもいいかも。
こんな日なら、寄り道しても許されるわよね? 




3 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 22:29:48 ID:VibQBgzU

「うーん、結構いけるわね」
「そうやねー」
「そっちは何味?」

屋台で買ったクレープを齧りながら、ゆったりとした足取りで歩く。

「チョコバナナ。えりちのは?」
「イチゴ。ねぇ、一口交換しない?」

少し距離を詰めて。

「ええよ、どーぞ?」
「あーん…ハラショー!」

食べてから、結構大胆な事をしたのに気づいて二人とも顔が赤くなった。
なんだかテンション上がっちゃってるわね、私。

そんな他愛ないやりとりをしている内に、私の家が見えてきた。

「こ↑こ↓」 




4 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 22:31:51 ID:VibQBgzU

私の住む部屋を指差したんだけれど、緊張してか変な発音になってしまった。

「くすっ」

隣で笑う声が聞こえたけど気にしない。
私は、扉に手を掛けた。

ガチャッ…

「入って、どうぞ」

どうぞ、入ってじゃない?
言った後に思ったけど、まあいいか。

「おじゃましまーす!」

ギィー…ゴッドン!!

うひゃあっ、またやっちゃった。
この扉、手で支えないと凄い音を立てて閉まるのよね。
おっとと、気を取り直さなきゃ。

「悔い改めて」

メンバーへのセクハラを戒めながら、希を中に招き入れる。

「へっ?…ああ、うん」

曖昧な返事ね。
ちゃんとわかってるのかしら? 




5 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 22:33:50 ID:VibQBgzU

私はマンションに住んでいる。
結構高い階にあるから、中々に見晴らしも良くって気に入っているの。
でも、マンションには沢山の扉があるから、間違えない様覚えるのが大変だったわ。

誰もいない部屋にただいまをして、私達はソファーに並んで座った。

「今日は疲れたなぁ…」
「ねー、練習続きだしね…」
「そうやね…」

座って気が付いたけど、希の背中にはクレープのレシートが張り付いていたわ。
まあ、後で剥がしといてあげましょう。

「ラブライブが近いからね、仕方ないわ…lily whiteはどう?上手くやれてる?」
「そうやなぁ、今日も凛ちゃんが海未ちゃんに怒られててなぁ。あ、でも仲が悪いって訳ではないんよ?」

lily whiteは希、海未、凛のユニットだ。
そのやりとりは、はたから見たらまるで姉妹のようで。
ちょっと混ざりたいなぁ、なんて思ったりもした。
私の所属するユニットではそういう雰囲気にはならないだろうから。

「まぁ、最高のパフォーマンスができるように、頑張りましょう」
「うん」

会話が終わっちゃったわね…
頃合いかしら。

逸る気持ちを抑えて、私は切り出した。

「ねぇ、希」

「ん?」 




10 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 22:36:33 ID:VibQBgzU

落ち着いて。

「まず、うちね…」

慌てずに。

「ベランダ、あるんだけど…」

はっきりと!

「焼いてかない?」

完璧!

「ああー、ええやん!」

ハラショー! 




12 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 22:38:21 ID:4RISB0WI

ベランダで焼肉かな? 




13 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 22:40:02 ID:VibQBgzU

10月といっても、まだ暑い日が続いていた。
おまけに今日は日差しが強く、肌を焼くのには絶好。
さすがにもう蝉の声は聞こえないなぁ、と思いながら、私達は服を脱いだ。

「見られたりしないかなぁ…?」
「大丈夫でしょ…まぁ、多少はね?」

この高さなら大丈夫よ、と無理矢理納得させて、私はベランダにシートを広げた。

親しい仲とはいえ、並んで寝転がっていると緊張する。
露出が多い水着だから尚更。

「暑いわねー…」
「そうやねー」

そう言いながら希は私の方を見た。
その一挙一動の度、彼女の綺麗な肢体が揺れる。

熱いのは日差しのせい?それとも… 




16 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 22:43:32 ID:VibQBgzU

そういえば肝心なことを忘れていたわ。

「オイル塗りましょうか?」

そう、日焼けの準備である。

「塗ってくれるん?じゃあ頼もうかなー」

心の中でガッツポーズを決め、私はオイルを取り出した。 




17 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 22:45:15 ID:VibQBgzU

「希の肌、すべすべね」

そう言いながら、希の背中に手を滑らせる。

「そんなこと…えりちのほうがすごいやん」

なんてお互いに熱くなりながら、私は希を仰向けにさせた。

「触るわよ」
「ん、来て…」

なんだか扇情的なものを感じて、私は更に熱くなるのを感じた。

はっきり言って、希は豊満だ。
クオーターの私よりも大きいし、実際柔らかい。

「やっぱりすごいわね…」

なんて言いながら、私は指を滑らせ続ける。

「ちょ、えりち…」

だめ、とでも言いたげな顔は、私の劣情を煽るばかりで。

「こういうこと、どのくらいやってないの?」

私は何を聞いているのかしら?

「んん、二ヶ月くらい…」

二ヶ月?二ヶ月っていった!?

「へ、へぇー…そうなの」
「そう…って何言わせるん!お返しや~!」

希が起き上がって私を押し倒す。
その顔はさっきより赤い気がした。 




19 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 22:49:11 ID:VibQBgzU

じゃれあいに夢中になって、計画を忘れそうになっていた。

いっそ、忘れてしまえたら良かったのかも。

「ああー、喉乾いたわ…喉乾かない?」
「そういやそうやねー」

この日差しの中あんなことをしていれば当然ね。

「何か飲み物、持ってくるわね」
「ありがとー」

さあ、計画を実行に移す時が来たのよ。 


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21 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 22:51:41 ID:VibQBgzU

台所。
私はアイスティーをコップ二杯分用意し、そして…

「これで、私は希と…」

鞄から白い薬包を取り出し、片方のコップに注ぎ入れた。
そう、即効性の睡眠薬を。

サッー!

薬はみるみる溶けていく。
これなら、希が見てもわからないわ。

完成した計画の鍵を手に、私は希の待つベランダに戻った。 




23 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 22:54:56 ID:VibQBgzU

「おまたせ、アイスティーしかなかったけど、いい?」

悟られまいと、取繕うのに必死だった。
おかしいところはなかったかしら?

「ありがと、いただきまーす」

希がアイスティーを一気飲みするのを見て、私は思わず笑みをこぼした。
計画の成功を確信し、残されたもう片方のアイスティーを飲み干す。
勝利の味は、いつもより美味しく感じられた。 




25 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 23:00:24 ID:VibQBgzU

「焼けたかなぁ?」

希は起き上がり私の水着に手をかけた。

「おおっ、すごい白くなってる、はっきりわかるやん」

そう言いながら、希は日焼け跡のラインを指でなぞる。

「この辺がセクシー…いいやん!」

そんなくすぐったくも嬉しい掛け合いもつかの間。

「ありゃー、曇って来たなぁ。えりち、そろそろ中に入ろうか?」

そうね、目的も達成したしね。 




28 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 23:04:47 ID:VibQBgzU

「じゃ、入りましょ…っ」

起き上がり、私は少しふらついた。

「おっと!大丈夫?…大丈夫?」
「ええ、大丈夫よ…」

ああ、でもちょっと眠いわね…
昨日楽しみで、中々寝付けなかったから?
でも大丈夫よ、大丈夫…
ちょっと…疲れた…だけ…だから…

………………………………………… 




34 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 23:08:55 ID:VibQBgzU

…………………………………
…………………………………
…………………………………
…………………………………
…………………………………
…………………………………
…………………………………
…………………………………
…………………り……………
…えり…ち…………えりち。

「…はっ!?」 




36 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 23:12:59 ID:VibQBgzU

気が付いたら、私はベッドの上にいた。
でも、いつもとはなにかが違う。
まず、部屋に私一人じゃなかったこと。

もう一つは…枕が違ったこと。

「おはよう、えりち」
「おはよう、のぞみ…」

それは、希の膝だった。
柔らかくって、落ち着くなぁ…

「…って、え?え?…ええ!?」

はっと我に返り狼狽した。
何がどうしたんだろうか。

なんで私はベッドにいるの?
なんで希にこんなことをしてもらっているの?

動転する気持ちを鎮めようと、辺りを見回す。
そして、私は気付いてしまう。
希の手に、何かが握られているのを。

何を、持っているのかを。 




39 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 23:16:41 ID:VibQBgzU

「の、のぞっ…」

声が出ない。
なんで?なんで?なんで?
なんでそれを持ってるの?

「ん、これ?」

そう、それよ…!

「台所に置きっ放し。危ないなぁ?」

そう、それは。

「あ、あ、ああっ…」

睡眠薬の包装だった。

なんで私が寝ていたのか。
なんで私にそれを見せたか。
なんで、そんな顔をするのか。

私はようやく理解した。

同時に何かが、崩れ落ちる音が聞こえた。

ああ、そうか。

私は、コップを間違えたんだなーーー 




40 :アイカツおじさん:2014/10/20(月) 23:21:03 ID:???

まさかのポンコツチカ 




41 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 23:24:45 ID:VibQBgzU

「…一応、聞いとくけど」

うなだれる私に、希は問いかける。

「なんで、こんなことをしたん?」

当然の質問よね。
あろうことか、親友に睡眠薬を盛ったのだから。
笑い事ではなく、普通に犯罪行為。

「そして、何をしようとしたん?」

わかってるはずでしょう…
わざとらしく聞いてきて。

「そ、それはーー」
「それは?」

もう、逃げ場がない。
そもそもそんなもの、最初から。

「わ、わたしは…希を」
「…ウチを?」

わたしは、希をーー 




45 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 23:30:14 ID:VibQBgzU

終わった。

もうおしまいだ。

これから、どうしよう。

そうだ、ここを離れよう。

どこか、どこか遠くに。

誰も私を、知らない場所に。

私はもう、此処には居られない…

うふ、うふふ…あはは。 




47 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 23:34:53 ID:VibQBgzU

「えりち!」

前を見る気力すら失くし俯く私の耳に、希の声が大きく響く。
それは、珍しくも強い口調で。

「なぁ、ウチの目を見て?」

希…?

「やっぱりえりちは手がかかる人や」

え…?

「こんな回りくどいことをしちゃってさ」

だって…

「なんで直接言ってくれないん?」

それは…

「こんなことしなくたってウチは…」

そんな、うそよ…

「ウチだってえりちのこと…」

うそだわ…!

「ねぇ、えりちはどうしたいの?」

お願い…

「貴女の、本当に言いたいことは?」

やめてよ…

「本当に、やりたいことは?」

やめて!! 




48 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 23:35:25 ID:VibQBgzU

「希のことが好きだったのよ!!」 




52 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 23:40:35 ID:VibQBgzU

「え、えりち…?」

…ないじゃない。

「えっ?」

しょうがないじゃない!!

「!」

私だって、素直になって気持ちを伝えて!!

「………」

それで全てが上手くいくんならそうしたかったわよ!!

「えりち…」

自分が不器用なのはわかってる、でも…

「でも…?」


叶わない想いかもしれないのに。
確信なんて、持てなかったのに。

それで、あんなことをしでかしたのよ?

…それなのに。

今更、希が好きなんて。
付き合って欲しいなんて。

私が言えると思う…? 




54 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 23:46:27 ID:VibQBgzU

「はぁっ、はぁっ…」

私は、何を言ってるんだろう。
こんなの、ただの逆ギレじゃない。

希は今、どんな顔をしているのかしら。

涙で前がよく見えないわ。

でも、もういいか。

言いたいことは全部言えたし。

もう、おしまいにしても… 




55 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 23:49:43 ID:VibQBgzU

「………はあーっ」

何故か大きな溜息が聞こえる。

…………ぎゅっ 




56 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 23:50:26 ID:VibQBgzU

「………」

なんでだろう…私、希に抱きしめられてるの?

「ウチもな、不安だった」

えっ…?

「ウチとえりちは、親友だったから」

希…?

「でも、それ以上にはなれないのかなぁとも思ってたけど」

……

「やっぱり、この感情はいけないものだと押し込めてた」

…!

「こんな気持ちをしてるのは、ウチの方だけだろうから…なんて考えてたんよ?」

そ、それって…

「なぁに、はっきり言って欲しいん?」

ええ…お、お願い。

「ふふ…じゃあ、耳貸して?」 




57 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 23:51:01 ID:VibQBgzU

「えりちのことが好きだったんよ」 




61 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/20(月) 23:58:29 ID:VibQBgzU

「…!!」

そう囁いて、希は軽く微笑んだ…ように見えた。
その微笑は、優しくも儚さを感じるような気がして。
なんだか、指で触れるだけでも壊れてしまいそうな程に。

「う、うそ…」

うそじゃないよ。

「同情してるの…?」

そんなんやない。

「ほ、本当、に…?」

……………うん。 




62 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/21(火) 00:02:30 ID:Joginzp2

私は、希を、希は、私を?

一体どうしてしまったのだろう。

体が熱い。

今迄にない程に。

希が私の顔を上げた。

今度は目を合わせることができて。

お互い目は潤み、頬も赤く紅く。

希が私の髪を撫でる。

その手で、私の顔を引き寄せーー 




63 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/21(火) 00:02:54 ID:Joginzp2

ーーーーーーーーーーーーーーー 




64 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/21(火) 00:06:35 ID:Joginzp2

ーー大分時間が経っていたみたい。

普段ならもう寝ている時間?

でも、まだまだ止まれなかった。

絡め合う指先。
密着する柔肌。
貪るように重ねる唇。

舌を啜り上げて、溶け合ってしまう程に。

私達は、互いを確かめ合う。 


 

66 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/21(火) 00:09:39 ID:Joginzp2

のぞみ、のぞみ。

私は必死に彼女を求めた。

それはもう、縋るかのように。

希も、私を求めてくれるの?

この想いは、いけないものではなかったの?

希の全てが欲しかった。

ずっとこうしたかったのに。

ついにそれができてるのに。

私の心に重しがかかるの。

罪悪感という、耐え難い重しが。

だから、私は求め続ける。

指を滑らせ、舌も這わせて。

逃がさないと言わんばかりに、脚も絡めて。

そんな私の手を、貴女は握ってくれるから。

私は、もっと強く激しく。

この重しに潰されないように。

振り払おうとするかの如く。

貴女を、求めるの。 




67 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/21(火) 00:10:17 ID:Joginzp2

ーーーーーーーーーーーーーーー 




68 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/21(火) 00:16:59 ID:Joginzp2

ーーどのぐらい経ったのだろう?

私達はベッドで横になっていた。

「もう、こんな時間?」
「ありゃ、結構経ってるなぁ」

そういえば今日は平日、明日も学校。
授業に練習、予定は山積みだ。

「もう、身体中べとべとね…」
「そうやなぁ…シャワー浴びんとね」

篭りきった室内で、私達はくすくす笑った。

「ねぇ、希」
「んー?」
「…怒って、ないの?」
「…ああ」

あんなことの後でも、聞かずにはいられなかった。
そうしないと、気が済まなかったから。

「…怒ってるよ」
「!…そう、よね」

当たり前の返答でしょうに。
わかってはいても、胸にくるものがあるわ。

「…だからね、えりち」
「…なあに?」

希は私を引き寄せて、顔を近づけてきた。

「の、希…?」

堪らず私は目を閉じて、歯を食いしばった。

…が。

「…えいっ」

…っ?! 




69 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/21(火) 00:17:58 ID:Joginzp2

「ふひゃあっ、の、のじょみ!?…いひゃいいひゃい!!」

引っ張られた頬に、結構な痛みが走る。

「…ふぅっ」
「はぁー、はぁー…な、なんなのよ!?」

突然のことに私は詰め寄るが、希はくすくす笑っていた。

「…これで、チャラや」
「…え?」
「今回はこれで許したげる。でも…」
「でも…?」
「…くすっ」
「のぞーーむぐっ!?」 




70 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/21(火) 00:20:39 ID:Joginzp2

「ん、んぐ…じゅるっ」
「むぅ、うもう…んぐっ」

苦しい、熱い。
でも、なんだろう…心地いい。

十、二十、三十…駄目だ、止まらない。

「……ふぅー」

時間の感覚がなくなる頃に、ようやく私は呼吸を許された。

「…ぷはぁっ…はぁっ、はぁっ…」

の、希…何を…?

「…すき」

え?

「次からは、ちゃんと言って欲しいなぁ」

そ、それって…

「もちろん、えりちの方からね」

あ、ああ…っ

「待っててあげる、ずっと、ずっと」

うん…うん…!

「だから…ね?」

希…私、私は…

「ん?」

…ごめん、なさい。

「んー、ウチが欲しい言葉は違うよ?」

…もう、かなわないわね。

「ほら、えりち?」

…ありがとう。

くしゃくしゃの顔でも。

掠れきった声でも。

私は、ちゃんと言えてたかしら。

希に、ちゃんと届いたのかな?

私も、大好きよ…って。 




72 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/21(火) 00:30:11 ID:Joginzp2

ーー数日後ーー 




73 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/21(火) 00:32:47 ID:Joginzp2

「ーーってことがあったんよ」
「は、ははは破廉恥です!!」
「お、大人の世界だにゃー…」

ユニット練習の休憩中、談笑する三人。

「いややなぁ、海未ちゃん。海未ちゃんだって、いずれはあの子と…」
「え、海未ちゃんもなの…!?」
「わ、私は関係ないでしょう!?」

わいわいがやがや。
三人しかいないのに、なんだかとても明るく賑やかで。

「んー、やっぱりそれっぽいかも、ウチら」
「はい?」
「なにがなにが?」

くすくす。

「ウチら、なんだか姉妹みたいやって言われたんよ。でも、それもアリかなぁって」
「の、希がお姉さんですか…?」
「凛は二人がお姉ちゃんだったら、すっごく嬉しいにゃー!」

えりち、混ざりたいって言ってたもんなぁ。
えりちが混ざったら、どのポジションなんやろな。
長女?次女?それとも…?

「あっ、そうだにゃ!」
「なあに、凛ちゃん?」

急に凛ちゃんが何か思い出したように立ち上がった。

「この辺に、美味しいラーメン屋の屋台が来てるらしいんだにゃー!」

ああー、凛ちゃんらしいなぁ。

「ええやん、行こう行こう。海未ちゃんも行くよね?」
「たまにはいいかもしれませんね、お供しますよ」
「じゃあ、練習が終わったら行っくにゃー!」

帰りにラーメン食べるなら、晩御飯はいらないかな?

…そうだ。

「なあなあ、えりちも呼んでええ?」
「もっちろん!みんなで食べる方が美味しいもんね!」
「いいですね、先程の馴れ初めの話、絵里にも聞きたいところですし」

よし、決まりやね。

えりちは質問責めに遭うだろうなぁ。

…くすくす。

おーい、えりちー!

~練習後、四姉妹は美味しいラーメンを食べて終了~ 




74 :アイカツおじさん:2014/10/21(火) 00:45:35 ID:???

ステキな文章でした。
絢瀬絵里さん、おめでとうございます 




75 :チーズケーキ鍋:2014/10/21(火) 01:03:51 ID:???

あら^~
誕生日おめでとナス!


9S8JaUO




79 :百合厨:2014/10/21(火) 02:06:46 ID:???

q1ZPbdy


JD8W4Th




80 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/21(火) 02:49:29 ID:83emcw32

良い話だぁ…(感動) 




81 :名前なんか必要ねぇんだよ!:2014/10/21(火) 07:52:15 ID:qHDirqWo

面白かったねー☆ 




77 :チーズケーキ鍋:2014/10/21(火) 01:09:13 ID:???

淫夢も工夫すれば綺麗になるということを示してくれた 






http://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/storage/1413811698.html







オーソドックスな展開と思わせてからの一転攻勢ですね






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