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1: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/20(水) 21:28:02 ID:ddSGeEjA

モバマス新アイドル砂塚あきらちゃんのSSです。

ちょっと長いです。


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寝取られ異世界転移『変わっていく彼女をブラウザで見ていることしかできない』




3: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/20(水) 21:30:00 ID:ddSGeEjA


手前味噌ながら、自分は手のかからない子だと思う。
気がつけばスマホに3ツも入れてしまった予定管理アプリはバッチリスケジュールを教えてくれるし、レッスンは会心とまで行かずともソツなくこなせる。
中でも自由時間は大得意だった。
この事務所にはヒマさえあればPサンを探している子も多くいるけど、自分は一人遊びで何時間でも潰せてしまう。
自撮り、ドン勝、ドン勝、自撮り———気がつくと次のレッスンの時間。
そんな風に、"ソコソコ楽しい"アイドルの卵としての日々を過ごしていた。

「砂塚さん。大事なお話があります。どうぞ、応接室へ」

ある朝、Pサンに呼び止められた。
いつもの真面目さをさらに40%くらい増量した顔つきに少したじろぐ。
やば、ついに配信NGになっちゃうかな。
YouTubeの視聴者たちは自分にとって特別な存在だったから、出来ればアイドルとしてのデビューを報告してから引退したかったんだけど。
そんな無念と僅かな不満は、結論から言えばまったくの的外れだった。




4: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/20(水) 21:32:37 ID:ddSGeEjA


「最近は、いかがですか?日々レッスンという環境にも慣れてきたでしょうか」

「そーデスね。先週くらいからやっとPC点けっぱで寝落ちすることがなくなったかな」

「…それは何よりです」

苦笑交じりに返される。
本当は昨日もザ・リーパーが踊り狂う画面の前で眠りこけてしまっていたのだけど、これくらいは話を盛っても許される範囲だろう。

「それならば安心して本題に移れます。砂塚さん、貴女のデビューが決まりました」

…は?

「………は?」

口にも出てしまった。

「最初の仕事はファッションモデルになるかと思います。幸いなことに先方は砂塚さんのインスタグラムをご存知だったそうで、話もスムーズに進みました」

「あ、そ、そう…いや、ちょっと待って!!」

「は、はい」

ガラにもなく大声を出してしまい、顔が熱を帯びてくるのを感じる。
いくらなんでも、唐突すぎる。

「自分、まだ表情の作り方しかレッスン終わってないデスけど」

「存じております。ですから、暫くはファッションモデルです」

「ファッションモデルって…そんなカンタンに出来ることじゃないでしょ」

「もちろん、最初から完璧にこなすのは無理でしょう。私も当然同行させていただきますが…うまく行かなくとも、それもまた貴重な経験になります」

「……」

オトナの正論で逃げ道を塞がれる。
いつかは通らなければならない関門で、だったら早く終わらせてしまうべきで。
アタマでは理解できても、臆病な自分は必死に言い訳を探していた。

「…砂塚さん。途中でもう無理だと仰れば、すぐに中止します。予備日を確保するよう話は通してありますし、それでも駄目ならば代役を立てられるようにします。ですが、一歩を踏み出すのは貴女の意志でなければなりません」

「一歩を、踏み出す…」

「私も全力でサポートします。新しい世界に、足を踏み込んでみませんか」

コワモテにちっとも似合わない、歯の浮くような口説き文句。
そんな言葉に絆されてしまう自分はきっとチョロい女なんだろう。




5: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/20(水) 21:34:27 ID:ddSGeEjA


スタジオにカメラマンさんの声が響く。
あんなに怖気ついていた撮影も、始まってしまえば案外スムーズに進んだ。
何より撮る方もプロなので被写体のノせ方を熟知している。
レッスン通り、ソツなく要求をこなせていた。
だから、休憩時間に入ると同時に難しい顔をしたPサンがカメラマンさんと話し込みだした時にはずいぶん動揺してしまった。

うまくやれていたつもりだったけど。
プロの目からすればてんでダメだった、のかな。
5.8インチの液晶画面が映し出すトレンドワードの波も、今ばかりは思考の外を上滑りしていった。




6: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/20(水) 21:36:27 ID:ddSGeEjA


「———砂塚さん。午後の撮影ですが、衣装を変えましょう」

Pサンは腕に服を提げながら戻ってきた。
今着せられているオレンジのペイズリープリントが入ったカシュクールよりもずいぶん落ち着いたデザインに見える。

「着替え、デスか」

「はい。こちらで見繕ったコーディネートで申し訳ありませんが…」

「ううん。じゃ、着替えてくる」

そろそろ代役にバトンタッチです、と言われなかったことに一先ず安心しつつ控え室で衣装を替える。
メインはネイビーのニットツーピースらしい。
ヘソ出しルックでノースリーブと、だいぶ攻めっ気の強いファッションだ。
それに合わせるのは白のトレンチコート。
左手の袖にピンクのリボンがあしらってあり、ワンポイントとして強烈に印象づけられていた。
おまけに、ニットと同じネイビーカラーのベレー帽がコーデにぐっと今ドキ感を与えてくれている。

「…これ、ほんとにあの人が選んだの?」

思わずそんな失礼な感想が出てしまった。
実際に着てみるとその疑問はより深くなって、ただ一方でそんなことはどうでもいいと思えるほど…最高のコーデだと、心から思った。

「Pサン、Pサン!」

ばたばたと控え室から飛び出してPサンの元に駆け寄る。
意外すぎるファッションセンスを秘めた仕掛人は手帳に落としていた目線をこちらに向け一瞥すると、手応えを感じたように深く頷いた。

「よくお似合いです」

「いいね、この服!めっちゃ映える!Pサン、自分に合うファッションも押さえてるんデスね。さすが、プロデューサー!」

感情の昂ぶりに任せて言葉をまくしたてる。
今は少しくらい失礼な口調になってしまっても構わない。
自分の感じたままを伝えたかった。
Pサンは微笑みながら、小娘の上から目線な賞賛を受け止めてくれた。




7: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/20(水) 21:37:45 ID:ddSGeEjA


午後の撮影は今までにないほど充実していて、心から楽しいと思える時間だった。
この服の良さを知ってほしい。
ついでに自分の良さもちょっとだけ。
そんな気持ちを込めて笑顔を作ったり、真顔ですましてみたり。
カメラマンさんにもそんな熱が伝わってしまったのか、終わる頃にはすっかり日が暮れていた。

「控え室で荷物を整理していてください。挨拶回りを終えたら声をかけますので」

「りょーかいデス」

Pサンの背中を見送ってから控え室に入ると、一気にどっと疲れが込み上げてきた。
アドレナリン切れちゃったか。
それでも興奮は収まりきっておらず、次はどんな衣装を着せてもらえるのか、どんな仕事をさせてもらえるのか、そんな妄想を次々膨らませてしまう。

「#まさかのファッションセンス #一同驚愕…っと」

身内用のアカウントにだけ投稿を済ませてスマホを机に置く。
結構な数の関係者サンが同席していたし、Pサンの挨拶行脚はもう少し時間がかかるだろう。
それでもこの時間でちょっと1戦、という気分にはならなかった。

「…Pサン、まだかな」

ドアに目を向けながらこぼれた一言は完全に無意識だった。
それが自分の声だと自覚した途端、ぼっと火が出るような熱さを顔に感じる。
こんなの、全然自分らしくない。
これじゃまるで———。

「砂塚さん、用意はお済みですか?」

ノックの音とPサンの声が意識を現実に引き戻す。
どれだけの時間、悶えていたのだろう。
まだ顔は熱を持ったままで、とてもPサンには見せられない。

「ま、待って!もう少し!」

声が上ずる。
まったく、何でこんな。

たった1日ですっかり、自由時間が苦手になってしまったらしい。




8: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/20(水) 21:40:25 ID:ddSGeEjA

終わりデス。

台詞のサンプルが増えたらもっとあきらちゃんが喋るSSが書きたいデス。





清純そうな巨乳の子たちと援●できると思ったらとてつもない淫乱J●で精液からっぽになるまで搾り取られた話




9: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/20(水) 21:46:46 ID:y5WO7UAc

いい……




11: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/20(水) 22:02:10 ID:/V1OQCVU

ええぞ!ええぞ!




12: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/20(水) 22:04:29 ID:TXFzhflM

女の子主観+地の文ありのSSすき

結構いい場面描写してるけど、何かトレーニングでもやってるの?




14: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/20(水) 22:16:03 ID:IVddBbwg

かわいい




16: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/21(木) 00:51:51 ID:W/QYsOug

気持ちいいぞあきら こんな心地いいのは初めてだ


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砂塚あきら人気-min




18: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/03/06(水) 21:08:29 ID:vT6AfSis

新しく建てようかなと思ったんですがせっかく残ってるのでこちらに投下します
例によって書き溜めあるので短時間でドバーッと出して終わります




【期間限定30% OFF】黒猫娘のエッチな恩返し~ケモミミお姉さんは好きですか?~




19: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/03/06(水) 21:09:04 ID:vT6AfSis


#今日のあきら #悩み多し #迷走Mind

「はぁ…」

マスク越しに口から漏れた大きなため息は、季節外れの寒さに彩られて空気を白く染め上げていく。
自分は元々悩み事の多いタイプではない。
あるとすれば、精々が当日のコーデに関することとかバイト代で何を買うかとか、まあ日常の延長線の域を出ない月並みなものばかりだった。
そんな平穏が唐突にぶち破られたのは2ヶ月ほど前のこと。
名刺片手にひょっこりと(なんて擬音が似合う体格じゃないけど)現れた魔法使いが紡ぎ出すカボチャの口車に乗せられて、あれよあれよという間にシンデレラへの道のりを歩むことになってしまった。

今のところ仕事自体は嫌いじゃない。
むしろ、憧れの的だった元読者モデルと肩を並べて流行の最先端を走るコーデを着てお金までもらえるなんて役得すぎてバチが当たりそうだ。
ただ、アイドルである以上当然モデル業だけではダメなわけで。
仕事で経験が得られるからと大幅に減らされたビジュアルレッスンの時間がそっくりそのままボーカル・ダンスレッスンに充てられ、それがまたちっとも上手くいかない。
換声点は消えないし、ツーステップすら踏めやしない。
これが悩み事の1だった。

そんな具合に「アイドルならでは」の悩みが随分増えていた。
撮影が早く終わった日には城ヶ崎サンや佐久間サンに指導してもらったり、レッスンが一緒になった日には辻野サンや夢見サンに話を聞いてもらったりとか細い人脈をフル活用するものの、1つの悩みの解決よりも早く2つの悩みが湧いてくる。
自分、要領悪いのかな…なんて、これもまた悩みだ。

———そして、目下最大の悩み事は。

(…今日もレッスンついてほしいなんて言ったら嫌われるかな)

すっかり"Pサン依存症"に罹ってしまった自分自身だった。


——




20: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/03/06(水) 21:09:43 ID:vT6AfSis


失礼な言い方かもしれないけど、Pサンはその見た目からはとても想像できないほどファッションに詳しい。
一度その知識の源を尋ねてみた時には、職業病というヤツです、と言って自虐的な笑みを浮かべていた。
男のヒトが女性向けのファッションやコスメに詳しいのは当人からすればモヤっとする部分なのかもしれない。
でも、服屋顔負けの知識量と男性目線の価値観、そしてプロデューサーとして培ってきたコーディネートのセンスを兼ね備えたPサンは、自分にとっては話相手としてこの上ない存在だった。
そうして、気がつくと…。

「Pサン、アヴィレックスの新作見た?カーキのやつ」
「Pサン、明日の撮影に持ってくバッグなんだけど」
「Pサン、パーカー良さげなのないかな。白系」
「Pサン、FPSとかやらないんデスか?」

…この通り、すっかり"暇さえあればPサンを探す子たち"の仲間入りを果たしてしまった。
最初のうちは意識的に話題をファッションに限定して、あくまで仕事の一環だからと自分自身に言い訳をしたりもしていた、のだけど。
今ではそんな姑息な予防線もすっかりかき消えてしまっている。
…2070と2080どっちを買うべきかなんて相談もしたっけ。
Pサンはグラボのことなんて分かりっこないと知ってるくせに。
我が事ながら面倒臭い構ってちゃんのテンプレだ。
それでも、Pサンはどんなに下らない、門外漢の話題であっても真摯に付き合ってくれたから。
多くの先駆者たちに倣うようにして、その優しさに最大限甘えきってしまうのだった。


——




21: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/03/06(水) 21:10:14 ID:vT6AfSis


「Pサン、今日もレッスン見てほしいんだけど…いい?」

結局誘惑を振り切れなかった自分を恥じつつ、PCに向かう大きな背中に声を掛ける。
Pサンは椅子を回して振り向くと、一言断ってから胸元から取り出したスマホを操作し始めた。
なんでもPサンは随分多くのアイドルのプロデュースを一手に受け持っているらしい。
正確な数は知らないけれど、少なくともヒトひとり分の記憶容量やA5判のシステム手帳に書ききれるようなスケジュールではないのだろう。
一人で行くことになってもレッスンに手を抜くようなことはしない(というか青木サンが許さない)けど、来てくれた日はいつもより上手く出来る、気がする。
そんな風に無際限に考えを広げていると、視界の端でPサンが顔を上げるのが見えた。

「ええ、構いませんよ。少し遅れてしまいますが…16時までには必ず向かいます」

思わず歓喜に声を上げそうになるのを必死に堪える。
別にクールぶりたいわけじゃないけど、ここで大げさにはしゃいだりするのは良くない。
………何が良くないんだか。

「はいはーい。そんな畏まらなくても、忙しいなら遅れて来てもいいデスよ」

来なくても、とは冗談でも言えないけど。

「いえ。担当アイドルとの約束ですから」

Pサンには、冗談なんて通じそうにないから。


——




22: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/03/06(水) 21:10:45 ID:vT6AfSis


「お疲れ様でした」

自分の壊滅的なダンスの才能を噛み締めさせられる長い時間もようやく終わって、程よく冷やされたスポーツドリンクが差し出される。
なんとか感謝の一言を絞り出してその場に倒れ込むと、ひやりとした床の感触が思いの外気持ち良かった。

「すこし席を外します。10分程度で戻りますので、青木さんと本日の反省点について話しておいてください」

「…ん、わかった…」

うつ伏せのままひらひらと手首から先だけを動かして別れを告げる。
バタンと戸の閉まる音を聞いてから、尺取り虫のように身体を折ってなんとか座り込む体勢まで戻すことに成功した。

「お疲れ様。今日はキツかったろう、砂塚」

青木サンは愉快そうに頰を緩ませながら口火を切った。
今ばかりはその笑顔が少し恨めしい。

「…ハイ…でも、やっとターンが、出来たんで」

「うむ。まあ時間はかかったが、お前には確かな向上心があるからな。一歩ずつ上手くなっていけばいいさ」

「…どーもデス」

タオルに顔を埋めつつ、素っ気ない言い方で照れ臭さを誤魔化す。
悟り世代にこういうストレートな褒め言葉をかけられても、恥ずかしさの方が勝ってしまう。
嬉しくなくはないんだけど。

「しかし正直な所、今日のレッスンをやり通せるとは思っていなかったよ」

「ハイ?」

「白状するが今回のメニューはギブアップを前提とした組み方だ。日野や木場が普段こなしているようなヤツだな」

「………」

「はは、そう睨むな。こんな無茶をさせるのは今回だけだ。明日はオフにするからゆっくり休むといい」

あっけらかんと言い放つ青木サンの様子を見ていると、理不尽に感じる気持ちはどこかへ霧散して、上手く言いくるめられたなぁと賞賛の念すら抱いてしまう。
なんだか346プロに来てからこんなことばっかりのような気もするけど。
自分の性格のチョロさとこの事務所のヒトたちの口達者さと、どちらが原因かは現在鋭意調査中だ。


——




23: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/03/06(水) 21:11:18 ID:vT6AfSis


「それに、何の意味もなくお前をイジめた訳じゃない。今日でようやく確信が持てたよ」

話が終わったと思って飲み物を口に含んでいると、青木サンは不意に真面目な顔になって言葉を続けた。
ならばと姿勢を正そうとするも手で制される。

「お前は観客がいてこそ輝くタイプの人間だ。趣味の自撮りで自然と鍛えられたのだろうな、『カッコつけ』が実に上手い」

「…褒めてるんデスよね、それ」

「これ以上ないほどにな。さっきのレッスン、あのハードなメニューをやりおおせたのはプロデューサー殿にカッコ悪い所を見せたくなかったからだろう?」

ドキリ、と心臓が跳ねる。
シューズが床を踏む感覚すらあやふやになっていた疲労困憊の中で、頭に浮かぶのは"Pサンが見てる"のただ一つだけだった。
Pサンが見てるなら、やれる。
やってやろう。
でもまさかそれを勘付かれるなんて思わなかった。
プロの目は、やっぱりスゴい。

「その感覚は非常に重要だ。誰かが自分を見ている、だからみっともないことは出来ない。ステージに立った時、自分の身体を動かしてくれるのは経験とメンタリティだ。だからこそそういう考え方が出来るアイドルは大成する」

…なるほど。
薄っぺらなカッコつけグセも予想外のところで役に立ってくれたらしい。

「あれ?でも…」

「ん?どうした、砂塚」

「………あ。い、いえ、なんでもないデス」

「? そうか」

うっかり声が漏れてしまったのは、青木サンの見解に反する事実に気がついたから。
確かに今日のレッスンは、冷静になって考え直してみるととても自分ひとりでこなせるものじゃなかっただろう。
でも、ひとりの時でも青木サンには見られている。
青木サンにはいつも見られてるから?
じゃあ、後ろに立っているのが辻野サンや夢見サンだったら。
佐久間サンや城ヶ崎サンだったとしても。
極端な話、密着ドキュメンタリーのカメラクルーが立っていて、自分の姿が全国のお茶の間に放送されることがわかっていたとしても。
間違いなく今回のメニューをこなすのは無理だったと思う。
それが今日に限って出来てしまった、その理由は単純明快で。

「お待たせしました。砂塚さん、本日のレッスンはいかがでしたか?」

「…へへ。サイコー、だったよ!Pサン!」

「それは何よりです。…とても良い笑顔ですが…何か、嬉しいことでも?」

不可能を可能にしてくれるのは、いつだって魔法使いの役目なのだ。


——




24: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/03/06(水) 21:12:37 ID:vT6AfSis

おわり

総選挙はたぶん来月くらいだと思います
担当のついでにでも砂塚あきらに1票入れてくれたら嬉しいデス




25: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/03/06(水) 21:14:50 ID:3RqM4BcM

あきらすき




26: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/03/06(水) 21:15:13 ID:VbziSmNs

りあむもまとめられたしあきらもまとめられろ


結構声楽やファッションに詳しいけどアイドルのプロデュースでもしてたのかな?




ゆりのお財布にしてあげますね、先輩♪




31: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/03/07(木) 00:28:51 ID:wFbBLAg.


P「私はお前が欲しいのだよ あきら」


1: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/22(金) 23:18:38 ID:.md0oWrs

モバマスの新アイドル砂塚あきらちゃんのSSデス。
あきら視点、地の文多めでセリフ少なめ。
Pのセリフがちょっと多いかもデス。

(さっさとSR実装と台本形式で書けるくらいのセリフサンプルを)乞うすか?

——


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あまえんぼ




2: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/22(金) 23:21:11 ID:.md0oWrs


激痛。
つんと眉間に押し寄せる痛みの波をなんとか堪えつつ、暗闇の中で現状の把握に努める。
…ここは、自分の部屋だ。
視線の先には買ったきり一度も使っていないAK-47モデルガンの輪郭もぼんやりと確認できる。
次いで掌のひやりとした感触に意識が向かう。
…ベッドから落ちたのか。
アニメやマンガじゃあるまいし…。

そこで、自分を寝床から滑落せしめた衝撃のことをハッキリと思い出した。
幅広の外套を身に纏ったPサンが、自分を真っ直ぐに見据えて。

——お前が欲しいのだよ

「~~~~~!!!!!」

声にならない呻きを上げフローリングの上を転がる。
僅かに残った理性が全力で堰き止めているものの、羞恥に塗り潰された本能は今にも叫び出してしまいそうだった。
嘘だ。
あの妄想を自分の脳が作り上げたとは信じたくない。
心臓が張り裂けそうなほど早鐘を打ち、頰は灼かれるように熱い。
穴があったら入りたい。

「…めっちゃやむんご…」

同期2人のチカラを借りてなんとか言葉を発し、火照る身体を掛け布団に滑り込ませる。
その日は結局一睡も出来なかった。




3: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/22(金) 23:24:35 ID:.md0oWrs


「…はよァーッス…」

眠気のあまり挨拶を新開発してしまう。
肌は荒れ放題だし、目尻のクマはいくら足掻いても消せなかったし、手足が思うように動かないし、徹夜なんてするもんじゃない。
這うようにしてソファに倒れこみ、大きな欠伸をひとつしたところで横から向けられる怯え交じりの目線に初めて気がついた。

「あー…ごめん、昨日夜遅くて…眠いんだよね」

「そ、そうなんだ…あんまり無理しちゃダメだよ?あっ、コーヒー淹れてあげるんご!お砂糖とミルクは?」

辻野サンはほっとしたように頬を緩めて気遣いの言葉をかけてくれる。
今日はレッスンのみの日とはいえ、トレーナーの青木サンを怒らせるのも嫌だったので素直に優しさに甘えることにした。

「…ブラックでいいデス」

「わ、大人んご…すぐ淹れてくるね!待っててっ!」

軽やかな足取りで給湯室へ向かう背中を見ていると、そこに天使の翼が生えていないのが不思議に思えてくる。
夢見サンや自分に比べてあまりにも純粋培養な女の子。
悪いオトナに捕まらないよう、自分が守護らねば…。
…いや、何考えてるんだろう。
ダメだ、今日はなるべく無心で過ごそう…。

コーヒーを飲み終えて一息つくと、少しだけ思考力が回復してきたのを実感できた。
相変わらず足元がフワフワする妙な感覚には慣れないけど、これならなんとかレッスンも乗り切れそうだ。

「そんなに遅くまでゲームしてたの?程々にしなきゃダメだよ、ゲーム依存症は命に関わるってニュースでもやってたんご!」

「いやいや、女子寮11時にネット止まっちゃうし…そもそも昨日はゲームじゃないデスよ」

「へ?じゃあ何してたの?」

…しまった。

「あーいや、そうそう、ゲームゲーム」

「もう~、やっぱり!夜はゆっくり眠らなきゃダメんご!」

自分の下手な嘘をアッサリ信じ込むどころか、体調を気にかけまでしてくれる辻野サン。
良心の呵責に潰されそうになる。
とはいえ、あんな話できっこないし…。

「おはようございます」

びくんと身体が跳ね上がる。
そりゃ、1度も会わずに1日を終えるなんてムリだとは思ってたけど。




4: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/22(金) 23:25:28 ID:.md0oWrs


「おはようございますっ!プロデューサーさん、今日も1日よろしくお願いします!」

「はい、こちらこそ。砂塚さんも………砂塚さん?」

「えっ!?あっ、おっおはようござみ…ま、す」

#噛んだ #帰りたい #めっちゃやむ

舌の痛みとか盛大に噛んだことの恥ずかしさとかさっきまでの良心の呵責の残りとか、そんな色々な感情がないまぜになって、トドメに"夢"のことを思い出す。
呆気にとられたように瞬きを繰り返す目の前のPサンは、間違ってもあんな安いホラー漫画の小悪党みたいな台詞は吐かないだろう。
そうやってまた思考がごちゃごちゃと絡み合っていって、混乱に呼応するように視界がぐるぐると回りだした。
初めて聞くPサンの大きな声と、辻野サンの悲鳴。
意識を失う前の記憶はそこで途切れている。

「ん…」

「———砂塚さん!気がつかれましたか」

「へ?あ、Pサン…えっと、自分…」

僅かに痛む側頭部を押さえながらあたりを見回すと、どうやら自分が医務室のベッドに横たえられていて、その脇に据えられた丸椅子にPサンが腰掛けていることがわかった。
そこでふと気がついて室内の時計を探す。
ベッドサイドの小さなテーブルに無骨なデジタル時計が載っていた。
液晶が示す時間はすっかりレッスンの開始時刻をオーバーしていた。

「っ———ごめんなさい、Pサン。すぐ準備するから」

「いえ、その必要はありません。本日のレッスンはお休みをいただきました」

「え、お休みって…そんな、そんなの、だめデスよ。自分なら心配いらないから、急いで」

「砂塚さん」

Pサンは努めて穏やかな声で呼びかけたつもりだろうけど、参り切った精神にあのコワモテと狼狽含みの強い口調が合わさると予想以上に恐怖を感じた。
こちらを真っ直ぐに見据えるPサンに目を合わせられず、口を閉じて俯いてしまう。
そうして訪れるであろうお説教を大人しく待つことにした。




5: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/22(金) 23:26:52 ID:.md0oWrs


「…砂塚さん。体調の方は大丈夫ですか?」

「…ハイ」

「それは良かったです。…今回の件は、無理なスケジュールを組んでしまった私の責任です。申し訳ありません」

怒られ、呆れられることを覚悟していた自分の耳に届いたのは、まったく予想外の謝罪だった。
目を見開いて顔を上げPサンを見ると、額が膝につこうかというくらいに深々と頭を下げていた。

「ちょっ…や、やめてPサン!悪いのは夜更かしした自分だよ!」

「いえ。そもそも私が———」

「でもそれは———」

…およそ10分間にわたる熾烈な責任の被りあいを経て、なんとか5:5で折半することに同意を取り付けた。
どう考えたってPサンには何の落ち度もないのに。
押し付けてしまった5の責任は、50の悔恨になって背中に重くのしかかる。
もう二度と夜更かしなんてするものか。
強く強く、心に誓った。




6: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/22(金) 23:27:35 ID:.md0oWrs


時刻が16時を回り、辻野サンが剥いていってくれたらしいウサギ型のリンゴを食べ終える頃には自分もすっかり元気を取り戻していた。
Pサンは相変わらず丸椅子に姿勢良く腰掛けたまま、いつの間にやら取り出したノートパソコンでなにかの資料を作っている。
何度かもう平気だと言ったのだけど、今日はもう急ぎの仕事はありませんので、の一点張りだった。
とはいえ、自分が帰るならPサンもここにいる意味はない。
これ以上迷惑をかけないためにも今日はそろそろ帰ろう。

「…Pサン。今日は本当にごめんなさい。青木サンにも後で謝っておきます。それと、本当に…ありがとうございました」

ニガテな敬語をフル活用して精一杯の気持ちを伝える。
さっきのPサンに負けないくらい深く頭を下げながら。

「…自分、そろそろ帰るね…ます。今日は、ゆっくり寝るんで」

「…そうですか。砂塚さん、最後にひとつだけ」

「ハイ?」

「アイドルとプロデューサーというのは、一心同体です。それは仕事のパートナーであるという関係ももちろんですが、プロデューサーはアイドルの人生を一部分奪うような存在だからです」

「人生を、奪う?」

「はい。砂塚さん達のような学生であれば、学校生活を。社会人の方であれば、会社での生活を。多くの人が当たり前に過ごす時間を、アイドルは過ごすことが出来ません」

そう言われれば、確かに自分もアイドルとしての活動が本格化してから学校に行く頻度はずいぶん落ちてしまった。
駆け出しの新人がこれなのだから、渋谷凛サンのようなトップアイドル達はほとんど学校なんて行けないだろう。

「そしてその時間をどのように使うか決めるのは私達プロデューサーです。…もちろん、全てがこのような構図ではありませんし、貴女がたアイドルの意志も最大限尊重しますが、わかりやすく言うとこれが『人生を奪う』ということです」

「………」

「そして、これが伝えたいことなのですが」

Pサンはすうと息を吸ってから、自ら噛み締めるようにゆっくりと言葉を紡いでいった。

「このような深い関係で二人三脚をしているのですから、責任をひとりで背負い込むのはやめましょう。私たちは嬉しいことも辛いことも、分かち合って当然の関係なのですから」

そんな安い冒険漫画の、ありふれた勇者みたいなセリフを。
Pサンは真顔で言ってのけた。

「……ていうか、先に背負い込もうとしたのはPサンじゃなかったっけ?」

「うっ」

「いや、うって………へへ、あははは!Pサン、似合わないことばっかり言うからだよ!こりゃ拡散希望デスね!」

傾いた日から柔らかな光が射し込む夕方の医務室に、場違いな笑い声が大きく響く。
堪え切れずこぼしてしまった涙のひと雫は、笑いすぎてしまった所為だということにして。

今夜はきっと、とびきり良い夢が見られるだろう。




7: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/22(金) 23:28:43 ID:.md0oWrs

終わりデス

総選挙の日取りが決まったらまた書きます、砂塚あきらちゃんをよろしくお願いします


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退魔師ちゃんがHな悪戯されちゃうRPG




8: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/22(金) 23:29:24 ID:/Fus1vzU

(美しい地の文が入って)きもちいい!




10: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/22(金) 23:34:11 ID:7ozmL1.A

このシリーズすき
(100点満点中)110弱でしょうね




11: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/22(金) 23:53:32 ID:obdcHMKo

恋煩いしちゃうよぉ…




12: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/23(土) 00:11:46 ID:7ETLRGQg

彼岸島ネタのSSかと思ったけどそんなことはなかったぜ
予想とは違ったけど良いSSをありがとう




13: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/23(土) 00:35:28 ID:/iYDNltQ

玉も竿もでけえなあお前(褒めて伸ばす)


portrait02




15: 名前なんか必要ねぇんだよ! :2019/02/23(土) 01:46:18 ID:5vZuO7FY

フン 文豪で何よりだ(喝采)






https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20196/1550845118/

https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20196/1550665682/







少し遅くなりましたが、誕生日おめでとうございます


【追記】
文字サイズや抜けてた部分を修正しました



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