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娘のトモダチが誘惑する












1:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/10/26(水) 12:07:07 ID:Z11FYgWA

今回予告

暴れん坊将軍!

「───レ……オー……」

踊り狂う豪華絢爛な男女たち

「もう少し腰……腰腰腰!」

村人に変装して老人にいびられる吉宗

怪訝そうな孫兵衛

馬を駆る吉宗とすれ違うのは───吉宗!?

吉宗が踊ったマツケンサンバ

どうぞお楽しみに

※放送は本日夜を予定しています


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ついに暴れん坊将軍までサンバに侵食されるのか…




4:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/10/26(水) 16:04:59 ID:.Ol0WShw

後に松平健が「時代劇で一人二役をこなすのが非常に手間がかかった」と述べる回ですね
時代劇に本格的なVFXを導入したエポックメイキングな回




5:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/10/26(水) 20:33:28 ID:Z11FYgWA

※今回の話は


のリスペクト作品です
また、吉宗のそっくりさんが出てくる回は800回以上ある暴れん坊将軍ほんへのうち7回くらいあるため完全オリジナルではないことをお断りさせていただきます






6:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/10/26(水) 20:37:00 ID:Z11FYgWA

暴れん坊将軍4545 スペシャル「吉宗が踊ったマツケンサンバ」

暴れん坊将軍!

デデドーン デン デン デン デーン
(♪メロディ)


東海道。古く飛鳥時代に設けられた江戸と上方を繋ぐ街道筋は、言うなれば日本の陸運と軍事を司るかなめである。一方で前科者等の表立って関所のある場を通れぬ人間や、大きな旅籠に泊まるような経済的な余裕がない者が利用したいわゆる脇道、近道、抜け道も裏街道と呼ばれ、もう一本の大動脈として機能していた。
今日の話は東海道に程近い裏街道のひとつ、佐村宿から始まる───。







8:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/10/26(水) 20:40:49 ID:Z11FYgWA

ある時、宿場を走るひとりの中年侍がいた。多少予定に間に合わなかったものの藩の仕事をなんとか済ませた男は、その報告のために平穏な世にたるみきった体を急がせ、江戸へと向かっているのだ。

「───レ……オー……」

「…………?」

ふと奇妙な声に気づいて足を止める。
祭りかなにかだろうか。地鳴りとともに、すぐ先で何人もの若者が歌っているかのような音が聴こえてきていた。

「…… ぷももえんぐえげぎぎおもえちょっちょっちょっさ!」

侍が声にならない悲鳴をあげた。彼の目に飛び込んできたのは絢爛な衣装に身を包み、笛や太鼓を打ち鳴らしながら練り歩く何十人もの男女だったのだ。

「サンバ!ビバ!サンバ!!」

錦絵の五色の雲もかくや、まるで夢の中から踊り出てきたかのような鮮やかな一団が進んでいく。腰を抜かし、武士らしからぬ有様で這って逃げた男を尻目に、行列は朗々と歌いながら歩いていった。

侍が我に返った時、周りは既になんの変哲もない静かな宿場町へと戻っていた。




9:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/10/26(水) 20:44:05 ID:Z11FYgWA

「マツケンサンバ……?」

数日後、江戸城天守で政務に励んでいた八代将軍徳川吉宗は、聞き覚えのない奇妙な単語に眉をしかめた。

「はっ……。記録によりますとかつて、徳川家康公の時代、佐村宿で過酷な取り立てと助郷を強いる役人への抗議として、華美な服装で『往来、往来(オウライ、オウライ)』と声を上げ行進することで不満を訴える讃罵(サンバ)という騒動が起きたそうです。しかし騒ぎを聞きつけた役人が来た時にはその服を隠し、見物客に紛れたり仕事に戻るせいでなかなか下手人たちを捕まえられなかったとか」

険しい顔つきで応えたのは南町奉行、大岡越前守忠相。江戸の司法を預かる手前いたずらに秩序を乱す活動を許すわけにはいかないが、とはいえいわれなき苦役に苦しんだであろう村人たちの思いを無視することもできない男だ。

「東照神君家康公の目と鼻の先でそんな混乱を起こすなど、まったくけしからん!しかもそれ以上に公儀の威光を笠に着て私服を肥やすような者も嘆かわしいことでございます……!」

感情を抑える忠相とは対照的に強く憤慨したのが御側御用取次、田之倉孫兵衛。普段は吉宗の父のように見守り手助けしますする一方、時として派手に笑い、嘆き、怒るその素直さは表情ひとつ変えることすらうかつにできない将軍にとってはどこか救いにもなる存在だ。

「うむ、その通りだ……それで?」

「当時騒動を指揮していた下手人は佐村宿に程近い目佐村村(めさむらむら)の名主、松健と判明し死罪となりました。しかし百年の後に何を原因としてまたもやマツケンサンバが始まったのか。何を求めているのか。音頭をとる人間は誰なのか。未だその一切がまったくわかっておりません」

「……なりません。上様には儀式に諸大名のご挨拶、当分まだたくさんのご予定が」

吉宗が口を開くより先に孫兵衛が割り込む。無論将軍を遮るなど本来許されない無礼。しかし孫兵衛曰くなにかと理屈をつけては城を抜け出し、ふらふらと遊びに行く悪癖のある吉宗を留めておくためにはこれくらい思い切ったことをしないとならないとのことである。

「まだなにも言ってないではないか……」

吉宗の姿が城から消えたのは、次の日であった。




10:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/10/26(水) 20:48:54 ID:Z11FYgWA

「少し、疲れたかな……」

佐村宿の外れに掛かった橋の上から、つい弱音がこぼれ落ちた。
男はある仕事に励んでいた。元々彼──松七が住む村は幕府により助郷、すなわち参勤交代などで人足や馬を貸し出す役割を与えられていた。格安で仕事をさせられ、その間は田畑の面倒を見ることもできない。
そんなある日、付け火によって家が燃やされてしまった。老いた父を喪ったことも辛いが、なによりもまず食べていくための畑ももうない。歳をとりひねくれた名主様の下に身を寄せ、働かせてもらう日々。
そんなある時、名主の屋敷で見つけたのがかつて名主としてその家に住んでいた自らの先祖、松健の日記であった。

『やぁりましょう!』

ひとり、またひとりと100年前のうさ晴らしの続きをやりたい人間が加わり、現名主が援助を約束したころには、目佐村村以外から来た参加者たちも佐村宿を通る侍を驚かせ、重税を課す代官をてんてこ舞いさせることができていた───。

「でも疲れたよ……」

松七は、親からもらった人より大きな背をすっかり丸めて川を覗き込んだ。
発起人として参加者を引っ張ってきたものの、元はしがない農民に過ぎない。共に踊る仲間の数は男が引っ張っていける人数をとうに超えていた。

「少しだけ休もう。少し、少しだから……」

半日でいい、誰にも会わずにゆっくりと落ち着こう。そう考えた松七が橋を渡ろうとした時、ちょうど向こうからもひとりの侍が歩いてきた。
ふたりの男がすれ違い、同時に振り向き……共になにを気にしたのかわからず、曖昧に会釈をして歩き出した。


「松七ィ、この村々が大変な過去と未来の狭間に侍の格好でなにやってるんだ?は?」←切れてる

将軍吉宗が扮する貧乏旗本の三男坊徳田新之助───という紋切り型の文句を口にするまでもなく、あれよあれよという間に村の名主、尾鳴光右衛門の前に連れてこられた吉宗であったが、名主や村人の反応は想像していたものとかけ離れていた。

(俺を別人と間違えているな?しかも……)

名主の家の奥まった座敷、吉宗からも見える位置にある長持に入っていた華美で特異な衣装は明らかにマツケンサンバに関わりがあるものだ。

「いやその、ちょっと気晴らしを……」

世の中には己とそっくりな顔が3人いるという。日頃から風来坊のふりをして市中を徘徊する吉宗である。このような好機を逃さず、見ず知らずの誰かに扮することにも多少の心得があった。

「とにかく!次のサンバまで33時間7分だから」

「へい!」

作法のわからないサンバの場に引っ張り出される。すなわち、とりあえず松七を演じる限界はおよそ2日後までのようだ。




12:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/10/26(水) 20:56:23 ID:Z11FYgWA

「ウーン……」

松七があくびをしながら目を開けた。木に寄りかかって川のせせらぎを聞いていたら、いつのまにか眠っていたようだ。

「おはようございます」

「うわっ!」

すぐそばから声がして、松七が腰を抜かす。
無論、彼は将軍どころか侍ですらないので御庭番などというものは知りようがない。

「……どうしました?」

(もしかして……お役人か?)

名主様がいうには御公儀は誰にも言わずに密偵を潜入させ、その土地で起きていることを探ることがあるらしい。
困った。おそらく隠密が見定めに来たのはサンバが原因だ。代官の悪政を訴えられれば僥倖だが、詳しく調べられるのならその過程で本題であるサンバについて、尋問慣れしたやつらに隠し通すのは極めて難しいだろう。

「ああ、うん……」

幸か不幸か、この役人と思われる男は己を自分の上司と勘違いしているらしい。そう見抜いた松七はとりあえず適当にあしらい、隙を見て逃げ出す算段を立て始めた。









13:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/10/26(水) 21:00:51 ID:Z11FYgWA

「…………?」

松七のふりをして家の仕事をこなそうとする吉宗であったが、いくら要領よく働こうとしてもうろ覚えではどうしても効率が悪かった。
今握っている箒にしてもそうだ。落ち葉を掃き清める者は見たことがあっても正しい身のこなしがわからない。どこにどう掃けばいいかがわからない。ゴミがどこに溜まるかもわからない。

「もう少し腰……腰腰腰!」

「へい!」

「いつもいつも役にタタナイ!……そうに決まっている」

偏屈な名主のお叱りにしたがい、なんとか仕事をこなす。とにかく今はうまく屋敷に溶け込むことを優先すべきだと判断したが、次に似たようなことが起きるまでに家事の勉強をせねばと思う吉宗であった。




14:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/10/26(水) 21:03:57 ID:Z11FYgWA

一方、役人らしき男から逃げ出そうとする松七だったが、彼と同行する怪しい者は今やふたりに増えていた。

「江戸に情報が伝わって来ていないものの、どうやらここ数ヶ月で十数件の火つけがあったようです」

合流した女───もうひとりの御庭番が言った。

「みんなつらくて苦しくて、心が荒れているんだ。せめてもう少し生きるつらさを忘れさせてやればと思って……」

「……はぁ」

御庭番の怪訝そうな態度に松七はつい緩みかけた気を引き締めた。冷静に考えると今言われたことには妙な点がある。

「江戸に伝わってない……?」

「はい。佐村宿近辺でそのような放火があったという報せはありません」

「あのクソ代官……じゃない、代官所が握りつぶしているのかもしれない。調べられるか?」

「はっ」

自らも家を焼かれた松七が義憤に震える。こんなところにいる場合ではない。すぐに佐村宿に戻らなければ。




15:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/10/26(水) 21:08:19 ID:Z11FYgWA

「うむ……」

田舎の夜の肌寒さに、吉宗は小さく震えた。
あれから半日、屋敷中を調べたことで松七という男とサンバについて色々なことがわかった。
松七がサンバの発起人であること。
松七はあまり名主に好かれていないこと。
次回のサンバは今までで一番大きなものになること。
そしてサンバを防ごうとしている代官、山田への強い敵意。
本来吉宗は絶対的に秩序の側に立つ人間だ。しかし彼には世の平穏を乱してもサンバに浮かれ騒ぐことにすがるしかない村々の者を責めることなどできなかった。

そんな時である。
吉宗が見つけたのは名主の光右衛門が屋敷の裏から抜け出そうとしているところだった。あれだけ自分、もとい松七にサンバの直前に妙な真似をするなと釘を刺していたはずの光右衛門だ。仲間たちの目を盗んで動くなどどう考えてもおかしい。
ひょこひょことした足取りで光右衛門が向かったのは───敵のはずの佐村代官、山田の私邸であった。




16:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/10/26(水) 21:11:57 ID:Z11FYgWA

「先生……指示して……」

見よう見真似で御庭番のように忍び込んだ吉宗だが、どうしても光右衛門が誰かと話している言葉は聞き取れない。

「むぅ……」

少しだけ思い切って身を乗り出し、光右衛門の入った部屋を覗き込む。やつと語っていたのはやはり山田代官だ。

「お前すごいなぁ。光右衛門、お前が言った通り放火させまくったらサンバがどぉんどんデカくなったわ」

代官が豊かなヒゲの奥で笑った。

「いいねえ~……これで明日のサンバに出たやつを捕まえれば俺は大手柄。こんなとこから大手を振って江戸に戻れるって訳だ」

「そうして出世されたらその御威光、お借りしたいんです!」

「…………」

人々の不満を強め、それをわざと煽ることで人心を惑わせる活動に走らせた者たちを自分で捕まえ、名代官としての立身出世を謀る。それだけのために何度も放火を行うような外道を佐村の代官として任命したのは将軍の責である……そんなわずかな心の揺らぎが油断に繋がってしまうこともあった。

不満気なみじろぎによって足元の小枝が折れ、誤魔化しようのないぱきりという音があたりに響いた。

「松七!?」

光右衛門が年寄りとは思えないほどの機敏さで吉宗が隠れた薮の方へと振り向き、異音の元を見つける。響く怒号に気づいた代官の部下たちが次々と庭先へと飛び出してくるが、奉公人に扮した吉宗は戦うための刀を持っていなかった。

「やむを得ん……!」

吉宗が胸元から取り出した丸い物体を地面に投げつける。すると次の瞬間、彼を中心に爆音と共に異常なまでに大量の煙が辺りを覆い尽くした。

「ゲホッゲホッ!」

「見えねえって!」

「カポォワッCAPCOM!Look・・・look,oh・・・コケケ!プポォプポォ・・・萌”え”王”!!プポォハカポワッ、ウッ」

激しく咳き込み、混乱に陥った役人たち。彼らが平静を取り戻すころには当然吉宗の姿などどこにも見つからなかった。


名主の家に勢いよく飛び込んできた松七はたまげた。

「貴様は……山田!」

「貴様じゃねェんだよ」

代官が悪事を幕府に黙って行っていたとわかった今、光右衛門老人が御公儀に訴え出れば山田代官は一貫の終わりである。そう思って駆け込んだはずの名主屋敷に、他でもない代官とその手先どもが待ち構えていたのだ。

「ヌフッフフフ、やっぱり貴方ここに逃げるしかないのね……最早戻れる場所なんてないんだよ」

代官が肥えきった腹を揺らして笑うが、松七は自分がなぜ消されそうになっているかなど知るよしもない。せめてもう少し余裕があれば自分と入れ違いになっているはずの誰かが余計なことをしたという可能性に考えが及ぶかもしれなかったが、今の彼には論理的に考えるだけの時間は残されていなかった。

「じゃ、お前殺すわ」

己の手で邪魔者を消そうと代官が刀を抜き、振り上げる。




18:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/10/26(水) 21:18:35 ID:Z11FYgWA

『貴様らの野望、もはや潰えたと知れ!』

突然朗々と轟いた声に、辺りは一瞬静まり返った。
人波を割る白い影──歩み出たのは装束を改めた吉宗と御庭番だったのだ。

「松七がふたり!?」

「山田、余の顔を見忘れたか」

戸惑う光右衛門をよそに、山田代官は見覚えのある姿に激しい衝撃を受けていた。

「…………上様」

絞り出すように発せられた言葉にその場の全員が反射的に平伏した。
八代将軍徳川吉宗、日本の武の頂点にして絶対の裁定者である。
このような場所に一生現れるはずのないお方の登場は、もはやあらゆる企てが白日の下に晒されたことを意味していた。

「松七よ……」

直前までの命の危険も忘れて頭を下げていた松七が驚いて顔を起こした。

「山田のような者を代官に選び、佐村宿の民を苦しめたのは余の不徳の致すところ……許せ」

「うっ、上様……!」

本来自分のようなものが会うことすら叶わないお方の謝罪に、松七はただ首を垂れることしかできない。
土下座しつつ目を震えていた山田代官もまた、己のやましさ故に恐怖におののいていた。

「山田髭熊。己が栄達を謀り罪もない民の家々に火をつけるなど言語道断!せめて一欠片でも武士の恥が残っているのなら、今すぐ余の前で腹を切れ!」

天からの怒号に代官は縮こまった首をさらに体にめり込ませた。

「───許せんなぁ……許せんなぁ!」

しかし、そんな彼の肩を掴み起こす者がいた。
目佐村村の名主、尾鳴光右衛門である。
松七の人望の厚さを日々妬んでいた光右衛門翁にとっては、目の前の絶体絶命の裁きより、やっとのことで憎む松七と彼を慕う者たちを始末できるという機会を奪われた恨みの方が強かったのだ。
ほんの一瞬戸惑ったような顔をしていた代官が吉宗を睨みつける。

「うん……上様、貴方には死んでもらいます」

一斉に刃を向けた山田の郎党に、吉宗は太刀を抜き、峰を返した。


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19:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/10/26(水) 21:22:52 ID:Z11FYgWA

デーンデーンデーン!
デデデ デデデ デーンデーンデーン!
(♪BGM. 4-43)

輝く三つ葉葵の刻印に照らされた男たちが、憑かれたかのような形相で吉宗に斬りかかる。しかし周りを十重二十重と囲まれようが、怒りに燃える吉宗は欠片として怯まずに敵を斬る。斬る。斬る。
目の前の敵を斬る。
後ろから襲う敵を斬る。
倒れた仲間の陰から飛び出した敵を斬る。
恵まれた体躯と紀州の山と海に鍛え上げられた肉体。そして練り上げた柳生新陰流の剣を食らえば、たとえ峰打ちであろうが肉は裂け、骨は砕けてしまう。
光右衛門は思った。
このようなはずではなかった。昔の名主一族だった松七の人望は厚く、山田を煽り、都合の悪いものたちを始末することで松七とそれを慕う者たちをあの世に送るという長年の念願が叶うはずだった。

「……!」

光右衛門は腰を抜かした。侍たちの肉の壁の向こうにいる将軍が確かにこちらを睨んできたのだ。

「おっ、おい何逃げてんだよ!」

「やべ、許して!……あっ」

自分が唆した代官の声を背中に浴びながら、命乞いも半ばで思わずその場を逃げ出そうとした光右衛門を御庭番の刃が見逃すことはなかった。
崩れ落ちる共犯者を脇目に、山田代官がとうとう吉宗と対峙する。もはやこの場に自分以外の手駒はない。
吉宗に向けた刀の先は、無様に震えていた。

「へっ、ヘッヘッヘッヘッヘ……ハァ!!」

山田の剣が虚空へと弾き飛ばされ、ガラ空きになった胴を吉宗が打つ。肺の空気を全て吐き出し、悶える代官をよそに、吉宗は脇差を投げた。
それを受け取ったのは───松七だ。

「成敗!」

「父の仇!!」

脇差を構えて走った松七が、代官の胸へと吸い込まれた。

「ア゛ァァ……」

山田代官の巨体が倒れる。屈強な松七の一撃は武芸を習わずとも必殺の一撃となったのだ。

佐村宿周りを襲った陰謀は潰えたが、それにより失われた命は戻ってこない。
吉宗にはどうしてもそのことが心残りであった。








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20:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/10/26(水) 21:27:34 ID:Z11FYgWA

「───レ……オー……」

大江戸の大路に、奇妙な一段が練り歩いていた。
何十人もの男と女が煌びやかな布地でこしらえた着流しや大名の腰元に扮し、踊りながら天下の往来を進んでいく。その華やかな煌めきは、遠く江戸城天守でさえはっきりと見ることができた。

「ははぁ、あれがマツケンサンバですな。さすが上様、公儀に逆らう騒乱を企てていたものたちとはいえ代官の悪政に苦しんだ被害者。よもや江戸で披露する芸の練習をしていたということになさるとは……」

「ウン」

ただ曖昧な顔を浮かべて頷いた吉宗に、孫兵衛は怪訝そうな顔をした。

「それにしても未だ江戸以外で火事が起きればその場所の若者などに任せるしかないというのが現状でございます。それもまた今回の件が大事になってしまった一因ですな」

「ウン」

「……上様、どこかお体の様子でもすぐれないのでは?」

「ウン」

田之倉孫兵衛、吉宗が顔かたちのそっくりな松七と入れ替わり、讃罵の真ん中で浮かれ騒いでいることに気づく直前のことであった。

-完-







21:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/10/26(水) 23:54:24 ID:2WapkttU

完成度高スギィ!




22:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/10/26(水) 23:54:55 ID:PCVTLWPs

面白かった
>>1さん!>>1さんのアナ、ゥお借りしたいんです!




23:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/10/27(木) 16:58:19 ID:vy6TaTMU

日本一やお前!
ところで自分もSSいいすか?




24:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/10/27(木) 17:21:46 ID:/wOfd5Y6

>>23
あっいいっすよ(快諾)




25:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/10/27(木) 18:28:04 ID:pANe5NCk

オチが美しい
たまにあるお庭番ではなく被害者に仇討ちさせるパターンなのもすき




26:名前なんか必要ねぇんだよ!:2022/10/27(木) 22:41:27 ID:/bxeDC9E

玉も竿もでけぇなお前(褒めて伸ばす)


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暴れん坊将軍のSSを書きました

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