吉祥寺・強殺事件 裁判傍聴記
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★今井アレックス被告への初公判!

弁護側は少年Bと同じく「殺意」を否認

生い立ちを楯に責任逃れを図る卑劣さには「死刑判決」で応えよ!

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画像:初公判の当日、この通りの雰囲気だった今井アレックス被告

 平成26年2月19日(水曜日)、東京地裁立川支部101号法廷にて吉祥寺・強盗殺人事件を引き起こした「少年A」こと今井アレックス被告に対する初公判が開かれた。

 この事件は昨年2月28日未明に発生。吉祥寺に住む青森県出身の山田亜理沙さん(当時22歳)が買い物からの帰宅途中、背中2箇所を刺されるなどして殺害され、現金などを奪われたものである。

 程なく付近を徘徊していた2人の少年が捜査線上に浮上。1人はルーマニア人少年の今井被告、もう1人は日本人の少年Bであった。

 事件から間もなく1年を迎えようかという今年2月7日、共犯者の少年Bに対しては立川支部で無期懲役の判決が下されている。

【東京】吉祥寺・強盗殺人事件 裁判傍聴録&ミニ街宣
傍聴記 ★少年B(飯塚何某)に「無期懲役」…
http://blog.livedoor.jp/gaitsui2/archives/1799012.html
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 そして同月19日、いよいよ今井アレックス被告への初公判となった。

【裁判の概要】
事件番号:平成25年(わ)第430号
罪状:強盗殺人、銃刀法違反、窃盗、占有離脱物横領
被告:少年A(今井アレックス)
裁判長:倉澤千巌

 審理は午前10時より開始。少年Bの場合と同様、今井被告の入廷に際しては法廷内に移動式の衝立(ついたて)が設置され、傍聴席から入廷する今井被告の姿を確認することは出来ない。

 審理の開始となって衝立が撤去され、ようやく証言台の前に座る今井被告の後ろ姿のみを確認することが出来た。
 短く刈り上げながらも、やや伸びた頭髪。黒いスーツ姿であった。

 既に入廷していた裁判長の他、2名の裁判官と裁判員らが入廷して審理の開始が告げられる。裁判員は計8名。今回は少年Bの時(5名)よりも裁判員の数が多い。その内訳は50歳代〜60歳代の男性が計5名、40歳代の男女が1名づつ、残る1名は20歳代の男性(年齢はいずれも筆者の見立て)。

 審理はルーマニア語の通訳人による宣誓から始まった。

 倉澤裁判長は今井被告に対し、「日本語で分からない場合のみ通訳します」と告げた。このことから、今井被告はいかに日常生活での日本語には堪能であっても、やはり生っ粋の日本人と同等ではなく、日本語に不自由していることが窺える。

 検察側からの意見陳述。

 今井被告らが事件当日、セブンイレブン吉祥寺本町一丁目店を出た直後の山田さんを同町2−31−2にあるケヤキビル前で襲ったこと。山田さんが所持していたみずほ銀行や三井住友銀行、ゆうちょ銀行などのカードが入ったバッグを奪った事実経過などが淡々と読み上げられた。

 裁判長から「事実と違うところはあるか?」と訊かれた今井被告は立ち上がり、「私は殺すつもりはありませんでした」と述べた。一瞬聴き取り難かったところから、今井被告の日本語の発音は完璧ではなかったのかなと思える。

 今井被告の弁護人から「殺意についての事実認定を争う」旨が申し立てられた。その他については「争わない」と言う。

 検察側の朗読で今井被告が犯行当時17歳と7ヵ月であったこと。13歳で来日していることが判明。日本で中学校(武蔵野市立第三中学校)に通うようになった頃、ようやく日本語を話せるようになり、秋留台高校に進学するも中退。工事会社に就職するものの長続きせず、無職状態となっていた。

 平成24年秋ごろから自宅には帰らず、親の預金を勝手に引き出すなどの悪事に手を染め、日野市内にある友人宅を転々とする生活が続いていた。

 その頃、少年B(犯行当時18歳と6ヵ月)と出会い、共にカラオケに行くなどの遊興に耽っており、「お金に困っていた」とする犯行当時の状況が分析される。

03 一方、被害者の山田亜理沙さんは青森県出身。高校卒業後に上京。専門学校を卒業し、事件当時はアルバイトをしていた。事件の1ヵ月前より吉祥寺で1人暮らし。自宅は事件現場から180メートル離れたところにあった。

 今井被告の公判にも少年Bの時と同様、山田さんの父親と母親そしてお姉さんが被害者参加制度に基づいて出廷。
 検察側のすぐ後ろに座っていたが、審理中の「証拠調べ」で山田さんの血のついた衣服や血痕が残る事件現場がモニターに映し出されると、母親と姉の2人はしっかりと凝視していたが、父親は一瞬だけ見てすぐに目を背けた。おそらく、娘が変わり果てた姿で帰郷した事件当時の凄惨な記憶がフラッシュ・バックするのだろう。目を閉じて眉間にしわを寄せ、沈痛な表情が何ともいたたまれなかった。その表情は裁判の開始から終了まで、終始変わらない。

 検察側の意見陳述は続く。

 事件前日の2月27日夕刻。

 日野市内にある友人宅を出た今井被告と少年BはJR日野駅へ向かう道中、吉祥寺で通行人を襲う計画を提案。

 先ず国立へ向かい、量販店で犯行に使うナイフ2本を万引きした。電車で吉祥寺へ向かい、ネット・カフェに入店。入店後も2人で店外へ出て、吉祥寺周辺を偵察し、犯行の目星をつける。

 午前2時、ネット・カフェを出ると今井被告は少年Bに預けたナイフのうち1本を受け取った。2人でナイフの持ち具合を確かめるなど、犯行を準備。

 犯行に使われた実物のぺティナイフは証拠品として検察側より裁判官・裁判員らに示された。料理という用途であれば何のことはないが、人を襲うとなれば何とも鋭利で不気味な「凶器」である。

 被害者の山田さんから奪った現金で今井被告はマクドナルドに立ち寄り、飲食しているが、この際、今井被告は他の客がトイレに置き忘れた財布を盗んでいる(占有離脱物横領罪)。

 犯罪者体質の白人毛唐はどこまでも犯罪者体質なのだろう。犯行前にも計1千万円以上の預金通帳が入ったバッグをマクドナルド店から置き引きしている今井被告は凄惨な強盗殺人事件を引き起こす前後で何ら変わりがない。

 山田さんを襲った犯行直後、少年Bと二手に分かれて逃走していた今井被告は午前5時頃、タクシーに乗車して逃走しようとするが、警戒中の警察官に発見され、逮捕されている。

 一方、少年Bは凶器のナイフを集合住宅の中庭に埋め、数日後に自宅より日野警察署に出頭したことは周知の通りである。

 果して今井被告に殺意はあったのか?

 検察側は刃渡り12.8センチの鋭利なナイフを用い、被害者の身体に16.9センチの刺し傷を残し、大動脈決裂という致命傷を負わせている事実から、先の裁判で殺意が無かったとする主張を否定された少年Bよりも「加害意識が強かった」として、家庭裁判所における少年審判よりも一般の刑事裁判で裁くことが妥当、保護観察処分よりも刑事罰が相当とした。

 犯行直後、今井被告らは被害者である山田さんを救助するようなことも一切していない。

★被告側弁護人のふざけた意見陳述!

外国人の手前勝手な主張で「お涙頂戴劇」を法廷で演出!

 続いて今井被告側の秋野弁護人(男性)からの意見陳述。

 ありきたりな主張だが、被告人が少年であり、未成年であるという点を挙げて更生の可能性があると指摘。

 家庭裁判所での少年審判の下、少年院への送致及び保護観察処分が妥当であるとした。

 被告人が犯行に至ったのは巷間で言われているような「遊ぶカネ欲しさ…ではない」と言う。

 では本当の動機とは何なのか?

 秋野弁護人が淡々と述べる。

 1995年生まれの今井被告はトルコ人とルーマニア人の母を持つ。

 3歳でトルコへ移住するが、トルコ人の父は所謂DV男。父と母の激しい喧嘩が絶えない日々で貧困。5〜6歳の時、ルーマニアへ帰国するが、そこでも貧困生活。

 今井被告が7歳の時(2003年)、母がショーダンサー(娼婦?)として日本へ渡った。今井被告への詳細な説明もない母の渡日。祖母や親戚宅で暮らす今井被告には母に捨てられたとの不安感ばかりが募ったと言う。

 13歳の時、自らも日本へ行きたいとして母の元へ…。しかし、日本にも今井被告が期待した家庭はなく、母親は日本人の年配者と再婚していた。2人の間には今井被告の妹に当たる娘がいたが、この妹とも家庭内における差別は酷かったと言う。母もルーマニアにいた頃の母とは違っていた。

 ホステスとして明け方まで働く母と顔を合わす機会はなく、継父も今井被告を快くは受け入れてくれない。

 母が帰宅後は両親の激しい喧嘩が絶えず、日本での家庭も安心出来るものではなかったと言う。

 武蔵野第三中学に通っている頃、日本語学校が唯一安心出来る場であった。

 しかし、高校へ進学するとイジメや恐喝に遭ったと言う。同級生に連れられて不良グループの元へと赴くが、今井被告は金づるとしか見られない。どこにも安心出来る場所はなく、2年の夏に自主退学。

 家出した後、一旦は自宅へと戻るが、継父から「出て行け!」となじられたことで再びネット・カフェに入り浸る。

 その頃、2人の少女と出会い、人生で初めて信頼のおける「ファミリー」が出来たと言う。

 平成25年1月、少女らのいたアパートに住むようになって翌月(2月)、少年Bと出会った。

 B君のみが自身に優しく接してくれた大切な友人であったと言う。

 今井被告にとって2人の少女と少年B、この3人のみが大切な存在であり、日野市内のアパートのみが安住の地であった。

 しかし、幸福は長くは続かない。間もなく少女の母親が戻って来るため、今井被告らはそのアパートを出なければならなくなった。

 4人で暮らせる安心出来る場所を探さなくては友を失い、再び自分は孤独になってしまう…。今井被告には焦りが募る。

 未成年であり、まして外国人の自分にはそうそう出来ないが、B君名義でアパートを借りて皆で一緒に暮らす夢を見た。

 次第に今井被告は冷静な判断が出来なくなり、生活費のため、遂に強盗に至るようになった。

… … …

 以上が弁護人が主張した意見である。

「夢物語のように聞こえるかも知れないが、これが本当の動機」(秋野弁護人)

 被告人側の弁護人からは、今井被告による少年Bとのナイフの使用についての供述、今井被告が被害者に書いた謝罪文を提出。この審理中、今井被告の母親と教師、友人らを証人出廷させることが申し立てられた。また、家庭裁判所で調査官をやっていた人の証人出廷も申し立てられ、刑務所と少年院の違いなどを証言してもらう予定だと言う。

「亡くなられた山田さんのご遺族は大変痛ましい思いをされており、厳罰感情は当然のことと思う」としながら、一方で今井被告に対する刑事裁判での裁判と刑罰は「本当に相応しい処分と言えるのか?」などと結んだ。

 当法人より提言を述べるとすれば、今井アレックス被告への処罰は、

死刑!…を置いて他にない。

 仮に今井被告が理想とする安心出来る家族を求めていたとしても、その理想とする幸せな家族が引き裂かれることの辛さ、理不尽さ、残酷さは誰よりも今井被告こそが知っていたのではないか?

 また、本当に家族のように大切な友人であるならば、その者の生涯をも破滅させる凶行には引きずり込んだりしなかったはずである。

 理想とする安心出来る家庭を求めているならば、犯罪行為ではない正業によって安定した収入を得るなり、本当の大人になるための努力をすべきであって、安直な手段で生活費を得ようとした(?)末の凶行は厳しく処罰されるべきだろう。

 以上の点を以って、今井被告には少年としての庇護を求めるよりも、大人としての責務を果たすことが人間として最初で最後の務めだと自覚してもらいたい(無理だろうが)。

 絞首刑以外の非人道的(?)な手段での死刑まで求めないので、普通どおりに死刑に処され、家族を奪われるという何よりも辛い苦痛を遺族に与えたのだから、その償いは自らの生命で以って清算してもらいたい。

断じて死刑が望ましい!!

 法廷には今井アレックスの母親と思しき東欧人の中年女性がいた。いかにも痩せ型のダンサー・タイプ。この母親にも家族を殺されるという人種・民族に関係のない普遍的な苦痛を甘受することで被害者遺族への謝罪としてもらいたい。

 午後の審理より、今井アレックス被告と共犯者である少年Bこと飯塚滉暉(いいづか・こうき)」が証人として出廷。
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画像:被告らの後ろ姿しか見えない傍聴席からかすかに確認出来たのは、少年Bこと飯塚も写真のままの印象だったということ

 検察側からの尋問として石川検事が尋問に立つ。

 少年Bこと飯塚は以前に窃盗事件で保護観察処分を受けたことがある。友人と4人でバイクを盗んだ時のこと。ただし、暴力事件等で摘発を受けたことはない。

 とび職の見習いをやめて家出中、知り合いを介して出会った少女のアパート(日野市内)に転がり込む。そこで今井被告と出会う。事件の少し以前のことである。

石川検事:被告人(今井)との会話で不自由したことはありますか?
少年Bこと飯塚:日常会話では何も…ありませんでした。
検事:日本語の意味が通じなかったことはありましたか?
飯塚:特にありませんでした。
検事:被告人の第一印象はどうでしたか?
飯塚:…テンションの高い奴だなと。
検事:それは陽気ということですか?
飯塚:はい。
検事:被告人と2人だけで行動することはありましたか?
飯塚:コンビニへ買出しに行ったり…。
検事:被告人から、被告人と少女ら、そしてあなたの4人で住もうという持ちかけはありましたか?
飯塚:あったかも知れませんが、覚えていません。
検事:アパートでの生活で食費とか遊興費はどうしていましたか?
飯塚:皆で出し合ったり。
検事:被告人の自宅に行ったことはありますか?
飯塚:あります。(今井被告の)父親のカードを盗みに行くために。
検事:実際に盗んだのですか?
飯塚:(今井被告が)鍵を持っていなかったために入れず、盗んではいません。
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検事:日野市にあるアパートを(今井被告と)出た後に駅に向かっていますが、その時に強盗の話をしましたか?
飯塚:していたと思います。
検事:どういう風に?
飯塚:通行人から口座番号を聞き出してから刺す…というような。
検事:どうやって聞き出そうと言っていましたか?
飯塚:脅して。
検事:どうやって脅そうとしていたのですか?
飯塚:細かいことは何も…覚えていません。
検事:番号を聞き出した後に刺そうと言っていたのですか?
飯塚:そうだと思います。
検事:どうして(聞き出した)最後に刺すと?
飯塚:今にして思えば、(被害者に)抵抗された時を想定したのかなと。
検事:あなたは被告人から、どういうことをやれと言われましたか?
飯塚:見張りです。
検事:被告人から「刺せ」と言われたことはありませんか?
飯塚:言われませんでした。
検事:奪ったお金の使途については?
飯塚:話し合っていませんでした。
検事:あなたが「殺さなくても良いのでは…」と言ったことに対し、被告人が「刺したほうが簡単だ」と言った時のやり取りを覚えていますか?
飯塚:(被告人からの答えは)覚えていません。
検事:吉祥寺に着いてからネット・カフェに入ったのはどうしてですか?
飯塚:通行量が消えるまで、まだまだだと…。

 この尋問の最中、証人である少年Bこと飯塚は決定的なことを述べている。それは山田亜理沙さんを襲った瞬間こと。
「被告人がいきなり刺すと思わなかったが、それが刺したので自分も…」(少年Bこと飯塚)
 この証言の一瞬、法廷内が凍りついたように思う。脅すだけの作戦であったら凄惨な犠牲は避けられたかも知れない。良くも悪くも、人の運命は紙一重であることを示す証言である。

 次に尋問は被告側の弁護人へと移る。尋問に立ったのは秋野弁護人。尋問内容は少年Bこと飯塚と少年Aこと今井アレックス被告との関係について重点が置かれた。

秋野弁護人:A君(今井被告)との付き合いは1〜2週間程度だった?
少年Bこと飯塚:はい
弁護人:A君のフルネームを知っていましたか?
飯塚:知りませんでした。
弁護人:A君は君のフルネームを知っていましたか?
飯塚:知らなかったと思います。
弁護人:A君は君のことを好きだったのかな?
飯塚:考えたことはなかったです。
弁護人:A君は君のことを家族のように思っていたらしいけど、君はどうかな?
飯塚:1〜2週間程度の付き合いだったけど、大切な友人です。
弁護人:A君のほうから(アパートに)一緒に住もうと言って来た?
飯塚:はい。
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弁護人:2人の間では、脅してカードの暗証番号などを聞き出し、その後で刺すことを話し合ったのかな?
飯塚:はい。
弁護人:君は何もしなくて良い、もし抵抗されたりイザという時だけ出て来てくれと言われた?
飯塚:はい。
弁護人:その時のやり取りをハッキリと覚えているかな?
飯塚:いつ、どこで言ったかは覚えていません。
弁護人:君が「殺さなくても…」と言い、A君が「刺したほうが…」という会話をハッキリ覚えているかな?
飯塚:そういうことを言ったことは確かですが…そんなやり取りはありました。
弁護人:君は何のためにナイフを持つことになったか? どこで君もナイフを持つことになったのかな?
飯塚:日野駅に行くまでの間だったと…思います。
弁護人:「俺が先に刺す」「お前も刺せ」の会話はどこで? ネットカフェの中? それとも外?
飯塚:そんな会話はありましたが、どこか覚えていません。
弁護人:ネットカフェを出た直後、同じ女の子のグループと3回すれ違わなかったけど、覚えているかな?
飯塚:よく覚えていません。
弁護人:最初の話で「脅すだけ」が「いきなり刺す」に変わったのはどこ?
飯塚:ネットカフェか、その後だと思います。
弁護人:「俺が刺す」「お前も刺せ」という会話はどこであったのか覚えていないんだね?
飯塚:はい。
弁護人:捜査の段階で警察の人や検察の人に、その会話のことを話した?
飯塚:覚えていません。
弁護人:山田さんを発見する前、男の人を見つけた時にA君から「先に刺せ」と言われたりした?
飯塚:覚えていません。
弁護人:山田さんを発見した時、A君が「女の人だから俺が行くよ」と言った?
飯塚:覚えていません。
弁護人:刺す、刺せという会話自体が無かったんじゃないかな?

 ここで検察側からの「異議あり!」が申し立てられた。「誘導です。覚えていないと言っているじゃないですか
 倉澤裁判長が秋野弁護人に対して質問内容を変えるよう命じる。

弁護人:君は検察の取り調べでウソの供述を自白したことがあったね? 後になって「あれはウソでした」と。刺す、刺せの会話があったとされる、ここでもウソを言っているんじゃないか?

 検察側から二度目の異議あり! 再び裁判長が質問内容を変えるように命じる。

弁護人:君は以前に脱法ハーブをやっていたね?
飯塚:はい。
弁護人:あれをやると、どんな気分になりますか?
飯塚:頭がボーっとします。
弁護人:毎日やっていましたか?
飯塚:…事件の3日前にも…。
弁護人:ネットカフェでも吸ったのでは?
飯塚:覚えていません。

 次に、同じく被告側の弁護人である作本弁護人からの尋問。

作本弁護人:A君の実家に行った時のことを捜査段階で警察の人に言っていないのではないですか?
飯塚:訊かれなかったので…。
弁護人:A君に呼び止められたからとび職の仕事を「ばっくれた」と言っていますが、本当は2人の少女のうち、付き合っていた彼女と一緒にいたかったのではないですか?
飯塚:それもありますが、A君から「遊ぼうよ」と言われたから…。
弁護人:未払いの給料(19万円)を会社に取りに行かなかったのはA君が呼び止めたからと言っていますが、自分がだるかったのではないですか?
飯塚:それもありますが、自分もA君の引き止めを断り切れなかった…。

 最後に、再び検察側から一点のみ尋問。

石川検事:被告人(少年Aこと今井被告)がナイフを振りかざした速度や威力は言葉で説明するのは難しいと思いますが、この場で再現出来ますか?
飯塚:その通りだとは言い切れませんが、大体の形で…。

 少年Bこと飯塚はナイフを象(かたど)った厚紙を手にし、料理をする時とは逆のナイフの持ち方、つまりナイフの柄を上に、刃の部分が下になるような持ち方をして刺す仕草をして見せた。

 ただし、これは発言による再現ではないため裁判上の記録には残らない。

 被告側の弁護人からの尋問は、主犯格・今井アレックス被告と飯塚の関係に、どちらが主導的であったわけでもないと印象付け、そういう方向へ持っていきたいようだ。

 何のことはない。どこで脅す…が刺すに変わろうと、最初に2人の間で何を取り決めていようと、そうした口約束など実際に実行の場面になれば忽ち吹っ飛ぶものである。むしろ、最初から取り決めたことが最後までそのまま履行されるケースのほうが少ないのではないか。

 2人の間で確かに「会話」は存在したのである。ただ、強盗殺人の実行に際して図らずも少年Bこと飯塚も決定的な役割を果たしてしまい、殺意が無かったとは言えないと断じられたのだろう。最初から殺意の無かった飯塚さえ結果的に殺意ある行為に及んでしまった。

 最初から殺害も辞さない構えで望んだ今井アレックス被告などは殺意満々だったと言われても仕方がない。

 家裁や少年院への送致などトンでもない話で、刑事裁判による死刑判決が妥当であろう。