2/21地裁・立川 傍聴記 ★「更生の余地」を演出!

「この親にして、この子あり」を実証した被告の母への証人尋問

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 平成26年2月21日(金曜日)、東京地裁立川支部にて「吉祥寺・強殺事件」の第3回目となる公判が開かれた。

 午前10時より始まった当日の審理は、午前中の大部分を費やして被告側の弁護人より少年院の仕組みに関する説明が行なわれた。

 要するに一般の刑事裁判とは別に、家裁送致で少年院に送られれば被告人にはこんな更正の余地がありますよ、少年院ではこういう更生プログラムがありますよという説明である。

 政府発行のパンフレットを用いて少年院の仕組みが法廷内のモニターにも写された。

 しかし、このような説明はいくら聞いたところで本件に関してはまったく無意味だろう。

 何せ単なる通行人である山田亜理沙さん(当時22歳)を遊ぶカネ欲しさで襲ったルーマニア人の今井アレックス被告には更生の余地無し、反省の態度が微塵も無しだからである。

 「保護処分」となった場合の流れとして、少年院では「職業補導」や「保健体育」「院外教育」などが施されるようだが、娑婆にいる者がお金を払わなければ出来ないスポーツを税金で行なうことが出来、出所後の職業訓練まで施してくれるとは大層なご身分ではないか。

 これを求職中の失職者が見た場合、「職業訓練を施して欲しいのは俺(私)だ!」と言いたいところではないか。

 いかに未成年と言えども稀に見る凶悪犯。成人同様、一般の刑事裁判で裁かれている今井被告には何ら関係の無い話だ。

 正午近くとなり、ようやく今井被告の母親に対する証人尋問が開始された。

140219_1201~010001 この今井アレックス被告の母親というのも、本裁判が始まって以降、初公判の時からずっと姿を見せているが、ただの一度として泣いている姿を見たことがない。
 今井被告と共犯で捕まり、裁かれた日本人の少年B(飯塚滉暉 =いいづか・こうき=)の場合は母親らしき40歳代くらいの女性が閉廷後、涙しながら無期懲役の判決を下された息子の元に歩み寄っていたが、ここが日本人と外国人の違いでもあるのだろう。

 自分が生んだ息子がしでかしたことなのに、どこか他人事なのではないか。「ああ、やっちまったのか」「捕まっちまったな」といった程度に。

 日本人も外国人も関係のないことだが、男にとって一番泣かせてはいけない女性。それは母親である。しかし、今井被告の母親は一度として泣かない。泣いて当然の場面で泣かない。息子が死刑判決でも受ければ泣くのだろうか。そうなったほうが良いだろう。そうなったほうが自分の息子がしでかしたことによって、とてつもない苦痛と悲しみ、屈辱を味わされた被害者遺族の気持ちが分かるというものだ。

 証言台に立った今井被告の母親は細身で、いかにもダンサーといった出で立ち。身長は約165センチくらいで、そんなに高いというわけでもない。

 証人尋問は基本的に「日本語で行ない、分からない部分を通訳人に訳してもらう」ということで始まったが、開始早々、日本語でやるには無理があるだろうと思わされた。

 裁判官もそれを察知したようで尋問の全てにおいてルーマニア語の通訳を介して行なわれた。

 被告側の秋野弁護人から事件によって殺害された山田亜理沙さんのご家族に述べることがあれば、と促され、ルーマニア語で話し始める。

何よりも先に心からお悔やみ申し上げます。申し訳ない。ごめんなさい。
息子に対する責任、被害者への責任の重大さを感じています。
ユルシテクダサイ。ゴメンナサイ

 「ユルシテ…」の部分のみを日本語で述べたが、母語で述べたにせよ、どこか他人事のような、ありきたりな定型文である。

 弁護人からの尋問で今井アレックス被告の父はトルコ人、母は16歳の時にルーマニアでアレックスを出産している。トルコ人とルーマニア人のハーフ(混血)。後に一家でトルコに移住しているが、夫からの暴力は激しく、包丁を突きつけられて脅されるようなこともあったが、当時は幼子だった今井被告が泣き出したために救われたことも。

 義母から2人のパスポートを取り上げられてルーマニアに帰れないようにされるなど、生活は決して楽ではなかった。

 やがてルーマニアに帰国。今井被告と今井被告の母、今井被告から見て祖母と叔父、叔母の5人家族で暮らすことになったという。トルコ人の夫(今井被告の父)がルーマニアまで追って来ることもあったが、やがて離婚。このトルコ人の夫は今井被告が10歳の時に亡くなっている。

 弁護人からの尋問で「幼い頃の今井被告がよく甘えてきた」というエピソードも明かされた。

 やがて今井被告をルーマニアの祖母らの元に残したまま、母は日本へと渡る。弁護人からの尋問では、本人にはきちんと説明せぬまま来日したことが明らかに。

 今井被告をルーマニアの私立プライベート・スクールに入学させた。成績は良かったとし、弁護人はルーマニアの学校での成績表まで法廷内のモニターに写し出す。学校では表彰もされたことがあったと言う。

 今井被告の母は日本で日本人男性と再婚。当時、それをルーマニアにいた今井被告には伝えず、説明もせず。「まだ小さかったので説明しても理解出来ない」として。

 結婚してからすぐにでも今井被告を日本に呼びたかったが、小学校はルーマニアで過ごさせた。

 ルーマニアにいる息子も籍に入れて一緒に暮らしたい…日本人男性との間に生まれた娘(今井被告の父親違いの妹)を連れてルーマニアに帰った母は、「息子と一緒でなければ日本には戻らない」旨を夫に告げた。当時、今井被告は13歳。

 望み通りに息子である今井被告も一緒に日本で暮らすことになったが、当の息子は日本語が出来ず、日本の文化も何も知らない。

 母親としては息子をすぐには日本の中学校へ入れず、日本語を学ぶことに専念させたかったようだが、夫がそれに反対した。結果として今井被告が日本語を習得し、日本の生活にも順応することを早めた。

 来日当初は楽しそうだった今井被告だが、次第に悲しそうになっていったと母親は振り返る。「息子は夫からも無視されていた」と。

 自身が水商売の店をやっていた関係から、母親は帰宅するのが早くて午前6時。遅ければ正午くらいになってしまうことも。必然、息子と顔を合わせる機会も少なく、会話も少なく。

 日本人男性の夫との喧嘩も絶えず、週に2〜3度は衝突したという。「息子(今井被告が)が止めに入ったこともあった」と母親は振り返る。

 今井被告は中学校に通うことになったが、学校には毎日通っていたと言う。学校の行事や地域のボランティアにも積極参加。そうした機会に日本語を身につけたという。これはいかに日本社会が外国人である今井被告を寛容に受け入れたかを物語っている。今井被告が僅か数年で、日本語のみで裁判を受けるくらいに日本語を上達させたのは学校や地域など、日本社会が外国人を寛容に受け入れたことを裏付けるものである。…しかし、これが仇になった!

 被告側の弁護人は裁判において、今井被告が学校でのイジメや暴力を受けた被差別階層であるかのように印象付けようとしているが、トンでもない話である。

 法廷内のモニターには写されなかったが、今井被告の中学時代の成績表が証人である母親に見えるように示された。低い成績が多くなったことについて、母親は「個別指導を受けさせられなかった」と述べている。「日本語を理解出来なかったせいでは?」とする弁護人の質問には、「その通りです。日本語を知らなかったために…」とした。いかに今井被告が日本の事情をよく理解していないかという方向に持って行きたいようだが、話はまったく逆である。中学時代はともかくとして、今井被告は前述のような周囲の環境も手伝って、驚異的なスピードで日本人の生活に同化していったのである。

52c35781 やがて今井被告は東京都立『秋留台(あきるだい)高校』に入学。弁護人は今井被告が別の私立高への進学を希望していたが、仕方無しに秋留台高へ行ったのではないか?と問い、母親は「ハイ」と答えている。

 高校では暴力を振るわれ、イジメを受けて恐喝された、ある時などベッドから起きられないほどだったと母親は説明。

 高校1年生の頃から家を空けることが多くなり、外泊することが度々。たまに戻って来ても父親と衝突することが多くなったと言う。「暴力を振るった人たちから後をつけられたり、それが原因で学校をやめたい」と言い出したようだ。

 だが、この主張を真に受けることは出来ない。仮にイジメや暴力が事実で学校をやめたいとしても、その当人が家を空けたり、夜な夜な街中を徘徊するなど不良化していては元も子もないだろう。自分から刺すことを提案して犯行を主導しておきながら、裁判になるや自分こそが従わされた側だなどと主張する今井被告の言うイジメや暴力、恐喝の被害など、どこまで本当のことを言っているのか分からない。

 高校2年の夏に退学した今井被告が母親の店に最後に姿を現わしたのは、吉祥寺での事件を起こす1週間前だと言う。

 事件の第一報で息子が加害者だと聞いた時、母親は「信じたくなかった」と振り返る。

 この段階でも既に綻びが見えまくりだが、弁護人と母親によって今井被告を「悲劇の主人公」に仕立て上げた物語もここまで。次に検察側からの尋問に入る。

検察側:ルーマニアに送金をしていましたね? 毎月の額はどのくらいですか?
証人(母親):5万円から10万円…多い時で15万円。
検察:結婚の後も送金していましたか?
母親:はい。
検察:ブカレストにマンションを購入していますね?
母親:はい。
検察:あなたが稼いだお金でですか?
母親:夫も少し。

 ここがネックだが、いかに日本に定住・永住を決めた外国人であれ、母国との縁をキッパリと断ち切ったわけではない。イザという時に備え、家を建てるなり、ビルを建てるなり、きっちりと母国に生活基盤を構築しているものだ。こういう外国人に易々と定住許可や永住許可はたまた日本国籍まで与える日本政府は入管法のガイドラインに違反していても、それらの許可や国籍を剥奪しないことが正当なのかどうかを考えることに直面する事態がいつか来るに違いない。

検察:被告人が高校に入ってから学校へ行きたくないと言ったのはいつ頃から?
母親:最初から…。
検察:1年生の頃から夜遊びをするようになりましたか?
母親:はい。
検察:学校へ行かなくなったのは?
母親:2年になってから。

 要は幼い頃は少々成績も良かったのかも知れないが、根が不真面目なので瞬く間に不良化しただけの話である。

検察:何故、学校に行かなくなったのでしょうか?
母親:暴力を受けたりしていたので…。
検察:退学する前に、被告人は暴力沙汰で停学になっていますね?
母親:そういうこともありました。
検察:(吉祥寺での)事件前、家のお金を持ち出したりしていますね? 総額で言うと?
母親:30万円。
検察:ご主人の預金(170万円)も引き出していますね? 何に使ったのでしょうか?
母親:家賃など…。
検察:170万円も家賃にですか?
母親:生活費や食費など…。
検察:あなた(証人)が警察に呼び出されたのは息子さんが他人の物を盗んだりすることで?
母親:はい。
検察:被告人に注意なりしましたか?
母親:いつも口頭で叱っていました。麻薬をやっていないかどうか、腕もチェックしました。息子が悪事を働く度、ルーマニアに戻る気が無いのであれば予防的に少年院へ入れたかったのです。
検察:被告人がどんな悪事を働くと思いましたか?
母親:もっと悪いことをするのではないかと予想しました。何回もお金を盗んだり、携帯電話を盗んだりしましたので…。
検察:今後も息子さんと共に日本で暮らすお考えですか?
母親:はい。
検察:被害者遺族への賠償を考えていますか?
母親:私は出来る限りのことをやりたい。
検察:具体的には?
母親:ルーマニアにあるマンションを渡しても良い。

 今井被告がイジメや暴力、恐喝の被害者であることなど、すぐにメッキが剥がれた。何のことはない。手癖の悪い根っからの犯罪者体質なのである。いや、罪を重ねたという認識すら無いのだろう。

 アパートを借りる費用など、見ず知らずで無関係な山田さんを襲うくらいなら、自宅に盗みに入るなり強盗に入るなりすれば良かったのではないか。それにしても計200万円を右から左へと使ってしまうなど、十代にしては尋常な金遣いではない。

 母親は「少年院に入れたかった」旨を述べているが、これなどは今回の事件の裁判に際し、弁護人との口裏合わせで家裁への送致(保護処分)を狙ったイメージ戦略と言えるだろう。どこまでも卑劣な母子である。

 次に被害者参加制度を利用して裁判に参加している被害者遺族の代理人として清水弁護士より尋問。

清水弁護士:被害者遺族に直接謝罪はしないのですか?
母親:どこへ行けば…?
清水弁護士:あなたの周りに誰がいますか? 弁護人の方がいますよね? 相談出来たのでは?
母親:ショックで冷静に考えられずに…。
清水弁護士:(この裁判が行なわれている2月21日から)1週間後の金曜日が何の日か知っていますか?
母親:金曜日は金曜日です。
清水弁護士:被告人に殺害された山田亜理沙さんの命日です!
母親:…。
清水弁護士:事件から1年が経とうかという段階で自分から謝罪しないのですか?
母親:まだ1年経っていません。
↑ ※ただの屁理屈
清水弁護士:ルーマニアのマンションを渡しても構わないと言っていましたが、そういう意向があるのなら何故、裁判の前にしないのですか? もっと早い段階でしようとは思わなかったのですか? 賠償の有無が被告人の裁判を有利にするとは考えないのですか?
母親:私は日本の法律はよく知りませんが、夫の言う通りにしてきました。
清水弁護士:被害者遺族が東京より遥か遠いところから来られているのは知っていますか?
母親:はい、青森です。
清水弁護士:東京の裁判所へ来るにも費用もかかります。そういう費用について、あなたが負担しますとか思わないのですか?
母親:誰に言えば良いのか…?
清水弁護士:今のご主人とは離婚の調停中だということですが、賠償について出来ますか?
母親:夫の意見については述べられません。

 間違いなく、この母親に関して被害者遺族に賠償する気はないと言えるだろう。心にもない謝罪の言葉を述べ、屁理屈や言い逃れ、責任転嫁だけは一人前。まさしく、この親にしてこの子あり…である。

 次に尋問は裁判官・裁判員より。

岸田判事:何故、事件を起こしたか、被告人から具体的に訊きましたか?
母親:カラオケとかネットカフェとか…。

 この時点で母親自ら息子が遊ぶカネ欲しさに強盗殺人に至ったことを「自白」したも同然である。

裁判員:被告人は平成24末の段階で、家から持ち出したりしたお金を計200万円ほど持っていたわけですが、何に使ったのですか?
母親:飲食とか女との付き合いとか…カラオケ…エクスタシーに…。
裁判員:エクスタシーとは薬物ですか?
母親:はい。

 またも享楽のために人を襲ってカネを奪ったことを裏付ける母親への尋問だ。断じて「家族」との生活のためなどではない。

 この上なく手癖が悪く、家族のお金を数百万単位で盗み出したりする息子に、なおも母親は毎月のように小遣いを与えていた。そのお金を右から左へと瞬く間に使い切ってしまう今井被告。およそ母親らしさの欠片も見当たらない教育姿勢が吉祥寺・強殺事件をもたらしたとも言える。

 被害者遺族は、この加害者家族に対して民事賠償請求訴訟を起こしてでも賠償させるべきだろう。

 加えて、このようなルーマニア人どもの入国を認め、社会に徘徊させた日本国政府の責任も問うことが望ましい。

 これは日本社会が総がかりで加害者家族と国に賠償させなければならない問題である。

夕暮れ近くの午後の法廷には今井被告の父である日本人男性が出廷した

★育ての「父」も認めた!

「今井アレックス被告が反省しているとは到底思えません」!?

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☆宿命的な国際結婚トラブル
 平成26年2月21日の東京地裁立川支部101号法廷で行なわれた「吉祥寺・強殺事件」の公判も夕暮れ近くになった頃、産みの母親に続いて今井アレックス被告の「父親」である今井パパへの尋問となった。

 これ以降の本稿では今井アレックス被告とその父の表記について混乱を来たすのを避けるため、今井被告を「アレックス被告」、その父を「今井パパ」と表記する。

 尋問を開始する前、倉澤裁判長は「(審理が)長時間に及び、被告人も疲れているので尋問は最小限にお願いします」と弁護側に注文を付けたが、そのような配慮は必要無いのではないか。その被告人によって無慈悲に生命を奪われた被害者・山田亜理沙さんは誰かから心配される間もなく息絶えている。

 被告側の秋野弁護人から始まった今井パパへの尋問は「義理の父に当たるのですか?」との問いには、「…ちょっと違いますね。妻の連れ子ですから義理には当てはまらないと思います。マスコミ報道では『継父』だとか何だとか書かれましたが…云々」。

 弁護人からの「父ではないということですか?」という問いには「法的には」と答えた今井パパだが、続けて「だからと言って邪険に扱うとか、そういうことではありません」と注釈を付けた。アレックス被告が13歳で来日した当初より、その生活の面倒を見るために色々と奔走したことを述べ始めた今井パパは総じて「よく喋る人」。自分の苦労話も驚愕した話も、激怒した話も、悲観した話も饒舌且つ漫談調で喋り始めると、倉澤裁判長より「証人(今井パパ)は訊かれたことだけに答えて下さい」「ハイかイイエで構いません」と注意を促される場面も度々。

 年の頃、六十代後半から七十代前半といったところか。

 精密機器の会社に定年まで務め、事件当時も現在もタクシーの運転手として働いている。法廷での尋問では間もなく、そのタクシー会社も辞める旨まで述べていたが、下町の親父といった風体で外国人妻の連れ子であるアレックス被告への生活支援も惜しまなかった今井パパは面倒見が良く、度量のある「お人よし」なのである。

 もし今井パパの話を居酒屋など酒席で直に対面しながら聞いていたら、面白おかしく耳を傾けていられただろう。

 吉祥寺での事件を警察からの電話で聞かされた際には、「そりゃあ…もうビックリしました! 『ええ!? アレックスが人を殺した!?』…その一言しかありませんでした!」などとウッカリ被告人の名前を法廷で言ってしまい、またも裁判長から注意を受ける有り様である。

 刑事裁判と言えども未成年の被告が裁かれているとあって、法廷内では被告人の氏名は尋問においても一切伏せられている。

 被害者遺族に対して一言申し述べて下さいと促された今井パパは「こんな凶悪な事件を起こして…。謝罪とか…そんな言葉は見つかりません…」と述べるのが精一杯だった。

 妻、即ちアレックス被告の母との出会いは8〜9年前、吉祥寺にクラブがあり、そこに足しげく通っていた今井パパはアレックス被告の母を見初めてしまう。

 交際を経て国際結婚に至るが、その際に妻の母国ルーマニアに住む妻の実家にも相当な援助を施した。
 約1千万円のアパートを購入してやり、補修費用などでも計500万円くらいを送金している。

 妻の実家への生活費も月10万円ほどを3年にわたって送っている。妻の父親が亡くなった際にはお墓を建てるために、また30万〜40万円を援助したと言う。
向こうにも妻の兄(長男)がいるんですから、向こうですれば良いじゃないかとは思ったんですがね」(今井パパ)

 ここが国際結婚で外国人妻を持つことの大変さだろう。資産・財産があるとなれば義理事の度に出費を要求される。今井パパは退職前も退職後も会社員という立場で、飽くまでも想像だが、資産家の跡取りだったのではないかと思われる。こうした高齢の金持ちが若い外国人の女に篭絡され、正妻に収まるや有り金をトコトンまでタカる典型的なパターンだと言えよう。

 2人は平成16年頃に結婚。2年後の平成18年にはアレックス被告の妹となる長女を出産している(現在7歳)。

 妻からはアレックス被告と離れて暮らしていて淋しいとの訴えを度々聞かされた今井パパ。ある時、妻が娘を連れてルーマニアに帰国。「息子(アレックス被告)と一緒でなければ日本には戻らない」と言い始めた。
私がウンと言わなければ日本には帰って来そうになかったもんで…」(今井パパ)

 半ば仕方なしにアレックス被告を養育することになった今井パパ。法務省入国管理局にアレックス被告が来日するための必要書類を提出。「ウェルカムというわけではありませんが…」としながら色々と面倒を見始めたとする話をし始めた。

 アレックス被告は平成20年夏に初来日。弁護人から「養子縁組はしなかったのですか?」との問いに今井パパは「いや、まったく! そんな考えは…」としてアレックス被告との明確な父子関係を否定する。

 新しい「家族」を迎えた今井家だったが、今井パパとアレックス被告が自宅の食卓で顔を合わせるということは毎日ではなかったようだ。今井パパもタクシーの仕事の関係上、途中から家族が揃って食事をする機会も次第に減っていった。

 アレックス被告が日本語を話せるようになっても、特段訊ねるようなことでもない限り、今井パパと「父子」の間で会話が交わされることは無かったという。

 アレックス被告について「どのような性格ですか?」と弁護人から問われた今井パパは「何事にも…あまり積極的ではない」と評した。反面、アレックス被告の「良い面はありますか?」と問われると、「う〜ん…」と考え込んで「特段ね…分からんですなぁ…」と言葉を濁している。

 中学校時代のアレックス被告は真面目に学校へ通っていたことは今井パパも認めている。一方、今井パパとアレックスの母である妻との関係は「はじめの頃こそ良かったが、妻のほうが理由も無くヒステリックになっていった」と話す。

殴る、蹴る、引っかく…暴言。私が酒を呑んでいたら突然、私を蹴っ飛ばして包丁まで持ち出して、それを子供たちの目の前でやりました」(今井パパ)

 このような騒動が週に何度もあったわけではないが、3年に4〜5回の割合で起きたという。これも国際結婚に往々にして見られる傾向である。文化の違いもあるのだろうが、日本人の性質として大人し過ぎるのか、計算尽くめで暴れているということもあろう。日本人同士の夫婦も同様だが、こと外国人配偶者となれば夫婦喧嘩も意味不明に、その暴れっぷりも凄まじい。

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☆家族の中にいたドロボー

 やがてアレックス被告が都立・秋留野高校へと進学。

 「自らの意思でその学校に入ったのですか?」とする弁護人からの尋問には、「いえ、本人からは何も聞いていません。入試も殆ど無くて、先生からの推薦もあり、帰国子女ですとか、そういった生徒を受け入れる枠があるようで…」と答える今井パパ。

 「被告人は私立昭和第一学園(立川市)に入りたがっていたのでしょうか?」とする弁護人からの問いに、今井パパは「新宿の大久保にある私立学校を滑り止めで受けていました」と答える。この学校には今井パパも保護者として面接なりに同行している。入学金も納めた。父子として会話らしい会話も無く、「息子」のことには無関心ながらも、それなりに親としての務めを果たしてはいたようだ。

 余談ながら東京・大久保界隈は新宿区ぐるみで推進する多文化共生政策の「コリアン・タウン」として知られ、『在特会』をはじめとする愛国市民団体が韓国追放のデモ行進を度々繰り広げるまでになったが、やはりソチラ系の学校が少なくないようだ。

 アレックス被告がそちらに進学したかったのかと言うと、そうではないらしい。だが、中学の時と比べると、アレックス被告には高校へと通うようになって明らかな異変が生じたようである。

1学期は真面目に通っていましたが、2学期に…その間、何があったのか知りませんが、9月か10月に喫煙で補導されました。
 私が警察に呼び出されて一緒に学校の先生のところにも謝りに行きました。先生たちの前でアレックス…あ、いやいや、アイツ(アレックス被告)にも『謝れ』と言ったんですが、これが謝ろうともしなかったんですよ
」(今井パパ)

 単純に考えて1学期と2学期の間にある夏休みが原因である。

 そしてアレックスが今井パパのバッグから22万円を盗み出す事件が発生した。今から約2年前のこと。
 今井パパは武蔵野市方面のクレー射撃協会の会長を務めており、会員から集めたお金だったと言う。

 どうして盗みなど犯すようになったのだろう? 今井パパが本人に詰問して聞いたところによると、「誰かに脅かされた」と言っていたようだ。「誰とは言いませんでした。すぐに本人を連れて福生警察署に被害届を出そうと相談した」と言う。

 …単純に考えて、ここでも遊ぶためのカネ欲しさで今井パパのバッグからお金を盗み出したのだろう。それがバレて問い詰められるや「脅し取られた」と体裁を繕ったに違いない。本当に被害があれば誰なのかを述べているだろう。それが言えないということは、そんな被害は無かった。こんなウソにまんまと騙されている今井パパも今井パパである。いよいよアレックス被告の言う学校でのイジメや恐喝、差別などは怪しくなってくる。

 高校2年生になると1学期の終わり頃からアレックス被告は学校へ行かなくなった。またも夏休みが近付いた時季である。その後、出席日数も足りなくなって自主退学している。

(アレックス被告が)仕事をしたい、なんて言い出しやがりましてね。働くなんて、学校へ行くよりも大変だぞ、ということを言って聞かせたんですよ」(今井パパ)

 実際、自分でハローワークに行って見つけてきた仕事もアレックス被告は1ヵ月とて続いていない。

 この辺りから半ば家出同然のアレックス被告は実家へ度々戻っては今井パパの財布やバッグから3万円やら10万円やら度々お金を盗み出している。

 そして銀行のキャッシュカード20数枚を持ち出して170万円を引き出すなどした。全部ではないが、カードの中には生年月日を暗証番号にしていたものもあり、それでATMから引き出すことが可能だったのではないかと思われると言う。

 こうしたことから今井パパは自宅の鍵を取り替えるなどして、アレックスの無断での帰宅(侵入)を許さないための措置を講じた。それでも窃盗事件は起きたのである。

 事件の前年となる2月24日のこと。「どこから入ったのか…玄関から見て裏側にある引戸を開けて自宅に入ったみたいです」。今井パパが急ぎ帰って自宅2階への階段を駆け上がり、「現行犯」でアレックス被告をとっ捕まえたことがあったと言う。
 「何をやってるんだ!!」 今井パパの激しい怒声に怯えた素振りを見せつつ、「ごめんなさい」と小さな声で謝ったアレックス被告。

 今井パパが気を抜いた一瞬の隙に、「パーッと窓から逃げやがりました。とにかく、本当に逃げ足が早いったらありませんよ」と今井パパは当時の様子を法廷での証言で振り返った。

4f02ffde8886b1ffb0bcfcb4ffc7982b 「被告人に対してどう思うか?」とする弁護人の問いには、今井パパは「…あんな大それたことをやってしまって…本当に反省しているのか…私にはそうは思えません」と言った。一番身近にいた者からして言うのだから間違いなく、そうなのだろう。

 現在、妻とは離婚の調停中だそうだ。あまりにも遅きに失して、奪われたもの無くしたもの、社会に対する被害は甚大だったが、当然の判断だろう。

 次に検察側からの尋問。

 アレックス被告が来日するまで今井家から仕送りしているが、全て今井パパの収入だったと言う。

 アレックス被告が来日すると、日本語学習については今井パパが市役所に相談して外国人の日本語学習センターを見つけてきたようだ。

 今井パパはアレックス被告に対して中学生の頃は3千円、高校生になってからは月5千円の小遣いを与えていた。これが普通の額である。その範囲内の遊興にとどめるべきで、それ以上の額が必要で欲しければ自らアルバイトでもして稼げという話だろう。

 アレックス被告の件で今井パパらが学校に呼び出されたのは計4〜5回。妻も学校へ赴いているが、今井パパによると「妻は一度行っていますが、その後は…」と言う。
 ちなみに今井パパへの尋問中、この妻も傍聴席で傍聴していたが、途中で退廷した。よほど聞くに堪えなかったのだろうか。

 バッグや自宅の金庫から現金が盗み出されたのは何回か分からない。「脅し取られたと言うのは本当だと思いますか?」とする検察側の問いに、今井パパも「本人が言うには…。しかし、今にして思えばどうか分かりません」と言う。

 「盗み出した現金の使い道は何だったと思いますか?」の問いには、「享楽で使ったんでしょう」と答えた今井パパだが、吉祥寺・強殺事件の動機がそのまま示されてもいる。

 果してアレックス被告は反省しているのか? 検察側から改めて問われた今井パパだが、「私に対してだって未だ何ら謝罪の言葉がありません」と言い、被害者遺族への賠償については「私のほうからも、そういう問題が必ず出てくるぞ、大変だぞ、ということを妻に言いました」と言う。

 続いて被害者参加制度に基づいて裁判に参加している被害者遺族の代理人である山本弁護士より尋問。

山本弁護士:被害者遺族から見て証人(今井パパ)は「加害者側」ということになりますが、そういった認識はありますか?
今井パパ:…そう思われても…仕方がないでしょうね…。
山本弁護士:法的にはともかく、被告人のしたことで証人に道義的責任があると思いますか?
今井パパ:…私自身には…非があるとは認識していません。

 以上で、この日の審理は終了。

 アレックス被告が日本の生活に馴染むための環境を整えることに奔走し、援助や出費を惜しまなかった今井パパを責めるのは酷な気もするが、責められるべき最大の点はアレックス被告の母と国際結婚をしたことだろうか?

 ただでさえ軋轢や衝突が起きる可能性は高いというのに、アレックス被告が来日して日本での生活を始めるに際して相応のトラブルは「予測出来たこと」である。

 妻が「息子と一緒でなければ日本に帰らない」と言ってきた時点で帰って来てもらわなければ良かった。アレックス被告には日本での生活に順応してもらわなくて良かった。さっさとルーマニアに帰国してもらえば良かったのであり、今井パパが奔走したことが全て仇になって返って来たのである。

 その最大のツケを支払わされたのは今井家とはまったく関係の無い山田家であった。

 何よりの被害者はアレックス被告に殺害された山田亜理沙さんである。
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