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2/25地裁・立川 傍聴記
 
★遺族の怒りと悲しみ!

狡猾な人権派弁護士の法廷戦術や論理展開をも打ち砕く!

 平成26年2月25日(火曜日)、東京地裁立川支部101号法廷にて「吉祥寺・強盗殺人事件」の第5回目となる公判が開かれた。

 この前日となる24日には第4回目となる公判が開かれたが、こちらは弁護側が証人尋問を要請した今井アレックス被告のかつての担任教師や元家裁調査官・加藤幸雄が出廷し、概ね被告側にとって有利となるような尋問が行なわれた。
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 その翌日に開かれた第5回公判は、再び今井被告本人に対する尋問。筆者はこの日も所用のため正午過ぎに裁判所に到着。午後からの傍聴となった。ただし、午前中には私ども『NPO法人 外国人犯罪追放運動』の調査スタッフも傍聴に来ていた。

 午前中の審理で今井被告は「もう一度ルーマニアでやり直したい」「そのためのチャンスを欲しい」旨を述べたようである。

 ルーマニアでやり直したいと思うなら、事件を起こす前にさっさと帰国すべきだったであろう。日本での生活にそこまで行き詰まっていたのなら、速やかに日本を立ち去るべきだった。しかし、今井被告のような輩は国が違えど、やっていることにそう大差はない。結局ルーマニアにいても行き着く先は今とそう変わらないのではないか?

 それにしても無慈悲にも残忍な手口で人一人を殺しておきながら、それも遊ぶカネ欲しさの身勝手な犯行に及んでおきながら、ちゃっかり自分だけはやり直すチャンスを得ようとは虫が良過ぎるにも程があるのではないか。

 もう一度チャンスを…などと言うが、いったい何のチャンスだろう?

 午後は検察側からの尋問。

検察側:アパートを借りるための資金を確保するために吉祥寺での犯行に及んだと述べていますね?
高校時代のお話から伺っていきます。退学したいために暴力事件を起こしましたね? 誰を殴ったのですか?
今井被告:高校の時の後輩(当時1年生)です。
検察:どうして殴ったんですか?
今井:縄張りとしていた公園にいたので…。
検察:何回殴ったのですか?
今井:3回…。
検察:相手のどこを殴ったのですか?
今井:よく覚えていません。
検察:顔面を殴ったのではありませんか?
(今井被告が「顔面」という意味を理解出来なかったのでルーマニア語への通訳を要する)
今井:よく覚えていません。
検察:つい最近のことなのに…ですか?
今井:2〜3年前なので…。
検察:あなた、2〜3歳頃の記憶をこの法廷で詳しく述べていますよね? それが自分が加害者の場合には覚えていません…となるわけですか?
今井:2〜3歳頃の記憶は私にとってのトラウマなので…。
検察:でも、相手に苦痛を与えたことは忘れるわけですか?
今井:いえ…。
検察:学校をやめたかったのなら自分の母親に言えば良かったのではないですか?
今井:やめたいと言いました。
検察:では、後輩は何のために殴られたのでしょうね?
今井:後輩を殴っても停学にしかなりませんでした。
検察:では、あなたは自分より弱い者を犠牲にしたんですか?
今井:…そうです。

 今井被告による「行動の動機」は全て後付けである。「ムカつく相手」を理由も無く殴り、そのことを追及されるや「学校をやめたかった」「退学にして欲しかった」と言い逃れ。吉祥寺・強殺も遊ぶカネ欲しさの短絡的な犯行なのに、裁判にかけられるや友達と住むためのアパート代が欲しかったとか、新しいファミリーが欲しかったとする主張を弄している。

検察:父親のカードでおろした額はいくらだか分かっていますか?
今井:額は覚えていません。
検察:父親は法廷で126万円くらいだと証言していましたが?
今井:そのくらいだと思います。
検察:それは、あなたにとっても大金ですか?
今井:そう思います。
検察:強殺事件で強奪を想定していたのは、そのくらいの額ではありませんか?
今井:具体的には考えていませんでした。
検察:強殺事件も100万円くらいの強奪を見込んでやったのではないですか?
今井:…具体的には考えていませんでしたが、大金を見込んでいました。
検察:その引き出したお金でアパートが借りられたのではありませんか?
今井:思いつきませんでした。
検察:当時は家出中だったのにですか?
今井:その時はアパートで同居していたB君(共犯者・飯塚)らのことは知らなかったので…。

 今井被告は親から盗んだ「大金」で女友達にブランド物のバッグや衣服を買い与え、自身の贅沢にも費やした。飲食費、遊興費と贅沢三昧を尽くしたのだから、仮に吉祥寺での強盗殺人で大金を得たとしても、その使い道に然したる違いはなかっただろう。

 「働いて稼ごうとは思わなかったのですか?」とする検察からの問いに、「友人やハローワークを通じて探した」とする今井被告だが、以前にも同様のことをやって長続きしていない。
 確かに今井被告にも一時期、真面目にやっていた時があった。ネットカフェに寝泊りしている頃の今井被告を知る吉祥寺の住人は「土方のようなこともやっていたことがあって、携帯電話で親方に電話をして『明日、仕事あるんですか?』とか頻繁にやり取りしていたね」と話す。

 同じことをすれば良かったのだが、「そういうことをしていれば山田さんは死なずに済んだのではないですか?」との検察の問いに、今井被告は「思いつかなかった」「間違えました」と答えた。

検察:少年Bから「目でやれ」という合図があったと言っていますが、どうしてそう思ったんですか?
今井:そう感じました。
検察:どういう目つきでしたか?
今井:真似は出来ません。
検察:説明して頂きたい。
今井:どうやって?…分からない。
検察:出来ませんか?
今井:…どうすれば良いか。
検察:被告人は「武蔵野 高2の頭(かしら)」と称していたようですね?
今井:周りがふざけて…。

 「一般的に不良グループの頭だと解釈出来ますが、どうすれば、そのように称されるのですかね?」とする検察の尋問が続いたが、全ては普段からの被告人の素行だったと言えよう。検察はおそらく聴き取りで把握したのだろうが、被告人が鉄パイプで猫を襲撃したり、「人を殺したい、と言っていた」とする言動を列挙。今井被告は「していません」と答えた。

 学校という時間帯もあるのだろうが、法廷の傍聴席には今井被告の不良仲間らしき者が姿を見せたことはない。しかし、もし傍聴席で今井被告の述べていることを聴けば失笑するところ多し、ではないか。
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 次に遺族への尋問となった。裁判が始まって以来、思っていたことだが、被告人についてアレコレと有利なことを述べる証人は出廷しても、亡くなられた山田亜理沙さんの人柄などについて述べる証人がもっといても良かったのではないだろうか。
 ここでも、いかに凶悪犯と言えども生きている者の心証を良くするための便宜ばかりが図られ、既に亡き者となっている被害者については一顧だにされていない不当性を感じる。

 証言台に立ったのは山田亜理沙さんの父・ヨシヒロさん。
尋問に立ったのは石川検事。

 亜理沙さんは姉よりも7歳下。実は山田家には2人の姉妹のほかに、もう1人いた。姉妹の間に長男が生まれているが、死産。その日は10月24日だったが、同じ日に亜理沙さんが生まれている。山田夫妻は「長男の生まれ変わりだ」として亜理沙さんと亜理沙さんが生まれた日に特別な思いを抱いていた。

 父・ヨシヒロさんによると幼い頃の亜理沙さんはオテンバで、法廷のモニターには2才頃と3才頃の亜理沙さんの写真が映し出された。小学校に入学する頃の亜理沙さんは人見知りするようになったが、友人はたくさん出来た。
 県立高校に入学。成績良好。卒業後は本人の希望で美容専門学校に。

 正月に亜理沙さんが帰省した時、茶の間から「カリスマ美容師になってお父さんにベンツを買ってあげる」という会話が聞こえた時、ヨシヒロさんは隣室で密かに嬉し涙を流した。

 亜理沙さんは都内の専門学校に通った当初、姉が住んでいた埼玉県川口市内のアパートに同居。学校は寝坊で一日休んだのみで他は全て出席。平成23年5月6日に美容師免許を取得。

 専門学校を卒業後、見習いながら美容店に勤めたが、通勤時間がかかることで辞めた。その後は飲食店でアルバイトをしながら生計を立てていた。

 そして事件が起きた平成25年の1月15日、若者の街として人気のある吉祥寺に引っ越し。一人暮らしを始めた。

 その頃、親戚の結婚式のために上京した山田夫妻と姉、亜理沙さんの家族4人でディズニーランドへ行っている。

 亜理沙さんと父・ヨシヒロさんが最後に交わした会話は、亜理沙さんが両親の帰郷を見送る大宮駅でのこと。ヨシヒロさんがパン屋で美味しそうなパンを見つけ、亜理沙さんに「買ってやろうか」と言ったが、亜理沙さんは「いいよ〜」と言った。そんなやり取りを3度ほど繰り返す。

石川検事:お孫さんの顔を見たいと思っていましたか?
ヨシヒロさん:はい。私たち夫婦にとって2人の娘にそれぞれ子供が生まれることを心待ちにしていました。亜理沙の子供も生まれてくるだろうと。

 ヨシヒロさんが吉祥寺での事件を知らされたのは夜が明けた早朝。車での通勤中のことだった。携帯電話をとると武蔵野警察署からだった。ヨシヒロさんは一瞬、2人の娘のうちのどちらかが悪いことでもしたのではないかと思ったが、亜理沙さんが吉祥寺で刺されて亡くなったことを聞かされた。

ウソでしょ!? 何を言っているんですか!?

 ヨシヒロさんは取り乱したように電話口に聞き返した。…これが夢であってほしい…しかし、それが現実だった。

 急ぎヨシヒロさんは妻に電話。妻は「亜理沙が住んでいる近くで事件があったらしい」ことは知っていたが、武蔵野警察署からの電話内容を伝えた。…もう、2人の通話は会話にならなくなっていた。

 続いてヨシヒロさんは亜理沙さんの姉である長女に電話。ヨシヒロさんが「亜理沙が…」と言うと、姉は「知っている」と言った。

 山田夫妻は急ぎ東京へと向かった。冬場での移動。東京まで7時間を要した。

 間もなく3月になろうかという2月28日の深夜、遺体の安置室で亜理沙さんの遺体と対面したヨシヒロさんは「その死に顔が微笑んでいるようだったので安心した」と言う。

 ヨシヒロさんの脳裏には事件から9年前の記憶がよぎった。

 あれは自分の父、つまり亜理沙さんの祖父が亡くなった時のこと。亜理沙さんが祖父の頬に手を触れると「冷たい」と言っていたのを思い出した。同じようにヨシヒロさんは亜理沙さんの頬に手を触れた。「冷たかった」と言う。
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 テレビ・ニュースでも報道されたが、亜理沙さんの葬儀は青森県むつ市内で行なわれた。法廷での尋問の最中、ヨシヒロさんが御礼を述べる。「たくさんの方に来て頂き、有り難う御座いました

 お骨は実家にあるようだが、雪が溶けた頃、今年のお盆までにお墓を建てたいと言う。一周忌はむつ市内で行なう予定。

 事件後、ヨシヒロさんは忌まわしい記憶と心労から体調を崩し、眠れない日々が続く。睡眠薬を服用しなければならず、目眩や吐き気、計算力の低下、ドモリなどが生じて仕事を出来るかどうかが心配だと言う。

 先日の診察では「脳梗塞」と診断された。裁判が終了した後には青森県内の大病院に入院する予定だ。

 ヨシヒロさんの妻も精神的苦痛から身体を壊し、それまで勤めていたパートを辞めている。

 長女も裁判参加など両親と一緒に行動したため、仕事を続けられずに実家からの援助で暮らしていたが、最近になって結婚。

 今回の裁判で上京するのは計9回目。東京までの旅費も膨大な額に上っている。

 ヨシヒロさんは通勤に使うマイカーに亜理沙さんが持っていたキューピーマスコットを付けているが、亜理沙さんを思い出して涙する日々。

石川検事:亜理沙さんが亡くなったことについて?
ヨシヒロさん:ただ歩いているだけで凶悪犯罪に巻き込まれてしまう東京というのは怖い所だと思いました。まだ22歳でやりたいことも一杯あったはずです。
被告人への憎しみ、怒り、悲しみで眠れない日々です。
石川検事:事故や病気で家族を亡くすことと、事件で亡くすことは違いますか?
ヨシヒロさん:事故や病気ならまだ納得のしようもあるが、被告人の身勝手で一度しかない亜理沙の人生を奪うことは許せません。たとえアパート代のために亜理沙の生命を奪ったとしても。
亜理沙は一所懸命働いていました。被告人たちは盗んだお金で遊び暮らしていました。悪そのものです。
動機についても被告人らの言っていることは信用出来ません。
石川検事:少年審判の開始から今まで被告人からお詫びが来ると思っていましたか?
ヨシヒロさん:今回の事件では被告人から手紙も何もありませんでした。被告人の親からも何も言っては来ません。
石川検事:それは被害者である山田さんが手紙を受け取らないと拒否したからですか?
ヨシヒロさん:違います。今年1月に手紙が来ましたが、どう考えても遅過ぎます。そのため拒否しました。
被告人らは一度だけのチャンス…などと言いますが、亜理沙には一度のチャンスもありません。被告人からは謝罪の気持ちが伝わって来ません。
石川検事:被告人への処罰について、どうお考えですか?
ヨシヒロさん:いくら少年でも許せることと、許せないことがあります。出来ることなら私が…
この手で殺してやりたい!!
被告人に対しては一番重い刑罰を求めます。


 以上で検察側からの尋問は終わったが、続いて被告側弁護人からの尋問は「特に無し」

 さすがに弁護人も反対尋問は出来なかったのだろう。被告側にとっては何をどう逆さに見ても状況が悪過ぎる、分が悪過ぎる、絶対的に反問のしようがない。結局いかに法廷戦術に長けていようと、いかに凶悪犯罪の罪を軽くする策略や論理に長けていようと、この被害者遺族の怒りと悲しみに勝るものはないようだ。

 前日の法廷に出廷した元家裁調査官・加藤幸雄が携わった「木曽川連続殺人」や「光市母子殺害事件」ではいずれも少年被告らに死刑が確定しているが、到底死刑にならなかったものが死刑になるまで事態を動かしたのは、やはり遺族らの怒りと悲しみだったのである。

 今井アレックス被告の罪は、確かに複数への連続殺人や凄惨なリンチの末の殺害に比べれば、程度はマシな部類かも知れない。しかし、程度がマシだからと言って山田亜理沙さんの犠牲が無期懲役くらいで軽視されるようなことがあってはならない。

 18歳以下の犯行について定めた少年法などの問題もあるにせよ、被害者が1人でも死刑、被害者が複数なら少年犯罪でも必ず死刑になるという前例をつくるためにも、吉祥寺・強殺事件こそが是非その先例且つ好例にしてほしかったものだ。

 続いて亜理沙さんの姉より被害者遺族としての意見陳述が読み上げられた。

家族を代表して。
妹の亜理沙は親思いの優しい子でした。姉の私を常に頼る仲の良い姉妹でした。
いきなり刺され、22歳で亡くなりました。身代わりになってあげられなかった、一瞬の出来事でした。
亜理沙からのメールでは『近いうちに一緒に買い物へ行きたいね』とありましたが、それも今となっては叶わぬこととなってしまいました。
お盆に海や食事へ揃って行くことが私たち家族にとって、年に一度の生き甲斐でした。
私たちが何か悪いことをしましたか?
亜理沙を奪われ、毎日ショックで仏壇に手を合わせている日々です。
私たち家族にとって1年に1度の光景を返して下さい!
被告人は裁判が始まって以来、罪を軽くするための言い訳を繰り返し、『一度だけのチャンスを』などと言っています。亜理沙は2度とチャンスをもらえません。
被告人からの反省文も罪を軽くするためのもので、他人を不幸にし、世間を騒がせたことに対する罪の意識は感じられません。
数々の悪事を繰り返した被告人には更正など到底望ません。被告人の親もまるで他人事です。
私たちに一生癒えることのない傷を負わせたことは絶対に許せない!
これは親の躾と教育の問題であり、監督義務違反です!
少年である被告を守る少年法も親も無責任です!
事件以来、母は身体を壊し、父も吐き気や目眩に悩まされて仕事にもなりません。私は両親が心配で辛い日々を過ごしています。
青森から東京への往復ではいつも泣いています。
誰が責任を取るんですか!?
被告人ですか!? 親ですか!?
被告人は無期懲役の末に中年になる頃には社会復帰して、親は何事も無かったかのようにやり過ごすのですか!?
少年法の廃止によって加害者を優遇する現行の制度を改め、被害者への救済こそを求め、被告人に対しては一番重い実刑判決を望みます!

 意見陳述に付け加えるなら今井アレックス被告のような輩の入国・在留をも認めた現行の入管制度の強化、つまり大元の原因である国際結婚をも廃止するよう提言したい。

 そして翌日の26日には被告人に対する論告求刑が行なわれた。