Z級アクション研究所 暫定出張版

B級以下のアクション映画をゆるゆる語っています。

『スティール・サンダー』 ヴァン・ダムとドルフ、仲良きことは美しきかな

Black Water
2018年/カナダ
監督 パシャ・パトリッキ
出演 ジャン=クロード・ヴァン・ダム、ドルフ・ラングレン


<あらすじ>
 濡れ衣を着せられ、謎の収容所にブチ込まれたヴァン・ダム。そこは潜水艦の中だった。隣の監房にはドルフ。ふたりは脱出することが出来るのか!?


<火薬量>
 なし。


<スタント ★★★>
 ヴァン・ダムとドルフの共演作なんだから格闘アクションに期待しますよね。しかし、潜水艦内のせまい空間で戦うため、後ろ回し蹴りのような大技はほぼ皆無。開脚したら壁にぶつかっちゃうので、手技中心の地味な殺陣がメインとなっています。ヴァン・ダムが相手を投げたあと、そのままサブミッションで極めて、ひじで攻撃するシーンは印象的。彼が演じる主人公はスゴ腕の工作員という設定ながら、苦戦もするので単なる最強キャラにはなっておらず、そこにこの地味な殺陣はかなりハマっており、強さにリアリティを感じさせるのは良かったですね。
 一方のドルフですが、残念ながら友情出演的な感じなので、アクションは1シーンだけ。それも大したことはないので、あまり期待しないほうがいいでしょう。
 また、最近のB級アクションにしては珍しく、ガンエフェクトがしっかりしているので銃撃シーンも迫力がありました。
(スタント・コーディネーター:Joe Perez/ファイト・コーディネーター:Kieran Gallagher)


<しょぼさ ★★★★>
 本作を一言でいえば、潜水艦を舞台にした『大脱出』+『ダイハード』。深海を進む収容所という設定は『大脱出』的だけど、主人公のヴァン・ダムが艦内に解き放たれ、迫る追っ手を倒しながら脱出を図る『ダイハード』展開がメインとなっています。そんな孤立無援のヴァン・ダム(ヒロインもいるけど)に手を貸すのがドルフというわけ。

 ドルフが演じるのは収容所に長いこと入れられている謎の男。先に書いたように友情出演的な感じなので出番は少ないんですが、タダ者ではないという雰囲気だけはビンビンに感じさせつつ、要所要所に出てきて一言ボケるというおいしい役どころ。
 共演作とはいえ、ふたりが実際に顔を合わせるのは後半の2シーンほどで、それ以外は壁越しに会話するとか電話で話すとか完全に別撮り。このへんが友情出演的だなぁと思った次第。しかし、実際に顔を合わせるシーンで見せるドルフとヴァン・ダムのドツキ漫才(ボケのドルフがヴァン・ダムをひたすらドツき、突っ込ませないという珍しいパターン)にほっこりさせられたので、これが観られただけでも元が取れた気がしました(安い客だなぁ、俺)。

 ヴァン・ダムが最強キャラじゃないので緊張感は持続するし、低予算ながらスターの魅力をきちんと引き出して、面白さに繋げているので、両方のファンなら楽しめると思います。
 ただ唯一の不満が日本語吹き替え版で、ヴァン・ダムとドルフの吹き替えがW大塚じゃないんですよ。壁越しの会話とドツキ漫才はW大塚で観たかったなぁ……。


『エアポート2018』 アルバトロスエアポート20周年、おめでとうございます!

Flight 666
2018年/アメリカ
監督 ロバート・パラティーナ
出演 ジョセフ・M・ハリス、ホセ・ロセット


<あらすじ>
 嵐の中を進む旅客機内に幽霊が出現! その因縁は機内に隠されていた!!


<火薬量>
 CG。


<スタント>
 小競り合い程度。


<しょぼさ ★★★★★>
 アルバトロスの『エアポート』シリーズは『エアポート’98』から始まるんですが、これって今年はシリーズ開始から20周年ってことですよね! おめでとうございます!!
 ただ、20周年とはいえ、単純に21本目ではないのが、このシリーズの一筋縄ではいかないところ。2009年と2011年は2本リリースされているし、逆に2016年はリリースされていないので、本作は22本目になるのです。

 そんな20周年記念(?)作品はアサイラム製でエアパニック×心霊。思えば『98』は実話だったから、このシリーズもえらい遠くへ来たもんだ。まぁ、それでも派手な怪奇現象がガンガン起こってくれたらよかったのですが、これがまたスゲェ地味でスロースターター、開始50分ほどは大した現象が起こりません。窓の外にモヤモヤした霊がファァ…と現れて消えたり、便所に人を閉じ込めて半狂乱にさせたりする程度。便所=お化けって世界共通なんですね。
 50分を過ぎるとようやく霊のほうも本腰を入れて出てくるんですが、ここで乗員乗客が「なんでこんなことが起こるのか謎を探ろう!」と団結するのはよかったです。俺、パニック映画で登場人物が団結する展開大好きなんですよ。これにより作品のエンジンもようやく掛かり、機内で心霊スポット探索したり、『クリミナル・マインド』みたいな展開になだれ込んだりして、最後はいつもの墜落するか否かな展開で終了。最初からこれぐらい飛ばしてくれたらよかったのに。

 20周年にしては実にしょうもない作品でしたが、アサイラムとしてはマシな部類かな。それはともかく、アルバトロスさんには今後も『エアポート2028』に向けてシリーズを続けていただきたいものです。



『アウトレイジャス 最も危険な男』 ゲイリー・ダニエルズの悪役演技が光る格闘アクションの快作

Vengeance
2017年/イギリス
監督 ロス・ボヤスキ
出演 ステュワート・ベネット、ゲイリー・ダニエルズ


<あらすじ>
 田舎町を支配する特殊部隊兼麻薬組織に親友を殺された元特殊部隊員ジョンが復讐を開始。


<火薬量>
 音とCG。


<スタント ★★★★>
 主演のステュワート・ベネットがWWEの元レスラーで、敵ボスがゲイリー・ダニエルズなんだからアクションは当然、格闘メイン。
 役者が元レスラーとはいえ、殺陣はオーソドックスな打撃中心で、そこに様々なアイディアを盛り込み、単調にならぬよう気を配った作りとなっている。特に主人公が敵の首の骨をへし折るシーンで、へし折り方にいろんなバリエーションがあるのは面白かった。 
 それからこの主人公、強いけど無敵ってわけではなく、敵との戦闘でちょくちょくピンチに陥るので、緊張感が最後まで持続するのはよかったですね。

 ゲイリー・ダニエルズはまったくの衰え知らずで、回し蹴りも健在。彼のアクションシーンは冒頭とクライマックスのみだけど、見どころはやはりクライマックスのステュワート・ベネット戦でしょう。ナイフを持つ主人公に対して自ら素手喧嘩をうながし、劣勢になると平然とメリケンサックを持ち出すダーティプレイが最高でした。ただ、残念だったのは決着のつけ方。これがメチャクチャ盛り上がったところで、つまんないパターンの決着をつけやがるんですよ。本作唯一の欠点。なにやってんだよ、もう!
(ファイト・コレオグラファー:Andrei Nazarenko)


<しょぼさ ★★★★★>
 悪党が支配する街にスゴ腕の流れ者が復讐にやって来る……こんなベタな復讐劇をUKバイオレンスらしいクールな演出で描いた格闘アクションの快作
 監督の過去作『マシンガン・パニッシャー』は奇をてらい過ぎて失敗したゴミでしたが、普通に作ったら面白いじゃないか! クールな演出といっても淡々としている程度で、それ以外はベタに徹し、戦闘前の身支度を『ランボー』や『コマンドー』チックに描くギャグをこの21世紀にやるあたり好感が持てます。タンジェリン・ドリームとジョン・カーペンターを足して二で割ったような音楽も好み。
 それだけにクライマックスの決着のつけ方が残念すぎるんだよなぁ。最後の最後で奇をてらいたくなったんですかね? だとしたらなんて悪い癖だ。でもまぁ、本作はまだ許せるレベルなので今後はこの癖を直してください。

 敵ボスを演じるゲイリー・ダニエルズはさすがの貫禄で渋味満点。サイコパスを集めた特殊部隊のリーダーだけあって、なにが起ころうとまったく気にせず、超余裕な感じが良かったです。ダニエルズは『シティーハンター』や『エクスペンダブルズ』(一作目)など、悪役の経験は何度かありますが、本作がベスト悪役なんじゃないですかね。


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評価の見方

火薬量……一番重要。

スタント……二番目に重要。

しょぼさ……総評のようなもの。★の数はしょぼさの度合いであって評価とは無関係。

全項目★5つで満点。

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餓鬼だらく

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