『葬送のフリーレン』にハマり、
最近は葬送のフリーレンのドイツ語の解読をしています。

さて、今日ご紹介するのは、こちらです。

「ハイター」
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ドイツ語の形容詞heiter(読み方 ハイター)です。
天気が晴れていることや、朗らか、明るい、上機嫌、といった意味です。

作中でのハイターは、勇者一行の盛り上げ役のポジションであり、
酒好きとしても描かれています。
魔王討伐の旅は厳しい局面も多々あったかと思いますが、
「明るさ」というのは強い武器のひとつですよね。

「僧侶なのに酒好き」、というふうに描かれていますが、
私は、「僧侶だから酒好き」という解釈も面白いんじゃないかなと思っています。

神事や祭礼にはお酒が欠かせませんし、
お祝い事にもお酒はなくてはならないもの。
日本国内にも、お酒の神様をまつっている神社がいくつもあります。

ハイターは僧侶であり、神様にもっとも近い存在。
「飲酒」を「神様とのコミュニケーション」として象徴的に捉えると見方が変わります。
つまり、「神様~、こんなことがあったよ」と神様に語りかけることが、ハイターにとっての飲酒。
「酒が飲めればいい」というのは、
神様に報告できることがたくさんあることは良いことだ、ということ。

ただ何もなく生きて酒を飲まない人生よりも、
悲喜こもごものなかで酒を飲める人生。
神様に報告したいことが何もないような平凡な人生よりも、
「神様聞いて聞いて!」と言える人生。

それが、僧侶ハイターにっての理想の人生だったのではないでしょうか。

ハイターにとっての魔王討伐は、
酒ばかり飲んでいる時間だったようです。
仲間の好きな食べ物がわからないフリーレンですら、
「ハイターは酒好き」と覚えてもらえているほど。

神様に言いたいことがたくさんある、楽しさや感動や驚きがつまった、
豊かで充実していたかけがえのない時間だったのだろうと思います。

「僧侶が覚えられるほど酒飲んでるってやばい」というのは、
僧侶ハイターにっては、もしかしたら最大のほめ言葉だったのかもしれませんね。

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晩年、ハイターはお酒を飲まなくなりました。
心身が弱り生命力が底つこうとしているとき、
ハイターは何を思ったのでしょうか。
お酒を飲むよりも、大事なこととは。
人間として一日をまっとうすることとは。
生きるって何だろう。

僧侶であるハイターは、他の誰よりも、
人間の生死について考えてきただろうと思います。

ハイターのお墓にフリーレンはお酒をかけます。
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亡くなったハイターは、お酒をお供えされる側(神様側)になったんですね。
人間としても僧侶としても、素晴らしい人生だったと思います。