2006年02月12日

トークショー

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写真展のイベントとして、北井一夫×原茂×渡部さとるトークショー「写真を見ること、買うこと、売ることについて」を10日金曜日の午後7時から行いました。

今回の「da.gasita」の制作意図を説明後、本題の、「写真を見ること、買うこと、売ることについて」のトークショーが始まりました。

まずは、世界で一番高い値段で落札された写真の話題から。写真関係者も多かったのですが、その作家のことを詳しく知っているものは誰もいませんでした。

ちなみにそれはギュスターヴ・ル・グレイの作品で、当時のレートで8625万7千円の値段がついています。写真のプリント価格は皆興味があるようです。海外では1千万を越す作家は以外に多いのです。


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そこからギャラリーの歴史について話を進めました。日本初の写真専門ギャラリーは1954年10月銀座3丁目にできた「小西六ギャラリー」です。

1957年には驚くことに年間186万人の観客動員数があったそうです。一日あたりなんと6千人!

その後日本はメーカー系が主導する形でギャラリーができ、1976年に自主ギャラリーブームが起きます。その動きがその後の日本独自の写真文化を生んだと言ってもいいでしょう。

販売が主目的の企画展が多い海外ギャラリーと違い、日本のギャラリーは純粋に表現の発表の場でした。

しかし1978年、ツアイトやPGIの出現により、日本でも写真を美術品同様販売する動きが出てきます。


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そこで「生きる昭和写真史」の北井一夫さんに当時の話を伺いました。北井さんは、1979年のツアイトでの写真展以来、現在まで永続的にプリントを販売し続けています。写真を販売することに懐疑的だった北井さんが、ツアイトの石原さんとの出会いで変っていきます。

オリジナルプリント、ヴィンテージプリントの定義などを説明し、最後に写真のコレクタ−原さんに「写真を購入するとどんないいことがあるか」を話していただきました。

原さん曰く写真を1枚買うと「ギャラリーが優しくなる」「作家と親しくなれる」「生活や人生まで変る」極めつけは「もてる」ということでした。

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1時間半のトークショー終了後、原さんが自ら買い集めたオリジナルプリント数点を会場の皆さんに見ていただきました。

アッジェ、北井一夫、植田正治、高梨豊と多くのオリジナルプリントの前では、僕自身観客のひとりになってしまいました。

今回のトークショーを通して写真のもうひとつの楽しみ方を感じていただけたら嬉しく思います。どこかで機会があればこのパッケージでまたトークショーをやりたいと思えるくらい楽しい時間となりました。

ご来場の40名の皆さんありがとうございました。

photo:Onome



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