ファミコン、スーパーファミコンなどのレトロゲームのレビューをしています
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2012年03月18日

ワンダープロジェクトJ 機械の少年ピーノ

エニックス 1994年12月9日 SLG

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操作方法など
十字キー: ティンカーの移動
Aボタン: コマンドの決定、アイテムの指定
Bボタン: コマンドのキャンセル、アイテムの移動(押しながら)
Xボタン: ピーノを褒める
Yボタン: ピーノを叱る
セレクトボタン: ステータス画面の表示


レビュー
ピノキオのようなギジン(擬人)の少年ピーノを育てながら進めていくシュミレーションゲーム。

ストーリーは、舞台となるコルロ島では人間とギジンが住んでおり、ジェペット博士が新型のギジン4649号ピーノを完成させる。、ピーノには回路Jと呼ばれる新しい回路が組まれているが、回路Jの話をしようとした瞬間、ジェペット博士は無実の罪を着せられ逮捕されてしまう。ピーノの回路Jはまだ起動しておらず、ジェペット博士は回路Jの起動をティンカーに託して連行されてしまう。

プレイヤーは、ピーノを直接は操作できず、インターフェースロボである「ティンカー」を操作してピーノを育てていく。ティンカーができることは、ピーノに移動の指示をだすことと、アイテムを指定することだけである。

アイテムを指定するとピーノはそれに対して何らかの行動をとるので、正しければ褒めてあげると、次第にその行動を覚える。逆に、間違っている場合は叱ることで、その行動をしなくなっていく。

ピーノには攻撃力や思考力、想像力など様々なステータスがあり、ステータス画面で各能力値をチェックできる。ピーノの行った行動により各ステータスが上がったり下がったりする。

例えば、鉄アレイで腕を鍛えると、「腕の力」が上がり「思考力」が下がってしまう。逆に、国語の本や百貨辞典を読むと、「思考力」や「想像力」が上がるが、「腕の力」は下がってしまう。

ピーノは、能力が低いとできない行動もある。例えば、序盤でギチュウ(擬虫)にいじめられているギジンを助けるシーンでは、ボールを投げつけてキチュウを倒すのだが、ピーノは最初はボールを投げることを知らない。ボールを見ても、匂いを嗅いだり、踏んづけたり、食べたりしてしまうので、まずボールを投げる行為を覚えさせる。

だがそれだけではボールを投げる力が弱くて倒すことはできず、腕の力を上げる必要がある。そこで、今度は鉄アレイの使い方を覚えさせて、腕の力を鍛える。このようにして、ついにピーノはギチュウをやっつけることができるのである。

ゲームは章立てとなっており、章を進めるごとにピーノも成長していき、徐々に回路Jが起動していく。回路Jは全部で7つある。

ピーノには体力、気力があり、何かしらの行動をすると減っていく。どちらかがゼロとなると故障してしまい、修理にお金と3日間必要になってしまう。ポットに入って1日休むと気力、体力を100まで回復できる。また、バッテリーバックアップによるセーブも可能である。

場合によってはゲームオーバーになってしまうこともあり、その場合はセーブ時点からやり直しとなる。

本作は、1週目では真のエンディングは見れない仕様となっており、真のエンディングを見るためには2週目をプレイする必要がある。2週目は、各章をクリアする目標日数が設けられており、一定の日数以内にクリアすれば真のエンディングとなる。

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さて、ワンダープロジェクトJについては、自分は続編であるnintendo64の「ワンダープロジェクトJ2 コルロの森のジョゼット」の方を先にプレイしていた。J2は非常に良いゲームだと感じていたので、本作も期待してプレイしてみた。

ゲームのジャンルは一応シュミレーションゲームではあるが、ストーリー性が非常に高く、アドベンチャーゲームといってもいいくらいである。ピーノの育成については、シュミレーションというよりも、育成していくにつれてピーノに愛着が湧いてくる意味合いの方が大きいように思う。

序盤はピーノを育てながら徐々に回路Jを起動していくのが目的となるが、ジェペット博士を逮捕させたコルロ島の宰相メッサラが何やら企んでおり、終盤になるとストーリーが大きく進展していく。

スタジオジブリのアニメを彷彿させるようなストーリはなかなかよくできており、ピーノが徐々に成長して色々なことができるようになっていくとともに、ピーノへの感情移入もあいまって、ラストは実に感動的であった。

ゲームの難易度は普通かと思う。ゲーム序盤はチュートリアル的な作りになっており、ティンカーの操作方法やピーノの育て方などがゲームをしながら自然に分かるようになっている。シュミレーションゲームではあるが、育成面での難しさはそれほど高くはないと思う。

ただ、ピーノの能力によっては、なかなか思うように行動をしてくれない場合があるので、その点は注意が必要である。例えば、あまり知能が高すぎると、変わった行動をとらなくなってしまう、などである。

真のエンディングを見るためには2週プレイしないといけない点は、少々大変ではあった。しかしながら、進め方さえ分かればサクサク進められるので、2週目でもそれほど苦にはならなかった。

また、本作はBGMも結構よく、サウンドトラックも発売されているが、入手困難でプレミアがついている。確かにオーケストラ調のBGMはどれもよく、特にピーノの歌のメロディは心に残るものがある。

BGMは森 彰彦氏が手がけており、森氏はゲームの作曲家としてはドラクエのすぎやまこういち氏などと比較すると著名ではないかもしれないが、多くの熱烈なファンが存在するようである。なお、まことに残念ながら、森氏は病のため1998年に他界している。

易しめのシュミレーションでピーノを育成することで愛着を高めつつ、秀逸なストーリーで盛り上げていくという作りはなかなか素晴らしく、よくできていると思う。

本作は多機種へは移植されておらず、プレイするにはスーパーファミコン実機のみとなる。また、続編の「ワンダープロジェクトJ2 コルロの森のジョゼット」がnintendo64で発売されており、こちらは2010年に携帯(iアプリ)に移植されている。個人的には、J、J2ともにぜひプレイして欲しい作品の1つである。

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プレイ動画





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game_retro at 15:44│Comments(5) SFC ワ行 

この記事へのコメント

1. Posted by ぱに~に   2012年03月18日 20:40
こんばんは~
このゲームはやったことはないですねぇ…よく中古屋でこのパッケージは見て印象には残ってるけど、何のゲームかも知りませんでした
まさか、育成ゲームだったとは(汗)
解説を読んでいるとなかなかに面白そうなゲームですよね、育成部分にあんまし期待しないでやったほうがいいみたいですけど(≧∀≦*)
最近はヌルゲーに慣れてしまったので難易度は低めがいいかもしれないですね、読み物メイン系のゲームはゲームパートが難しいと肝心のストーリーに熱中できませんしね
今度中古屋で見つけたらお値段見て買ってしまうかもしれないです
こうして新しいゲームに興味持てるってのもブログとかのいいところですよねぇ
2. Posted by 白パル   2012年03月18日 21:29
>ぱに~にさん
自分もワンダープロジェクト自体は知ってましたが、プレイしたのはN64本体を中古(ジャンク品)で買ったときに、一緒に安売りしていたJ2を起動チェック用に買ったのがきっかけでした。
育成部分は、シュミレーション的な奥深さを楽しむよりは、キャラに愛着を持たせることの方がメインという気がします。アドベンチャーゲームと思ってプレイした方がしっくりくるかもしれません。
しかしこの手のゲームはやっぱり時間かかっちゃいますね・・・。更新するのに2ヶ月以上間があいてしまった( ノД`)
3. Posted by nemurineko   2012年04月05日 23:28
白パルさん今晩は

エニックスさんがこのようなゲームを作られてたなんて
知りませんでした(^^;
ドラクエに隠れて名作が多いエニックスさんですけど
ドラクエで得してるのか損してるのか分かりませんね・・・
ソウルブレイダーなんて個人的にはドラクエより面白かったし
このゲームも魅力的ですね~見かけたら是非購入したいと思います
4. Posted by 白パル   2012年04月08日 21:29
>nemurinekoさん
エニックスは、やっぱりドラクエのイメージが強いですけど、このゲーム以外にも「ハーメルンのバイオリン弾き」とか「魔方陣グルグル」とか、キャラゲーも結構出してますねー。
このゲームは結構安売りされていて入手しやすいと思います。キャラも可愛らしいしオススメですよ♪
5. Posted by U3   2020年07月08日 17:14
いいゲームでVCとかSwitchのオンライン特典で配信してほしいけど、
英語圏のレビュー動画とかみると、
擬人(gijin)が外人(gaijin)にきこえて、外人とロボットを一緒にしてる差別だ!とかいってるおかしなやつらがいて、あーメンドクサイな~とおもいました^^;
(結局外人の言葉狩りも譲歩するとどんどんゆがめてくる一例か)

最近はやりのインディーズ系のアドベンチャーの先取りを今見てもやってるからもう一度日の目をみてほしいですけど

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