2010年07月26日

ドライビングゲームの歴史 その11

■グランツーリズモ(以下、GT)(http://www.youtube.com/watch?v=oXtbXy5vO70&feature=related)

・発売年 1997
・ハード PS

・目的
    ・大目的
        ・ハイスコアを目指す。
    ・中目的
        ・タイムロスしない。
    ・小目的
        ・路肩に接触しないように敵車をよける。
・状況構成要素
    ・路肩
    ・道路
        ・公道
        ・レース場
    ・自車
    ・敵車

・選択肢
    ・ハンドル
    ・アクセル
    ・ギア
    ・ブレーキ

・ルール
    ・障害物に接触するとスピードロスを起こす。

・概要
    ・実在する車種、コース、リアルな挙動などがウリのドライビングゲームの最高峰。


・変化の遺伝子
・実際する車種の大量採用
・リアルな挙動
    ・リプレー機能

「実際する車種の大量採用」
3Dになるとメーカーから許可を取り、実車を採用するソフトが出始めたが、GTはそのなかでも100種146グレードという桁違いの豊富さであった。
これだけ多いとプレイヤーも自分が乗っている車種、または乗ってみたい車種も見出すことが可能である。

「リアルな挙動」
既存のソフトに比べリアルな挙動を追求している。

「リプレー機能」
カメラの視点変更により豊富なリプレー機能が充実している。GTはそれに加え、リプレー時の映像がプレイ中より美しいこともありヒットの一因となった。



・総評
 GTは既存のゲームのなかでも非常にプレイヤーに近いソフトの一つといえる。「実際する車種の大量採用」と「リアルな挙動」、この2点こそがGTの醍醐味であり、評価すべき点である。そして、このどちらか一方でも欠けていたら現在のような評価を市場から得ることは出来なかっただろう。

 例えリアルな挙動でもまったく知らない車種であれば、プレイヤーにとってそれは紙に書いた餅に等しい。実感することができないからだ。GT以前より実車を採用しているゲームは幾つかあったが、採用車種がわずかであったため、プレイヤーが実際に乗ったことがある可能性もわずかであった。実際に乗ったことがなければリアルな挙動を楽しむことはできない。つまりGT以前のソフトに取ってリアルな挙動にすることはあまり有益ではなかった。リアルな挙動を追及するよりはゲームとして楽しい挙動にすることのほうが理にかなっていたわけである。リッジレーサーシリーズなどがこれにあたる。この常識を覆したのがGTである。GTには桁違いに豊富なバリエーションが用意されており、プレイヤーが実際に乗ったことのある車種も少なくない。つまり、プレイヤーがリアルな挙動を実感する機会も多いわけである。このことがGTの評価を上げる最大の要因となっている。

 最初にジャンルとしてドライビングゲームを選んだ理由の一つとして再現性を紹介した。再現性とはそのゲームの題材を忠実に再現していることを指している。ドライビングゲームは他のジャンルに比べ再現性が高く、プレイヤーにとって馴染みが高いジャンルの一つだ。ゲームの面白さを理解しやすいジャンルの一つだともいえる。実在の車種、コースを採用しリアルな挙動を追及したGTはこのドライビングゲームの特性を極限にまで高めたソフトといえるだろう。  
Posted by game_salon at 20:13Comments(0)TrackBack(0)ゲームの歴史

ドライビングゲームの歴史 その10

■クレイジータクシー(以下、CT)(http://www.youtube.com/watch?v=-3O6wrk_W0c)

・発売年 1999
・ハード AC

・目的
    ・大目的
        ・ハイスコアを目指す。
    ・中目的
        ・タイムロスしない。
        ・タイムボーナスを得る
    ・小目的
        ・路肩に接触しないように敵車をよける。
        ・客をすばやく目的地に送る
・状況構成要素
    ・他車
    ・路肩
    ・道路
        ・公道
    ・自車
    ・客(または客がいる場所)
    ・目的地(登場させた客により変化)

・選択肢
    ・ハンドル
    ・アクセル
    ・ギア
    ・ブレーキ
    ・クレイジーテクニック
        ・クレイジーダッシュ
        ・クレイジードリフト
        ・クレイジーストップ
・クレイジーコンボ

・ルール
    ・障害物に接触するとスピードロスを起こす。
    ・客を規定時間以内に目的地まで運ぶとその程度に合わせてタイムボーナスが得られる。

・概要
    ・タクシーの運転手となり客を目的地まで運ぶドライビングゲーム。


・変化の遺伝子
・レーサー以外の設定(タクシードライバー)
・ミッション形式(お客を指定された場所まで運ぶ)
    ・クレイジーテクニック

「レーサー以外の設定」
今までのドライビングゲームはプレイヤーはレーサーかあるいは(単に車を運するということ以外に)設定すらないものばかりだった。TCにはタクシードライバーという設定が与えられている。

「スタート地点が可変」&「ゴール(目的地地点)が可変」
いままでのドライビングゲームはスタートとゴール地点が固定であった。TCではプレイヤーは町に複数点在する客を乗せ、告げられた目的地まで運ぶのが仕事だ。客は街中に立っている。プレイヤーは適当な客を見つけ、客のそばで停車すれば客が自車に乗り込んでくる。
客は2,3の「目的地」を持っていてその都度指定する目的地は異なる。目的地までは画面上に表示される矢印が導いてくれる。客の頭上には「$マーク」がついていて目的地までの距離によりその色(緑>黄緑>黄色>橙>赤の順で遠くなる)が異なる。

「クレイジーテクニック」
CTには現実には無い、CT特有のテクニックが存在する。高得点を狙うためにはこれらのテクニックが必須となる。

「クレイジーダッシュ」
規定の操作方法を行うことで自車を急加速させることが出来る。

「クレイジードリフト」
規定の操作方法を行うことで自車を一気に方向転換させることが出来る。

「クレイジーストップ」
急停車したいときに使用する。特にクレイジーダッシュ中はブレーキのみではすぐに止まることができない。

「クレイジーコンボ」
(他の車を含む)障害物に接触するまでに「クレイジーテクニック」を行うとクレイジーコンボと呼ばれるボーナスポイントを得ることが出来る。


・総評

 TCの変化において特筆すべき点は何と言ってもミッション形式のドライビングゲームという点に尽きる。いままでのドライビングゲームにはプレイヤーが何であるかそれほど言及したものはなかった。あってもレーサーか公道をなるべく早く走ることを目的とした人程度である。それ以外の設定を持ったドライビングゲームは皆無に等しかった。

 しかしTCはプレイヤーにタクシードライバーという設定を与え、その設定にあったミッション(客を目的地まで届ける)を課すことで既存のドライビングゲームと異なるゲーム性を実現することができた。この手法を発展させればマンネリ化しているドライビングゲームのゲーム性に対して一石を投じることも可能である。そういう意味ではTCは非常に評価できるものといえるだろう。

 にもかかわらず市場に対してTCがそれほどの評価を得たとは言いがたい。確かに複数の家庭用ゲーム機で関連ソフトが発売されたが、近年は続編も無く、TCの生み出した変化を採用している後発ゲームもほとんど無いのが現状である。TCはレース型のゲーム性一辺倒なドライビングゲームの中で新たな可能性を示している。

 ミッション形式を受け継いだゲームが出ないのは残念である。TCはミッション形式をウリにしたゲームではない。いままでとは違うゲーム性を求めた結果、その一要素としてミッション形式を採用しているに過ぎない。そのため、市場にミッション形式の魅力が十分にアピールされていないのも事実である。もし、ミッション形式を中心にすえたゲーム性を作り上げることが出来れば、例えば、映画「タクシー」や「トランスポーター」などをゲーム化したようなゲーム性を構築できれば、ドライビングゲームに新たなゲーム性を見出すことも可能かもしれない。
  
Posted by game_salon at 16:33Comments(0)TrackBack(0)ゲームの歴史

2010年07月05日

ドライビングゲームの歴史 その9

■バーチャレーシング(http://www.youtube.com/watch?v=mwh6CxPRt3g&feature=related)(http://www.nicovideo.jp/watch/sm2831611)

・発売年 1992
・ハード AC

・目的
     ・大目的
          ・ハイスコアを目指す。
     ・中目的
          ・タイムロスしない。
     ・小目的
          ・路肩に接触しないように敵車をよける。
・状況構成要素
     ・敵車
          ・ライバル車
     ・路肩
     ・道路
          ・公道
     ・コーナー表示
     ・自車
          ・最高速度
          ・耐久性
               ・障害物に接触することにより最高速に影響
               ・ピットインによる回復
・選択肢
     ・ハンドル
     ・アクセル
     ・ギア
     ・ブレーキ
・ルール
     ・障害物に接触すると一瞬コントロールを失う。
     ・障害物に接触することにより最高速が低くなる。
・概要
     ・ポリゴンによる3Dレースゲーム。


・変化の遺伝子
     ・視点変更
     ・ピットイン
     ・タイヤの跡
     ・観覧車など動きのある背景

「視点変更」直線コースではドライバービュー、コーナー前では後方視点とバーチャレーシング(以下、VR)では状況に応じて視点を変更できる。この視点変更こそポリゴンを使用したゲームならではの要素と言える。

「ピットイン」VRではピットインするとポリゴンのピットクルーが出てきてタイヤを交換してくれる。タイヤ交換という要素自体は2Dでも可能だが実際にポリゴンのキャラがタイヤ交換をしてくれるのは見た目に新鮮でポリゴンで表現されたゲームであることをアピールする良い要素となっている。

「タイヤの跡」加速したさいに道路にタイヤの跡が残る。これも2Dでも出来ないわけではない。しかしながらそれをVRで初めて行ったことでプレイヤーに対して新鮮な印象を与える要素となっている。「観覧車などの動きのある背景」も同様だ。車で横を抜けていくと感じがいままでの2Dのドライビングゲームにはないリアリティーをプレイヤーに与えている。

・総評

 VRとウイニングラン(以下、WR)は同様にポリゴンによるリアルな挙動を活かした本物志向のドライビングゲームとなっている。また、ドライビングゲームとしてのゲーム性は既存のものとそれほど大きな変化があるわけではない。にもかかわらずVRが高いインカムを実現できたのにはどのような理由があるのだろうか。

 その一番の原因は変化の遺伝子の項目でも記載した通り、VRがポリゴンゲームであることを前面に押し出した点にあるのではないだろうか。VRもSMGPと同様に見た目の違いではあれど、ポリゴンを使用することで初めて可能となる(あるいは容易となった)表現を使用することでオリジナリティーを主張することに成功したと言えるだろう。  
Posted by game_salon at 00:00Comments(0)TrackBack(0)ゲームの歴史