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天下一の桜との威名を轟かす高遠に行って来た。
 
83歳の母をつれてだ。高遠の桜は開花の予想が難しく、毎回予報を調べて出かけているのに満開の桜に遭遇できたのは6回中わずか1回という確率だった。今回は、たまたま近くで用事がありつぼみで良いと思ってバスの予約をしていたものが、ここのところの陽気で急に花が開きどんぴしゃりの満開だった。
 
しかし嬉しいのは満開の桜ではない。母の生還だ。高遠に到着した夜、お風呂から上がった母が急に記憶をなくし、救急車で病院に搬送されたのだ。このまま二度と正常な母と会えなくなるのかと思い、ああ、夜のお皿洗いを頼むんじゃなかったとか、もっと優しい物言いをすれば良かったとか、後悔の念にさいなまされた。一時は最悪の結果も予想したのだが、結局はお風呂と外気との気温の差に血圧が急激に変化し、そのために一過性の健忘症になったとのことで、あらゆる検査もパスし、なんとか無事に家に戻ってこられた。やれやれである。
 
それにしてもお風呂の怖さよ。母はいいお湯だった。あがるのが嫌になるほどだったよと言ってあがってきたが、医者によると普通は気を失うとのことであり、そのまま溺死しても不思議はなかったとはまるでブラックジョークである。
 
老人には明日はなく、今日を生きているということをしみじみ実感させられた旅でもあった。あれほど満開の桜が見たいと出かけてきた母本人は桜を遠く眺めて座るだけで、城址公園まで歩いていく気力も体力もなくしていた。
 
母の代わりに城址公園をかけずり回り、写真を撮ってきたのでみなさまにお裾分け。
 
天下一の高遠の桜です。
 
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