あんなこと、こんなこと。どんなこと?

自分の言葉をしゃべりたくなった翻訳者のきままな独り言:多様だから価値がある。反論、異論大歓迎

2011年07月

なんだかすべてがつながっていますねえ。バーナード・リーチから2年ほど昔に出かけた大山崎山荘のことを思い出し、必然的に、一緒に出かけた従兄のお嫁さんのMちゃんのことを思い出していた。

従兄とは一回りも年が離れていて、全て従兄の言うとおりに行動していて、従兄が亡くなった後どうして良いか分からないと、ひどく不安げで精神的にも脆そうだったのだ。東京に遊びに来いと何度か誘ったが、仕事が忙しいの一点張りでそのうち連絡も途絶えていたのだが。

先ほど、久しぶりに大阪のMちゃんから電話が来た。偶然って恐ろしい。それともテレパシーってあるのだろうか。

今年の3月いっぱいで定年退職し、思い立って絵を描いてみたという。手元に公募展のお知らせがあったので、暇だしと応募してみたら入選!

展覧会が8月初めに六本木の国立美術館で開かれるので上京してくるのだと声にも張りがある。

久々に描いてみた絵が初応募で初入選という快挙。

うーん、人間って素晴らしい。どんな才能が埋もれているやら。私にも何か埋もれている才能があるかもしれない。こちらにも根拠のない空元気が出てきたようなw。


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セント・アイブスは英国の西南端の終着駅ペンザンスからバス又は電車で30分から1時間程度の港町で、いくつもの小説の舞台になっている。大好きなロザムンド・ピルチャーの一連の小説の舞台でもある。

日本とも縁が深い。バーナード・リーチが日本式の登り窯を築いた場所であり、その際には日本から民芸運動の推進者で人間国宝の濱田庄司親子他多数の作家がやってきて窯作りを助け、共に焼き物を焼いた土地でもある。

P1000495コーンウォールにあるこの窯のことは松下電工ミュージアム(現パナソニック電工汐留ミュージアム)でバーナード・リーチ展をhitomiさんと見に行ったときに知った。そこにはコーンウォールの地図が掲げてあり、近くをフットパスが通っていることも。

その展覧会から京都の大山崎山荘へ興味が向かうことになり、国立新美術館にオルセー展を見に行って、そのついでに全く知識がないままルーシー・リー展に遭遇し、強く惹かれる物を感じ、デイビッド・コパーへと、そして英国へとつながっていった。ルーシー・リーの作品を見て懐かしいと思ったのだが、彼女がリーチと一緒に働いていたこと、コパーとルーシーも共同作業をしていたこと、それで懐かしいという感触になったのだろうか。縁と言うしかない。P1000476

セント・アイブスは美しいところだった。街には無数のアートギャラリーと土産物屋、コーニッシュ・パスティの店におしゃれなカフェが点在し、その間を多数の観光客が回遊し、白く長い弓形の浜には寒さを物ともしない人たちが風よけテントの後ろで日光浴をしていた。この浜にたどり着く前、私は途中で中古の13才用の真冬のブルゾンを思わず買い込んだのだし、K子は寒い寒いとポケットのホカロンを握りしめていたほどの寒さだったというのに。

ちっぽけな町なのに近代美術をメインとしたテートの分館も、英国屈指の彫刻家バーバラ・ヘップワース美術館も、もちろんリーチの窯場とギャラリーもある。いかにも芸術家がコロニーを作って住み着きそうな町である。

P1000474そして着いてすぐに地元のアーティストに教えて貰ったCBSコレクション-セント・アイブスで一番充実しているといわれる陶器ギャラリーの情報に心躍る。このギャラリーにはリーチや濱田親子、河合寛次郎、コパーやルーシー・リーなど、世界的な作家の作品が集められているという。2人のアーティストは通りの名前は知らないが、と簡略な地図を書いてくれた。港から「近寄っては駄目なパブの」横から垂直に伸びる細い道を上っていけばすぐだという。なんだかよく分からないが、リーチ窯が一番遠く、高台にあるというので、まずリーチ窯に向かった。

うろうろあまりに簡略すぎる地図に沿って行きつ戻りつしている内にリーチ窯までかなりの距離があるらしいと分かり、コミュニティ用のバスにたどり着いた。ドライバーは愉快なおじさんいやおじいちゃんでリーチ窯の近くで下ろすときに、いいかい、ここで待っていればくるからね去っていった。

P1000448リーチには備前を土台にしたような日本の匂いが残る物が多い。工房も窯も見せてくれたが、柿右衛門などで感じた隅々まで張り詰めた空気はない。いかにも使いやすそうな、包み込みたくなるような、要するに非常に気に入った作品がいくつもある。円高のおかげで高くはない。工房には日本女性が働いていた。それも美人の作家で少々驚きと共に心強く思った。日本との絆はまだつながっているのだ。マグを買い、工房でB級作品とやらを1つ5ポンドで買う。印象通り、非常に使いやすい。毎日使って飽きない。どっしりとした重さと安定感と暖かみがある。K子は重い、重いと旅の初めに購入したことを後悔していたが、勿論、欲深な私は最初から買って良かった派で、なぜ諦めずに別の作品も買わなかったのかと今、後悔している。

2011072717370000バスは当分来そうもないのでテート目がけて歩き出した。T字路で道を聞いていたら、通りがかりの別の女性がいや、こちらの方が近いと口を挟んできた。なにしろ東洋人は見かけないので目立つのだろう。ああでもないこうでもないの最中に、頭の上から声が降ってきた。「ダーリン、こんなところで何をやっているんだ。さっさと乗りなさい」コミュニティバスのおじいちゃんだった。(おばあちゃん2人にダーリンですぞ!この後もディアとかダーリンとか複数の人たちに呼ばれて、ふふふ、ほんわか嬉しかった。日本の男に爪の垢おくれと言いたかったね。)女性の「私が教えている」の抗議の声をものともせず、僕が教えると半ば拉致される形で車に乗り込むと、バスはのんびりと街を一周し、振り出しに戻った。

P1000461彼が書いてくれた今度は詳細な近道という地図に沿って、プライベート・ガーデンとやらを通り抜け、小道を上り、下り、まず、バーバラ・ヘップワース美術館と庭へ向かった。

長くなったので続きはまた今度

写真はクリックで大きくなります。

納豆、大嫌い。納豆を食べている人からは速やかに離れる。
納豆に使ったお茶碗を洗うのなんて考えるのも嫌。
あんなにぬるぬるして、あんなにくさくて、人間の食べるものではない。
拷問されたって、絶対食べないぞ。

娘からメールが来た。曰く、血管を強くする食べ物は一つだけ。リンクが張ってあった。

http://72777368.at.webry.info/200707/article_14.html
あきらめてたべんしゃい、だと。

この間、整形で頭と首のMRIを撮影したら言われた。年齢の割に脳梗塞の跡が多すぎる。内科医と相談して下さい。

ぽっくり逝くのはいい。可愛がってくれた祖母は64才で脳卒中で亡くなった。私もそこいらが潮時かなと思っていた。でもまだ気がかりが多いし、時代が違う。で、天井を向いて、悪いけど、私、75才にするからと宣言した。

宣言したのは良いけど、母の顔が浮かんだ。才媛と呼ばれていたらしいが、めっきりとボケが進んできている。脳血管性の痴呆である。自分の衰えが分かり、私、頭が悪くなったみたいと先日、ぽつりと言った。可哀想。本人も辛いだろうが、こちらも辛い。血圧が高く、血管がもろく、ああ、私も長生きすればああなるんだ…。

血管を強くし、血栓を溶かすのか。仕方ない。75才まで生きるのであれば、周囲に迷惑をかけないよう、血管を綺麗に保たなくちゃ。匂わない納豆というのを買ってきた。大量のネギのみじん切りを投入、食べてみた。

気持ちが悪くなった。やはり人間の食べ物ではない。

しかし、どうも変だ。せっかくの娘からのメールだが、食べ物は分解されてから消化される。納豆のねばねばであれ、豆であれ、その酵素が血管の中にどうやってはいるんだ?おかしくないか?都市伝説という奴ではないのか?
食べて気持ち悪くなってから調べる気になった。

やっぱりだ。納豆をいくら食べても酵素は大きいので血管には入れずない。アミノ酸に分解されるらしい。そりゃそうだ。おまけに納豆にはビタミンKが豊富に含まれていて、これは血栓を造る方の作用をする。だから、血栓を溶かす薬と一緒に納豆を食べてはいけないと言われるのだ。

「ワルファリンワーファリンRは商品名)」という薬は、血が固まる時に必要なビタミンKの働きを抑えて、血液が固まらないようにし、脳や心臓などの血管が詰まるのを防ぐために使われています。

一方で、納豆には大量のビタミンKが含まれており、さらに食べた後でも、納豆菌が腸内でビタミンkを持続的に作り出しますので、ビタミンKの働きを抑えるワーファリンの作用を妨害してしまいます。
そのため、ワルファリンを飲んでいる人は、納豆を食べないように指導されるのです。

現在のところ、人が納豆を食べたときの作用としては、血栓溶解作用よりも、ワルファリンの作用を妨害する働きの方が優位に現れると考えられています。 
出所:沖縄県薬剤師会Q&A


ああ危なかった。危うく血栓を溶かすどころか、血栓をせっせと制作するところだった。毎日納豆を食べようと覚悟を決めた第1日目で気持ち悪くなって良かった。拷問されたって納豆は食べないと主張していた私は正しかったのだ!

P1000413のんびりと大型台風がやってきた。速度が遅くそのため大量の雨が降るという。

ベランダのサンスクリーンを片付けようと台に上り、横着して、あともう少しとつま先だって手を伸ばし、横向けに転んだ。頬に名誉の擦り傷ができた。絆創膏を貼ろうとしたら、極彩色のハート型と、小さなウィニー・ザ・プー、そしてチェック柄しかない。頬に七色のハートをつける訳にはいかない。娘に引っかかれたとでも言っておこう。で、私のまともな絆創膏を持って行ったのは誰だ。

最近、飯濛爾諒射線濃度が急激に低下したという。なんでもセシウム化合物は水溶性が多く、まとまった雨が降って洗い流したおかげらしい。

さっきから強い風雨と小休止が交互にやってきている。強さはというと最近どうも節電の影響か勢いが物足りない我が家のシャワーの2倍ほども強そうだ。ざーっとベランダ一帯に大量の雨を振りまき、窓ガラスを叩いて去っていく。

日本列島をまとめて強いシャワーで清めるような、除染の効果が期待できるかもしれない。空飛ぶバケツと言われる台風、今回は空飛ぶシャワーとなっておくれ。災害にならないぎりぎりで上手に列島にまんべんなくシャワーをかけてくれると良いけど…。

P1000972なでしこは奇跡のような勝利をもぎ取った。もう一つの奇跡もやってこないとは限らない。願えば叶う、かもしれないなどと、のんきに書いている側から被害が出始めた。あーあ。ご先祖様達も毎年、毎年、いくつもの災害を乗り越えて生き抜いてきたんだろうし、私たちも頑張れるはずだし、頑張るしかないのだが…。最近、涙腺がゆるくなっていて、がんばろう日本、がんばれ東北の大きな幟が風になびいているのを見て、泣けてきた。いつまで頑張れるかなあ。

どこまで列車に乗っても工業地帯のような煙突もくもくの景色は現れなかった。唯一例外がこの種の煙突で、数回見かけたのだが、どうも原発だったらしい。英国の原発として紹介されている物にこの煙突の形が似ている。周囲は牧場で牛も見えます。クリックで大きくなります。
最初の小鳥はロビンの幼鳥。間近からカメラを向けているのに動こうともしなかった。動けなくなってお母さんを待っていたのかな。


粗読、乱読、失礼
だから、僕は学校へ行く 乙武洋匡
食堂かたつむり 小川糸
総崩れのイギリスそれでも踏ん張るイギリス人 マークス寿子
三谷幸喜のありふれた生活 8 三谷幸喜
真昼の星空 米原真理
あいまいな日本の私 大江健三郎
山本七平 常識の落とし穴
少ないお金で夢がかなう イギリスの小さな家 井形慶子
賭博と国家と男と女 竹内久美子
緒方貞子 私の仕事
傷 幸田真音
青い雨傘 丸谷才一
銀色のあしあと 星野富弘+三浦綾子
心は孤独な数学者 藤原正彦
薬屋のタバサ 東直子
イギリスで歩いて考えた。 唐津康夫
TVピープル 村上春樹
貧困の光景 曾野綾子(旅行用にわざわざ購入して持って行ったのだが、すでに読んでいたことを終盤近くまで気付かないというお粗末。K子が本を濡らして恐縮していたが、恐縮することはなかった。自宅にもう1冊あったのだ。)
千々にくだけて リービ英雄
科学の扉をノックする 小川洋子
世界一周恐怖航海記 車谷長吉
若者を食い物にし続ける社会 立木信


P1000425マウズル、Mouseholeと書いてマウズルと読む。これはいったい何語なんだと思うような不思議な読み方が英国各地に存在する。英語の法則は例外だらけだと聞いていたが、マウズルねえ。これなどましな方で、ウェールズ地方では、あまりのスペルと発音の乖離にいくつかの地名がとうとう覚えられず、あの、そのを連発したあげく、恐竜みたいな名前と口走り、ひとしきり地名当てゲームとなったこともあったw。

マウズルはロンドンから列車で約6時間の、南西側突き当たりの終着駅、ペンザンスからバスで30分程度の小さな漁師町である。急な山道を下がったどん詰まりに位置する、ネズミの穴ほどしかないちっぽけな、でもクラフトの店が点在する可愛い村だった。その道ときたら、すれ違うことも難しいほど細く、急勾配で、バスは軒をかすめるようにして走っていく。この細い急な坂道をビュンビュン飛ばすのだから、日本の市街地を走行するバスの運転手さんの運転技術をいつも凄いと感心していたのだが、上には上がいるものだ。木々が道に被さっていても何のその、翌日2階建てのバスで同じ道を通ったのだが、時には木の枝を折りながら急勾配の坂道を行く。スリル満点だ。

P1000428岸壁に小さなクラフトショップがあった。本職は漁師だという男性が地元のアーティストの様々な作品を売っていた。日本からの観光客だと分かると、東日本大震災の話になった。船や漁具が流されてもう海には戻れない人たちが大勢出そうだというと、涙を浮かべて、漁師が海に出られない辛さがよく分かる、マウズルの漁師仲間はみんな今回の津波に酷いショックを受けていると、心からのお見舞いの言葉をかけてくれた。地球の反対側の小さな漁村の人たちまで日本のことを心配してくれている。半分ノイローゼのようになって日本を出てきたのだが、胸が熱くなった。セント・アイブスでも、陶器店の店先に、日本を救おう、今こそ恩返しをというポスターが大きく掲げられていた。本当にありがたい。この先も忘れられない人たちとなるだろう。

P1000429-2マウズルまではペンザンス駅前からバスで30分ほどなのだが、ここにたどり着くのに四苦八苦した。というのもペンザンスの駅前にある、ちゃんとした建物のインフォメーションセンターも、その隣のかなり大きなバスの案内所も、閉鎖されていたからだ。Closedの張り紙しかない。全く、5月末だというのにこの寒さでどこが英国のリビエラなんだろう。周囲をうろうろしたあげく、仕方ないので寒風にさらされながら、タクシー乗り場に列を作り、B&Bにはタクシーで向かった。5月末のベストシーズンで、おまけに日曜日の昼日中だ。日曜日だからかとも考えたがありえない。実際、閉鎖された建物の周りを観光客が何組もうろうろし、中をのぞき込んでいた。インフォメーションセンターなしでは、予約なしの人たちは困っただろう。ペンザンスはこの地方の交通の要でここを中心に、所々綻びているが、バス網が発達している。

P1000429私も交通の便を考えて、ペンザンスに予約しようと2ヶ月以上前から宿を探し、3軒目にして、それも紹介して貰ってようやく3泊を確保できたほどの観光地なのだ。行政にしても閉鎖するメリットはなさそうなのだが。

B&Bの主人は、経費不足で閉鎖されている、恥ずかしいを連発した。日曜日だけ閉鎖というのではなくずっと閉鎖されているとのこと。B&Bが代わって観光客の案内をすることになっているらしく、バスの時刻表その他を貰った。事前にウェブで時刻表をダウンロードし、長時間呻吟してスケジュールを立てていたのだが、どうも違う。とにかく、駅前のバス停にとって返すが、乗り場が多数あり、どこがどこやらさっぱり分からない。住民の人たちに聞いて回る羽目になる。長時間の苦労は何だったのだろう。結局、現場のことは現場で聞けということかw。

写真の茶碗は、上部は釉薬がかけてあるが、下部は砂を吹き付ける手法で貝や船の絵を描いたもので、触るとざらざらする。随分軽い。色は写真では上手く出ていないが薄青い。
ネズミの穴には沢山の猫がいるだろうと思ったが、寒いからかあまり見かけなかった。

8920歩


P1000603[追記あり]数年前から旅行に行きたい病が間歇的に吹き出していた。特にヨーロッパ。7年前にコッツウォルズを中心に回って以来、ゆっくり歩いてみたい、もう一度あの庭が見たい、建物が見たいと騒いでいる間に、旅の相棒だった娘は3児の母になり、頭痛の種だった息子は結婚し、下の娘もとうとう10年の長い春に終止符を打って近くに巣を構え、孫は合計5人に増えた。あっという間の、でも長い7年だった。P1000609

その間に、どんどん夢は膨らみ、最低でも1ヶ月間はなくてはと、あそこもここもと欲張った欧州一周汽車旅行を計画していたのだが、K子に現実に引き戻され、タリスもユーロスターも消えてゆき、結局、海外旅行者用に販売されているBritrailのフレックス8日間タイプ、シニア(60才以上)ファーストクラスを購入することになった。このパスは2ヶ月間のうち任意の8日間、イングランド、ウェールズ、スコットランドを無制限に周遊することの出来る優れもので、結局6日分しか使用しなかったが、十二分に役立ったどころか、最初の1日で元は取れたw。

P1000604レンタカーではなく、列車とバスを最大限利用しようと計画してから、スケジュール作りに取りかかったが、非常に時間がかかってしまった。日本のような時刻表と料金を調べるサイトはいくくかあるのだが*、その1本前とか、別のルートとか、なかなか出てこない。それどころかスペルという巨大な壁があり、複数の駅がある大都会だとピンポイントの駅名を調べるという壁もある。日本のソフトのように痒いところに手の届くような気配りゼロで、時間のかかることおびただしい。それも所要時間も料金も、時間や曜日により、またルートにより信じられないほど変わってくる。サッチャー時代の徹底した分割民営化で英国の列車は、料金体系が恐ろしく複雑なものと化したらしい。時間や期日を指定して買わない限り値段が数倍、数十倍に跳ね上がる**。その日の天候や体調により、見所により時間が確定できない個人旅行者にはかなり無理がある。第一、スケジュールに縛られるのであれば、個人旅行をする意味がないではないか。

P1000606このBritrailだが、代理店を通さないVisit Britain Shopの日本版では、8日間フレックスタイプ、シニアファーストクラスで48,700円だが、英国直接だと、309ポンド。円高のおかげで約40,000円で購入できた。代理店経由だと10万近く請求するところもあったから、少しの手間で大きな節約になるので頑張りがいがある。今回は、宿も、チェルシー・フラワーショーのチケットも、ナショナル・トラストの7日間パスもすべてネットで現地から調達した。

P1000610ファーストクラスは贅沢に思えたのだが、正解だった。来た列車に乗ろうと考えていたが、なんせ列車の本数が少ない。エディンバラ−ロンドンという大動脈でこそ30分に1本程度あったが、大動脈でこうなのだから、あとは推して知るべしだ。長距離を乗るのだから、座れないという事態は絶対に避けたい。なにしろ、あちこちに故障を抱えた中高年女性の2人旅なのだから。

予約すればいいと思うでしょう。予約は無料なのだから。ただ、この予約、一筋縄ではいかない。列車旅行の初日、パディントン駅に出発の30分ほど前に到着した。終点ペンザンスまで約6時間。で、予約しようとしたら受付は1時間前までとのこと。そう聞けば、日本人なら乗る1時間前までなら当日予約が出来るのかと思うでしょ?P1000607例え途中駅であっても。ところが違った。チェスターからグラスゴーまで行くのに、乗車時間の1時間以上前に駅に着いたから、予約を入れようとしたら、受付は1時間前までとまたしても断られた。つまり、列車が始発駅を発車する1時間以上前までに予約をしなくてはいけないということらしい。そんなもの、大陸横断の列車に乗るのに、しかも電話やネットで予約できるといっても、ノート持参ならともかく、毎回調べるなどとてもできないし、第一、何時間も前にその日の予定が組めるのであれば苦労はない。列車だって、バスだって自由気ままに遅延するので有名なのに(とこれはどうやら過去の話となっているようで、7年前にはバスは1時間、2時間遅れが当たり前、途中で運転手がいなくなったり、行き先が変更されたりしたという話まで体験談として聞こえていたのに、劇的に改善されていていた)。

P1000967さらに、ファーストクラスで嬉しかったのは、最初のペンザンス行きこそ売店で飲み物が無料で提供されただけでそれ以外の特典はなかったが、この路線以外はすべてスナックや食事が座席でサービスされたこと。スチュワード・スチュワーデスが絶えず回ってきて、お茶だ、珈琲だとサービスの良いことに驚いてしまう。サンドイッチが主だが、暖かいパスタの類があったり、サラダのある路線もある。デザートのフルーツケーキの類や、クッキー、果物類、さらにはワインやビールまで飲み放題の路線もあった。エディンバラ−ロンドン間では時間帯によりアフタヌーンティまで提供される。列車の旅はファーストクラスに限るようだ。

K子が食費を計算したと言って先日教えてくれたのだが、14泊16日間でわずか2万円だったという!朝はB&Bでフルイングリッシュ・ブレックファースト、移動中は列車の中で無料、夜は軽くだったので、その間、結構おしゃれな店などで外食も10回程度、テークアウトも数回、我慢したつもりはなかったのだが、列車さまさまかも。

* スケジュールを立てるのに主に使ったのがこちらhttp://www.transportdirect.info/Web2/Home.aspx?&repeatingloop=Yとこちらhttp://www.nationalrail.co.uk/。両方とも慣れるまでに時間がかかり、慣れた頃にはもう出発だったw。乗り換えもこれらのサイトで調べたのだが、列車に乗ってから車掌さんに念のため聞くと、違う乗り換え方法を教えてくれた。先に触れたように、こういったソフトは、複数のルートを提示してくれないので、最初に出発するが遅く到着する各駅停車に乗るところだった。時間があれば、車掌さんに聞くのが一番いいかも。といってもどこにでも親切な人も不親切な人もいる。楽しい旅行の秘訣はめげないで聞くことかもね。これらサイトと地図をつきあわせて行き先と宿等を決めたのだが、暇と好奇心のある方は是非試して旅行気分を味わって下さいね。

* *例えば、ロンドンの始発駅、パディントンから西南の終着駅、ペンザンスに7月17日に旅行するとする。朝8時発だと所要時間6時間13分、最低、普通アドバンスの44.5ポンドから最高ファーストクラス400ポンドまで29通りの料金が提示されている。これが8時57分発だと所要時間5時間38分、39.5ポンドから最高400ポンドでこちらも29通り。全く同一区間で同じ会社が運営している列車なのに。ペンザンス1枚と言って買うわけにはいかない。これに片道、往復の別がついてくるのだからたまらない。混乱の極みだ。

P1000404待ちに待った土曜日。というのも土曜日だけ開かれるマーケットがあるからだ。それもアンティックマーケット。道路沿いにずらりと数多くのアンチックショップが店開きをするというのだからもうたまりません。まあ、私が収集するのはアンティックというには少々語弊がある古道具の部類なのだが、古い物の方が面白い物が多い。見たことがない、つまり、新鮮に感じるということなのだろうけど。ちなみに、本も古本が好き。奥付を確認しながら、その頃はこんなことを考えていたのか、とか、全然変わらないなあとか、本に+αの楽しみがついてくる。某氏がベストセラーを読むような人間になるなと言ったことをそのまま、主に財布の面からだけど、信じてしまったこともある。

P1000405ポートペロー・マーケットは非常に有名なアンチックマーケットで世界中から人が押し寄せると聞いていたが、ノッテングヒルで地下鉄を降り地上にでると、すでに人の波。駅周辺は雑貨や洋服などアンティックとは関係のない店が並んでいるが、それでもやっぱり買い物は楽しい。冷やかしながらぶらぶら歩く。

古い水彩画ばかり集めた店に孫のりーちゃんにそっくりの妖精の絵を見つけた。木の枝に座ってドングリを投げつけようとしている図なのだが、節分の際にむんずと豆を掴んで投げつけ、娘を翻弄したりーちゃんに、いたずらそうな、きかん気の強い顔と言い、様子といい、うり二つ。すかさずお土産に購入。かなり古い物だそうだが、リーちゃん、大事にするんだよ。

P1000406-2下の娘からは大枚3万円のお小遣いを貰ったが、その際、紅茶茶碗をリクエストされた。買わずばなるまい。華奢で小振りのちょっと見かけたことのない可愛い茶碗を購入。自分用も欲しいと思うが少々高い。どうしようと迷う内、メッキではあるが銀のナイフ、フォーク、そして別のところでスプーンを見つける。刃に美しい彫りの入った6本セットだ。結婚のお祝いに、最初、カトラリーと言っていたのに別の物を贈ったのでまだ揃ってない(と思い込んでいた)ので、思わず買ってしまう。重い。重い。重くて運ぶのが大変で、英国旗の図柄の派手な厚手の布バッグも買ってしまう。これは旅行中非常に重宝したが、日本で持ち歩けるか少々疑問。ペアの薄紫のリキュールグラスも手に入れる。これは誕生日のプレゼントにと、胸算用をする。各店舗で、現金で買うからまけてと交渉し、多少の成果を手にするが、1ポンド150円越えで手に入れた現金はほぼ消えてしまう。カードだったら135円程度だったから安かったのか高かったのか…。

P1000408結局、マーケットでの自分へのお土産は5月末なのに非常に寒い英国の気候のせいで仕方なくw購入したカシミヤのセーターと帽子、布バッグ。

カトラリーを買ったからもう良いかもと、帰国してアンティックの紅茶茶碗を恐る恐る娘に示したら、趣味じゃないと一蹴された。助かった!ついでにペアのグラスは私が馬鹿なことをしたせいで小さなチップが発生。いかにもお母さん好みのグラスねの一言で、有り難く自分へのお土産に変身させたw。

重い荷物を抱えて、帰り道だという理由でケンジントン宮殿をぎりぎりセーフで滑り込んだが、入場料は寄付までしてしまったため、旅行中、1、2を争う高さ。内容は1、2を争う子供だましのくだらなさ。少々むっとしてしまった。こういう趣向が好みの人もいるだろうし、蓼食う虫も好き好きなのだろうが。

P1000418ロンドン屈指の高級住宅街を抜け、市内とは思えないうっそうとした森やウォーキングが楽しめるホランドパークで持参のりんごとクッキーをかじり、迷子になりながらようやく帰宅。翌日はいよいよ旅本番。早く起きられるかな。写真はホランドパークの京都ガーデン

12440歩

暑い。風はあるが33度まで上がるらしい。いつも予報より実際の方が1、2度高いが、これは少しでも暑くはない、頑張れ、思い過ごしだと思わせる大きなお世話の親切心のため?とつい邪推したくなるが、単にここいらが暑いホットスポットということなんだろう。室内の気温はまだ11時だというのにもう30度を超えた。暑い。

テレビで、節電競争みたいなことをやっていた。東電の消費電力のお知らせの下部にどうやら今月から昨年比のパーセントが、昨年比15%減とかいうように、表示されるらしい。で、あちこちの企業が競って景品を出しているという。最大削減者にとか、応募した中のトップにとか、様々らしいが、なんでも昨日時点で73もの企業(もしかしたら景品の点数かも)が参加しているという。

よし、応募して、高級ホテル1泊を当てるぞなどと思ったが、昨年比ではたいした削減にはならないだろう。室温30度でも、ポケットに保冷剤をキッチンペーパーで包んで放り込み、首には冷えるというジェルを巻き、極力頑張っているのだが。先日などは枕用の冷えるジェルを冷蔵庫で冷やしてお尻の下に敷いていたら、すっかり体が冷えてお腹を壊したくらい頑張っているけどw。

これも、元々節電、節水に努めていたからだ。行く先々で電気を消すのは当たり前。水を湧かすのだって必要量しか沸かさない。歯磨きの最中には水を止めるし、エアコンの温度設定だって、元々28度か29度だ。エコ生活を長年やってきたせいだなんて、なんか損した気分。詰まらない。

これって、まるで、省エネに必死に取り組んで、かなりの成果を出したところで、その年を温暖化対策の基準年にされてしまった日本みたいだ。絞りに絞った後で、もう大きな削減効果は出せそうもないのに、ポッポは25%削減をいきなりの思いつきで国際社会に宣言した。出来なければペナルティを払わなければならない。貧乏になった日本に大きな負担になる。その上、原発問題だ。負担は国民が負うからと政治家は延命の人気取りと格好つけの政策に走るけど…。

老老介護をしている知人から腰痛でもう限界、自分のことも出来ないのに相手の世話など無理、年金で入れる老人ホームを知らないか、紹介してとのSOSがきた。それが出来ればねえ。現実は要介護4や5でも、つまり自分では立つことも出来ない人でさえ、数ヶ月から1、2年待ちだというのに、痴呆中程度で手すりがなければベッドに起き上がることも出来ないが、杖をついてよろよろ歩ければ要介護2。要介護4や5でなければ申し込んでも無駄だという。2人だと有料では最低でも40万はかかる。これに若干の生活費や洗濯代などを加えれば多分45万は必要だろう。知人は工面できないだろう。ケアマネに相談してもどうにもならないという。彼女はどうすればいいのだろう。

火力発電所のために化石燃料を国際価格が高騰するほど買っているから(上乗せ分が4兆円にも上るらしい)、節電しても、節水しても、努力にかかわらず、いよいよ物価高騰が始まるだろう。赤字国債は世界最高水準で、ちょっとやそっとの額ではない。ギリシャの二の舞も目前という状態だから、老人施設の充実など言ってみても到底無駄だ。

まあ、暑い夏と寒い冬とを耐えていけば、虚弱と揶揄される日本人も、強くなるかもしれないが。いよいよ我慢の日々が始まるかも。昨年夏の熱中症での死亡者数は1718人だったという。熱中症に気をつけてといっても死亡者はかなり出るだろう。こんな時、前向きに考えるのは難しいが、何とか考えねば、ね。で、どうやって?自問自答の暑い夏。

こんなにのろのろ進んでいるのでは、帰国編を書く頃にはお正月だったりするのではないかと皆さん思っている?記憶がなくなる前に少し急がねば…。

5月27日金曜日(もう1ヶ月以上前だ。時間よ止まれ!)、美術館や博物館が遅くまで開いている日だ。毎朝天気予報に一喜一憂しているのだが、それにしても番組の出来が悪い。天下のBBCなのに、全国放送なのに、通り一遍の予報でおまけに人の体で被って良く見えなかったりする。それも朝6時に放送したものを何度もそのまま放送したりする。日本は節電のため、第一碌な放送もないし、テレビ局は輪番制にすべきだというのが持論だが、英国の放送を見れば、輪番どころか1局ですべてまかなえそうなほど日本のテレビは充実している。とまたここで道草など食わずに進まねば。

P1000393で、お天気だが、さすがに昨日のような豪雨はなさそうだが、念のため傘を持ち、何たって寒いのでレインコートとその下にナイロンのパーカーを重ねる。格好は最高というわけにいかないがこの年では勿論、実を取る。見栄っ張りじゃなくてホント良かったとしみじみ思う。相棒がK子で良かった。M子なら死ぬほど悩むに決まっている。彼女なら薄着で出かけて風邪を引くか早く帰ろうとうるさいだろうなあ。左の写真はトラファルガー広場

まずはナショナル・ギャラリーへ。チャリングクロス駅はなかなかのもので一見の価値有り(と思ったのだがリンクをつけようとして調べてみたら駅前の精巧な十字架は1600年代に破壊されたレノアールの十字架とかのレプリカだそうだ。前回の一番下の写真がチャリングクロス駅前)ピンと来なかったが十字架を見てあ、そうか、クロスねと。私も鈍いですねえ。英国には4枚のフェルメールが存在し、内、3枚がロンドンで、ナショナル・ギャラリーには2枚あるはずだ。残る1枚がエジンバラにある。この美術館はかの有名なトラファルガー広場に面していて、ナショナルと名が付くだけあってさすがに巨大だ。ただ、内部の撮影は不許可。玄関からしてノーと大柄の偉そうなおっさんに断られる。この後も撮りたいものは不許可の連続で、記憶力が後退している者にとっては日々褪めていく夢のような…。

P1000403この広い美術館の中をK子と一緒に右往左往する。内部の簡単な地図を見て進むのだがよく分からん。年代別やタイプ別に各部屋が異なる濃い色に塗られている。青い部屋に赤い部屋、緑の部屋。英国の家庭の居間のような、殺人事件が起きてもおかしくないような陰鬱な配色。ミス・マーブルやポワロの世界だ。

フェルメールはどう発音するのか、係員を捕まえて質問する。昨日のルーシー・ライに続き、こちらはベルメールだった。ようやく対面したフェルメールの作品は、ヴァージナルの前に立つ女。顔に精気がない。はるばる来たというのに、あまり好きになるような作品ではない。ごめん。こちらもガッカリする。その近くに小さな箱があった。横のレンズから覗くとフェルメールの絵の立体像が見られるといった趣向で、少々子供だましだが、勿論K子共々代わる代わる覗く。それにしても誰も来ない。日本ではこうはいかない。これで熱狂するような絵だったら良かったのに。もう1枚はどこぞに貸し出し中のようだった。フェルメールファンの多い日本かも。

P1000396続いてコートールド美術館に向かう。サマーセット・ハウスの入り口に小さく看板が出ている。K子にここは分かりにくいらしいから気をつけなくちゃと話しつつ危うく通り過ぎるところだった。ここは絶対のお勧めだ。残念ながらリフォーム中で1階は閉鎖されていたし、ほんとに小さな美術館なのだが、何と言っても実に実に質が高い。逸品揃いなのだ。ナショナル・ギャラリーなんて目じゃないなどと不遜な言葉が口をつく。ここも、当たり前なのだが撮影は不許可。諦めきれずに撮った階段とサマーセット・ハウスのおかしな中庭の写真をどうぞ。動物の頭の彫像がぐるりと噴水を取り巻いている。映画の中のシーンか悪夢の中のシーンのようだ。

サマーセット・ハウス内のカフェテリアで昼食。サンドイッチもたっぷりで美味しい。スープが食べきれず持ち歩いたほどで、夕食はhitomiさんに倣ってw、大きなパプリカ1個となった。

P1000397スープをぶら下げてwここは絶対に行こうと決めておいた極めつきのSir John Soane's Museumへ迷いながら何とかたどり着く。ここもごく小さな元々は彼の自宅を公開した美術館だが、圧倒されたい方是非どうぞ。大量のギリシャ彫刻、レリーフ、工芸品に声をなくすこと請負だ。家自体も興味深い。出てくる人にあわせて、少しずつ中に入れてくれるのだが、持ち物を入り口に置くように言われ、カメラもスープもwハンドバッグも一切合切置いて中に入ったので写真はない。非常に残念だが目に少しはw焼き付いている。

何という執念、執着だろう。美しい彫刻が大きいのも小さいのも、これでもかと積み上げられている。巨大な石棺まである。ソーン卿の自宅だったところですぞ。自宅に石棺って!突き当たりの小さな部屋に並んで入るとそこには、ピクチャールーム。いかめしいおじいちゃんのガイドがいるだけではなく、周囲4面の壁一杯にぎっしりと絵画が。それも留め金を外すと下から別の絵画が両面に飾られた壁というか戸が出てきて、果ては吹き抜けを挟んだ壁の確かマリア像(記憶障害がすでに生じてます)まで鑑賞できる仕掛けになっていた。ここは博物館好きなら、好きでなくても、面白いはず。

この後、大英博物館に向う。こんなに美術館、博物館をハシゴして良いものだろうか。疑問だが、7年前に圧倒されたギリシャ彫刻に会わねばと疲れた足に頑張って貰う。ところが、なんだかがらんとしているし、色あせて見えるし、あの頃の感動がよみがえらない。これもSir John Soane's Museumなどという超濃いものを見てしまったせいなのか、老いてしまったのかと思っていたら、大英博物館古代ギリシャ展なる展覧会が日本を巡回中ではないか。目玉は日本に行っていたのね。
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