あんなこと、こんなこと。どんなこと?

自分の言葉をしゃべりたくなった翻訳者のきままな独り言:多様だから価値がある。反論、異論大歓迎

2015年04月

P1020558どきどき、はらはら、滑って転んで痛い目に遭い、心が弾けそうな歓喜を覚え、こわごわ、つやつやと濡れて光る坂道を降りて、出口のティールームでオレンジジュースを、これは急いでだが、ご馳走になり(入場券についてきた。これだけの規模と質なのになんてお得なのだw)、駅にたどり着いたが、まだ10時半。なんという濃い時間だ。旅で流れる時間は異次元の時間だ。

ここからが本番、忙しい。時刻表を握りしめ、琴電で行ったり来たり。夕方までに今治に着かねばならない。夕方には天候が急変し、雷、雹、強風、嵐がやってくると朝からテレビがかしましい。

↑記念館のトイレ。実に木肌が美しいトイレだった。

ジョージ・ナカシマ記念館へ向かう。というか、桜製作所に併設されている記念館を目指す。塩屋駅徒歩5分。駅で降りるが無人駅で誰もいない。地図もない。どっちだ。線路の向こうに道路が見える。あっちかな。白装束のお遍路さん発見。スマホを覗いているところが現代風。急いで道を聞きに行く。スマホを持っていると煩悩は去らないような気がするが、余計なことは言わない。若い。高校生に毛が生えたくらいの男の子だった。朝、電車の中で見かけたお遍路さんは60代でアノラックを着て、登山靴、足を引きづりながら悲愴な顔をしていたが、こちらは皺1つなく元気そう。ちょっと赤ずきんちゃん気をつけての薫くんを思い出した。やりそう。P1020564

道を聞いたら、スマホで即座に示してくれた。ありがとさん。交差点を渡った方がよいか聞けば良かったと後悔しつつかなりの距離を進むが信号がない。こちら側なら良いがと思うと、勿論、向かい側にあるのよね。田舎には珍しく、トラックが忙しく行き交う幹線道路だが、まだハリソン・フォードの続きの気分が残っている。道路を走って渡る。

本人は素早く走っているつもりだが、高齢者が道路横断中に転んで轢かれるパターンだ。ま、轢かれても、交通費他旅行の支払いは念のため交通傷害保険付きのカード2枚に分けて支払っているし、生命保険も入っているし、子供は大きくなっているし、仕事も申告も済ませたし、何だ、別に轢かれたって良いじゃないの。年を取ると図太くなるもんだ。

P1020560ジョージ・ナカシマ記念館、良かったですよ〜。昨日の県庁近くのお店の女性から報告が届いていて、聞いてますと言われ、びっくり。詳しく丁寧な説明をしてくださった。失礼なワタシは、家系図の一人一人について詳しい説明を拝聴した昨夜の例に懲りていたので、作品をじっくり見たいから、資料にあることは省いていただきたいと申し入れたら、勿論、書いてないことだけ説明していますとカウンターパンチを受けたw。

←喫茶コーナー

確かに説明は面白かったし、作品はユニークで素晴らしかったが、ザルのような頭では宝のような知識も持ち腐れとなる恐れが多分にある。1階で飲み物を注文すると好きな椅子に座れる。珈琲を飲みながらビデオを鑑賞。ナカシマのアメリカの家を見に行きたくなる。ナカシマは建築家出身なのだが、アメリカの元副大統領のロックフェラーが彼の家具に惚れ込み、家具に合わせて邸宅を建築、その建物は公式の迎賓館として一時使われていたという。ロックフェラーが親日家だったとは知らなかった。このビデオは面白いので、是非。1脚買いたいが、すでに物であふれている家なので迷う。お金もないのによしなさいと言い聞かせる良い子のワタシと、きれいさっぱり死ぬ前に使い果たすのが正しい、とそそのかすもう一方のワタシが戦う。銀座にも支店があると聞き、一時休戦。

ともかく、13時までにイサムノグチ庭園美術館につかねばならぬ。往復葉書で申し込み、1時の回の予約を取ってある。遅れたら水の泡だ。八栗駅からかなり歩き、しかも迷うらしい。そそくさと早歩きで駅に向かう間も、空には黒い雲が次々と現れる。無人駅のホームで電車を待つ間に、誰もいないのをこれ幸いと、前夜購入したカレーパンをほおばる。1日経っても美味しい。さすがホテルのベーカリー。

どうも逸話が多すぎて前に進まない。八栗駅からは早足だったがw。歩いていると驚くほど冷たい風が吹き込み、手袋をはめる。しばらく歩くと暖かな風に切り替わり汗が出る。忙しいことだ。嵐は近くまでやってきてどうやらそれたらしい。ちゃんと、迷って、でも黒雲に怯えながら急いで歩いたので庭園美術館の受付に一番についた。

P1020571オーストラリア人とアメリカ人という2人を含めた六本木からのどうやら美術関係者らしい6,7人の集団と、飛び込みで寄ってみたが2人ならと入れて貰った年配のご夫婦、そしてワタシはぞろぞろと美術館に移動する。白い砂の上に多数の石の彫刻が完成した物、未完成の物、とりどりに置かれていて、移築した古い倉には巨大な彫刻が鎮座している。エネルギーを分けてと、彫刻に囁いたが、届いたかw。

←塀の外w

美しい場所だ。白い砂と彫刻のおかげで新緑の樹木がひときわ引き立っている。そして、へそ曲がりのワタシにはだが、何より素晴らしかったのがその前の畑と移築したという酒蔵。畑には菜の花とネギが植わっており、その向こうには緑の小山。ここでもウグイスが鳴き、小鳥がさえずり、蝶々が群れ飛んでいる。

一切、撮影禁止なのだが、畑と倉ならと聞いてみたが、やはり撮影禁止だった。残念無念。彼の美意識がよく分かるのだが。その先には彼の住居であった古民家と作品でもある小山。もうかなりへばっていたが、頂上まで登ってみる。気持ちがよい。この小山の上の石は自然石なので触って良いとのこと。暖かな日差しの中、岩の上に座り、しばらく風や小鳥の声、周囲の森林の香りに浸る。隅々までイサムノグチの美意識の集大成の場所だった。

写真はクリックすると大きくなります。18,309歩

P1020490前夜、お風呂の中で足を揉みほぐしたが、朝起きても、なんとなく痛く、不安。
箱根駅伝での突然の疲労骨折シーンを思い出してしまう。といっても、疲労骨折するような選手は毎日何十キロも走ったからで、ワタシのように2日間10キロほど歩いたからといって骨が折れたりするものかと思うのだが、普段が普段なもので不安を抱えながら部屋を出た。

それもこれも前日、栗林公園からまっすぐ帰るつもりが、桜製作所の彼女が強く推してていた高松城跡の披雲閣を覗きに行き、ついでに天守閣跡に登り、へとへとになって部屋に戻り、食べる気力を失っていたのに、娘に頑張れ、お寿司だ、食べなきゃダメと叱咤激励されて食べに出たためなのだ。行って良かったし、お寿司も美味しかったが。

披雲閣は国重要文化財で一般公開していないことに玄関にたどり着いてから気づいたが、中にいた関係者の女性が案内すると言ってくれ、この広い、広い建物の中を隅々までくまなく見せて下さったのだ。こちらもつい興味が湧くまま、ありがたく建物内を歩き回ってしまい、足の脛辺りが今まで経験したことのないなんとも不気味な痛み方をしていた。タイガーバームを足に塗り、さあ、大丈夫、かいな…。

P1020505琴電でまず四国村へ。安藤忠雄の四国村ギャラリーがある。雨は上がったようだが、油断ならないので前日購入した大きな傘を持参する。

来たことのある初めての場所がここのうたい文句だが、全く来たことのないエキサイティングな、アート満載のアドベンチャーワールドかアスレチックのような場所だった。一番乗りで、緑の濃い、美しい彫刻家の流政之氏の[濡れてつるつるする]坂を登っていく。

最初の難関がちゃんとw揺れる、本格的なしかも結構な長さの吊り橋。葛で編んだ昔の吊り橋で板の間はすけすけ。片手で葛の縁を掴み、片手で傘などを持ち、そろそろ渡る。濡れている。おまけに下からは4月半ばというのに早くも蚊が無数に湧いて出る。真ん中で写真を撮ろうと思っていたがその余裕もなく残念。まだ入り口だというのに、これは何かの試練だろうか、修業だろうか…。

P1020503江戸時代から大正時代の民家12棟が復元、移築されている。規模が大きい、多様、面白い。しかし、なあ、イノシシ注意、まむし注意、危ない滑るの大きな看板を横目に、美しいが危険な石と板の坂道をイノシシ避けに傘で叩きながら、たった一人、慎重に上がっていく気持ちはハリソン・フォードw。すぐ横に設置されているイノシシの檻も目に入る。これは何という世界じゃ。登りはまだ良かったが、木を並べた坂を下っていて、見事にスッテンコロリ、お尻を強打した。やっぱり、これは何かの試練だ、報いだ…。

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そうしてたどり着いた別世界の四国ギャラリー。静かな整った前庭にウグイスの声が響く。小振りな安藤らしいコンクリート打ちっ放しの美術館。小品だがピカソやボナール等の絵画、珍しいガラスの小瓶…。庭園に出てみる。前がぱあっと開けていて、素晴らしい開放感。階段と水で構成された驚きの世界。

一番下まで降りて耳を澄ますと、強弱いくつもの滝が合わさり、1つの大きなオーケストラとなって、身体をすっぽり包む。ああ、生きていて良かった。

安藤忠雄の作品の中で、ここが一番好きだ。

長い長い1日の始まりだった。

写真はクリックすると大きくなります。

P1020433ホテルの部屋から直島行きのフェリーが停泊しているのがみえる。私が乗るはずのフェリーだ。激しく窓を打つ雨粒も。

強風注意報が発令されているので何度もテレビのデータや天気予報を見るのだが、瀬戸内海の島々がどんな様子か分かるものは全くない。

こわごわ外に出ると予想以上の横殴りの雨にちっぽけな、といっても折りたたみとしては大きいのだが、そんな傘では全く役に立たない。部屋に一旦逃げ帰り、窓から目の前の桟橋の様子をうかがうとフェリーが出て行くのがみえた。あーあ。

でも別の桟橋に小さな客船が停泊している。豊島直行便があると案内に書いてあったので、もしかしたら、ウェブでは見つからなかった便があるのかも知れない。よし、聞いてみようと覚悟を決めて外に出るとたちまち、またしても強風に煽られる。未練たらしく再び桟橋に向かい、質問しようと近づいたら、船が丁度出るところでロープを握った船員さんが急いでと叫ぶ。豊島直行便?と声を張り上げると首を振り、船は出て行った。

待合室でしばらく時刻表を見ているうちに気持ちが切り替わった。そうだ、栗林公園に行こう。豊島も犬島も今回の旅の最大の目的地なのだが、小さな島で大きな美術館1つを見るのではない。いくつもの場所を回るのだが、風雨の中歩いて回るのはイヤだし、無理だ。直島はベネッセハウスに泊まらなければ完結しないが、一人では泊まれないから娘か友人を籠絡するまでお預けとなっている。ということで次回まとめて再挑戦することに。

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コンビニを探し、強風向けの大きなビニール傘を購入。フロントに戻り折り畳みを預け、今度こそ出陣じゃ。琴電の高松築港駅はすぐ近く。最初は身体を曲げていたのに、駅に近づくにつれ風が弱まる。ホテルを見上げると大きい、高い。むっ、ビル風も追加してたのかあ!

行ったり来たり随分うろうろしたがまだ早い。栗林公園には開門早々に到着できた。栗林公園は修学旅行で訪れ、無愛想に松が並ぶつまらない白っぽいところと言う印象しかなく、娘とその友人親子の4人で数年前に四国一周旅行したときも素通りしていたのだが、何を一体見ていたのだろう。高校生の時、ワタシの目は開いていたのだろうか。

もう風もなく、小さく雨が降る。借景の紫雲山は新緑の薄い緑から濃いめの緑までのグラデーションに名残の桜の淡いピンクが混じり、もやがかかり、もやが立ち上り、手前の美しい手入れの行き届いた松や池と完全な調和を見せ、ため息しか出ない。うれしさで胸が膨らむ思いがする。実に見事な庭だ。山の中腹に滝があるのだが桶で水をくみ上げて藩主が来ると流したそうな。今は水道水か。美意識が凄い。和船に乗りたかったのだが中止になっていた。午後から再開予定だという。ふむふむ。

ジョージ・ナカシマの椅子なども展示されているという民芸館他、主だった施設はヤスミと修復中。まあその代わり園内は人影が少なくゆっくり出来る。抹茶を楽しめる掬月亭で入ろうと思ったら、中国人の団体様で混み合っていて諦めた。四国にまでこんなに団体で…感慨深い。しかし、築山の上からヤッホーと叫ぶのは止めて欲しいなあ。

仏生山温泉に向かう。島に行かないおかげで温泉に入れる。これまた楽し。この温泉は琴電と組んでキャンペーン中で、仏生山温泉駅までなら何度でも乗り降り自由、温泉入浴券、タオルと小さな団扇付きでたったの千円。この温泉が素晴らしく気持ちがよかった。ぬるぬるつるつるの美人の湯なのだ。どなたの設計か、建物もよかった(リンク先を覗いてみて下さい)。ぬるめの露天風呂で高知から時々入りに来るというおばちゃんと話が盛り上がり少々長湯をしてしまったが、このせいだか、帰宅したら娘から髪の毛がびっくりするほど長くなっている。妖怪だと笑われた。以前のパーマが少し残っていたのがほとんど伸びてしまったようだ。わずか4日間で5,6センチも髪が伸びるかいw。

P1020446丸亀商店街に向かう。栗林公園の途中でデジカメのメモリがなくなり、少しずつ消しては写しを繰り返していたのだが、巨大商店街なら量販店もすぐ見つかるはず。が、なかった。家電の店もカメラ屋もみつからない。ドラッグストアの兄ちゃんはここにはないが県庁ちかくにあるかもというので昼ご飯探しをしながら、香川県庁に向かう。丹下健三デザインで猪熊玄一郎の壁画も剣持勇の椅子も有名で、最初から予定に入れていたのでちょうど良い。ここでリンクを探していたら壁画は4面あることを発見。2面しか見なかった…。それにしても香川県、アートしてますなあ。

歩けば何かにぶつかるということで、素敵なお店をみつけついふらふらと入っていき、お店の女性と話しているうちに、そこに並んでいた素敵な椅子がジョージ・ナカシマの椅子であることが分かった。翌日予定していたジョージ・ナカシマ記念館を運営していて今もライセンスで彼の椅子を作り続けている桜製作所の支店だった!県庁のすぐ近く、中央公園横の素敵なお店です。父が作っていた練り込みに似た絵柄の陶器も飾ってあり、ワタシってついてる。

女性に伺った県庁横のうどん屋を目指す。おいしい!セルフの店で禁断の天ぷらを沢山歩いているのでご褒美にいくつか乗せたが、昨夜のまずいうどんに比べ、この違いはどうだ。満足、満腹。

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しかし、まだメモリは手に入らない。ここから再度栗林公園を目指す。やっぱり和船に乗りたい。乗りかかった船、乗れそうなら船。県庁から教えられたとおりまっすぐ歩く。メモリが手に入るかもと言われた場所とは別の方向だがもう諦めた。仕方ない。どんどん歩いているとパナソニックの小さな店が目に入った。半分閉まっているようにみえるし小売りはしそうもない。が、人影が…。入ってみる。段ボール山積みの間のわずかな隙間にありました。4GBのSDカードが。ヨッシャ!
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20分ほど歩いて公園の北門に到着。和船のことを聞くと、東門に行かねば分からないという。え〜っ。和船に乗れなければ入るつもりはない。朝すでに時間をかけて回ったことをいうと、電話で問い合わせてくれた。今3人予約したから急いで。一人向かうと知らせたけど、その前に予約が入ると乗れないから。

ワー!北門から東門まで公園の道を、アスファルトじゃないですよ、またしても疾走!心臓のトラックテストを受けるまで20年間走ったことがなかったというのに、なぜ、今回は、毎日走るのだろう、しかもすでに1万歩を大きく超えて歩いたというのに。そしてなんとか最後の1人に滑り込んだ。

それなのにすんでの所で乗り損ねるところだった。慌て者なので和船乗り場という小さな札の前にベンチが並んでいるのでそこが集合場所と勘違いしたのだ。そのベンチから細い道を挟んでお店があり、時間があるのでお土産を物色しようと入ったところにいた赤ちゃんとお母さん、赤ちゃんを見るとからかわずにいられないので、あやしていて何のきなしに、まだ誰も集まっていないけど、ここですよね、和船乗り場と確認すると、「違いますよ、まっすぐ行って道を曲がったところ。」再びばたばたと走り出し、数分前にセーフ。なぜ、どうして、こうなるの?

栗林公園を訪れたら、和船に是非乗って欲しい。船からみる景色はまた格別で、別の角度から庭が観賞できるだけでなく、池はごくごく浅いので鯉がすぐ横を泳ぐのがみえるのも楽しく、船頭さんの解説は詳しくてよく分かり池の4つの島の由来や掬月亭の話など、面白い。南湖を巡るのだが約30分間の優雅なひとときが610円也。

秋には観月会が催され、高松一の料亭からの食事を掬月亭で楽しんだ後、雅楽の音が流れる中、船を出し、池に浮かぶ月を愛でるそうな。

なんて風流な異次元の世界。行きた〜い。わずか100名とか200名とか(肝心なことを聞き逃した)の募集でたちまち一杯になるらしい。行きた〜い。

22,039歩 写真はクリックすると大きくなります。

P1020404地震が何より怖い、昔地震を恐れて海外に逃げた過去を持つのに、何を血迷ったのか、4月12日に東南海トラフ大地震が来るとまことしやかな噂が流れる4月12日に四国に向けて旅立った。

狙いはまず豊島、犬島。でも小さな島だし、津波でも来たらどう逃げよう、自分が作り出す妄想に自分で怯え、娘に電話した。地震が来るかなあ、地震予想はまだ今の科学では無理なはずだけど…。娘はきっぱりと、じゃあ止めれば。

ということでw12日の朝、家を5時前に出た。初めてジパングを使っての旅なのだが、直前までのぞみが使えないことを知らなかった。1日目は岡山経由で津山、津山からバスで奈義町現代美術館、その後岡山経由で高松に入る。この奈義町が実に遠い。津山だって十分遠いのに、そこから1時間もバスに乗るのだから。パズルのように時間表を組み合わせたので乗り遅れないように細心の注意をしなければ行き着けない。高松までたどり着けない。それで5時前という恐ろしい時間に家を出る羽目になったのだ。修行の旅が始まった。

のぞみが出来て以来、ひかりに乗ったことがなかったので、追い抜かしていくのぞみの速さに今更ながら驚きつつ、新大阪。初めてひかりに乗ったとき速さに驚嘆したのに慣れるのはなんて早いんだろう。ここで新幹線のさくらなるものに乗り換える。乗り換え時間がたっぷりあるので自由席にしたので、まず、1号車の先頭にゴロゴロを置き、隣のお婆ちゃんに荷物をお願いして、トイレに向かった。

ここで忍耐が試された。修行、修行。新大阪ってどうなっているのだ。分かりにくく、しかも1箇所だけ。人混みをかき分けぐるぐる店をくぐり抜けようやくたどり着いたら、外にまでぐるっと長い行列。時計を見るが大丈夫なはず。しかし、思った以上に時間がかかり、発車まで10分を切った頃トイレ行列から開放。

急いでホームに向かう。ホームに上がったら列車が既に到着していた。始発駅だから早めなのだろう。しかしそこは最後尾のまだ先。先頭まで見渡せない、遙かに遠い。折角先頭に並んだはずが…。私の荷物。1号車まで大勢の人をかき分けジグザグに疾走する。

ああ、トラックテストを受けておいて良かった。胸が苦しくても発作の心配をせずに押していける。ハアハア言いながら、先頭車両まで走り通せた。万歳。荷物は脇によけられていたが、ドアが開く前にたどり着け、姫路城がみえるという窓際を陣取ることが出来た。ついている。

噂通り、びっくりするくらい白塗りの何だかどこの遊女というようなお城が窓からみえた。すぐに色が落ちつくだろうから、行くのはそれからの方が違和感がなく良さそうだ。

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津山駅バスセンター。乗り継ぎ時間が長くない。そそくさと向かうが、センターというのに窓口が閉まっている。待っている人に聞いてもどのバスか分からない。降りる停留所は調べてあるが、行き先を書くのを忘れてた。ピンチ。そこへアナウンス。アナウンスが入るということは人がいるということだ。ぐるりと回り、窓を叩き、ようやくひっそりと邪魔されないようwカーテンをしめた事務所の奥に潜む係員からバスを聞く。すでにとまっていて、一番奥に先客1名。念のため、荷物を置いてトイレに走る。ちゃんと荷物はあった。日本なら当たり前だが、他の国ではあり得ない。ありがたや。

アートと言いつつトイレの話しかしていないが、トイレ修行の旅でもあったのだ。知っていれば新幹線の中でちゃんと済ませておくのだが、京都を過ぎたら混雑で行きそびれ、さくらはあっという間に岡山に着いたし…。乗り換え先のホームにはトイレはなく…。

P10203871日目のメーンイベントはトイレではなく、奈義町現代美術館。設計荒川修作。なかなかのものです。筒型の大きな屋根というか芝生の小山に置かれたような円形部分が印象的で、美術館の中から狭い螺旋階段を上って入れるようになっている。中も見たとおりの円筒形。床も丸く弧を描いており、倒れそうになる。歩くのが難しい。

苔寺のモチーフが左右にあるのだが、天地逆転、左右逆転。頭がくらくらする。私的には入り口のゆっくり回転する一連の大きな仕掛けが好きだが、このくらくら感も捨てがたいw。喫茶コーナーが気持ちよさそうだったが、バスに乗り遅れるとえらいこっちゃなので、図書館(素敵な図書館です)を覗き、芝生の小山の一番上まで登り、バス停へ。ここいら一帯をアートで振興しようとしているようだ。とても気持ちの良いところだが、青森県立美術館周辺の方がスケールはだいぶ大きい。

P1020425津山駅に無事到着。名物だという津山限定の干し肉を今晩のつまみに買いたかったのだが、乗り換え時間が迫っていた。バスって多少遅れるのよね〜。寒い日で外をうろうろしたおかげで駅で行けないとなると…。自分に言い聞かせる。大丈夫、岡山まではたったの1時間だ。そこへアナウンスが。トイレはX号車です。横を見ると、そこがトイレだった。ワーイ。ドアを開け、中に入りかけ、そのまま外へ。何年ぶりだろう、こんなバッチイトイレ。入れるわけない。大丈夫、岡山までもうすぐだと、自分に言い聞かせる。

岡山でマリンライナーに乗り換える。すいていると思ったらグリーン車だったので即却下。次の車両へ。しっかり混んでる。トイレには行けない。それにどこか分からない。そのうちアナウンスが入る。トイレは1号車と4号車。グリーン車じゃないか。目の前がグリーン車の扉だが、入って良いものだろうか。女性がやってきて入ろうとしてドアを開け、くるりと回れ右した。やっぱりダメか。あと1時間。頑張れ、頑張れ、自分に言い聞かせる。何事も修行じゃ。生きてる限り修行じゃ。

結局は車内に人が少なくなってきてからやってきた車掌さんに聞くと、どうぞとドアを開けてくれ事なきを得たw。

高松はさらに寒かった。強風が吹いていた。フロントに荷物を預け、高松城へ。滑り込みセーフ。桜のおかげで開放されていたお庭も拝見でき、夜桜見物も出来た。丸亀商店街で大きなドームにびっくりし、かなりの店構えのうどん店で天ぷらうどんを食べ、まずさに驚愕し、デパ地下で翌朝の野菜ジュースやハム、パン等を買い込みホテルへ。ああ疲れた。ああ良く歩いた。

19394歩 写真はクリックすると大きくなります。

娘曰く、電車が来たり、信号が点滅するとイノシシのようにいつも走ると言うが、そんなもの数十秒に過ぎない。20年以上前、手術の後遺症で急激な血圧の上昇や不整脈が発生し、以来、医者から激しい運動してはいけないと言われていた。

真面目な私はw、これ幸いとのらりくらりの生活に入って今に至っているのだが、かかりつけの循環器の医師がトラック検査をしようと言い出した。以前はジムに通っていたので、といってもトラックの上でのろのろ歩き、泡のお風呂が目当てだったので、様子は分かるが走ったことなどない。

この検査は心臓発作を人工的に発生させるものなので、手術や入院を伴うことがあるとのこと。承諾書に署名して提出したのだが、これで旅行も中止になるかも。人生も中止になるかも。でも長年の不整脈がどの程度ひどいのかはっきり分かればまあいいかと踏み切った。好奇心は牛をも殺すというが好奇心には勝てないではないか。

アメリカの妹が昨年か、一昨年か、この検査を受けていて、40分も走らされたが、大丈夫だとお墨付きを貰い、元気になったというし、飲み物タオル持参とあるから着替えのシャツまで用意した。いざ走るぞ。

心電図と血圧計を装着、血圧も1分ごとに自動的に計測される。周囲に先生と看護士さん合計3名を従えてw、ゆるゆると歩き出し、やがて小走りになり、傾斜がつき、傾斜がひどくなり、私ずっと走ったことがないのにこんな坂を走るなんてなどと口走っていたら、医者からドクターストップがかかった。ええっ、これっぽっち?これから調子が出そうだったのに…。いつもは早足で歩くと5分も経たずに胸が詰まるような感覚があるがそれもまだ出てないよ。

脈が普通の人より速いそうな。脈を抑える薬を飲んでいるんだけど。で、目標の脈拍数にあっという間に到着してしまったということだった。短かったけど、これだけ運動できれば大丈夫。発作も起きてないし、動脈硬化もひどくないということだし、運動して下さいと太鼓判が押された。

診察の時に、確認したら、発作が出ない人もいるし、でもまあ大丈夫でしょうと、100%の太鼓判ではないそうだが、久しぶりの短いジョギング、冷や汗ではない運動の汗も少々でたし、気持ちよかった。

乱れた頭に(いつものことだけど)、スニーカーのその足で、久しぶりに銀座に出て、知人のお嬢さんの個展へ。初日だったからだが、小さな画廊に千客万来。巨大な胡蝶蘭の鉢がいくつか。目の前で次々に皆さん、お買いになる。あるところにはあるのよね。私はない人よ、ごめんと謝まり、お茶とチョコを頂きつつ、知人と久々の話で盛り上がったのだが、親の七光りがまだ光っているうちにどこまで飛べるだろうか。頑張りなさいよ…。

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