あんなこと、こんなこと。どんなこと?

自分の言葉をしゃべりたくなった翻訳者のきままな独り言:多様だから価値がある。反論、異論大歓迎

2016年11月

IMG_2191[追記あり]この間まで夏だったのに…父島はまだ夏なのに、同じ東京なのに、今日は手袋、マフラー、帽子にコートを身につけて出かけた。こんなに寒いのに夏の島の話はなんだか夢の中のように現実味を失ったけど、夢の続きを書くとするか。

本物の真っ暗闇って経験した人はどれくらいいるだろうか。自分の指先も、山の稜線も何にも見えない真っ暗闇。
ナイトツアーに出かけた。娘と孫3人も一緒に。他には3名のツアー客とガイドのおじさんの総勢9名がマイクロバスに乗り込んだ。

予約は前日夜だったが昼間雨が降ったので足場が悪いからと1日後ろ倒しになった。これが良かった。山の中でバスを止め、ヘッドライトを消すと真っ暗闇。動かないでと言われたけど、動きようがない。目は開いているのに薄明かりさえない。足下を照らすライトを頼りにこわごわ歩く。彼が照らした先、光が消えた後をじっと目をこらすとぼんやりと見えてきた。暗闇に光るなんとも神秘的なキノコ。通称グリーンぺぺ(夜光茸)だ。光を当てると白くてしんなりと頭をかしげた小さなキノコだった。前日の雨でうまく遭遇できたらしい。

星空次いで浜辺へ。バスのライトを消すと横の沼地に満天の星が写る。月のない闇夜で快晴。ついてるね。細いジャングルの道を前を行く男性ガイドの明かりを頼りに浜辺へ。砂地を照らすと急いで多数のカニが穴に逃げ込む。無数のヤドカリがそこかしこに。そして波打ち際を砂を蹴立てながら歩くと砂が光る。夜光虫だ。ビームで指してひとしきり星の解説をしてくれる。ミルクを流したような天ノ川と空いっぱいの星。セブンスターも見つけた。ああ幸せ。pepe[1]

この浜辺は周囲から隔絶された全く光の入らない、彼によると日本一星のきれいなところだという。ウミガメの産卵地でもあり、子亀はすでに海に帰っていったが抜け殻となった卵の殻が落ちている。ゴムのような弾力がある。煮ようとしても煮えず、堅くならないのだという。不思議。

次いで植物園にオオコウモリを探しに行った。星空に巨大な旅人の木がシルエットで浮かび上がり間から星が見える。野趣満点。オオコウモリは絶滅危惧種で保護のため赤い光しか許されておらず、もちろんフラッシュは厳禁。ガイドさん同士でどこで見かけたか情報交換を密にして見つけ出してくれた。果物を食べていたがもぞもぞと視線を避けて葉の陰に避難した。小猿ほどの大きさでモコモコした毛に包まれ、可愛い。数が非常に少ないので見つからないことも多々あるようなのでラッキー3連続、完勝だった。なんせ、私、おみくじ凶の人だからね。

2時間あまりの興奮の時間だった。

下の集合写真は数十秒だか数分だか(数字に弱いからもう忘れてる)カメラを露光させて撮したもの。縦のもやもやした太い線は天ノ川です。山の向こうから雲が少しやってきたのがちょっと残念。左下の訳のわからない物はグリーンぺぺ。闇の中で光っています。キノコです。

IMG_0405揺れる小舟に乗り移り、クルーザーに戻ってみると皆さん(といっても個人客3名)はすでにイルカに遭遇してたっぷり一緒に泳いたとのことだったが、さらにイルカの群れを探して潮目に向かう。さざ波が立っているように見える潮目にいることが多いのだという。流れに乗って遊んでいるのだろうか。

いたいた。尾びれが並んでうねるように進む群れが見える。すでに他のクルーズ船が停留していて船尾から次々に海に入っている。ビキニの女性たちも。ウェットスーツ着用が多いのかと思ったがここでは普通の水着にシュノーケル派が大多数だ。

こちらの船からも次々飛び込む。というか滑り降りるというか、パシャパシャするとサメが来るものね。一斉に群れに向かうが群れはぐるぐる素早く回るように動く。漁船から近くに別の群れがいると情報が入る。スピードを上げて別の群れへと向かう。大きな群れだ。私たち以外は海に入りしばらくイルカを追いかける。イルカは少しは相手をしてくれているようだが、もう寝ている時間だとのことで反応は今一らしい。

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また別の群れがいると連絡が入りそちらに向かう。今まではバンドウイルカの群れだったが、今度はハシホソイルカという別の種類らしい。船長さんの解説によるとバンドウは気分が乗れば人と遊ぶが、ハシホソは船の後をついてくるが人が来ると逃げるという。こちらも大きな群れで20頭を超えるらしい。中にジャンプを披露する個体もいて、みんな寝ているのに寝ていない子がいると船長。この群れの後ろをぐるぐるまわり、数回停まっては泳ぐ。船上から見ているだけで十分楽しくワクワクする。IMG_0339

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ツアー客3人は女性2人と男性1人。みな一人旅で男性は年に1回1ヶ月休暇を取り滞在とのこと。きつい仕事をしているのね。1人の女性は2泊3日で毎日このツアーに参加していたらしい。もう1人は最初の2回ほど海に入っただけ。それぞれねえ。1人しか海に入らなくても毎回ガイドの女性が付き添う。大変な仕事だ。

その後近くの水中公園に珊瑚を見物に。ガイドさんが餌の袋を用意していて撒くと多数の色とりどりの魚が寄ってくる。楽しい。もちろん、潜って写真を撮る人たちも。

半日のツアーだったが、盛沢山で、ゆったりと時間が流れていった。

写真はクリックすると大きくなります。真ん中の写真にイルカの群れ、その下にイルカを追いかける人たちが写ってます。

P1030851行く前から戦々恐々だったイルカと泳ぐツアー。
絶対に泳ぐべきだと強硬だった娘に、結局は水に入ることになるのかしらと、止めるべきだという良識派のワタシと、でも面白そうと好奇心丸出しの二人のワタシの間で揺れつつ水着を探したら、なんということ、昨年泳いだというか海に浸かったばかりだというのに見つからない。

しめたと同時に残念と思ったら娘が水着なら沢山ある。その一言で半ば以上覚悟して臨んだ父島上陸だったが、ワタシって強運なのよね、娘が海に入れないことになり、一人で入るわけないでしょ、船から見るだけで十分と嬉々としてでもやっぱり泳いだ方がと後ろ髪も少し引かれつつ、ツアーに参加した。

イルカ、くじらと泳ぐだけのツアーだと思い込んでいたら、チラシには南島上陸+水中庭園見学とある。無人島に上陸するコースが組まれていたのだ。申込時には体調や持病に関する質問票に書き込まねばならず、血圧が高く、心臓に問題がある私はどっちみち正直に申告すれば泳げなかったのだ。以前ツアーに参加してイルカと見つめ合ったという子供たちも娘も喘息もちなので本来は泳げなかったはずなのだ。

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そして、ばしゃばしゃ泳がないこと。サメが餌だ思ってと浮き上がってくるから静かにと船上で注意があったけど、ばしゃばしゃしか泳げないのだから、入れないなんて、ワタシってなんて運が強いのかしらw。

IMG_0390クルーザーに乗り込む前にここでも薬液入りのマットで靴の裏をごしごし擦り、片足ずつ船長さんに見せねばならない。このクルーザーに小さな小舟も随行する。なぜだろうという疑問はまもなく氷解。

南島に上陸するには小舟に乗り換えねばならないのだ。強烈な日差しなので日傘持参だったが、両手両足が必要だから置いていけという。好奇心と恐怖心が募るw。帽子組の娘はほら言ったとおり麦わら帽子をかぶれば良かったじゃないとエラソーに言いつつ根は優しいからリュックに日傘を入れてくれた。

クルーザーはそのままイルカを探しに行き、娘と2人、ガイドさんと小舟でいざ島へ。

島の上陸地点への入り口は1ヶ所で狭いので条件が合わないと入れないという。おまけに上陸できるのは1日計100人のみ。それも公認のガイド付きでなくては入れず、冬期は生態系保護のため閉鎖される。今年は11月5日が最終日だったようで、かろうじて滑り込んだことになる。

IMG_0394両手両足を使って上陸。ミズナギドリとカツオドリの集団営巣地で、希少な植物や生き物がいるのだが、世界自然遺産の上を歩くわけで石を踏んで歩くように、それないように、草を踏まないように、木を掴まないように、慎重にごつごつした岩山を歩く。

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手の届くところにぽこぽこ穴が開いていて、中には綿毛にくるまれたミズナギドリの雛がもぞもぞ動いている。もちろん静か〜にそっと覗かせて貰う。かなりの大きさに育っている。巣立ちももうすぐなのだろう。

海水が入り込んでいる静かなプールのような浜辺に出るとここでは水に入って良いとのこと、そして裸足になって驚いたのが砂。真っ白なキメの細かな砂なのだが、亜熱帯の強烈な日差しの下、まったく熱くない。実に不思議な感覚だった。

小笠原諸島は火山列島なのだが、南島やその周辺の島は海底が隆起してできた石灰岩の島だからだという。汽水には渡り鳥数種が羽を休めており、ノスリが空を舞っている。

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両手両足を使って、島の頂上まで登り、降り、1時間強の無人島ツアーを終えて小舟に乗り込み、ああ今来て良かった、来年、再来年なら山を降りるのに騒動となったかもとしみじみ思ったのだった。

長くなったので続きは今度…

写真はクリックすると大きくなります。写真の鳥はカツオドリの幼鳥。砂の上のタイヤのような跡はヤドカリの移動した跡。

P1030768東京都なんですよ、小笠原諸島って。それと世界遺産だと言うことは知っていた。でも知らないことがいっぱいあった。

季節により多少異なるが小笠原諸島に行くには小笠原丸という連絡船を使うしかないのだが、ほぼ週に1便運行しているのみ。しかも台風や強風で欠航する!行くには覚悟がいるのだ。民間用の飛行機は飛んでない。新型船が今春就航して1時間早くなったが、それでも片道24時間もかかる。台風よりも速い時速45キロという結構な速度で走って24時間ですよ、欧州まで往復できる。時間がかかれば当然費用もかかる。安い雑魚寝でさえ往復5万円近い。遠くて高くて時間も滞在期間も長く必要な東京都の最果ての亜熱帯の島。

といってもこれは父島までの話で、他の島に行くにはもっと時間も費用もかかる。父島から母島まで更に乗り継いで2時間。それ以外の島々は無人島だ。戦中に強制疎開が行われて以来無人島になったという。

しかもしかも知らなかったことがまだまだある。昭和43年に返還されるまで米国の一部の扱いで、欧米系の島民のみが帰島を許されたのだという。近くの島へのツアーでお世話になった船長さんは英語の名前を持っていて、返還前は銃や散弾を米国から通信販売で購入していたという!ちなみにカリフォルニア州小笠原だったと聞いたがこれはジョークか本当か分からない。
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硫黄島での激戦はよく知られているが、幸いなことに父島などでは爆弾や戦闘での死亡者は出なかったらしい。が各所に備えていたので戦跡が多数残っている。いくつか巡ってみた。

小笠原諸島は亜熱帯に属する主に火山活動で出来た島々で、太平洋に置き去りにされたような孤立した島々であるため、珍しい固有の変化を遂げた動植物の宝庫となっていて、世界遺産の指定を受けている。固有種を守るために小笠原丸乗船時、下船時に薬液に浸したマットで靴の裏とスーツケースの車輪をこする必要がある。他の島や公園に入る際にも固有種を守るため、同じような措置が必要となる。また、道をそれて歩くことも厳禁である。

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なかなか大変に聞こえるだろうけど、良い所だったよ。大勢が押しかけると固有種や島を守れないだろうから顕著な増便には疑問符だが、お勧めする。日本で一番光害のない真の闇が経験できる場所での満天の星空や多数のイルカの群れ、澄んだ空と海。爽やかな風が吹く亜熱帯の気候。行って良かった。おまけに蛇や熊やイノシシもアシナガバチもいないから安心して歩けたw。家の中にまでヤモリが自由に出入りしていたけど…。

PCとデジカメの両方でトラブルがあったため、写真は後ほどアップします。

写真はクリックすると大きくなります。 一番下の立て札の横には外来種の種子を払い落とすためのローラーやブラシ、靴の裏をこするマットなどが置いてあった。

約2週間弱の南の島への旅を終えて日曜日に帰ってきました。

風雨と嵐の星の下に生まれたと昔叔母に言われた通り、今回も色々あったけど、無事に帰れたので結局、私は運の強い女ねと一人喜んでいるのだが、島から出港の朝、強風波浪注意報、高潮警報が出ている中、船は出るのか心配しながらお参りした大神山神社(いかにも霊験あらたかって名前でしょ)で、なんと凶を引き当てたので、尚更エラソーなのだ。

おみくじには、反省こそが一番必要な鏡です。誠意で当たりなさい、とあったので、滞在中、ぶつかり稽古に励んだ相手の娘の喜ぶことw。

凶のご神託にもかかわらず、大きなうねりや揺れにも負けず、食事も完食、船酔いも経験しなかったが、帰宅してみれば調子が悪かったデスクトップは一段と不良化していて、箱から出した状態で放置していたデスクトップのセットアップに追われ、多数の事務仕事も仕事も待っていて、昨日、病院では3時間待ちの後、胃と腸は荒れているしポリープも多いが大丈夫、2年後に来るようにと言われ無罪放免だったが、母のところには洗濯物の山が出来ていて云々と、波は相変わらず高いのだ。

島ではワイファイが使えず一式持ち込んだノートはメモ帳兼ゲーム機と化し、おかげで目の疲労もすっかり取れたのだが、帰ってみれば、こはいかに。夏ではなく冬ではないか、おまけに仕事がぁ…というわけで、問題山積、いつものことながら南の島については後ほどぼちぼちと。


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