センセーショナルなニュースが次々に発生する。おもしろおかしくマスコミは書き立てる。まさにマスコミにとって人の不幸は密の味なのかもしれない。だから乗せられずちょっと常識を働かせることが必要だろう。

時事を考える: パリの大規模暴動(移民の隔離は駄目)

フランスのように暴動の原因となったアフリカ系移民を居留地に隔離する政策など論外です

ちょっと待って。そんなことが本当にあるのか立ち止まって考えてみよう。フランスは自由国家だ。個人主義の強い国だ。フランスは旧植民地からの移民を大量に受け入れており、同化政策を推進している。それが隔離政策?民主主義国家で人を隔離する、そんなことが可能なのだろうか?

ニュースを国内、国際両方ともざっと調べてみた。隔離政策を暴動の原因に挙げたものはなかったし、隔離政策の存在をにおわせたものもなかった。いったいどこからの情報なのだろうか。常に問題を起こした方ではなく問題を起こさせる社会が悪いとするどこかのキャスターのコメント?

郊外に移民が多数住んでいるのはそこが家賃が安く、経済が停滞して失業率が高いフランスでは低賃金であることが多い移民が安い家賃のところに集まるのは当然のこと。第一先祖伝来の土地も家もないのだから新興住宅団地に集中するしかない。また食べ物も文化も同じくする者たちがより集まるのはそのほうが居心地が良いからだ。だからといってこれを隔離政策と呼ぶのはおかしいのではないか。さらに不景気であれば人種的な偏見も強くなる。是非はともかく、後から来たものを排除しようとする気持ちも生じるだろう。だからといって単純にある特定の地域に移民たちを分離、隔離し、人種差別でいじめているという図式に当てはめるのは無理がある。

暴動に加わっているのは国際ニュースによると移民本人ではなく2世3世らしい。海外では首切りは職歴の短い者から開始される。つまり若者の失業率が高くなる。また教育や技術という点から考えても、資産や教育のない者の子供の方が一般に教育や技能習得の機会が低くなり、ひいては就職が不利になる。貧困から抜け出すのは困難だ。当然、暗黙の人種差別もあっただろう。

もやもやと漠然とした不安と怒りをため込んでいた無職の若者層が、何かのきっかけで爆発したというところらしい。内相があおったということもあるらしいが、はっきりとした動機がなく、一種の流行、テロリズムだとする報道もあった。プレステに向かう代わりに石を投げに向かったという書き方をしたところもあった。

職も、教育も、金もない層が暴動の主役だとすると、人ごとではない。地縁や家族の絆が崩壊の度合いを強め、格差社会に向かっている未来の日本は大丈夫か。