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事件というのは不可解なものが多いと相場は決まっている。異常だからニュースになるし、普通の日常はニュースにならない。当たり前だ。しかし、こう何人もの女性がやすやすと監禁されたと聞くとどうもよく分からない。

それ以前に変死体で発見された女性がいたというので、それを考えれば警察は杜撰だったかとも思うが、相手がその男でありその場所であると分からない時点では、すぐに動かなかったと警察を非難するのは酷というものではないだろうか。ニュースによるとだが、誘拐されたのではなく、大人の女性が自分から家出をして男性の家に転がり込んだのだから、警察が単なる家出と考えて静観したとしても仕方ないだろう。

そしてよく分からないのが、助けを求めるメール。助けを求めるメールを出す時間と余裕があれば、または隙を見てメールを出したのであれば、書くべきことを考えると思うのだが。友人に単に出られないと書くのではなく、伝えるべきこと、つまり「助けて、警察に連絡して」と、普通なら、書かないのだろうか。

男性のマンションに誘拐されたのではなく自分から出向いたのだから、男性の名前も住所も分かるはずだ。警察に捜査して貰うための手がかりを書くのではないだろうか。住所も、男の名前も、手がかりも書かず、顔文字が書いてあったとは、非常に不可解だ。これじゃあ、警察も本気かどうか判断に迷うだろう。

なによりも、不可解なのは、他にほとんど人も住んでいない建物の、出会い系サイトだか、お見合い系サイトだかで知り合った良く知りもしない他人の男のところに転がり込むことだ。自分からトラブルを招くことだという判断がつかないのだろうか。

もちろん、監禁し、暴力をふるった男が何といっても悪いのだが、この事件で怖いのは、犯人も被害者もコミュニケーション能力が大きく欠けていると思われる点だ。社会に生きているのに、孤立している点だ。監禁されていながら、顔文字でおちゃらけに自分を表現しなければならないほど希薄な人間関係。だからこそ知らない男のところにもつかの間の人間関係を求めたのかもしれないが。

2人きりの時は部屋のドアは開け放つ、車で2人きりになることは襲ってくださいといっているようなものだから知らない人の車には乗らない、女性が自分で自分の身を守る上で常識だったはずだ。男を世の中を甘く見てはならないと娘たちに念を押しておこうっと。