P1000454バーバラ・ヘップワース美術館は細い坂道に面した小さな美術館だった。正式名称に庭が入っている。美術館の2階から庭に通じていて気持ちの良い空間が広がっていた。リーチや濱田の影響だろうか、竹藪があったり日本的な感じがする。コテッジガーデン風の、彼女の作品同様、自然体でのびのびとした庭だ。シュロが何本も生えていて(植えてというより生えていてという感じなのだ)少々南国風なのは、今が6月というのにコートを購入するほど寒くても本当は暖いのだろう。先に書いたセント・アイブスの巻で一番下に挿入した黄色い花のある庭もバーバラ・ヘップワースの庭である。

P1000467テート美術館の分館であるテート・セント・アイブスは海に面していた。朝寒かったのにテートに向かう白い狭い坂道を上り下りしている間に日差しがどんどん強くなり、移動アイスクリーム屋も出現していて、テートはすっかり夏の格好をした観光客と子供でかなりの混雑ぶりだった。白い部屋に入場者の背丈の所に名前を書き込むというパフォーマンスをしていてK子共々しっかり参加。私くらいの背丈が一番多いようだったが、これは中高生が多いと言うことかw。

テートの真ん前、海に面した白いカフェでワイン付きのランチ。潮騒とカモメの声。白い砂浜とかすかな子供たちの叫び声、うーん、フランス映画のシーンではないですか。陶然となる。クラブミートサンドを頼んだら、どうやって詰め込んだのと言いたくなるほど分厚い蟹肉のみのサンドイッチが出てきた!フランスじゃないw。でもやっぱり陶然となる。

P1000492陶然としたままテートから遙かに見えた丘に登った。中世の小さな教会が頂上に建っている。小さな突起のような半島の上の小さな教会。右も左も前も海だ。白い弓状の海岸が日差しに輝き、雲が圧倒的な存在感を示している。なんて素晴らしい雲なんだ。

坂道を港の方に下っていった。日は高く時間はたっぷりある、はずだった。本日のリーチ窯に続く期待のギャラリー、CBSコレクションは、朝、描いて貰った地図によると近くにあるはずだ。ぶらぶらと小さなギャラリーを覗き、聞いてみるが知らない。だんだん焦りが出てくる。セント・アイブスにあるアートギャラリーの地図を貰う。ようやく見つけ出す。港からフィッシュストリートとやらに入ったところにあるらしい。

港の土産物屋で聞くとまっすぐ海岸に沿っていくとすぐ分かるという。地図では港の一番端に近いのでどんどん歩く。5分と言うが着かない。遠い。途中で黒く塗ったゲームセンター兼パブのような場所を通り過ぎる。朝言われた近づいてはいけない所ってきっとこんな所ね、パブの前に大勢の若者がたむろしている。

突き当たりまで行ってもフィッシュストリートの名前がない。坂道を上ってみる。ない。仕方がないので戻りながら、別のギャラリーに聞くと、すぐ横を上ったところという。K子はついにダウンしてベンチに座り込んだ。ここで止めるわけにはいかない。そのギャラリーのすぐ横は急勾配のな狭い路地だったがクラフトの看板がでている。よっこらしょっと恐ろしく急な小道を上っていくと小さな店に着いたが、違う。その先は人気のない細い路地だ。サーフィンの板を抱えて家に入ろうとしていた人を捕まえると、上ってきた道ではなく横にまっすぐいって下るようにと指示される。
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ぐるりと周り、急な大きめの坂を下りていくと、なんということもない。だいぶ前に通り過ぎた例の黒いパブの前に着いた。ギャラリーはなかった。唖然としたが、諦めるわけにはいかない。何人もの人がセント・アイブスで最高といったギャラリーなのだ。ゆっくりと左右を見回しながらまた急な坂を上ってみるとそのパブの斜め前に、あった。分からないはずだ。鉄格子が降りていた。ギャラリーの営業時間は5時まで。時間は5時5分。鉄格子にしがみつき、中をすかしてみる。あるある。入り口はごくごく狭いが中は広そうだ。コパーの名前もリーチの名前も濱田の名前も書いてある。まだ中に人はいるはずだが、鉄格子はしっかりと降りていてどうしようもない。

せめて入り口の写真でも撮れば良かったのだが、あまりにガッカリしたのでそれも撮らずにすごすごと宿に帰った。宿で途中で購入したコーニッシュパスティを食べたが、どれにしようと迷ったりせずに、そもそも買ったりしないでまっすぐギャラリーを目指せば良かったのだ。空が真昼のように明るく、店は人で溢れ、時間の観念をなくしていたのが敗北の原因だった。そうなのだ、この時期の英国は10時頃まで明るいということをすっかり忘れていたのだ。そして英国の小道の表示は目の高さでも頭の高さでもなく、膝の高さにあることもあるということを知った。

パスティは美味しかった。

9832歩
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