娘とデパートで待ち合わせ、ちまちまと何種類かのおかずとお寿司を調達して帰ってきた。

娘のマンションの前の公園では赤や黄色のぼんぼりが何重もの輪になって火を灯していた。ちゃんと櫓も組んであり、大太鼓も据えられている。

遠くの盆踊りのざわめきをつまみに食事をし、帰り際にマンションの廊下から踊っている人たちを眺める。踊らなくなって、もう何年経つだろう。ここでも楽しみを味わうのを自分から止めてしまっている。一人では行けない、娘は行かないという。なぜ行けないのか。一人で行けないのは自意識のせだろうか。

最後の曲ですといって音楽がかかった。「好きになった人」だった。どうやって踊るのだろうと娘と笑いながら見ていたが、今なら明るいから歌いながら帰ったらという娘に従い、歌いながら帰ってきた。

もうすっかり空気は秋。虫の音が聞こえる。遠くかすかに都はるみの声。盆踊りも参加する人がいなければ消えていくだろう。来年こそ踊りに行こうっと。