あんなこと、こんなこと。どんなこと?

自分の言葉をしゃべりたくなった翻訳者のきままな独り言:多様だから価値がある。反論、異論大歓迎

カテゴリ: 2011年英国旅行

P1000885液晶アナログテレビをデジアナ変換でみている。全く支障はないがBSが見られなくなったので(管理会社経由でケーブル会社に毎月数百円を支払っているのだがBSを見るにはプラスアルファではなく丸ごと支払えとケーブル会社に言われ、そんな理不尽なことには従えない)NHKのオンデマンドで特選パックを注文、PCでみている。

連休前からの恐るべきドタバタと忙しさが一段落し、世界ぶらり街歩きを物色していたら、エジンバラの巻があった。K子と2人でうろうろした町並みが…ああ、懐かしい。というので今回はエジンバラ。NHK表記ではエディンバラ。でもまあ私、昔ながらの日本人だからエジンバラでいいや。

グラスゴーから列車で1時間程度だったが、最初に乗ろうとした列車がファーストクラスが満員だったので
30分待って次の列車にしたがこれが誤算。次の列車にはファーストにはほとんど人がいず、いつもほとんど人P1000965はいないとのこと。じゃあ、さっきのはなんだったんだろう。美味しくお茶とクッキーを食べ(迷っているといくつでも良いよと、2パックくれたw)おしゃべりしているとあっという間にエジンバラ。駅と外が区別がつかず方向指示が変でぐるぐる回る羽目になった。スコットランドはどこも表示が下手な気がする。こっちが悪いと言われるだろうけど。

エジンバラの第一印象は、「なんじゃ、この黒さは」だった。街が黒っぽい。線路脇にスーパーマンに出てきた悪者の巣窟そっくりの真っ黒な塔が邪悪な格好で聳えている。これはウォルター・スコットを記念した塔だと後で分かったが、黒すぎる。ひとしきりK子とこれは線路脇にあることだし、長年の蒸気機関車の煤がついてそのまま染みついたに違いないとの結論を出したのだが、単に、ここいらの岩がこういう色をしていただけみたいw。

P1000950しかし、こういう黒っぽい岩でできた建物が多いこと、寒いこと(グラスゴーと気温はほとんど変わらないように感じたが、グラスゴーで見かけたヘソだし姉ちゃんはもちろん、薄着の姉ちゃんも見かけなかった)、曇り空が多いことが人間の心に影響するのは当たり前だろう。コナン・ドイルやスティーブンソンがここの出身と聞いて納得。教会ではナイトツアーとか、薄暗くおどろおどろしい。なんせ何度も戦いをくぐり抜け、血塗られた歴史が色濃いのだから怪しくて当然か。NHKでその近くの教会がボルター・ガイストで有名だと紹介していたが、もっともそこの牧師さんはツーリストを呼ぶためだと笑っていたが、旧市街はそんなことが起きても不思議はないと思わせるところがある。

P1000942B&Bに荷物を置き直ちにローヤルマイルへと向かったのだがタッチの差で5時を過ぎてしまい、土産物屋を物色するだけとなった。ここでK子のカードがなぜだかすべて限度額を超え、使えなくなる事態が発生。でもめげずに私のカードで、もちろん、後で返して貰ったけど、大量のカシミアのマフラー等々を購入。相手がK子でなければ躊躇したかも。息子相手なら絶対に嫌と言うし、娘相手でも一筆書かせたかも(ウソ)。

ずらりと並ぶ土産物屋は中国系と韓国系が目立つ。いくつか入った店の店員にも韓国人と中国人が多かったが、こういうところで国の勢いというのがよく分かる。電気店にはもはやソニーもトーシバもなく、サムソンが席捲。観光客も中国人や韓国人の団体が多く、日本人は見かけない。個人で動くほど団体は卒業して成熟したのか、遠くまで来る物好きな日本人は少なくなったのか。何カ所かで、地元の人たちからニーハオと声をかけられ、毎回、私は日本人と言い返したけど、外国に出ると、突然、がちがちの愛国者になる。

今回選んだB&Bというかプチホテルは、ローヤルマイルまでほど近く、今回の旅行中一番高かったが、その分、部屋は広く、スタッフは親切だった。部屋にトラブルがなければこちらがトラブルを起こす。戻ってきて部屋が分からず騒いだら、1階上だったり、翌朝にはB&Bそのものに入れないと騒ぐ羽目にも。旅も終わりかけで、疲れていたのね。

14470歩


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泊まったホテルには不満が数々あったが、たっぷりの朝食を取り、目の前の巨大な公園を抜けて歩いて行く頃にはすっかり上機嫌。ただ、繰り返すが、時間が早くタマネギ頭の巨大な温室がまだ閉まっていたのが非常に心残り。北国だからこその温室の進化形が見られたはずなのに。

まず、マッキントッシュの手によるグラスゴー美術学校に向かう。(写真をクリックすると、大きくなりますので、建物の色はすすけていますがユニークな細部は少し分かります)この学校で内部を見学させてくれるはず、だったのだが、学校入り口で門衛に追い払われる(^^;)。角を曲がった所に入り口がありそこで聞けとのこと。寒風に身をかがめながら再び来た道をたどっていくとありました。聞かなきゃそれとは分からないほどの小さなドア。中は、閉まっている!2、30分で開くはずなので、待つことに。そこに中側のドアが開き、よく似た体型の小太りのおばちゃん2名が到着。ロシア人の姉妹らしくみえる。話しかけるがよく分からない。そのうち1名は外に出て行った。もう1名にあなたたちはロシアから来たのと質問すると、スコットランドからという。ここはスコットランドだけど、出身は、またしても答えはスコットランド。グラスゴーの人で職員だった!訛りがひどくてロシア人と思い込んでいたのだ。ロンドンに戻ってB&Bの主、アグネスにこの話をすると、彼女も全く理解できずに同じような経験があるという。薩摩弁みたいなものか。

P1000847内部を見学させてくれるはずだが聞いてみると予約制だと。おまけに満員。1日2回で午前と午後1回ずつ、定員15名。わー!。聞いてないよ。しかし、そこから粘らなくてはどうする。はるばる海を渡ってやってきたのだぞ。係員と交渉して、ウェイティングリストなどないというのをとにかくツアーが始まるまで待っていることに。観光客が集まり始めた。時間だ。係の女性は声をかけてくれない。5分待って未着の人はいないか聞くと、3人まだだからまあ、良いわ、入ってとツアー最後尾に入れてくれた。ラッキー。無事に構内に入ってからわずか数分後、3人がやってきたが彼らも私たちも出されることもなく、ああ危なかった。ああ良かった。

P1000862P1000855この構内のツアー、是非ともお勧め。(但し、写真は一切禁止だったので上のリンクをたどって下さい。)ツアーのガイドは美術学校の学生。校内はマッキントッシュ一色。建物そのもの以外にも、窓や椅子、装飾、随所に彼のデザインが残っており、非常に面白い。学生達は実際にマッキントッシュの椅子に座り、マッキントッシュの机で勉強している。実にユニークだ。大満足。

ハリー・ポッターの撮影現場だという重厚な大聖堂〈何と入場無料だった)とその奥の丘の上の広大な古代の共同墓地〈一見の価値有り)を訪ね、その後、マッキントッシュのウィローツリー・ティールームへ。喫茶店を探していたがなかなか見つからない。そのはずだ、入り口は貴金属店で、そこを通り抜けて2階へ。スモークサーモンサラダを注文すると超巨大で、半分残す。寒いから大量の熱が必要なのだろうかw。日本人なら4人前だね。P1000875

←エジンバラ方面行き
375←チェスター方面から到着


グラスゴーには徒歩数分の所に大きな駅が2つある。チェスターから到着したのとは別の駅からエジンバラへ。わかりにくい。って、東京に何カ所大きな駅があることやら。グラスゴーにはもう1泊したかったなあ。

13070歩


P1000815グラスゴーの街は寒風が吹いていた。6月というのに。昨年6月のことだが(^^;)。巨大な駅から一歩外に出たら思わず首をすくめるほどの寒さだった。それなのに、薄着で肩もあらわに、時にはおへそまで出して闊歩している女性達がいる。若いって凄い。


グラスゴーは都会だ。おしゃれな人たちが多い。今夜の宿を見つけるためにツーリストインフォメーションに行く。セントアイヴスで調達したリサイクルの、それも少年用のコートを着ていたせいか、安い所が良いですよね、と何カ所か電話をかけてくれる。1泊だし、少々なら出しても良いといったのだが、やっぱりおばちゃん渡り鳥のように見えたのね。で安くて便利な観光の中心地にホテルを見つけてくれたが、結構な手数料を取られびっくり。やっぱり都会だ。

P1000824機嫌の悪い、従って感じの悪いオバサンがフロントにいるホテル(B&B)に、やっぱり都会だ、荷物を置き、グラスゴー大学に向かう。1451年設立。素晴らしく重厚だ。学内のハンタリアン博物館へ一目散に駆けつけるが休館だと、涙。上ではコンサートが開かれているらしい。雰囲気のある螺旋階段にクラシックが流れる。それにしても美しい。P1000820学校から下のケルヴィングローブ公園そして別の博物館へというコースも考えたが時間がおしている。外に出ようとうろうろするが、あちこち鍵がかかっている。出られない。迷子だ。罠だw。音楽は流れているのに人はいない。ようやく現れた人影が、親切にも案内してくれ、好みのイケメン紳士だったw、ようやく外に出られたが、すでに門は閉じられ門ていた。向かいのマッキントッシュハウスも閉まっている。またまた涙。

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宿の前は広大なボタニカルガーデン。何せ寒いのでバラもつぼみだが渓谷まで組み込んだ変化のある公園で、巨大な温室もある。ここも閉まっている。この温室は後で、有名な蘭の温室だと言うことが分かってまたしても悔しい思いをしたのだ。まだ外は真昼のように明るいというのに。近くにスコットランドBBCがあったが敷地にSaleの看板が。ホテルのテレビでもBBCが入らない。厳しいのは日本だけではないのね。でもNHKが売られるという事態にはまだ至っていないけど。


389食事は美味しかった。おしゃれな店が多かった。ピザの巨大さには度肝を抜かれたが。

B&Bの朝食は悪くはなかったが、良くもなかった。部屋も安っぽく、やっぱり飛び込みP1000829で入るホテルには碌なものはない。努力は、裏切られることもあるけど、大抵は報われるよね。


10117歩 写真はクリックすると大きくなります。

P1000805

はい、今頃続きです。なんて時間が経つのは早いんでしょう。それもドタバタと走っているかのような時間の流れにあきれてもう笑うしかありません。まあ人生、色々ありますなあ。まさか親がおしめを替えるのが嫌だと深夜家出するなどという事件が勃発するとは、全く想定外のことで、なんとか静かに暮らして戴きたいものです。

P1000766で気分を変えて、チェスターの続き。昨年10月にチェスターの宿について書いたとき続くと記しながらここまで遅くなるとは。
ごめんなさい。

チェスターの街はぐるりと城砦の壁で取り囲まれており、気持ち良く晴れ上がった広い空のP1000745下ぐるりと街の周りをK子と歩く。

細い運河が横を流れ、ナローボートが係留されている。緑の美しい競馬場では何頭かの馬が訓練中。博物館を2つハシゴし、この町がローマ時代を始めいくつもの層の上に作られていることと、かのコクマルカラスの名前を確認し、中世から現存の少々どころかかなりかしいでいるショッピングセンターを冷やかし(ああ、地震がないというのはなんという素晴らしいことなのだろう)、ビールとポットシチューを宿で食べた後、宿の男のP1000772子カウに、川遊びとそこで売られている最高のアイスクリームを食べなくちゃと言われ、ボーP1000787トに乗りに出かけた。

わずか30分ほどの遊覧船、その名もマーク・ツェーン丸に乗り、アイスクリームを押し合いへし合いしながら何とか手に入れ、すっかり休日気分を満喫。

ああ、何という気分の良い日だったろうか。幸せの記憶があれば当分やっていけるというのは本当だ。思い出しただけでうっとりと眉間の縦皺も消えていく。しばし、思い出を反芻し、仕事は遅れ、お腹は空き…、もとい。

そうそう、ここには大聖堂が。古くて、暗くて、階段がすり減り、宗教裁判P1000799所も、今は使われてないだろうが、あり、趣き満載だ。しかも古本を販売しているではないか。つい数冊買ってしまい、後でK子を口説いて引き受けて貰うというお粗末もあったが斜めに古い硝子を通してでこぼこの石の通路に差す日差しが美しい。

歩数をメモしたのに積み上がった書類の下敷きで見つけ出せない。あっというまに過ぎていった時間の象徴だね。小さな写真はクリックすると大きくなります。


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キングサリという藤の花に似た、でも金色に垂れ下がる花があると知ったのは数年前。コッツウォルズの有名庭園にあると聞いたが、なんせ、列車とバスの旅では思うに任せない。諦めていたのだが、ウェールズにもキングサリで有名な庭園があり、その満開時期が5月末と聞き、日程を合わせた。天候不順でどうなることやらと気が揉めたが、幸いにどんぴしゃり。数十メートルの花のトンネルが出来ていた。

P1000668P1000666このボドナントガーデンはウェールズにある。チェスターからは列車で1時間ほどのLlandudno Junction Railway Stnからバスで15分ほど。観光バスは数台とまっていたが、花の盛りだというのに人が少ない。非常に広大な庭園だということもあるが、やはり観光客がちょっと周遊というには遠いからだろう。その分、ゆっくりと楽しめる。出口付近に骨董店というおまけのお楽しみもあった。

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庭園にはローマ時代の物と思える彫像も多数有り、バラ園も花盛り、山あり、谷あり、小さな滝に趣のある木造の橋まであって、館周辺をそれるとまるでハイキングのように行けども行けども…というわけで途中で諦めた。紹介されることが非常に少ないようだが、素晴らしい庭園だった。

P1000689ウェールズに入ると英語とウェールズ語が併記されている。ウェールズ語は発音が凄い。スペルから想像できない。ということで覚えられない。このLlandudno、スランデュドウノと読むのだが、バス停から一緒だったおじさんに何度も発音して貰ったが覚えられなかったw。その場では覚えたつもりだったが、5分もすると忘れてしまう。地名を言うのに、恐竜のような名前と言ったら通じた!嘘のような本当の話。

この駅から庭園とは反対方向に2,30分歩き、大きな橋を渡ると、世界遺産の城、コンウィ城がある。中世の城
がそのまま残っている。といっても廃墟だ。細い急な階段を上った城壁の上は、細い鉄線が渡してあるだけで、怖い。高所恐怖症の人は止めた方が良いかも。そういえば日本にはこういう廃墟をそのまま保全するという文化はないようだ。城跡ならあるが。修理するか、いや、建て替えるだろうなあ。

コンウィの街をぶらつき、ルイス・キャロルゆかりのLlandudno(ボドナントガーデンのあるジャンクションとは別の街)を二階建てバスでぐるりと回るが、接触事故発生。停車中の車のサイドミラーが折れただけで、たいしたことはなくて良かったが、女性の運転手さんはかなり焦っていた。Llandudnoは湾に沿って大型ホテルが建ち並び、P1000711なんでも英国のナポリと呼ばれているとか、いないとか。賑やかで大道芸人も出て人が多い。

コンウィではウェールズ一美味しいというフィッシュ・アンド・チップス店を探し当て、私はスキャンピー、K子はタラだったか巨大なサカナをコンウィ駅のホームで食べる。スキャンピーは素晴らしく美味しかったが少量なのですぐお腹が空き、K子は満腹でもう何も入らない状態。当然、夕食はサクランボとリンゴを囓って寝る羽目に。P1000714それなのに、帰国後私はコレステロールが急上昇で薬を飲むこととなり、私より高く、薬を処方されそうと言っていたK子は食生活と歩いたおかげですっかり健康体になったという。普段はいったいどんな食事をしていたのだろう?



P1000713なお、コンウィ駅は最初見つけられなかったほど小さな駅で、駅舎もない。
列車は乗客が手を挙げて合図しなければ通過してしまう。横にいた男性が手を挙げて止めたが、彼の前の車両だけがドアが開き、といっても手動であけるのだが、手を挙げなかった私たちの前のドアは閉まったままで、運転手さんに合図をするも手遅れのようなので、慌てて移動するという一幕もあった。田舎に行く際は、お気をつけて。

14021歩 写真はクリックすると大きくなります。 おどけたカラスと鳩のミックスのような鳥がすっかり気に入り、チェスターの博物館で調べたのに、忘れてしまった(^^;) [追記]Jackdawコクマルカラスでした。頭にグレーのベレーを被ったようで、カラスみたいなのに鳩そっくりの歩き方をします。右上の写真、Conwyの駅名の斜め下におどけた格好で写っています。クリックしてご覧下さい。

チェスターの駅前からタクシーに乗り、ついたところはタバコを吸っているおじさん達の群れの真ん前。

P1000631一瞬というか、かなりひるむK子と私。ネットで調べて予約したのだが、旧市街でタウンホールのすぐ近くで駅からも歩いていけるはずの便利な所。写真によると重厚な木の扉で素敵に見えたんだけど。なんだかんだあってすでに夕刻、キャンセルすれば全額没収、入るしかない。東洋人も黒人もあまり見かけない街で、地元民しかいないような居酒屋へ、好奇の目にさらされながら恐る恐る入っていく。

361中は大盛況。座席どころか、立っている人で埋まっている。人波をかき分けた、一番奥、バーカウンターのすぐ横のキャッシャーが受付だった。頬が丸く赤い、おとぎ話に出てくる気の良いお兄ちゃんそっくりの若者が立っていた。ここは一族が経営している昔ながらの旅籠で、彼の話によるとこの建物は1470年代に建て直された、町で一番古いパブなそうな。[リンクをたどって改めてこのパブの歴史を読んでみると起源は11世紀にさかのぼる。ふーん]こういうことでもなければ多分入れない地元の人たちで一杯のパブ。うん、気に入った。357

すり減った階段はぎしぎし文句を言うだけではなく、はっきりとかしいでいる。上っていくと自然に体が横にかしぎ、少々目眩を感じる。部屋に作り付けの大きなワードローブはもちろん床がかしいでいるせいで力を入れなければ上手く開け閉めが出来ない。おまけにベッドに寝るとぐらりと横に転がりそう。

356バスルームは近代的でパワーシャワーまで備えてあったが、バスタブにお湯を満たそうとしても蛇口が動かない。頬の赤いお兄ちゃんを呼ぶと、テーブルナイフを持って飛んできた。修理も全て一族でこなしているらしい。で、彼が触ると簡単に動く。やってみるが、私の力では全く動かない。K子だと動かせることが判明。単に私が非歩力なだけだったw。

この宿はガラスも昔ながらのガラスがそのまま残っているようで、面白い模様がついている。パブの羽目板も、何もかもいかにも古いぞ、オリジナルだぞのオーラが伝わってくる。朝食も、ペンザンスのB&Bでは食事が売り物で、フランス人のシェフというご主人が朝から焼くでできたてのクロワッサン他の美味しいパンにスモークサーモンやスクランブルエッグなど、非常におしゃれだったのが、一転、ここでは中世らしくw、ブラッドソーセージがついている。いかにも男性向きだったが、もちろん、こわごわと、でも完食。しっかりとお腹にたまる。さあ、今日も歩くぞ。P1000724

チェスターの街のことを書くつもりで宿のことだけで長くなってしまった。ここには3泊したが、ランチもビールも美味しく、ベッドから転がり落ちもせず、楽しかった。目玉焼きの上がブラッドソーセージ。その横は手作り感満点のポテトでここのが一番美味しかった。次回に続く



小さな写真はクリックすると大きくなります。[窓枠のペンキの厚さをごらんあれ。何度塗り直されたことか]


ペンザンスーWightwick Manorーチェスター、6497歩

P1000612[追記あり]ペンザンス8:28発、バーミンガム乗り換えでウォーバンハンプトンに向かった。目指すはWightwick Manor and Gardensだ。駅からタクシーに乗る。事前の調査ではバスがあるはずだが、なんせ時間がない。ビクトリア時代後期のこの建物と庭を見た後、今宵の宿のあるチェスターまで行かなくてはいけないのだ。

この国はどうなっているのか、客待ちしていたタクシーは、目を見張るほど、シートもドアの内側も破れ放題のオンボロ車だった。運転手はターバンを巻き、ここいら辺りはタクシーという職業はインド人が独占しているのかもしれない。帰りも、後にチェスターで乗ったタクシーもインド人だった。

場所を知っていると言いながら、どうも怪しいと思った通り、なんと裏口から直接、人が列を作っている建物玄関の真ん前に横付け、衆人環視の中でタクシーを降りる羽目に。何事、と中から係員のオバサンが出てきて荷物を預かってくれたが、ここは少人数ずつ中に入れる時間予約制で、そこから庭を通り遙か正門近くの案内所へ。1時間近く待ってようやく建物の中に入ることが出来た。P1000622おかげでゆっくり庭を観賞できたが。

P1000615それにしても印象的な建物だ。ここは何でもウィリアム・モリスのコレクションでは有数らしい。二階にはモリスの壁紙のサンプルがずらりと並び、注文も出来るようだ。が、ここは何よりも内部の調度が素晴らしい。個人の邸宅で今まではあまり知られていなかったらしいが、最近、テレビで何度か取り上げられ、以来、観光客が増えているとか。写真は一切禁止。残念。オリジナルの絨毯だとのことでここから先は踏んじゃダメとか、この椅子は座ってはダメとか、なかなか厳しい。アート&クラフト運動の影響を受けた生きた事例のような場所で、各部屋の壁紙や家具類、絵画と、面白い。建物や壁紙、柱の細工、こういう物は現地に行くしかない。

P1000627自然な美しい庭で、気持ちがよい。モリスのショップもあり、ここで上の娘のために買い物バッグを購入したが、感心しなかったようでちと残念。P1000617

ここで問題が発生。見学を終えて建物を出たところで預けた荷物を受け取りに入り口に戻るとすでに鍵が!慌てて出口に戻り、そこから中に入りようやく荷物を取り返すことが出来たが、壁紙修復の寄付を頼まれる。剥がした物を小片に切って送ってくれるとのことだが、日本まではどうのこうのと長くなりそうなので、丁重にお断りする。帰りのバス停を聞くと正門近くの案内所で聞くようにとつれない。まあ、当たり前だが。そこで案内所へ。ガラス戸は閉まっていたが女性が2人まだいる。良かった。バスかタクシーの場所を聞くと、ボスらしい女性がこちらには一言も答えず、横の女性に指示し、近くのレストランまでタクシーを呼んでくれた。呼んでくれたはいいが、こちらのお礼にも、笑顔も言葉も一切なく、無視で、ドアからでたとたん、がちゃんと鍵を締められてしまった。早く帰りたいのに変なのが飛び込んだからだろうが、せっかくの建物と庭だったが、冷や水をかけられたようで、残念だった。

[追記]内部の写真がようやく見つかりました。http://www.owlpen.com/wightwick.shtmlをご覧下さい。その素晴らしさの一部が分かります。この写真は上のリンクから拝借しました。WightwickManor great_parlour[1]

P1000508ペンザンスからバスで1時間ほどだっただろうか走ったところにミナック・シアターはあった。女性が一人で断崖を削り、椅子や舞台を作り出したというまるでおとぎ話の中のような劇場だ。しかもこの海の前で、今も夏の間、ミュージカルやシェークスピアなどが上演されている。

P1000524ちょうどミュージカルの切符も取れそうだし、是非にと思ったのだが、昨年は終演後、夜11時に帰りのペンザンスの街までバスがでたというのだが、問い合わせても今年は分からないと言われ、泣く泣く諦めた。

P1000507訪れたときにはパペットショーをやっていて、小さな子供で一杯だった。怖いほどの急な石の階段でなのだが、結構平気に子供たちは上り下りしていた。舞台の後ろは紺碧の海。遠くに白い砂浜。素晴らしい劇場だ。ここは是非訪れて欲しい。例によって厚着をしてきたのだが、みるみるうちに気温が上がり、太陽がじりじりとてりつけ、日焼け止めを塗る間もなく、あっという間に日焼けしてしまった。寒くても太陽は6月の太陽だった。


P1000538P1000535フットパスをケーブル博物館まで歩く。真下の美しい白浜の下にケーブルを埋めていたらしい。がけの下に掘られた要塞の跡に作られた博物館で、世界大戦の際の情報戦を知り、モールス信号の説明を受ける。なんだかよく分からないが、よく分からないなりに面白い。

バスの便数が少ないので、ランズエンドという地の果てでは降りず、2階建てバスの2階全席から写真を撮っただけで、そのままペンザンスに戻り、今度はマラジオンのセント・マイケルズ・マウントに向かう。

P1000599フランスにある世界遺産のモンサンミッシェルとなにやら関係があるらしい。モンサンミッシェルを英語に直せばセント・マイケルズ・マウントなのだし。こちらは世界遺産ではなくナショナルトラストが管理している。ここいらの海岸一帯は潮の満ち干が非常に大きく、干潮だと島まで歩いて渡れるのだが、海岸に着いたらみるみるうちに潮が満ちてきてボートでの往復となった。P1000598

この城といい、付属する空中庭園と良い、付属する小さなプライベートな教会といい、来て良かった。コーンウォールの名物はクロティッド・クリームで、クロテッド・クリームとP1000589言えばスコーン。ということで、ここではクリーム・ティと呼ぶらしいのだが、スコーンとお茶のセットを試したのだが、素晴らしく美味しいクリームだったが、また素晴らしく濃く、残念ながら胃もたれとコレステロールを警戒して3分の2ほども残した。K子はほぼ完食して、夜うなる羽目に。でも帰国してはかったらコレステロールは下がってたというから分からないものだ。しかし、濃厚で美味しかった。今頃あれを持って帰れたらなどとつい思う私って…。

17572歩
写真はクリックすると大きくなります。桟橋の横に薄く町までの道が見えます。

P1000454バーバラ・ヘップワース美術館は細い坂道に面した小さな美術館だった。正式名称に庭が入っている。美術館の2階から庭に通じていて気持ちの良い空間が広がっていた。リーチや濱田の影響だろうか、竹藪があったり日本的な感じがする。コテッジガーデン風の、彼女の作品同様、自然体でのびのびとした庭だ。シュロが何本も生えていて(植えてというより生えていてという感じなのだ)少々南国風なのは、今が6月というのにコートを購入するほど寒くても本当は暖いのだろう。先に書いたセント・アイブスの巻で一番下に挿入した黄色い花のある庭もバーバラ・ヘップワースの庭である。

P1000467テート美術館の分館であるテート・セント・アイブスは海に面していた。朝寒かったのにテートに向かう白い狭い坂道を上り下りしている間に日差しがどんどん強くなり、移動アイスクリーム屋も出現していて、テートはすっかり夏の格好をした観光客と子供でかなりの混雑ぶりだった。白い部屋に入場者の背丈の所に名前を書き込むというパフォーマンスをしていてK子共々しっかり参加。私くらいの背丈が一番多いようだったが、これは中高生が多いと言うことかw。

テートの真ん前、海に面した白いカフェでワイン付きのランチ。潮騒とカモメの声。白い砂浜とかすかな子供たちの叫び声、うーん、フランス映画のシーンではないですか。陶然となる。クラブミートサンドを頼んだら、どうやって詰め込んだのと言いたくなるほど分厚い蟹肉のみのサンドイッチが出てきた!フランスじゃないw。でもやっぱり陶然となる。

P1000492陶然としたままテートから遙かに見えた丘に登った。中世の小さな教会が頂上に建っている。小さな突起のような半島の上の小さな教会。右も左も前も海だ。白い弓状の海岸が日差しに輝き、雲が圧倒的な存在感を示している。なんて素晴らしい雲なんだ。

坂道を港の方に下っていった。日は高く時間はたっぷりある、はずだった。本日のリーチ窯に続く期待のギャラリー、CBSコレクションは、朝、描いて貰った地図によると近くにあるはずだ。ぶらぶらと小さなギャラリーを覗き、聞いてみるが知らない。だんだん焦りが出てくる。セント・アイブスにあるアートギャラリーの地図を貰う。ようやく見つけ出す。港からフィッシュストリートとやらに入ったところにあるらしい。

港の土産物屋で聞くとまっすぐ海岸に沿っていくとすぐ分かるという。地図では港の一番端に近いのでどんどん歩く。5分と言うが着かない。遠い。途中で黒く塗ったゲームセンター兼パブのような場所を通り過ぎる。朝言われた近づいてはいけない所ってきっとこんな所ね、パブの前に大勢の若者がたむろしている。

突き当たりまで行ってもフィッシュストリートの名前がない。坂道を上ってみる。ない。仕方がないので戻りながら、別のギャラリーに聞くと、すぐ横を上ったところという。K子はついにダウンしてベンチに座り込んだ。ここで止めるわけにはいかない。そのギャラリーのすぐ横は急勾配のな狭い路地だったがクラフトの看板がでている。よっこらしょっと恐ろしく急な小道を上っていくと小さな店に着いたが、違う。その先は人気のない細い路地だ。サーフィンの板を抱えて家に入ろうとしていた人を捕まえると、上ってきた道ではなく横にまっすぐいって下るようにと指示される。
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ぐるりと周り、急な大きめの坂を下りていくと、なんということもない。だいぶ前に通り過ぎた例の黒いパブの前に着いた。ギャラリーはなかった。唖然としたが、諦めるわけにはいかない。何人もの人がセント・アイブスで最高といったギャラリーなのだ。ゆっくりと左右を見回しながらまた急な坂を上ってみるとそのパブの斜め前に、あった。分からないはずだ。鉄格子が降りていた。ギャラリーの営業時間は5時まで。時間は5時5分。鉄格子にしがみつき、中をすかしてみる。あるある。入り口はごくごく狭いが中は広そうだ。コパーの名前もリーチの名前も濱田の名前も書いてある。まだ中に人はいるはずだが、鉄格子はしっかりと降りていてどうしようもない。

せめて入り口の写真でも撮れば良かったのだが、あまりにガッカリしたのでそれも撮らずにすごすごと宿に帰った。宿で途中で購入したコーニッシュパスティを食べたが、どれにしようと迷ったりせずに、そもそも買ったりしないでまっすぐギャラリーを目指せば良かったのだ。空が真昼のように明るく、店は人で溢れ、時間の観念をなくしていたのが敗北の原因だった。そうなのだ、この時期の英国は10時頃まで明るいということをすっかり忘れていたのだ。そして英国の小道の表示は目の高さでも頭の高さでもなく、膝の高さにあることもあるということを知った。

パスティは美味しかった。

9832歩
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セント・アイブスは英国の西南端の終着駅ペンザンスからバス又は電車で30分から1時間程度の港町で、いくつもの小説の舞台になっている。大好きなロザムンド・ピルチャーの一連の小説の舞台でもある。

日本とも縁が深い。バーナード・リーチが日本式の登り窯を築いた場所であり、その際には日本から民芸運動の推進者で人間国宝の濱田庄司親子他多数の作家がやってきて窯作りを助け、共に焼き物を焼いた土地でもある。

P1000495コーンウォールにあるこの窯のことは松下電工ミュージアム(現パナソニック電工汐留ミュージアム)でバーナード・リーチ展をhitomiさんと見に行ったときに知った。そこにはコーンウォールの地図が掲げてあり、近くをフットパスが通っていることも。

その展覧会から京都の大山崎山荘へ興味が向かうことになり、国立新美術館にオルセー展を見に行って、そのついでに全く知識がないままルーシー・リー展に遭遇し、強く惹かれる物を感じ、デイビッド・コパーへと、そして英国へとつながっていった。ルーシー・リーの作品を見て懐かしいと思ったのだが、彼女がリーチと一緒に働いていたこと、コパーとルーシーも共同作業をしていたこと、それで懐かしいという感触になったのだろうか。縁と言うしかない。P1000476

セント・アイブスは美しいところだった。街には無数のアートギャラリーと土産物屋、コーニッシュ・パスティの店におしゃれなカフェが点在し、その間を多数の観光客が回遊し、白く長い弓形の浜には寒さを物ともしない人たちが風よけテントの後ろで日光浴をしていた。この浜にたどり着く前、私は途中で中古の13才用の真冬のブルゾンを思わず買い込んだのだし、K子は寒い寒いとポケットのホカロンを握りしめていたほどの寒さだったというのに。

ちっぽけな町なのに近代美術をメインとしたテートの分館も、英国屈指の彫刻家バーバラ・ヘップワース美術館も、もちろんリーチの窯場とギャラリーもある。いかにも芸術家がコロニーを作って住み着きそうな町である。

P1000474そして着いてすぐに地元のアーティストに教えて貰ったCBSコレクション-セント・アイブスで一番充実しているといわれる陶器ギャラリーの情報に心躍る。このギャラリーにはリーチや濱田親子、河合寛次郎、コパーやルーシー・リーなど、世界的な作家の作品が集められているという。2人のアーティストは通りの名前は知らないが、と簡略な地図を書いてくれた。港から「近寄っては駄目なパブの」横から垂直に伸びる細い道を上っていけばすぐだという。なんだかよく分からないが、リーチ窯が一番遠く、高台にあるというので、まずリーチ窯に向かった。

うろうろあまりに簡略すぎる地図に沿って行きつ戻りつしている内にリーチ窯までかなりの距離があるらしいと分かり、コミュニティ用のバスにたどり着いた。ドライバーは愉快なおじさんいやおじいちゃんでリーチ窯の近くで下ろすときに、いいかい、ここで待っていればくるからね去っていった。

P1000448リーチには備前を土台にしたような日本の匂いが残る物が多い。工房も窯も見せてくれたが、柿右衛門などで感じた隅々まで張り詰めた空気はない。いかにも使いやすそうな、包み込みたくなるような、要するに非常に気に入った作品がいくつもある。円高のおかげで高くはない。工房には日本女性が働いていた。それも美人の作家で少々驚きと共に心強く思った。日本との絆はまだつながっているのだ。マグを買い、工房でB級作品とやらを1つ5ポンドで買う。印象通り、非常に使いやすい。毎日使って飽きない。どっしりとした重さと安定感と暖かみがある。K子は重い、重いと旅の初めに購入したことを後悔していたが、勿論、欲深な私は最初から買って良かった派で、なぜ諦めずに別の作品も買わなかったのかと今、後悔している。

2011072717370000バスは当分来そうもないのでテート目がけて歩き出した。T字路で道を聞いていたら、通りがかりの別の女性がいや、こちらの方が近いと口を挟んできた。なにしろ東洋人は見かけないので目立つのだろう。ああでもないこうでもないの最中に、頭の上から声が降ってきた。「ダーリン、こんなところで何をやっているんだ。さっさと乗りなさい」コミュニティバスのおじいちゃんだった。(おばあちゃん2人にダーリンですぞ!この後もディアとかダーリンとか複数の人たちに呼ばれて、ふふふ、ほんわか嬉しかった。日本の男に爪の垢おくれと言いたかったね。)女性の「私が教えている」の抗議の声をものともせず、僕が教えると半ば拉致される形で車に乗り込むと、バスはのんびりと街を一周し、振り出しに戻った。

P1000461彼が書いてくれた今度は詳細な近道という地図に沿って、プライベート・ガーデンとやらを通り抜け、小道を上り、下り、まず、バーバラ・ヘップワース美術館と庭へ向かった。

長くなったので続きはまた今度

写真はクリックで大きくなります。


P1000425マウズル、Mouseholeと書いてマウズルと読む。これはいったい何語なんだと思うような不思議な読み方が英国各地に存在する。英語の法則は例外だらけだと聞いていたが、マウズルねえ。これなどましな方で、ウェールズ地方では、あまりのスペルと発音の乖離にいくつかの地名がとうとう覚えられず、あの、そのを連発したあげく、恐竜みたいな名前と口走り、ひとしきり地名当てゲームとなったこともあったw。

マウズルはロンドンから列車で約6時間の、南西側突き当たりの終着駅、ペンザンスからバスで30分程度の小さな漁師町である。急な山道を下がったどん詰まりに位置する、ネズミの穴ほどしかないちっぽけな、でもクラフトの店が点在する可愛い村だった。その道ときたら、すれ違うことも難しいほど細く、急勾配で、バスは軒をかすめるようにして走っていく。この細い急な坂道をビュンビュン飛ばすのだから、日本の市街地を走行するバスの運転手さんの運転技術をいつも凄いと感心していたのだが、上には上がいるものだ。木々が道に被さっていても何のその、翌日2階建てのバスで同じ道を通ったのだが、時には木の枝を折りながら急勾配の坂道を行く。スリル満点だ。

P1000428岸壁に小さなクラフトショップがあった。本職は漁師だという男性が地元のアーティストの様々な作品を売っていた。日本からの観光客だと分かると、東日本大震災の話になった。船や漁具が流されてもう海には戻れない人たちが大勢出そうだというと、涙を浮かべて、漁師が海に出られない辛さがよく分かる、マウズルの漁師仲間はみんな今回の津波に酷いショックを受けていると、心からのお見舞いの言葉をかけてくれた。地球の反対側の小さな漁村の人たちまで日本のことを心配してくれている。半分ノイローゼのようになって日本を出てきたのだが、胸が熱くなった。セント・アイブスでも、陶器店の店先に、日本を救おう、今こそ恩返しをというポスターが大きく掲げられていた。本当にありがたい。この先も忘れられない人たちとなるだろう。

P1000429-2マウズルまではペンザンス駅前からバスで30分ほどなのだが、ここにたどり着くのに四苦八苦した。というのもペンザンスの駅前にある、ちゃんとした建物のインフォメーションセンターも、その隣のかなり大きなバスの案内所も、閉鎖されていたからだ。Closedの張り紙しかない。全く、5月末だというのにこの寒さでどこが英国のリビエラなんだろう。周囲をうろうろしたあげく、仕方ないので寒風にさらされながら、タクシー乗り場に列を作り、B&Bにはタクシーで向かった。5月末のベストシーズンで、おまけに日曜日の昼日中だ。日曜日だからかとも考えたがありえない。実際、閉鎖された建物の周りを観光客が何組もうろうろし、中をのぞき込んでいた。インフォメーションセンターなしでは、予約なしの人たちは困っただろう。ペンザンスはこの地方の交通の要でここを中心に、所々綻びているが、バス網が発達している。

P1000429私も交通の便を考えて、ペンザンスに予約しようと2ヶ月以上前から宿を探し、3軒目にして、それも紹介して貰ってようやく3泊を確保できたほどの観光地なのだ。行政にしても閉鎖するメリットはなさそうなのだが。

B&Bの主人は、経費不足で閉鎖されている、恥ずかしいを連発した。日曜日だけ閉鎖というのではなくずっと閉鎖されているとのこと。B&Bが代わって観光客の案内をすることになっているらしく、バスの時刻表その他を貰った。事前にウェブで時刻表をダウンロードし、長時間呻吟してスケジュールを立てていたのだが、どうも違う。とにかく、駅前のバス停にとって返すが、乗り場が多数あり、どこがどこやらさっぱり分からない。住民の人たちに聞いて回る羽目になる。長時間の苦労は何だったのだろう。結局、現場のことは現場で聞けということかw。

写真の茶碗は、上部は釉薬がかけてあるが、下部は砂を吹き付ける手法で貝や船の絵を描いたもので、触るとざらざらする。随分軽い。色は写真では上手く出ていないが薄青い。
ネズミの穴には沢山の猫がいるだろうと思ったが、寒いからかあまり見かけなかった。

8920歩


P1000603[追記あり]数年前から旅行に行きたい病が間歇的に吹き出していた。特にヨーロッパ。7年前にコッツウォルズを中心に回って以来、ゆっくり歩いてみたい、もう一度あの庭が見たい、建物が見たいと騒いでいる間に、旅の相棒だった娘は3児の母になり、頭痛の種だった息子は結婚し、下の娘もとうとう10年の長い春に終止符を打って近くに巣を構え、孫は合計5人に増えた。あっという間の、でも長い7年だった。P1000609

その間に、どんどん夢は膨らみ、最低でも1ヶ月間はなくてはと、あそこもここもと欲張った欧州一周汽車旅行を計画していたのだが、K子に現実に引き戻され、タリスもユーロスターも消えてゆき、結局、海外旅行者用に販売されているBritrailのフレックス8日間タイプ、シニア(60才以上)ファーストクラスを購入することになった。このパスは2ヶ月間のうち任意の8日間、イングランド、ウェールズ、スコットランドを無制限に周遊することの出来る優れもので、結局6日分しか使用しなかったが、十二分に役立ったどころか、最初の1日で元は取れたw。

P1000604レンタカーではなく、列車とバスを最大限利用しようと計画してから、スケジュール作りに取りかかったが、非常に時間がかかってしまった。日本のような時刻表と料金を調べるサイトはいくくかあるのだが*、その1本前とか、別のルートとか、なかなか出てこない。それどころかスペルという巨大な壁があり、複数の駅がある大都会だとピンポイントの駅名を調べるという壁もある。日本のソフトのように痒いところに手の届くような気配りゼロで、時間のかかることおびただしい。それも所要時間も料金も、時間や曜日により、またルートにより信じられないほど変わってくる。サッチャー時代の徹底した分割民営化で英国の列車は、料金体系が恐ろしく複雑なものと化したらしい。時間や期日を指定して買わない限り値段が数倍、数十倍に跳ね上がる**。その日の天候や体調により、見所により時間が確定できない個人旅行者にはかなり無理がある。第一、スケジュールに縛られるのであれば、個人旅行をする意味がないではないか。

P1000606このBritrailだが、代理店を通さないVisit Britain Shopの日本版では、8日間フレックスタイプ、シニアファーストクラスで48,700円だが、英国直接だと、309ポンド。円高のおかげで約40,000円で購入できた。代理店経由だと10万近く請求するところもあったから、少しの手間で大きな節約になるので頑張りがいがある。今回は、宿も、チェルシー・フラワーショーのチケットも、ナショナル・トラストの7日間パスもすべてネットで現地から調達した。

P1000610ファーストクラスは贅沢に思えたのだが、正解だった。来た列車に乗ろうと考えていたが、なんせ列車の本数が少ない。エディンバラ−ロンドンという大動脈でこそ30分に1本程度あったが、大動脈でこうなのだから、あとは推して知るべしだ。長距離を乗るのだから、座れないという事態は絶対に避けたい。なにしろ、あちこちに故障を抱えた中高年女性の2人旅なのだから。

予約すればいいと思うでしょう。予約は無料なのだから。ただ、この予約、一筋縄ではいかない。列車旅行の初日、パディントン駅に出発の30分ほど前に到着した。終点ペンザンスまで約6時間。で、予約しようとしたら受付は1時間前までとのこと。そう聞けば、日本人なら乗る1時間前までなら当日予約が出来るのかと思うでしょ?P1000607例え途中駅であっても。ところが違った。チェスターからグラスゴーまで行くのに、乗車時間の1時間以上前に駅に着いたから、予約を入れようとしたら、受付は1時間前までとまたしても断られた。つまり、列車が始発駅を発車する1時間以上前までに予約をしなくてはいけないということらしい。そんなもの、大陸横断の列車に乗るのに、しかも電話やネットで予約できるといっても、ノート持参ならともかく、毎回調べるなどとてもできないし、第一、何時間も前にその日の予定が組めるのであれば苦労はない。列車だって、バスだって自由気ままに遅延するので有名なのに(とこれはどうやら過去の話となっているようで、7年前にはバスは1時間、2時間遅れが当たり前、途中で運転手がいなくなったり、行き先が変更されたりしたという話まで体験談として聞こえていたのに、劇的に改善されていていた)。

P1000967さらに、ファーストクラスで嬉しかったのは、最初のペンザンス行きこそ売店で飲み物が無料で提供されただけでそれ以外の特典はなかったが、この路線以外はすべてスナックや食事が座席でサービスされたこと。スチュワード・スチュワーデスが絶えず回ってきて、お茶だ、珈琲だとサービスの良いことに驚いてしまう。サンドイッチが主だが、暖かいパスタの類があったり、サラダのある路線もある。デザートのフルーツケーキの類や、クッキー、果物類、さらにはワインやビールまで飲み放題の路線もあった。エディンバラ−ロンドン間では時間帯によりアフタヌーンティまで提供される。列車の旅はファーストクラスに限るようだ。

K子が食費を計算したと言って先日教えてくれたのだが、14泊16日間でわずか2万円だったという!朝はB&Bでフルイングリッシュ・ブレックファースト、移動中は列車の中で無料、夜は軽くだったので、その間、結構おしゃれな店などで外食も10回程度、テークアウトも数回、我慢したつもりはなかったのだが、列車さまさまかも。

* スケジュールを立てるのに主に使ったのがこちらhttp://www.transportdirect.info/Web2/Home.aspx?&repeatingloop=Yとこちらhttp://www.nationalrail.co.uk/。両方とも慣れるまでに時間がかかり、慣れた頃にはもう出発だったw。乗り換えもこれらのサイトで調べたのだが、列車に乗ってから車掌さんに念のため聞くと、違う乗り換え方法を教えてくれた。先に触れたように、こういったソフトは、複数のルートを提示してくれないので、最初に出発するが遅く到着する各駅停車に乗るところだった。時間があれば、車掌さんに聞くのが一番いいかも。といってもどこにでも親切な人も不親切な人もいる。楽しい旅行の秘訣はめげないで聞くことかもね。これらサイトと地図をつきあわせて行き先と宿等を決めたのだが、暇と好奇心のある方は是非試して旅行気分を味わって下さいね。

* *例えば、ロンドンの始発駅、パディントンから西南の終着駅、ペンザンスに7月17日に旅行するとする。朝8時発だと所要時間6時間13分、最低、普通アドバンスの44.5ポンドから最高ファーストクラス400ポンドまで29通りの料金が提示されている。これが8時57分発だと所要時間5時間38分、39.5ポンドから最高400ポンドでこちらも29通り。全く同一区間で同じ会社が運営している列車なのに。ペンザンス1枚と言って買うわけにはいかない。これに片道、往復の別がついてくるのだからたまらない。混乱の極みだ。

P1000404待ちに待った土曜日。というのも土曜日だけ開かれるマーケットがあるからだ。それもアンティックマーケット。道路沿いにずらりと数多くのアンチックショップが店開きをするというのだからもうたまりません。まあ、私が収集するのはアンティックというには少々語弊がある古道具の部類なのだが、古い物の方が面白い物が多い。見たことがない、つまり、新鮮に感じるということなのだろうけど。ちなみに、本も古本が好き。奥付を確認しながら、その頃はこんなことを考えていたのか、とか、全然変わらないなあとか、本に+αの楽しみがついてくる。某氏がベストセラーを読むような人間になるなと言ったことをそのまま、主に財布の面からだけど、信じてしまったこともある。

P1000405ポートペロー・マーケットは非常に有名なアンチックマーケットで世界中から人が押し寄せると聞いていたが、ノッテングヒルで地下鉄を降り地上にでると、すでに人の波。駅周辺は雑貨や洋服などアンティックとは関係のない店が並んでいるが、それでもやっぱり買い物は楽しい。冷やかしながらぶらぶら歩く。

古い水彩画ばかり集めた店に孫のりーちゃんにそっくりの妖精の絵を見つけた。木の枝に座ってドングリを投げつけようとしている図なのだが、節分の際にむんずと豆を掴んで投げつけ、娘を翻弄したりーちゃんに、いたずらそうな、きかん気の強い顔と言い、様子といい、うり二つ。すかさずお土産に購入。かなり古い物だそうだが、リーちゃん、大事にするんだよ。

P1000406-2下の娘からは大枚3万円のお小遣いを貰ったが、その際、紅茶茶碗をリクエストされた。買わずばなるまい。華奢で小振りのちょっと見かけたことのない可愛い茶碗を購入。自分用も欲しいと思うが少々高い。どうしようと迷う内、メッキではあるが銀のナイフ、フォーク、そして別のところでスプーンを見つける。刃に美しい彫りの入った6本セットだ。結婚のお祝いに、最初、カトラリーと言っていたのに別の物を贈ったのでまだ揃ってない(と思い込んでいた)ので、思わず買ってしまう。重い。重い。重くて運ぶのが大変で、英国旗の図柄の派手な厚手の布バッグも買ってしまう。これは旅行中非常に重宝したが、日本で持ち歩けるか少々疑問。ペアの薄紫のリキュールグラスも手に入れる。これは誕生日のプレゼントにと、胸算用をする。各店舗で、現金で買うからまけてと交渉し、多少の成果を手にするが、1ポンド150円越えで手に入れた現金はほぼ消えてしまう。カードだったら135円程度だったから安かったのか高かったのか…。

P1000408結局、マーケットでの自分へのお土産は5月末なのに非常に寒い英国の気候のせいで仕方なくw購入したカシミヤのセーターと帽子、布バッグ。

カトラリーを買ったからもう良いかもと、帰国してアンティックの紅茶茶碗を恐る恐る娘に示したら、趣味じゃないと一蹴された。助かった!ついでにペアのグラスは私が馬鹿なことをしたせいで小さなチップが発生。いかにもお母さん好みのグラスねの一言で、有り難く自分へのお土産に変身させたw。

重い荷物を抱えて、帰り道だという理由でケンジントン宮殿をぎりぎりセーフで滑り込んだが、入場料は寄付までしてしまったため、旅行中、1、2を争う高さ。内容は1、2を争う子供だましのくだらなさ。少々むっとしてしまった。こういう趣向が好みの人もいるだろうし、蓼食う虫も好き好きなのだろうが。

P1000418ロンドン屈指の高級住宅街を抜け、市内とは思えないうっそうとした森やウォーキングが楽しめるホランドパークで持参のりんごとクッキーをかじり、迷子になりながらようやく帰宅。翌日はいよいよ旅本番。早く起きられるかな。写真はホランドパークの京都ガーデン

12440歩

こんなにのろのろ進んでいるのでは、帰国編を書く頃にはお正月だったりするのではないかと皆さん思っている?記憶がなくなる前に少し急がねば…。

5月27日金曜日(もう1ヶ月以上前だ。時間よ止まれ!)、美術館や博物館が遅くまで開いている日だ。毎朝天気予報に一喜一憂しているのだが、それにしても番組の出来が悪い。天下のBBCなのに、全国放送なのに、通り一遍の予報でおまけに人の体で被って良く見えなかったりする。それも朝6時に放送したものを何度もそのまま放送したりする。日本は節電のため、第一碌な放送もないし、テレビ局は輪番制にすべきだというのが持論だが、英国の放送を見れば、輪番どころか1局ですべてまかなえそうなほど日本のテレビは充実している。とまたここで道草など食わずに進まねば。

P1000393で、お天気だが、さすがに昨日のような豪雨はなさそうだが、念のため傘を持ち、何たって寒いのでレインコートとその下にナイロンのパーカーを重ねる。格好は最高というわけにいかないがこの年では勿論、実を取る。見栄っ張りじゃなくてホント良かったとしみじみ思う。相棒がK子で良かった。M子なら死ぬほど悩むに決まっている。彼女なら薄着で出かけて風邪を引くか早く帰ろうとうるさいだろうなあ。左の写真はトラファルガー広場

まずはナショナル・ギャラリーへ。チャリングクロス駅はなかなかのもので一見の価値有り(と思ったのだがリンクをつけようとして調べてみたら駅前の精巧な十字架は1600年代に破壊されたレノアールの十字架とかのレプリカだそうだ。前回の一番下の写真がチャリングクロス駅前)ピンと来なかったが十字架を見てあ、そうか、クロスねと。私も鈍いですねえ。英国には4枚のフェルメールが存在し、内、3枚がロンドンで、ナショナル・ギャラリーには2枚あるはずだ。残る1枚がエジンバラにある。この美術館はかの有名なトラファルガー広場に面していて、ナショナルと名が付くだけあってさすがに巨大だ。ただ、内部の撮影は不許可。玄関からしてノーと大柄の偉そうなおっさんに断られる。この後も撮りたいものは不許可の連続で、記憶力が後退している者にとっては日々褪めていく夢のような…。

P1000403この広い美術館の中をK子と一緒に右往左往する。内部の簡単な地図を見て進むのだがよく分からん。年代別やタイプ別に各部屋が異なる濃い色に塗られている。青い部屋に赤い部屋、緑の部屋。英国の家庭の居間のような、殺人事件が起きてもおかしくないような陰鬱な配色。ミス・マーブルやポワロの世界だ。

フェルメールはどう発音するのか、係員を捕まえて質問する。昨日のルーシー・ライに続き、こちらはベルメールだった。ようやく対面したフェルメールの作品は、ヴァージナルの前に立つ女。顔に精気がない。はるばる来たというのに、あまり好きになるような作品ではない。ごめん。こちらもガッカリする。その近くに小さな箱があった。横のレンズから覗くとフェルメールの絵の立体像が見られるといった趣向で、少々子供だましだが、勿論K子共々代わる代わる覗く。それにしても誰も来ない。日本ではこうはいかない。これで熱狂するような絵だったら良かったのに。もう1枚はどこぞに貸し出し中のようだった。フェルメールファンの多い日本かも。

P1000396続いてコートールド美術館に向かう。サマーセット・ハウスの入り口に小さく看板が出ている。K子にここは分かりにくいらしいから気をつけなくちゃと話しつつ危うく通り過ぎるところだった。ここは絶対のお勧めだ。残念ながらリフォーム中で1階は閉鎖されていたし、ほんとに小さな美術館なのだが、何と言っても実に実に質が高い。逸品揃いなのだ。ナショナル・ギャラリーなんて目じゃないなどと不遜な言葉が口をつく。ここも、当たり前なのだが撮影は不許可。諦めきれずに撮った階段とサマーセット・ハウスのおかしな中庭の写真をどうぞ。動物の頭の彫像がぐるりと噴水を取り巻いている。映画の中のシーンか悪夢の中のシーンのようだ。

サマーセット・ハウス内のカフェテリアで昼食。サンドイッチもたっぷりで美味しい。スープが食べきれず持ち歩いたほどで、夕食はhitomiさんに倣ってw、大きなパプリカ1個となった。

P1000397スープをぶら下げてwここは絶対に行こうと決めておいた極めつきのSir John Soane's Museumへ迷いながら何とかたどり着く。ここもごく小さな元々は彼の自宅を公開した美術館だが、圧倒されたい方是非どうぞ。大量のギリシャ彫刻、レリーフ、工芸品に声をなくすこと請負だ。家自体も興味深い。出てくる人にあわせて、少しずつ中に入れてくれるのだが、持ち物を入り口に置くように言われ、カメラもスープもwハンドバッグも一切合切置いて中に入ったので写真はない。非常に残念だが目に少しはw焼き付いている。

何という執念、執着だろう。美しい彫刻が大きいのも小さいのも、これでもかと積み上げられている。巨大な石棺まである。ソーン卿の自宅だったところですぞ。自宅に石棺って!突き当たりの小さな部屋に並んで入るとそこには、ピクチャールーム。いかめしいおじいちゃんのガイドがいるだけではなく、周囲4面の壁一杯にぎっしりと絵画が。それも留め金を外すと下から別の絵画が両面に飾られた壁というか戸が出てきて、果ては吹き抜けを挟んだ壁の確かマリア像(記憶障害がすでに生じてます)まで鑑賞できる仕掛けになっていた。ここは博物館好きなら、好きでなくても、面白いはず。

この後、大英博物館に向う。こんなに美術館、博物館をハシゴして良いものだろうか。疑問だが、7年前に圧倒されたギリシャ彫刻に会わねばと疲れた足に頑張って貰う。ところが、なんだかがらんとしているし、色あせて見えるし、あの頃の感動がよみがえらない。これもSir John Soane's Museumなどという超濃いものを見てしまったせいなのか、老いてしまったのかと思っていたら、大英博物館古代ギリシャ展なる展覧会が日本を巡回中ではないか。目玉は日本に行っていたのね。
16914歩


P1000387チェルシー・フィジック・ガーデンを見て回っている間、青い空と黒い雲が交互に現れ、強い日差しと急な雨がそれこそ5分、10分間隔でくるくるやってきていた。まるで山の天気だ。そういえば、空も高く広い。

さすが、世界のチェルシー・フラワーショー。怪しい雲行きにもかかわらずというか、すでに切符は売り切れなので、天候にかかわらず行くしかない人たちでごった返している。寄付を呼びかける募金バケツを持った人たち
の間をすり抜けゲートを入る。前からも後ろからも横からも、様々な言語が聞こえてくる。ここでは英語が少数語のようにさえ聞こえる。ロシア語や中国語や南欧系は声が大きく騒がしいからでもあるけど。

P1000381正面ゲートの写真も撮れば良かったのだが、実は、変圧器を持参というK子の話だったのが、変圧器ではなくコンセントの形状を合わせるだけのもので、前夜、成田で携帯を使いまくっていたK子が早くも充電を試み、携帯から煙が出るという非常事態に。そのためデジカメ充電も出来なくなる可能性もでてきたので写真もちびちび撮ることに。その割りにはピンぼけが多いが、立ち止まって撮ることが少なかったからと言い訳をしておこうっと。

P1000372ゲートからまっすぐな長い並木道が通っており、それに沿って無数の小さな店が並んでいる。ピンぼけだがカメラを頭上に掲げて取った1枚。少しは感じが分かるかな。シャベルや鋏を欲しいが重い。コート類や長靴が格好いい。何とか持ち帰れそうなものはないか物色しながら突き当たりまで行くと、小さな庭がいくつも造ってある。日本人作家の庭もあったがあまり私の趣味ではない。ごめん。ここで雨。強い雨。巨大なテントめがけて走り込むと、そこがメイン会場だった。

P1000383大勢の人と、これでもかという大量の花と。色と香りとで沸き立つようだ。おまけに頭上からはテントを叩く激しい雨音と激しい雷の音がする。日本でもあまり経験したことのないような激しい嵐だ。ということで、前後左右を巨体揃いのロシア語や中国語その他に挟まれ、頭上からは激しい風雨と雷鳴で、ゆっくりと花を愛でると言うより、聴覚と視覚が揺すぶられる経験となった。

P1000384テントが崩れるのではと恐怖を抱くほどだった雨音が少し治まったのを見計らって脱出した。傘は持っているし軽いレインコートは着ていたが足下はあっという間にびしょ濡れになる。しかし大勢の人で走るわけにはいかない。巨大な並木の間を落雷におびえながら通り抜け、スローン・スクエアの地下鉄駅にたどり着くと、そこはもっと人の波だった。シャッターが降りていたのだ。何の張り紙もなく、人々がただ溜まっている。こんなことをしたら日本では一騒動だろうが、ここは英国、人はただ濡れながら立っている!

P1000389バスは何台も来ているがどこを通るのか通過点が分からない。路線図がない。運転手に聞くが人が殺到しているので、当たり前だが、行き先も定かでない人間に親切ではない。仕方ない、近くでお茶でも飲みながら洋服を乾かそうと駅と反対側に歩いていくとナイツブリッジ行きのバスが来たので飛び乗る。言わずとしれたハロッズがある場所。最終日に予定していた買い物を前倒しして乾かしつつ楽しむことにしたのだ。7年前、娘と来たときスローン・スクエア駅前に泊まり、ここいらを歩いたことがあったのだ。土地勘って大事ですよね。

ハロッズを見て回る内さしものぐしょ濡れパンツも無事に乾き、買い物も済ませ、おまけにトラベラーズチェックが使えないことを知り、半額のお総菜を購入(ばかでかい、多分日本では4人前くらいのベリー類がごろごろ入ったゼリーのデザートのおまけつき!)、宿でゆっくり遅い夕食を取る。この時期10時過ぎまで明るくてホント良かった。
12086歩
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