一流大学出身の「エリート」とドロップアウトの「落ちこぼれ」、両者は一体何が違うのでしょうか?

エリートも、落ちこぼれも、同じ人間であることは疑いありません。しかし、その生活や待遇は同じ生物とは思えないほど違っています。

例えばドロップアウトした「落ちこぼれ」たちがアルバイトで稼ぐ年収は大体200万円程度です。しかし、いわゆる「エリート」たちは、20代から600万、700万という年収を稼ぎだすことも珍しくありません。

この両者の違いはどこにあるのでしょうか。頭の良さでしょうか。教育でしょうか。それとも教養と呼ばれるものでしょうか。

僕は、いわゆる「名門私立」校をドロップアウトし、その後「落ちこぼれ」専門の家庭教師になりました。ゆえに「エリート」にも「落ちこぼれ」にも多くの知人・友人がいます。

そんな僕の視点から見ると、頭の良さや教育以上に、両者を分ける大きな要因があるように思えます。それは「自信」の差です。


【エリートたちの「根拠の無い自信」】

一流大学出身のエリートたち、特に企業で活躍する人たちは、自分に圧倒的な自信を持っています。「自分はできる」「自分はお金を稼げる」、と心の底から信じています。

しかし、その「自信」に根拠があるかというと、そんなことはありません。

例えば「自分はTOEICで900点取れたから自分の英語力に自信を持っている」というような、「根拠のある自信」を持っている人は極めて稀です。そうではなく、彼らの持っているのは「なんとなくだけど自分は偉い気がする」というような、漠然とした、曖昧模糊とした自信です。

「アオイホノオ」という漫画に山賀というキャラクターが出てくるのですが、その人物によく似ています。本当に、エリートのみんなは、この山賀のような「根拠の無い自信」を持っているのです。
 
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その「自信」の源泉はどこにあるのでしょうか?
努力して難関受験を突破したという経験にあるのでしょうか?

確かに東大などの一部の難関国立大学の人は「努力して難関受験を突破した」ということが自信の源泉になっている人が多いです。これは旧来のエリート像と極めて近く、理解しやすいと思います。

しかし、早慶などの難関私立大学の人は、またちょっと事情が違ってきます。

というのは、私大においては今や半数近くが推薦・AO入試などの形式で入学してきます。これらの学生は「受験勉強」というものを経験したことがありません。当然、受験戦争につきものの息苦しい努力や不安を経験したこともありません。しかし、推薦・AO入試組も「根拠の無い自信」という点では他の学生たちと全く変わりません。それどころか、受験組に増して自分に自信があるようにも思えます。

外部の目から見ると全く不可解な現象に思えると思います。しかし、この「山賀」とうり二つのエリートたちは、実際に存在するのです。


【根拠の無い自信は成功を引き寄せる】

この「根拠の無い自信」は、成功、特に経済的成功に大きく寄与します。

例えば「根拠の無い自信」を持っている人は、そうではない人と比べて、圧倒的に粘り強くなります。

例えば司法試験や公認会計士などの難関資格に挑戦するとしましょう。普通の人なら難関資格の過去問を見た時「こんな難しい試験は自分にはとても無理だ」と諦めてしまいがちです。

しかし、「根拠の無い自信」を持っている人たちはそうは考えません。

「俺にわからないということは、みんなわからないはずだ!」

と考え、勉強を始めます。「自分の知力が足りていない」「自分には難しすぎる」などはかけらも考えません。ただ単に自分に知識が足りてないと考えます。


就活もそうです。「根拠の無い自信」を持っている人たちは、どんなに沢山のお祈りメールをもらっても、中々めげません。

「僕の魅力がわからないなんて、馬鹿な企業だな」

くらいにしか思いません。そして「僕のキャラクターを認めてくれる企業が現れるまで頑張ろう」と就活を継続します。「御社が第一志望です!」を連呼する変なテンプレ就活生にもあまりなりません。自然体で企業と面接を続け、大抵はあっさり内定をもらいます。


【「落ちこぼれ」たちの根拠の無い不安】

これら「根拠の無い自信を持つエリート」と真逆の存在が、高校中退などを経験したいわゆる「落ちこぼれ」たちです。

彼らは、自分に全く自信を持っていません。自分の能力、知能、才能、全てにかけらも信頼を置いていません。


このような「根拠の無い不安」は、試験勉強や就活についても、上で紹介したエリートたちの例と全く真逆の結果を生みます。

例えば簡単な問題集をやらせてみても、少しでも解けないと

「どうせ私は頭が悪いから無理!」

などと言って、投げ出してしまったり

簡単な資格の勉強でも

「自分には難しすぎる」「自分の適性とあってない」

と簡単に諦めてしまったり

就活でも1、2社から落とされたことで深刻に落ち込み結果フリーターになってしまったり

この「根拠の無い不安」が彼らの人生に与える悪影響は深刻です。


【人生の明暗を分ける「自信格差」】

つまり、「エリート」と「落ちこぼれ」の間にある知能や教育や努力の格差は、その多くが「自信」の格差に起因しているわけです。

「自信」があるからこそ、エリートたちは資格取得や語学へ積極的に取り組み、就活などでも前向きに行動できる。

一方で「自信」を喪失した「落ちこぼれ」たちは、資格取得にも、学業にも、就活にも、自分自身への不信感から前向きになれない。

本来、両者にそれほどの能力的な違いは無いはずです。現に「落ちこぼれ」の人も、小さな成功体験を積み重ねることで自分に自信を持てるようになると、すぐに「エリート」の人たち並みの学習能力を発揮します。家庭教師として指導を重ねていく中で、そんな事例は何十人と見てきました。

 
もし十分な潜在能力を持っている人たちが、「根拠のない不安」ゆえに本来の力を発揮できないのだとしたら、それは本当にもったいないことだと思います。そして、そんな例はそこら中に転がっているのです。

人生の明暗を分けるのは知能でも才能でもありません。「自信」です。自分自身をどこまで信じてあげられるか、それが全ての鍵になります。

故なく自分を見限ってしまう人が、少しでも減っていくと良いな、と思います。



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