シウラナ1
タイトル:【シウラナ・キャンプ場のバールにて】
シウラナ・スペイン
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バルセロナから高速道路をとばして2時間半ほど、レウスという街から更に山奥に進むと岩山に囲まれたモンサンという村がある。
そのモンサンから岩壁の山を縫う様にして走る道路をどんどん上ると、尾根の上にシウラナ・キャンプ場があった。
そこは風の通り道。
遠く見渡す向こうの山々からいつも乾いた風が飛んで来た。

キャンプ場の眼下に広がる広大な緑の丘は、そのほとんどがブドウ畑だった。
この辺りはスペインでも有数のブドウの収穫地であり、一大ワイン生産地域だ。
シウラナ1
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このシウラナには、その周りにたくさんそびえ立っている巨大な岩壁を登るために滞在していた。

シウラナは地図にも載っていない小さな村だが、一時期、世界再難ルートとされていた「ラランブラ(5.15a)」を有する、クライミング界では世界中の注目を集めているエリアである。

そんな場所なので、この尾根の上の小さなキャンプ場は、世界中から登りに来ているクライマーであふれかえっていた。

このキャンプ場はとても快適で、どの岩場へも歩いてアプローチ出来るし、ホットシャワーなども完備されている。
キャンプ場のオーナーもスペインで有名なクライマーで、彼から様々なクライミングに関する情報を得ることが出来る。
そして、キャンプ場のスタッフはみんなとても親切で、いろいろと世話を焼いてくれた。

更に特筆すべきことは、このキャンプ場にはバールがある。
キャンプ場にバーが?と思う人もいるかも知れないが、スペインではキャンプ場にバールは欠かせない。
バールと言ってもスペインのバールは朝から営業している。
ここのバールにはベーカリーも併設されていて、まず朝はそこで焼かれた焼きたてのバゲットを買って、コーヒーを入れてもらって朝食を摂る。
この焼きたてのバゲットが本当に美味い。
そしてコーヒーも。

スペインのコーヒー文化はすばらしい。
どんな田舎の小さな村でも必ずバールがあって、朝からそこではきちんと一杯一杯新しい豆から入れたコーヒーを出してくれる。
それも一杯¥150ほどである。

朝食の後、クライマー達はバールで買ったバゲットを持って、皆それぞれの岩場へと散って行く。
しかし、岩場から歩いてすぐにキャンプ場に戻れるので、ランチタイムには休憩しにバールへ戻ってくるクライマーも少なくない。
そしてランチタイムにはバールでよく冷えたビールを一杯・・・となる。
スペイン語で、
"Uno cerveza porfavor"(ビールを1本下さい)
と言うと、スタッフから
「みんな最初にそのスペイン語を覚えるんだなぁ・・・」
と揶揄される。

夕方になれば、岩場から戻ったクライマー達が三々五々食事を摂りにバールに集まって来る。
そして大スクリーンではクライミングのDVDが放映される。
みんなそれを見ながらビールやワイングラス片手にクライミング談義に花が咲く。

ここではとにかくいろんな国と地域からクライマーが集まって来ているので、それぞれの国のクライミングの情報が直接ゲット出来る。
いろんな話を聞いていると、次はどこに登りに行こうかなぁ・・・と、夢がふくらんでくる。
俺もいろんなクライマーから日本の岩場の事やクライミング界の事情など、様々な質問を受けた。
最近、一部の日本のクライマー達が、フリーやアルパイン、両方の分野で目覚ましい成果を上げているので、他の国のクライマーにとって、日本のクライミング事情が気になるらしい。

そしてここはワインの生産地。
当然安くて美味いワインがいくらでも飲める。
このバールで出しているワインは、銘柄などが書いてあるわけもなく、下のモンサンのワイナリーで、空き瓶に量り売りで入れてきたワインがカウンターに並べられている。
1本¥700くらいのワインだが驚くほど美味い。
こんなところにいるわけだから、ほとんど毎晩1本のペースでワインが空いていた。

スペインにいた2ヶ月間にいったい何本のワインが喉を通りすぎて行ったのだろうか?
恐らく小さな酒屋の店頭に並べるのには十分すぎるほどの数に違いない。






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