中国の「ギフト文化」には“悠久の歴史”がある。
本来は、上下の秩序を含めた「人間関係の確認」という社会的機能があった。
まさしく「礼節」の一部だった。
しかし実際には「利益のギブ・アンド・テーク」の色彩が濃厚だ。
つまり、「ギフト文化」はさまざまな腐敗の“温床”でもある。
中国の「贈答品市場」は、8000億元(約9兆6840億日本円)規模と推定されている。
中国新聞社が報じた。
「ギフト文化」の中でも、特に“悠久の歴史を誇る”のは書画骨董など美術品の分野だ。
中国で、社会の支配階級に属する人々にとって「高い文化と教養」は絶対に欠かせない条件だった。
自分が理解する美術品を、その価値を理解できる人に譲ることは、「高尚な行為」だった。
しかし結局、「賄賂の手法」である場合がほとんどになった。
漢代にはすでに、美術品の贈答を「雅賄」と呼んでいた。
美術品の贈答は、現在も盛んだ。
高額なだけでに、あきらかに「贈収賄」絡みのケースが多い。
しかも、共産党中央の「官員は書画骨董の贈答品を受け取ってはならない」という規則をすり抜ける、さまざまな方法が存在する。
極めて巧みなマネーロンダリングの機能を果たす場合もある。
ギフト用品には「流行」もある。
マンション購入ブームに火が着いた5年前には、寝室用品、家電、キッチン用品が引っ張りだこだった。現在では撮影機やカメラ、電子ブック、フラットテレビが人気の品だ。
張執行院長によると、ITメーカーの漢王科技では、エンドユーザー向け商品の6割が「ギフト用」として売れているという。
ギフト市場では、購入者が「自分自身のためには買えない高額商品」を買う傾向が強い。
贈る相手に対して、自分の地位の高さをアピールでき、同時に相手に対す“敬意”を表すことができるからだ。結局は大きなリターンを狙う「経済活動」にほかならない。