演劇は、特別なイベントで無い限り複数のステージがあることが基本となります。
そのため、チケットには『どのステージのチケットなのか』ということを明記する必要が出てきて、これこそが演劇チケット作成の最大ポイント。
特に、小さなキャパの劇場で行われる場合には、特定の日(土日等)にお客様が集中することを避け、また、確実に座席を確保するためにも、最低限『日時の明記』をするべきです。
とはいっても、よほどの人気劇団で無い限りは、日時指定でチケットを販売するのは難しいもので、実際には
■ 招待券
■ 当日券
■ 前売り券
■ 当日精算券
の4種類のチケットを作成している劇団さんが多いのではないでしょうか。
ただし、この4種類のチケットを作成する場合でも、上記の『日時指定』の考え方は基本にしておかなければいけません。
入場できない招待券
「招待券を持って行ったのに入場を断られた」
これ、実話です。
キャパの小さな劇場でのお芝居で、土日にお客様が集中してしまったら、物理的に入場していただくことができない場合が起こりえるということ。
このような混乱を避けるためには、できれば日時指定のチケットを作れればいいのですが、小さな劇団さんではそうもいきません。
だからこそ、発券枚数を管理できるチケットの作成が重要ななるのです。
ご招待席を、各回10席ずつ用意したとすれば、7回のステージでは70席となるはずが、招待券を配布したからといって必ず来場されるとは限らないので、つい招待券を100枚以上配布してしまう劇団さんはよくおられます。
ここの計算は劇団さんごとでさまざまでしょうから正解はありませんが、最低限「招待券で入場できない」ことがおこらないように発券枚数は管理すべきです。
当日精算券は前売券ではない
当日精算券というのは、他のジャンルでもないことはありませんが、やはり演劇、特に小劇場の世界でよく使われるチケットの形式です。
それだけに、当日精算券をよく理解せずに配布しているのを見かけますが、当日精算券は、決して前売券ではありません。
手売りが主体の小劇場では、前売券の代わりに使われることが多い当日精算券ですが、これはあくまでも『チケットを使った宣伝』であると認識すべきで、よくスーパーのレジ横に置いてある『遊園地の割引券』と同じ類のチケットなのです。
考えてみてください。
当日精算券をチラシと一緒に折り込んでいる劇団さんがいるほどで、当日精算券というのは気軽に配布するチケットと捉えるべきなのです。
そんなチケットを前売券のような扱いで手売りしてしまっては、当日芝居を観に来てくれた知り合いに「満席で入場できません」と言ってしまう事になりかねません。

できれば日時別や平日と土日、もしくはソワレとマチネなどのように使用できるステージを限定することで、当日精算券での混乱を回避し、効率的な宣伝をすることができるのではないでしょうか。
前売券こそ座席指定
前売券を買ってもらえることほどうれしいことはありません。
でも、せっかく前売券を買ってくれたお客様が、当日入場できなかったら大変です。
だからこそ『座席指定券』なのです。

たとえベンチシートの劇場でも、指定席を作るのは難しいことではありませんし、イス席の劇場でも全席指定にするのが大変だというのなら、指定席ペースを作ればいいだけのこと。
前売券を買ってもらったお客様には、次回も前売券を買っていただくように工夫する必要がありますよね。