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2006年04月30日

「想像もつかないようなことをやりたかった」猪股プロデューサーインタビュー

放送開始から1ヶ月が過ぎ、物語が大きく動き始めた「ガラスの艦隊」。ここで、物語の真髄を知っていただき、今後の物語をより楽しんでいただくために、作品のプロデューサー、猪股一彦氏にお話を伺った。



猪股P「ガラスの艦隊」の企画は、約2年前、「SAMURAI7」を制作している時期から始まりました。とにかく壮大なもの、スケールの大きなものをテーマに、私の20年余りの経験を集大成したような作品ができないかという考えから出発しています。ご覧になる方々が、想像もつかないようなことをやりたかったんです。
 猪股一彦プロデューサー

舞台はどうしようかと考えて宇宙ということにし、そこにGONZOが得意とする中世の世界観を加えました。大きな戦艦が出るアニメや、宇宙を舞台にした未来感覚のストーリーの中に中世様式を用いたアニメーションは過去も沢山あります。私は、それ以上のスケールの大きなものを登場させたかったのです。

1話で領土艦というものが出てきました。これは、戦艦そのものが領土であり国であって、人々が戦艦の上で暮らしているんです。そして領主が結婚したり、戦いの勝敗によって戦艦が合体し領土そのものが拡大していくんです。とにかくスケールがでかいんです。また、結婚式の御輿を人力で動かしていました。これは、権力の象徴は領民を自由に動かす力であり、支配するものと支配されるものを描くことによって、まずは本作品の世界観をストーリーの中で表現したかったのです。

さて、制作スタッフを決めていく過程で、最初に監督を決めなければなりません。企画の意図を理解し、オリジナル作品を創るという覚悟のある方を捜しました。阿吽の呼吸は必要ですが、ややもすれば馴れ合いの中で進み、よくあるという作品にはしたくなかったんです。そこでお願いしたのは若手の気鋭、「SAMURAI7」の副監督として才能を発揮されていた大原実さんなのです。

監督とも構想を練り、作品の開発が始まりました。そんな頃に旧知の出渕裕さんに相談したところ、「2クールのシリーズでは収拾がつかない。某作品のようなスペースオペラを作ろう思うな」と言われてしまいました。以後、出渕さんにはコンセプトアドバイザーとしてたびたび開発の場に参加いただき、色々と助言をしていただいたのです。

次に、キャラクターをどうしようかと考えました。豪華絢爛な世界を描きたかったので、いろいろと探し、検討していく中で、okamaさんにお願いすることになりました。もともと、彼が描く絵が気になっていたのです。そこで、お願いしたところ快諾していただきました。とにかく登場人物が多いんです。服装も含め、キャラクターの描き分けをしていただいて、既に100点以上の人物カットを描いており、今も描き続けています。すごく頭の良い方で、制作会議などでは監督の横に座られて、監督が話されるキャラクターのイメージをその場で描かれ、確認してもらっています。その手の早さには驚かされてます。

また、メカはどうしようかという事になったとき、戦艦はギミックのある面白い要素を入れようということになったんです。そうすると、河森正治さんしかいないんですよね。デザインをお願いした当時、「創聖のアクエリオン」の監督をされて相当忙しくされていたのですが、快諾していただきました。
また、どでかい領土艦などの戦艦を描いたら魔術師ともいわれる、超ベテランの宮武一貴さんにもご協力いただけることになりました。

こうして最強のスタッフが集い、さらには制作をGONZOとサテライトさんが共同でやるというビッグ・プロジェクトに発展します。お互いのスタジオのカラーはあるのですが、「マクロスゼロ」「創聖のアクエリオン」「ノエイン もうひとりの君へ」という、テクニック的にも、クオリティ的にも高い技術を持たれるサテライトさんとGONZOの2社を掛け合わせるとどのようなものが出来るのか、お互いに精一杯がんばってみようということでスタートしたのです。

この作品は完全オリジナルなので、視聴者の皆さんには物語の先が分からない形で進行します。毎回何らかの事件、あるいは戦いが展開します。アクションあり、ドラマありで、とにかくスケールがでかい期待がどんどん膨らむ作品だと思います。演じられる声優の皆さんも、ベストなキャスティングでお願い出来たと思います。

久々の艦隊ものということで、スタッフ一同一丸となって進んでいます。これからも「ガラスの艦隊」を毎週欠かさずご覧下さい。絶対に飽きることはありません。



■猪股一彦プロデューサー プロフィール■

猪股一彦(いのまたかずひこ)
1959年生まれ。宮城県出身。大学卒業後に専門学校へ入学、映像制作の技術を学ぶ。
卒業後はNHK中継アシスタントを経て東芝映像ソフトに入社、アニメ制作に目覚める。

同社解散後は東芝EMI、ユーメックス、ポリグラム、エイベックスなどを経て、
現在は執行役員として、GONZO作品の企画と制作を担当する。
最近のプロデュース作品として「SAMURAI 7」「SoltyRei」などがある。  

Posted by garakan_blog at 16:46