2005年04月

じゅん。

気分が乗ってきたのでまだ書く。
人はなかなか悪いことができない。

俺はなるべく人との交わりを絶っていきてきた男だ。といってるそばから口の端の所が緩んでしまう。
「これは彼一人の問題じゃない!クラスの問題なんだよ!」あーだめだめ。
一生懸命自己啓発に努め、立派なビジネスパーソンに、おほほ殴りてえ。
とこういう感じだとなかなか友達もできないのだが(だってなんか馬鹿にしてる感じするもんね)(笑ってるみたいな顔なんだけどね)(毎日が楽しいよ、ほんと)、ローランの結婚式で千葉高の時口をきいたこともない人々と楽しく話すことができた。
純粋さについてだ。
いつの間にか俺達は純粋さを忘れている。
汚れた大人になっちまってる。
歌えよ!叫べよ!コスモを燃やせ!もーえろよもえろーよーコスモよもーえーろー、ということではない。
純粋なエロ、ということだ。
「もーえろ」と書かれただけで(萌えとかいう奴は最低だ)(そういう人たちは桂正和の影響なのかなぁ)「猛エロ」と読み替え、あんなことこんなことを考えて楽しめる、それが純エロ。
透視能力あったよね、あの頃。
見えたよね、ヴィジョン。
もうほんとオゲレツ斎の名に恥じないオゲレツ祭だった。
中学校の修学旅行みたいだった。
高校の時にはもうそんなに純粋じゃなかった気がする。
手が届かないものに手を伸ばす能力、それが純粋であることだと思う。

費用対効果といわれれば一応検討しますけれども、一方でマーベラス間部監督の処女作「ちっちぇえ。」が聞こえてくる。
いくら何でもその計画無理がない?と言われれば、未来の哲学者プロフェッサー・ガルシアの「ミラクルって起こすもんちゃうかな?」を借用したくなる。
純粋だ。
しかし俺の純粋さはそうありたいと思っているだけで純度がかなり落ちてしまっている。
純粋でありさえすれば幸せに生きていけるだろう、もっと素敵な言葉で話せるようになるだろう、実のある人生を送れるだろう、もっともっと貢献できるだろう、と思う一方で純粋になれないだろう、とあきらめる自分がいる。
もう手が届かないであろう純粋さに手を伸ばす俺は純粋なのかい?

会社でたまたま世話になった先輩が友達の兄貴だったり、たまたま話した女の子が理科大の時の数少ない友達の彼女だったり、最近世間がずいぶん狭い。
世間が十分狭いなら、純粋を求めちゃってよいのかな?と言っちゃう俺はもう純粋じゃないんだよね。
ああ。

シニガハチ

部屋に帰れないし帰りたくないという日々が続いている。
どこかに大切なものを置き忘れているような気がしてならないのだ。
パレート最適を書こうとしても、俺が書きたいものから程遠いところでまがまがしい形の粘土細工をしているような気持ちになり、純粋な気持ちを取り戻そう、そうエンペラータイムってなんだっけ?という問いに行き当たり、ハンター×ハンターを21巻まで読みふけったり、何かが足りない何かがと思っていたら財布を部屋に忘れていたり、さっきまであったチャリンコの鍵がどっかにいってしまったり、目覚ましをかけるのを忘れて毎日ギリのチョンパーで5分前に滑り込んでいたり、楽しいよ、ホント。
しかし部屋と俺の仲がしっくり行っていないのは事実で、ほんと部屋にいるのがなんとも落ち着かない。
察しのいい読者ならもう気がついていると思うが、そう多分部屋の散らかり方が足りないのだ。
足りないというよりは好みの散らかり方ではないというほうが正しい。
部屋の面積は倍増しているため、物は文化荘の時より拡散しうるが、しかしまだ本棚をとめる釘たちが見つからないため、本はダンボールの中にある。
散らかっているのは口を開けたダンボール達で、その風景が多分気に入らないのだと思う。
CDたちはマフウバでダンボールにしまいこんであるが、MDさんたちの進撃が止まりませぬ。
一人暮らしとは思えぬほどの食器類も食器棚がないためマフウバしてあるが、俺は皿一枚、マグカップ一つ、箸一膳、茶碗一つで結構暮らしていけてしまっている。
どーなの。
俺、食器棚本当に買うの?
まともな部屋に住み始めて、そういう生活は意外に物がいることがわかって、たとえばバスマット、トイレ洗い棒、ダイニングテーブルセット、物干し竿(誰かのバットではない)、部屋を片付ける人、などなど。
僕散らかす人!君片付ける人!という分担をしたい。
あー、したい。
お前殴られる役で、俺が殴る役ね、と言いたい。
結婚式の余興をやり直したい。
願わくば桜の下で春死にたい。
ん、話がずれたね。
そろそろ甘えを廃して、て俺が今やっているお仕事は本当に充実した学生生活って感じで、甘えちゃってよいのかな、といったノリです。
自分で自分を律してストイックに、てのは去年の流行だから今年の流行「やっぱ貢献」に的を絞って、と思ってるのに悲しいかな俺の部屋だけは片付かない。
だって、俺部屋を片付けると本当に悲しくなってしまうんですもの。
片付け電池募集。

弾丸

ロベルト・カルロスは胸騒ぎを覚えた。
敵の左サイドバックもスキンヘッドでちびでムキムキの褐色だ。
自分の両の掌、両腕、はちきれそうな太ももを念入りに点検するように見つめているとベッカムからバックパス。
あいつはいつもそうだ、と舌打ちしながらあわて気味にドリブルを開始し周囲を見回す。
どいつもこいつもロクな顔をしてやがらねえ。
ジダンが敵と敵の間から顔を出してきたので足元に入れてやる。
それにしても、とロベカルは思う。
今日の相手はどこだっけか。
ユニフォームがぼやけて見える。
いつからこんなに目が悪くなった。
時が経つのと比例して相手の左サイドバックが気になってきた。
左サイド同士ではまずピッチの上で合法的に会うことはない。
ちびのロベカルはセットプレーではかやの外なのである。
距離が遠い時の波動砲として使われるのが関の山だ。
それでもロベカルは確かめたくなった。
またベッカムからバックパスだ。
今度は慌てずにドリブルを始めたロベカルは、ピッチに対角線を引くように相手の左サイド目掛けて、ものすごい勢いで直線的にドリブルを開始した。
三人ほど吹っ飛ばしたところで挟まれ蹴られ奪われた。
起き上がりながら奴を探すと、かなり見覚えがある。
しかし、まだぼやけてしまっている。
持ち場に戻って、タッチラインのとこまで出てきてわーわー自分を叱責しているらしいジョアン・カルロスを腹の底から軽蔑していると、右サイドが攻められている。
誰かと思えば奴だ!
一直線に逆サイドまで走っていく。
もっと近くで見たい。
子供みたいだな。
子供だったらボールを持ってなくても確かめたいものは確かめにいくよ。
頭ん中で誰かがしゃべってる。
カシージャスが怒っているのだろう。
まあどうでもいい。
やっぱり俺じゃね、あれ。
と思った瞬間に弾丸シュートが耳をかすめ、ゴールネットを揺らした。
敵のイレブンが駆け寄り抱きついてしまったのでよく見えなかったが、左のアウトに掛けてあんな強烈なシュートが打てるということはやっぱり俺なんじゃねえの、あいつもロベルト・カルロスなんじゃないのかな。

会いたくて、会いたくて。
ロベカルは今日も逆サイドに向かってドリブルする。
もう相手がどこなのか、いつもパスをくれるのは本当にベッカムなのか、ここはどこなのか、どんどん霞んできてるのはなぜか、何時間ぶっ続けで試合をしているのかすら、わからないけど。

新ローラン

ローランの結婚式に出てきた。
ミーは配膳人として働いている時に何百回と結婚式を見ているが、あんなに素敵な結婚式はなかった。
空は澄み渡り、風芳しく、桜は咲くわ、ローランは男前だわ、新婦のみゆきっつぁんは美人だわ、えーこりゃ。
結婚式はあまり好きではなかったので、挙式に慎重なミーであったが今すぐ結婚式をあげたくなり、といっても俺の前にはがっぱいとトリガーが座っているだけで、それでもまあ仕方ねえかってうっかり結婚してしまうところだった。

三日前、事前に集めた友人たちからのメッセージと自分の持っているエピソードでうまくコラージュみたいなスピーチをしようと思っていた。
二日前、そういえば卒業式の送辞みたいな感じで送り出してやるのもよいかなと思い始める。
一日前、そういう気をてらったものではなく、普通にやってもいいんじゃないだろうか、その方がお互いのためなんじゃないだろうかと思い直す。
当日、寝坊して飛び乗った総武線でシャツのサイズが合ってないこと、祝儀袋を買ってないことに思い当たり、祝儀っていうよりは寸志と書いたほうがいいんじゃないかと思ったり、こんなときに限って前日の研修を思い出したり、そういえば二次会のコントのネタ考えてねえな、昔作ったやつやるの嫌だな、困ったらがっぱいに面白い顔してもらおう、そういえばローランといえば化学のレポートを一年間ずっとすっぽかしたよね、これだけは言いたい、どーしても言いたい、て感じでトリガーと合流。
結局4パターンできたわけで、本来なら呼びかけ風のこともやってみたかったので計5パターン。
しかしぼやっと考えていただけで、ちゃんと形にしてなかったため、新郎の親族席でローラン・シニアやマダム・ローラン、ローラン・シスターと会話が弾んでいるうちに出番。
俺の結婚式デビューはほろ苦いものになったが、「ローラン」はある程度浸透したようだ。おほほ。

親友が結婚するのを見るのは本当に不思議なもので、心からの祝福とほんの少しの空白。
おろしたてのスーツ、サイズの間違ったシャツ、なんだかとてもきれいなレストラン、あふれかえる幸福感、現実なんだが現実感のない空間。
二次会で会場を見渡したときに、ローランの友達とみゆきっつぁんの友達がぐるりにいて、なんだか不思議でハッピーな集合だ、僕たちは幸せなミツバチだと思った。
コントは滑ったけど、それはサタジとローランが友達じゃなかったせいだと思っている。

ローラン、おめでとう、ありがとう。

爆破したい。

監獄から戻っての日常。
日常なんてもうどこにもなかった。
俺の部屋は誰かにもうそれはめちゃくちゃにされていた。
恐ろしい話もあったものである。
ダンボールが散乱し、玄関から布団までなにかをまたがずにたどり着くことは不可能だ。
「今日は実家に帰るの?」と問うた友に、
「もう帰る場所なんてないのさ。」と答えた俺だが、パスカル帰ってこないほうがよかったかもしれぬ。
帰る場所がない友が一人、俺の部屋に泊まりにきたのだが、二人で一つの布団に寝るしかなく、まさに家に帰るまでが研修だ、ということに彼にとってはなってしまった。
合唱。
間違えた、なんか愉快な感じ、清らかな感じになってしまった。
合掌。

監獄で過ごす最後の夜、クラス飲みの席でのほほんとしたアンナちゃんは
「荷物を全部片付けたらちょ→テンション上がっちゃってぇ。」
と信じられないことをいう。
まあのほほんとしてるからしゃーないのー、と思っていたのだが周りのやつが同調する同調する。
俺はボストンバッグ一つ分の荷物を作るのに三時間かけ、なお入れ忘れ物が多発するという男、26歳。
周りを見渡して「あー、アンナちゃんかわいいもんね。同調するよね。」と見下していたのだが、どうもそうではないらいい。
俺は片付けをはじめるととたんにテンションががくーっ下がってしまう重病を患っている、ということがわかった。
うん、こりゃ病気だ。
何者かによって荒らされた部屋をなくなく片付け、一時間もするとかなりのうつぼになってしまうのであわてて外に出る、の繰り返しなもんでちっとも部屋が片付かない。
弟を呼び出すとめっちゃでかい車で乗り付けてき、
「ああ、O型の部屋やな。」と一言言い捨てた。
俺も弟もO型。ちなみに親父もO型。
「どうやったら片付くかなあ。」とあまり期待しないで訊いてみたところ、
「まずこの部屋のものをそっちの部屋に全部運んで、いるものだけ入れていけばこの部屋きれいになるでしょ。ゴミ専用のダンボール作ってそこにぽんぽんゴミ放り込んでいけばいいでしょ。」と言うや否や作業が始まってしまった。
彼には買い物につきあってもらうはずだったのだが「行こうや。」と言っても手が止まらず。
「わし一回掃除し始めたらとまらへんねん。」とMaskの事務キャリーみたいなことを言いおる。
いやー、便利な能力だ。
そこを何とか踏みとどまってもらい買い物へ行った。
だからまだ部屋は散らかされたままだ。

どうもうべべも弟子も掃除が苦手らしい。
悪い遺伝だ。
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