感染症の病理学的考え方

若手医師,初学者のために,病理学的視点から感染症を主体に情報発信します.「臨床と病理の架け橋」となる新しいタイプの医師を目指しています。*本ブログの記載は一部を文献等から引用していますが、私の個人的見解です。決してその所属施設の意見を反映するものではありません。

Flow cytometry (FCM)は目的とする細胞の大きさ、細胞内構造、特異抗原の検出で分類する

CD10フローサイトメトリーFlow cytometry (FCM)について。

写真は病理組織の免疫染色で陽性となったCD10抗原。陽性所見は、細胞表面に発現する糖タンパクなどを茶色に発色、可視化させる。 
CD抗原はFCMの解釈には欠かせない、ある細胞に特異的に発現する物質である。 続きを読む

アスペルギルスと鑑別を要するScedosporium: 菌糸はH型の分岐を呈し、菌糸末端にレモン状の分生子を形成する

ScedosporiumスケドスポリウムScedosporium/ スケドスポリウム症Scedosporiosis について。

写真は千葉大学:こちら
千葉大学のセンター:真菌・放線菌の一覧はこちら。 続きを読む

Wilson病は銅の異常蓄積により、肝臓、中枢神経に障害をきたす

銅染色Wilson病について。

写真はRhodanine染色:肝臓に沈着した銅。 銅は肝細胞質内に茶色、顆粒状に陽性となる。続きを読む

Fabry病は糖脂質の異常蓄積疾患であり、心Fabry病は肥大型心筋症から拡張型心筋症に移行する

ひまわり2Fabry病はライソゾーム病のひとつである。

ライソゾーム病lysosomal storage diseaseは、細胞内にある小器官の一つであるライソゾームlysosomeに関連する酵素欠損で起こる。本来、分解され、老廃物として排泄されるべき物質が体内に蓄積してしまう先天代謝異常疾患の総称である。続きを読む

HIV/AIDS患者における唾液腺リンパ上皮性嚢胞は免疫染色HIV p24抗原を考慮する

湯4HIV/AIDS関連性唾液腺リンパ上皮性嚢胞について。

結論
HIV/AIDS患者における唾液腺リンパ上皮性嚢胞は、ときに悪性リンパ腫の唾液腺浸潤との鑑別が必要である。免疫染色によりリンパ球の単クローン性が否定され、またHIV p24抗原陽性であれば、悪性リンパ腫よりも良性のリンパ上皮性嚢胞の方がより妥当な診断となる。続きを読む

星芒小体はサルコイドーシス、異物反応で認められるが、それ以外の炎症性疾患でも認められる非特異的反応

パイナップル星芒小体について。

結論
病理学的に巨細胞中に認められる星芒小体は特徴的な像を呈する。しかしその成因となる炎症性疾患は多岐に渡る。続きを読む

Mycobacterium lepraeは抗酸菌なのにZiehl-Neelsen染色では染まりにくい

Fite染色ハンセン病について。

写真はコスモ・バイオのFite染色:こちら

結論
Mycobacterium lepraeはいまだに培養が困難な細菌である。よって診断のひとつとして、抗酸菌の染色による検出は重要である。
Mycobacterium lepraeは抗酸菌なのにZiehl-Neelsen染色では染まりにくいので、別の抗酸菌染色であるFite染色を用いると細菌の検出が容易となる。続きを読む

Blastomycosisは二形成真菌で、環境中の胞子を吸入した後、酵母型真菌がヒト体内で増殖する

blastomycosisブラストミセス症について。

写真はCDC, HPから:こちら。 続きを読む

ひょうそと爪周囲炎は爪感染の部位が異なる:ひょうそは指趾先端の結合組織、爪周囲炎は爪溝から爪郭にかけての軟部組織に多い

シーサーひょうそと爪周囲炎の違いについて。
結論:
ひょうそと爪囲炎の区別は必ずしも明確ではない。しいて言えばこれらは感染部位が異なる。

ひょうそは指趾頭髄(先端)の化膿性炎症、爪囲炎は爪甲周囲の皮膚および軟部組織を侵す。

ひょうそは指趾の硬い結合組織に炎症が起こるため病変が小さくても強い痛みを呈する。一方、爪囲炎は比較的軟らかい組織に進展する事があり、膿瘍を形成することがある。 続きを読む

乳癌の組織発生は乳管あるいは小葉から起こる

c乳癌について。

CDC: こちら。 乳癌とは?
乳腺は3つの部分から構成される。 小葉、乳管、結合組織である。小葉はミルクを産生する腺組織である。乳管はその産生されたミルクを乳頭へと運ぶ管である。乳癌は小葉あるいは乳管から発生する。
乳癌は乳腺組織を超えて、血管、リンパ管に拡がる。乳腺以外の組織へ癌が拡がる事を転移と呼ぶ。
 
Breast cancer can begin in different parts of the breast. A breast is made up of three main parts: lobules, ducts, and connective tissue. The lobules are the glands that produce milk. The ducts are tubes that carry milk to the nipple. The connective tissue (which consists of fibrous and fatty tissue) surrounds and holds everything together. Most breast cancers begin in the ducts or lobules.Breast cancer can spread outside the breast through blood vessels and lymph vessels. When breast cancer spreads to other parts of the body, it is said to have metastasized.  
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