化膿性胆管炎について。

化膿性胆管淡は、門脈域周囲に好中球主体の炎症細胞浸潤を認める。細胆管は炎症により高度に破壊されることがある。


胆のう炎、胆管炎
マンデルより抜粋

病態:胆のう炎は、胆石が存在する患者では、20%が、疝痛発作、右季肋部痛が生じる。これは高脂肪食を食べた時に、胆石により閉塞機転が生じて、これを分泌する時に起こる。疝痛発作と、より重症である急性胆嚢炎とは鑑別しなければならず、これは胆石患者の1-3%にみられる。胆道閉塞が重篤な炎症により生じる。閉塞により胆嚢内の内圧が上昇し( *胆道内の胆汁流圧は15-20 mmH2Oとされる)、結果として血流低下、リンパ流出が阻害され、急性炎症が起こる。炎症にはプロスタグランジン特に、PGI2, PGE2が関連するとされる。感染症は必ずしも急性胆嚢炎の助長因子とはされていないが、20-50%に感染症が関連すると推測される。症候性胆嚢炎患者では、胆道系の培養検査で46%が胆汁培養陽性であるが、非急性胆嚢炎症例は、22%でのみ陽性である。*裏を返せば、発熱の無い胆管疝痛発作症例で胆道培養を採取しても菌は陽性となる。必ずしも化膿性とは言えない。胆嚢炎は治療せずに軽快する事もあるが、高率に重症化する事がある。合併症では気腫性胆嚢炎、胆嚢膿腫、化膿性肝膿瘍、敗血症などがある。

 

無石胆嚢炎:胆嚢炎患者の2-15%は、石が認められない。その他の原因で生じる事が知られており、外傷、火傷、敗血症、HIV感染症、免疫不全、糖尿病、非胆道系外科手術などがある。これら助長因子には胆嚢壁の虚血や胆汁鬱滞が関連し、結果的に胆汁塩が濃縮され、胆嚢壁の炎症や壊死が起こる事がある。

胆管炎:胆管炎は、総胆管の炎症や感染症により起こる。通常は無菌である胆汁に、感染が起こる。これは防御機構の低下、胆汁流出の障害による。総胆管で胆汁鬱滞が生じると、細菌が増殖を開始し、敗血症を誘発する胆道内圧が上昇する。細菌は胆道内を上行する(よって、上行性胆管炎とか化膿性胆管炎と呼ばれる)。その他門脈やリンパ管を介したりして、感染症が拡大する事がある。

 

Postgrad Med J. 2007:アブストラクトpdf。胆道系感染症、上行性胆管炎と敗血症。胆道感染症+敗血症で最も多い起因菌は、グラム陰性桿菌(95%)であり、大腸菌(62%)、肺炎桿菌(26%)の順であった。敗血症症例での30日死亡率は14%であった。胆道感染症における敗血症は5.5%合併するが、48時間以内の敗血症性ショックをしばしば来す事がある。

 

胆道系感染症。病理学的には胆石のかんとんが、胆管あるいは胆嚢内圧を上昇させ、プロスタグランジンの産生、胆道内分泌の上昇、浮腫を引き起こす。これだけであれば細菌感染が関連しない事がある。しかし、通常は胆道系閉塞により敗血症を起こす可能性が高いため、可及的なドレナージが必要である。