ひまわり 類上皮肉腫 Epithelioid sarcoma について。
軟部組織 soft tissue とは、解剖学の用語である。主に病理で使用される。
定義
骨組織を除く結合組織:線維組織、脂肪組織、血管、横紋筋、平滑筋、末梢神経組織の総称である。
軟部組織という学術用語は、腫瘍の分類の際に軟部腫瘍をカテゴリー化するのに便利である。
軟部組織は便宜的に設定された学術用語であるため、以下の組織や組織由来の腫瘍は軟部組織・軟部腫瘍には含まれない。
・中枢神経の神経細胞と支持組織であるグリア (=神経膠細胞。グリアは神経細胞を支持する)。特にグリア由来の腫瘍は神経膠腫と呼ぶ。
・管腔臓器を覆う上皮細胞:上皮由来であるため癌を指す。
・実質臓器を構成する細胞(肝細胞、尿細管細胞など)
・骨髄造血細胞および血球 (白血球、赤血球、血小板):造血器系腫瘍 = 白血病など。
・免疫系の細胞 (リンパ節、脾臓、胸腺など):悪性リンパ腫など。


軟部肉腫について。
がん情報サービス:参照。一部編集して記載。
軟部肉腫とは、成人の軟部肉腫 (悪性軟部腫瘍) とは、体の軟部組織から発生した悪性腫瘍のことです。軟部組織あるいは軟部とは、体の肺や肝臓等の実質臓器と支持組織である骨や皮膚を除いた筋肉、結合組織、脂肪、血管、リンパ管、関節、神経を指す。この腫瘍は、手足、体幹、頭頸部等、体のあらゆる部位に発生する。
本邦の発生率は10万人当たり約2人である。軟部肉腫の分類は30種類以上と多い。
頻度の高い組織型として、平滑筋肉腫、悪性線維性組織球腫、脂肪肉腫がある。その他、横紋筋肉腫、皮膚線維肉腫、血管肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍および線維肉腫などがある。


恒吉正澄:軟部腫瘍の病理:こちら。一部編集して記載。
類上皮肉腫 Epithelioid sarcoma  
類上皮肉腫は、若年成人の男性。
遠位型;四肢遠位部、近位型;躯幹深部に発生する。
孤在性、多発性結節状。
病理学的には、上皮様細胞、細胞質間封入体構造物を有するラブドイド細胞の増殖を認める。上皮系マーカー cytokeratin、間葉系マーカー vimentinが同時に発現する。
近位型は予後不良である。


軟部腫瘍病理アトラスより引用。一部編集して記載。
上皮様の形態を示す腫瘍細胞が、主として中心壊死を伴う肉芽腫様の増殖を呈する。組織亜型として、遠位型 (古典型) と近位型がある。
1970年、Enzinger らにより、若年成人の四肢、特に手指や前腕に好発する腫瘍として初めて報告された。
現在、WHO 分類では、類上皮細胞肉腫は、"Tumor of uncertain differentiation" に分類している。
組織学的には、遠位型の類上皮細胞肉腫は、中心部に出血、壊死、硝子化を伴うような結節状増殖を特徴とする。あたかも肉芽腫の様な形態をとる。
腫瘍細胞は、多形性に乏しい上皮様形態で、好酸性の細胞質を伴い、腫大した紡錘形から卵円形を呈する。核の異型は軽度で、類円形の細胞、核小体は明瞭である。核分裂像は少ない。
悪性ラブドイド腫瘍で認められるような、核が偏在し、好酸性の細胞質、スリガラス状の細胞質無い封入体様構造を有するラブドイド細胞が出現する。細胞間には厚い硝子化した膠原線維や慢性炎症細胞浸潤を認める事も多い。
近位型は肉芽腫様の形態をとらない。

免疫染色では、上皮、非上皮、両者の形質発現をする。
Vimentin, EMA (上皮性マーカー), cytokeratin に通常陽性となる。CD34 が多くの症例で陽性となる。


草壁秀成:切除後、9年目に再発した症例:pdf