血液寒天培地侵襲性肺炎球菌感染症について。
写真はヒツジ血液寒天培地:BD社: こちら。 

ヒツジ血液寒天培地(M)は、臨床材料からの溶血レンサ球菌の分離培養、および溶血反応の鑑別、並びに栄養要求の厳しい細菌の分離培養に使用される。
侵襲性肺炎球菌感染症

肺炎球菌について
肺炎球菌は、ヒト気道に存在する無症候性キャリアから、肺炎、菌血症、髄膜炎、副鼻腔炎、中耳炎の原因となる細菌である。世界中で最も分布し、小児および成人の呼吸器感染症の原因となる。適切な抗菌薬使用とワクチン接種により、その発生頻度は減少したが、いまだに発生率・死亡率ともに高い感染症である。その原因として、抗菌薬耐性獲得、ワクチン防御能の限界、非ワクチン含有株の感染、そして侵襲性感染の出現である。


肺炎球菌感染症 
肺炎球菌は、米国内で毎年約4,000人の死亡を引き起こす重篤な感染症で、侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の発症頻度は18〜34歳では10万人当たり3.8である。これが65歳以上では36.4と高まり、また、血液腫瘍の患者では186、HIV感染者では173と、基礎疾患によってリスクは20倍以上に高まる (CDC, 2011, http://bit.ly/2okQZTY)。

日本での現状
厚労省では、肺炎球菌感染症死亡者の死体を診た際に、臨床的特徴を有する死体を検案した結果、症状や所見から、侵襲性肺炎球菌感染症が疑われ、下記の検査方法により、侵襲性肺炎球菌感染症により死亡したと判断した場合には、法第12条第1項の規定による届出を行わなければならない。(厚生労働省 http://bit.ly/2oP0LB3)

検査方法と検査材料
分離・同定による病原体の検出:髄液、血液、その他の無菌部位
PCR法による病原体の遺伝子の検出:髄液、血液、その他の無菌部位
ラテックス法又はイムノクロマト法による病原体抗原の検出:髄液