ラクトフェノール・コットンブルー染色写真は、真菌のラクトフェノール・コットンブルー染色。
真菌の同定には形態学的検査法がまだまだ重要な位置を占める。

肉眼観察
コロニーの発育速度、表面の外観、色調、きめのこまやかさ、裏面の色調、培地の着色など。

顕微鏡による観察
真菌の直接鏡検法には、いくつか方法がある。
  • KOH標本:主に皮膚のケラチンを溶解した後に染色する。
  • 墨汁染色
  • 塗抹染色標本:Gram, PAS, Giemsa, Grocott, ファンギフローラY. 
  • 病理組織:HE, PAS, Grocott


ラクトフェノール・コットンブルー染色
参考:武藤化学:こちら

(1)水酸化カリウム溶液(KOH 液):爪、皮膚の落屑、毛髪、痂皮などから真菌を検出するのに用いる。これらはケラチンが含まれ固く頑丈なため、高濃度(20〜40%)の水酸化カリウムで処理し、組織を融解させて観察を容易にする。
(2)アマンの液、ラクトフェノールコットン青液は糸状菌(カビ類)の形態の観察に用いられる。

〔染色方法〕
水酸化カリウム(KOH)法
(1)KOH 溶液をスライドグラスに1〜2滴とる
(2)爪、皮膚の落屑、毛髪、痂皮などを薄く、細かく切り、KOH の液に入れ、カバーグラスを載せる。
(3)そのまま1 時間放置するかまたはガスバーナーで暖かい程度に加温する。組織は柔らかくなり融解するが、真菌は残るので鏡検により検出できる。

アマンの液、またはラクトフェノール・コットン青液
(1)スライドグラスにアマンの液、またはラクトフェノール・コットン青液を2 滴滴下する。
(2)真菌の菌体を一部採り、2 本の針で砕きながら薄く広げる。
(3)カバーグラスをかけて鏡検する。
 
〔注意点〕
(1)KOH 法は長時間放置すると試薬が乾燥するので、液を多めに用いた方がよい。鏡検の際はカバーグラスの上に濾紙を載せて軽く圧し、余分な試薬を排除して鏡検する。乾燥を避けるにはネイルマニュキアでカバーグラスの周囲を封じておくと長期間の観察に耐える。
(2)アマンの液、またはラクトフェノール・コットン青液染色は、培養した真菌の形態観察に用いられる。アマンの液は無染色標本であり、黒色真菌などの、菌糸自体が着色している真菌の観察に適する。色素を添加したラクトフェノール・コットン青液は真菌の構造物が染色されるので観察しやすい。なお、真菌の中には染色に時間を要するものもあるので、翌日、再度に観察するのもよい。これらの液はグリセリンを含むので乾燥しにくいが、ネイルマニュキアでカバーグラスの周囲を封じておくと長期間の観察に耐える。