赤芽球赤芽球について。写真はベックマン:こちら
赤芽球erythroblastとは骨髄中に存在する幼若な血液細胞であり、造血幹細胞から赤血球にいたる分化途中段階の細胞である。成熟して脱核し赤血球になる。
赤芽球は健康人では骨髄中にしか存在せず、血液中に赤芽球が現れるのは異常である。血液疾患や癌の骨転移、骨折などの時だけである。

赤血球は造血幹細胞を基にし、次第に分化・成熟して完成する。
その段階は、
  • 造血幹細胞
  • 骨髄系幹細胞(骨髄系前駆細胞)
  • 赤血球・巨核球系前駆細胞
  • 前期赤芽球系前駆細胞
  • 後期赤芽球系前駆細胞
  • 前赤芽球
  • 好塩基性赤芽球
  • 多染性赤芽球
  • 正染性赤芽球
  • 網赤血球
  • 赤血球
前駆細胞は形態的には赤血球系との同定は困難であり、形態学的に通常は前赤芽球がもっとも幼若な赤芽球とみなされ、脱核する前の正染性赤芽球までが赤芽球とされる。
若い細胞ほど細胞分裂能が高いが、多染性赤芽球の段階まで細胞分裂能はある。
正染性赤芽球の段階になると細胞分裂能は失われ、やがて核が抜け落ちて赤血球となる。


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赤芽球系幼若細胞の分類基準:こちら
前赤芽球proerythroblast 
  • 直径::20〜25 μm
  • N/C比:60〜70%程度
  • 核の位置:比較的中央に位置する
  • 核クロマチン構造:顆粒状繊細
  • 核小体:あり
  • 濃く紫色に染まる細胞質:濃青色
  • 狭く明瞭な核周明庭を認める。

好塩基性赤芽球basophilic erythroblast 
  • 直径::16〜20 μm
  • N/C比:50〜60%程度
  • 核の位置:比較的中央に位置する
  • 核クロマチン構造:顆粒状
  • 核小体:なし
  • 細胞質:濃青色
  • 前赤芽球に比べて濃い
  • 核周明庭も認める。

多染性赤芽球polychromatic erythroblast
  • 直径::12〜18 μm
  • N/C比:40〜50%程度
  • 核の位置:比較的中央に位置する
  • 核クロマチン構造:粗大なクロマチン一部塊状
  • 核小体:なし
  • 細胞質:淡青色からヘモグロビン色調(橙紅色)が認める。

正染性赤芽球orthochromic erythroblast 
  • 直径::8〜10 μm
  • N/C比:20〜30%程度
  • 核の位置:比較的中央に位置するが偏在することもある
  • 核クロマチン構造:濃縮し構造は見られない
  • 核小体:なし
  • 細胞質:正常赤血球と同じ色調を呈する。
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病理学会コア画像:巨赤芽球性貧血:こちら

ミクロ像(HE強拡大):末梢血では貧血があるが、骨髄では赤芽球が小集簇巣を形成して増加し、著明な過形成性骨髄を呈する。
巨赤芽球は、比較的明るい核網をもち明瞭な核小体を持つ。
ビタミンB12または葉酸の摂取不足、吸収不足、消費量の増加による相対的な不足から起こると考えられている。

*HE染色上では、他の芽球(顆粒球系の芽球)との区別はつかない。ギムザ塗抹染色で同定可能である。

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検鏡設問:こちら