悪性神経膠腫、特に膠芽腫は予後不良な疾患である。病理学会コア画像:こちら

神経膠腫において、これまでは病理形態学的な分類が重視されてきた。しかし、近年遺伝子異常を同定し、そこから遺伝子治療を開始することで患者予後の改善が報告されている。
ある悪性神経膠腫では,イソクエン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(IDH1と IDH2) がコードする NADP+依存性イソクエン酸デヒドロゲナーゼに変異が生じている.
神経膠腫における IDH1 と IDH2 の変異
NEJM こちら

膠芽腫(WHO グレード IV の悪性神経膠腫)に関する最近の遺伝子変異解析から,膠芽腫の一部でイソクエン酸デヒドロゲナーゼ 1 型遺伝子(IDH1)の体細胞変異がみられることが明らかになった。このような変異は,より悪性度の低い神経膠腫から進行したとされる腫瘍(二次性膠芽腫)でもっとも高頻度に認められている.


イソクエン酸脱水素酵素をコードする遺伝子IDH1およびIDH2の変異は、広く見られるタイプの脳腫瘍である神経膠腫で報告されている。
変異の生じた酵素は2–ヒドロキシグルタル酸(2HG)を産生し、この2HGは発がん代謝物となる可能性がある


IDHの同定は既に病理組織検体で試みられている。
こちら
イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDH)1コドン132のポイントミューテーションは約70%の星状細胞腫および希突起グリオーマ組織で認められる。この変異は特定の脳腫瘍があるところに高頻度に分布しているので、免疫組織染色により未分化星状細胞腫(anaplastic astrocytoma)を初期の神経膠芽腫(primary glioblastoma)から識別したり、びまん性星状細胞腫(diffuse astrocytoma WHO grade 2)を毛様細胞性星膠腫(pilocytic astrocytoma)や上衣腫(ependymoma)から識別するなど、様々な腫瘍細胞の高感度かつ特異的な判別を可能にする。


フナコシの免疫染色抗体IDH1:こちら


primary glioblastoma or secondary glioblastomaの診断の際に有効:がん診療画像レファレンスデーターベース:こちら
抗体 IDH1R132H を用いて免疫染色を行うと、IDH1 変異を有する腫瘍は核および細胞質が強く染色される。変異陰性例では染色されず、陰性所見となる。
免疫組織化学で IDH1R132H 陰性の場合に、primary glioblastoma と診断される。


元群馬大学教授 中里洋一先生のまとめ:こちら
スライド47-49が参考になります。


治療は研究段階が続く。こちら