まどマギ×真マジンガーZERO第2弾

※「魔法少女まどか☆マギカ」TVシリーズ、及び「真マジンガーZERO」チャンピオンRED2014/02号掲載分までのネタバレを含みます。

Puella Mazin Saga

第X話「鹿目まどか!終焉の淵に立つ」

[推奨BGM;The Gate of Hell]

終焉が始まろうとしていた・・・
ほんの数時間前まで見滝原という名の街が存在していたこの地で・・・
人類が創りし神によって・・・
究極のZを冠する魔神――最終にして原初なる魔神――によって!

「酷い・・・」

酸の嵐が、光子の散弾が、熱光線の奔流が全てを破壊してゆく
人も、物も、思い出も、見境なく、無慈悲に・・・

「こんな・・・あんまりだよ!こんなのってないよ!!」

暖かい家族も、家も

「パパ、ママ、タツヤ・・・」

優しい友達も、学校も

「仁美ちゃん、早乙女先生・・・」

命を賭け戦った魔法少女達も

「さやかちゃん、マミさん、杏子ちゃん・・・」

なにもかもが塵芥となった、見わたす限りの焦土の中、少女――鹿目まどか――は泣いていた
光子力バリアとマミ達が重ねがけした防御結界によりまどかとミネルバXだけがこの地獄絵図の中、かろうじて生き延びたのだ。だがそのミネルバとも先ほどの爆風で離れ離れになってしまった。そして・・・

「ほむらちゃん・・・」

物言わぬ骸となり、まどかの腕のなかで横たわる彼女の存在が心にさらなる影を落とす。
半身を欠損した無残な姿、ソウルジェムも砕けもはや眼を覚ますことはない。
なぜ彼女がこんな目に会わなければならなかったのか・・・
ワルプルギスの夜との決戦前、ほむらが明かした過去。事実ならば彼女をいつ果てるともない戦いへと駆り立てたのは・・・死に至らしめたのは他ならぬ自分自身ではないのか?

「ごめんね・・・ごめんね、ほむらちゃん。・・・うっ!?ゴホッ!ゴホッ!」

咳き込む口元を抑えた手は血塗れになっていた。ルストハリケーンの残留ガスか、それともさっき腹を直撃した瓦礫か、どちらにせよ内臓がやられているのは確かなようだ

「わたしも・・・もう駄目みたい。そっちで・・・また皆と会えるかな」
「本当にそれでいいのかい?」
「キュゥ・・・べえ?」

いつの間に現れたのか?猫とも兎ともつかない奇妙な生物が語りかけてくる。
もっともまどかにとっては馴染み深い、そして恨み深い存在ではあるが・・・

「今更何をしに来たの・・・」
「決まってるじゃないか。まどか、ボクと契約して魔法少女になってよ」
「まだそんなことを・・・あなたの思い通りになんかならない!」

まどかは全ての真実を知っている。だから皆が苦境に立たされていてもキュゥべえの言葉に耳を貸さず勝利を信じ待ちつづけたのだ。

「兜甲児はギリギリまで魔神化に抵抗し、ゴードンヘルを、そして真の力を見せたワルプルギスの夜さえ打ち破った・・・」
「ほむらも、さやかも、マミも、杏子も、暴走するマジンガーZを相手に一歩も引かず戦い、そして倒れていった」
「ここで君が死んでしまったら彼らの頑張りは無駄になってしまうんじゃないのかい?」

「・・・」

これこそ悪魔の囁きだ。どうせ世界は滅びる、だが・・・

「わたしが魔法少女になれば・・・マジンガーZに勝てる?皆を助けられる?」

希望がそこにあるのなら、縋ってしまうのが人間なのだ。

「確かにマジンガーZはとてつもない強さだ。この星全ての魔法少女が束になってかかっても敵わないだろう」
「でも君ならばあるいは・・・それに死者蘇生の願いだってそう珍しくもない」
「わかった・・・それでいいよ。ほむらちゃんを!私の家族を!友達を!街の人たちをみんな生き返らせたい!!」

鹿目まどかは諦めない!僅かにでも可能性があるのなら愛する者達のため、その命を賭けるのだ!!

[推奨BGM;BRIGHT STREAM]

「一人、二人じゃなく街一つの命全てを生き返らせるのか・・・君の力なら不可能じゃない」

「みんなに新しい命を!!」
キュゥべえの耳?がまどかの胸に触れ”何か”が抜き出されていく。

「契約は成立だ。君の祈りはエントロピーを凌駕した」

見滝原中の制服が光の粒子と散り、魔法少女の装いへと変わる。

それとともに癒しの光が不毛の大地に降り注ぐ。
「苦しくない・・・痛みも・・・」

既に魂が肉体から分離しているからか、それとも変身と共に自動修復されたのか、とりあえずこれで動くことはできる。

そして・・・

「ほむらちゃん・・・」

千切れていた下半身が復元され頬にも赤みがさしている。

「よかった。心臓も動いてるし息もしてる・・・他の人たちも助かったかな?」

慈愛に満ちた笑みを浮かべ艶やかな黒髪を撫でる。そうするうちに・・・

「まどかさーん!!」
「ミネルバさん!無事だったんですね」

機巧少女が飛来する。どうやら彼女も無事だったようだ。

「ええ、でもその姿は・・・」
「ウェヒヒ、魔法少女になっちゃいました。」
「っ!!・・・」

沈痛な表情のミネルバ。この1ヶ月、苦楽を共にしてきた友人の、ほむらの望まざる事態は避けられなかったのだ

「気にしないで、後悔なんかしていません」
「でも・・・」
「それにあんまり長話してる暇もなさそうです」

空を指すまどか、その先には

「終焉の魔神・・・」

空が割れ、炎が舞い巨大な魔神が現れる!衛星軌道からの無差別攻撃を止め、降下してきたのだ。
ここに倒すべき”敵”がいるとでも言うように。

「ミネルバさん、ほむらちゃんをお願いします。」

未だ目覚めぬ親友を託し、鹿目まどかは最期の戦いへ征く。

「それと私がマジンガーZを倒したら過去に戻ってください!」

「!?」

「私にはこんな方法でしかマジンガーZを救うことはできません・・・」
「でも、まだ諦めないつもりならその歩みを止めないで!!」

それにミネルバの願いも忘れてはいないのだ。

「この世界だけは絶対に私が守ってみせます!!」

『なんて・・・強い娘』

この決意に満ちた瞳、まるで・・・

「甲児さん・・・」

マジンガーZの半身たる少年。魔神に飲み込まれてしまったが最期の瞬間までその勇気と闘志が折れることはなかった。
その彼と目の前のあどけなさを残す少女が重なるのだ・・・

「・・・行ってきます。ミネルバさん」

光の翼を広げ飛び立っていく。生き返った人々を巻き込まないためだ。
ミネルバには、黙って見送ることしかできない・・・


――見滝原市跡上空――対峙する魔神と魔法少女

「さあ、始めようか・・・」

「脆弱ナ有機生命体如キガ、コノ俺ニ・・・マジンガーZEROニタッタ一人デ戦イヲ挑ムダト?」

「絶対に倒してみせる・・・甲児さんのためにも!ミネルバさんのためにも!みんなのためにも!」

左手には弓、光の矢を番え引き絞る

「アナドルナヨ小娘・・・今ヤ俺ハ神ヲ超エ悪魔ヲモ超エタ!唯一無二ノ最強ナル存在ダ!!」

終焉の魔神――マジンガーZERO――が構え、右拳が肥大化する。強力ロケットパンチだ!

「神さまだって悪魔だっていい!わたし達の・・・みんなのヒーローのままでいて欲しかった!!」

絶望を穿つ一矢と希望を打ち砕く鉄拳。放たれる一撃が交錯する!!

「ココガ、オ前ノ終焉ダ!!」


後書き
 今回はまどかVer。(よく読めばわかるけど前回の続きではない)最初は単にまどか視点で書くだけのはずだったのだが前と代わり映えせんなぁ・・・と思ったんでまどか対マジンガーZEROにしてみたらめっちゃ長くなった上、色々と大変なことに(汗)というか中盤以降のまどか、完全になのはさんと化してる気がする・・・