フェラーリのエンブレム

フェラーリのエンブレムって車にそれほど興味ない方にも知られるほどのスーパーカーなんですよね。フェラーリの車体に付いているシンボルマークのことなのですね。黄色地に黒の跳ね馬が躍るこの有名なエンブレムは、イタリア語でカヴァッリーノ・ランパンテと呼ばれ、日本語に訳すとそのまま跳ね馬となります。

由来はドイツのシュツットガルト市の市章から、イタリアを代表する自動車メーカーなのになんで由来がドイツなのか??って思われるかもしれませんが、これには理由があります。第一次世界大戦中のイタリア空軍におけるエースパイロットである、フランチェスコ・バラッカ少佐が所属していた第91飛行隊にアルフレードという人がいました。

このアルフレードは、フェラーリを創始したエンツォ・フェラーリの兄なのです。エンツォが1947年にフェラーリを創業したときに、バラッカ少佐と兄アルフレードが所属していた第91飛行隊のエンブレムをフェラーリのエンブレムとして用いました。

しかし第91飛行隊のエンブレムは、バラッカ少佐が撃墜したドイツのパイロットがつけていた紋章から取られたものです。つまりフェラーリのエンブレムは、当時敵国だったドイツのパイロットから取られた紋章だったのです。

ちなみに、フェラーリと並び称されるスーパーカーのポルシェのエンブレムも跳ね馬で、由来も同じシュツットガルト市の市章です。フェラーリというと赤や真紅のカラーを思い浮かべますが、フェラーリのエンブレムの地の色にあるように、コーポレートカラーは黄色です。

そのため、フェラーリの歴代モデルの中で赤系のカラーがラインナップされていますが、黄色も必ずラインナップに加わっています。F1の応援などでは、熱狂的なフェラーリファン(ティフォシ)が赤い旗を振って応援していますが、フェラーリ社の旗は正式には黄色地に黒い跳ね馬です。赤い旗は正確にはオフィシャルなものではありません。

しかし最近は、赤も暗黙の内にコーポレートカラーとしていますので、新車発表時には必ず黄色と赤の車両が用意されます。フェラーリが発売した市販車には必ず付いている跳ね馬のシンボルですが、歴代フェラーリの中で唯一フェラーリのエンブレムをつけていないフェラーリが存在します。それがディーノという車です。

ディーノは、それまでフェラーリがこだわっていた12気筒エンジンから離れ、街中で気楽に乗れる6気筒エンジンを搭載したものでした。しかしこの頃フェラーリは財政的危機に陥っていて、ディーノのエンジンは同じイタリアの自動車メーカーである、フィアット社の工場で作成されました。

エンツォがディーノにフェラーリのエンブレムをつけなかった理由の一つとして考えられるのは、エンジンが自社製作でなかったことが上げられます。そしてもう一つの理由はエンツォ自身が、12気筒でなければフェラーリではないと考えていたことです。

ちなみにディーノとは、開発者であるエンツォの息子の愛称からつけた名前です。本名は兄と同じアルフレード。アルフレードはディーノ発売を見ることなく24歳の若さで亡くなりました。フェラーリのエンブレムがつけられなかった本当の理由はこの辺にあるのかもしれません。




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gaturi776 at 22:19生活・暮らし  
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