2009年09月10日 13:46

大人と子どもの脳の仕組みの違い

幼い頃大好きだったが今そうでもないものもあれば、幼い頃には嫌いだっだけど今好きなものもある。

最たる例は、食べ物の好みだろう。幼い頃にあれだけ好きだった炭酸ジュースやヤクルトが、今はあまり飲めない。逆に、幼い頃あれだけ苦手だった野菜やビールが、今はとても好きになっている(幼い頃からビールを嗜んでいたわけではないが)。

他にも、ここでも繰り返し取り上げている、空想というのもそうだろう。個人的には、小学生くらいまでは空想をよくしていたものである。そしてそれは非常に楽しいものであった。しかし、現在空想をすることは減り、現実的な問題(今夜のおかずは何にしよう)について頭を巡らせることの方が多い。

なぜこのような変化が起こるのかは、非常に興味深いところである。

味覚などの感覚器の変化にともなう心理学的な変化もあれば、脳内のメカニズムそのものが変化している可能性もあるようだ。


そういった記事が、Newtonに乗っていた。上述の大人と子どもの好みの違いという話からはだいぶかけ離れてしまうが、脳のメカニズムが違う可能性があるという点で、非常に興味深い記事だ。

この話はかなりミクロな分子レベルの話になり、その記事の受け売りになってしまうことを断っておく。エッセンスだけ書けば、以下のような話だ。

ニューロンレベルの話だが、脳内の化学物質には、ニューロンを活動させる興奮性のものと、休ませる抑制性のものがある。大人の場合、前者にはグルタミン酸やカンナビノイドなどの物質が、後者にはガンマアミノ酪酸(GABA)などの物質がある。

あくまで動物実験の結果だが、非常に興味深いことに、子どもの脳においては、化学物質の役割が逆の場合があるらしい。子どもの脳のある部位では、GABAが興奮性の役割を担い、カンナビノイドが抑制性の役割を担うことがあるらしい。

いつ頃、どのようにそれらの物質の役割が変わっていくかは明らかではないようだが、ヒトの脳においてもどうようの仕組みがあるとすれば、大変興味深い。

基本的には、子どもにおいては、抑制性よりも興奮性の作用が強いらしい。おそらくは、最初は多くの化学物質が興奮性の作用に関わっており、ある程度脳の構造が出来上がってくると、興奮性に働いていたものが、抑制性に作用を変化させるのではないか。

ただし、全てのものが興奮性ではまずいので、いくつかの抑制性の物質が存在する。その作用も、上述の変化の際に、副産物的に作用を変える、という感じだろうか。

まあかなり苦しい説明だし、専門家の人にとってはあまりにおおざっぱすぎる説明だろうが・・・。

ともあれ、他にも色々と大人と子どもの脳の仕組みの違いがあるのであろう。まだまだこれからの分野であろうが、マクロなレベルから何かこういう研究をできれば、と思ったりもする。。

<参考文献>
Newtonムック ここまで解明された最新の脳科学 脳のしくみ (2008)


コメント一覧

1. Posted by 名無し   2020年09月07日 05:15
とても興味深い話をありがとう

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
記事検索
Recent Comments
TagCloud
QRコード
QRコード
楽天市場
  • ライブドアブログ