2008年12月10日

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(2) 発売記念インタビュー -後編-

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(2)

インタビュー前編に引き続いて、俺の妹がこんなに可愛いわけがない(2)(以下『俺の妹 2』)[著・伏見つかさ イラスト・かんざきひろ 電撃文庫]の伏見つかさ先生にお話をお伺いしています。今回は重要な話題について語っていただいていますので、こちらの記事は本編読後に触れていただけると面白いと思います。それでは後編の始まり始まり!

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これ以降、重大なネタバレが含まれております



■伏見先生による、『俺の妹2』新キャラ解説&本編裏話

かーず:物語の構成が前半と後半に分かれていますので、まずは前半部分についてお聞きします。前半の構成が第一巻と対称的になっていて、もの凄く面白かったですね。

伏見つかさ先生(以下、伏見):ありがとうございます。第二巻が決まった時にこれをメインに据えようと考えていたんですが、編集サイドからは今回後半でやっているテーマが提案されたもので、両方やろうという形になりました。今回は桐乃を助ける為の理由付けがどうにも弱かったので、桐乃とあやせの関係と、京介と麻奈実の関係を対応させる形で京介のモチベーションをあげようと考えました。この『一巻とは逆パターンの人生相談』は、今回の見所です。

かーず:その前半に絡むのが麻奈実の弟ですが、キャラ造形などはどうやって決まったのでしょうか?

伏見:ほとんど私主導で書かせて貰いました。田村家の人々についてですが、天然系や癒し系が揃っていまして。どうしてそういうふうにしたかというと、京介が高坂家でかなり冷遇されているので、田村家に行った時くらいは安らげるようにしたかったんですね。そんな田村家ののんびりとした雰囲気は、一巻全体を通して多用するのは辛いのですが、本編の合間合間に箸休めとして使う分には有効だと考えています。

かーず:桐乃の友人として、来栖加奈子や新垣あやせといった新キャラも登場しますよね。
意外なモチーフなどがあればお願いします。

伏見:加奈子の元ネタは『苺ましまろ』です

一同笑い

伏見:加奈子やあやせは編集サイドからの提案で生まれたキャラです。加奈子の造形としてはキャピキャピした女子中学生を出して、京介をいじめて欲しいというリクエストがありました(笑)。彼女は後半で二人目のキーパーソンになるはずでしたが、改稿の過程で根こそぎカットしてしまいました。せっかくイラストを描いてくださったかんざきひろさんには、申し訳なかったです……。カットされたシーンについてちょっと言うと『第四章に加奈子の登場シーンがあったとしたら、どういうものになるか?』を想像していただければ、大体それで合っているかと思います。あやせに関しては、ニューヒロインが登場して京介と恋愛フラグが立ったと思わせておいて、実は今回の敵だったと(笑)。初期はもう少し清楚な感じで、モデル仕事の先輩でもある、桐乃の姉的存在という位置づけでした。最終的には妹的存在になっていて、ある意味180度変わってしまいました。第四章まで書き終わった段階で『あやせの性格を変えよう。彼女の登場シーン全部書き直しね』ということになりまして、それだけで3ループくらいしましたね。とても手のかかったキャラです。


かーず:そのあやせが絡んでくる重要なファクター 「児童ポルノ禁止法改正法案」ですが
非常にホットなこの話題を取り上げた理由についてお願いします。

三木:これも自分たちからの提案でして、起用した理由は「今風の息吹を感じるテーマ」だったからです。読者の方の肌感覚で興味があるに違いないと感じたものを入れさせてもらいました。作中では、「児ポ法」を盲信する少女がキャラクターとして登場しましたが、こういう系統の時事ネタは、恒久的に「面白いものを書く」ことに集中している作家さんからは絶対出てこない(出す必要もない)領分のものですので、作家と編集のタッグがよく現れた内容になっていると思います。ただ、今回のような政治・時事関連ネタを内容に盛り込むのはかなり難しくて、まず作家さん自身が作品を使ってプロパガンダを発信していると思われないようにしないといけません。次に、政治家や官僚のいわゆる「公人かどうか」というプライバシーの問題と、それをエンターテイメントに組み込んだときの揶揄の度合いにも気を配ります。すこし前に、政治家たちの麻雀漫画が出ましたが、あれは非常に参考になった(笑)。

小原:実際に、削られた箇所には党名や議員名が入っていましたが、これも「カリ●●●●●」と同じかそれ以上にいろいろありまして、ああいう結果になりました。

三木:ところでやや話は変わりますが、普通の作家さんの場合、こういうスレスレのネタを編集サイドから提案しても「ネタ的には面白いと思いますが、僕には書けません。無理です」と言われてお蔵入りになることがむしろ当然且つ当たり前なんですが、伏見さんの場合「出来ないと思いますけど、やってみます」というお返事を貰えて、一緒にトライしていただけるのは非常にありがたいですね。

伏見:どうせ何を書いても最初はボツになるので開き直って書きました。私の執筆速度が時速原稿用紙2枚程度なので、一日20枚くらい書けます。小説は4ヶ月に一冊出せればいいので、そこから色々(他の仕事をする期間や休日等々)差し引きして逆算すると、大体800枚くらいはボツになっても本は出ます。ですから今後もボツになることはあまり恐れずに行こうかなって思ってます。

小原:改稿を積み重ねることによって確実に面白さが増していく作家さんなので、その伏見先生の武器・特徴を引き出す方法と言うことで、我々も心を鬼にして遠慮なくリテイクを出させていただいています。

伏見:しかしこのやり方をしていると、ほとんど他社の仕事が受けられないという(笑)。

三木:なにぃ~!? 他社の分まで売ればいいんですよ!

一同、笑い


■かんざき先生の超可愛いイラストにも大注目!
さらに伏見&かんざきコンビの新作も発表!

かーず:今回もかんざきひろ先生の挿絵が素晴らしいんですが、伏見先生お気に入りのカットは?

伏見:一番最後ですね。第一巻のラストも綺麗に支援していただいたので、今回も素晴らしいイラストが来ると確信していました。

かーず:僕は『俺の妹 2』79ページがお気に入りです。

伏見:確かこのシーンを書いていた時に、これまでエッチなシーンが一度もないので、一度やってみようという提案がありました。

小原:そう。三木が第一巻でお色気シーンがないのを心残りだ、心残りだってずっと言っていて(笑)。

三木:僕の担当作にあるまじき作品だと。読者のみんなもきっと、かんざきさんのエロぃ絵を見たいって思っているに違いないんだッッ!

かーず:(笑) 『俺の妹2』と同時に発売された電撃文庫MAGAZINE Vol.5 2009年1月号にて、伏見先生&かんざき先生コンビの新作も掲載されているとか。こちらについて、詳しくお聞きしたいです。

小原:新作『ねこシス』は、人間の世界で暮らす化けねこ四姉妹のエピソードを描いた作品です。『俺の妹』とは違ったホンワカほのぼの楽しめる作品に仕上がってますので、こちらもぜひチェックしてください。世界一の猫耳絵師・かんざきひろ先生、本領発揮のイラストは必見ですよ!

伏見:実は去年の冬頃……『俺の妹』の直前に書いていたお話なんです。こちらにもオタクネタが少し入っていて、三木さんが『俺の妹』の企画を思いついたきっかけの一因が、恐らくこれを読んだためだと思ってます。

三木:さすが僕の担当作家さん、よく理解していらっしゃる(笑)。

伏見:キャラクター設定や話の展開を(『俺の妹』に)一部引き継いでいますし、そういう意味では『俺の妹』の原型となった話といえるかもしれませんね。 『猫の視点から人間の世界を見たらどうなるのか』というのがテーマのひとつで、当初は主人公の子猫が人間の世界を見て回り、色々な体験をし、最後に『人間』について審判をするというやや重めの話でした。改稿の過程で重い部分は軒並みカットし、デフォルメを加えて、優しく穏やかな雰囲気の作品に仕上がっています。『俺の妹』とはまったく違った切り口のコメディですが、こちらもどうかよろしくお願いいたします。



■『俺の妹』電撃G's magazineにて漫画化決定!


かーず:電撃G's magazineで漫画連載も決まったんですよね。
それをお聞きした時にどう思われましたか?

伏見:最初は全然信じてなかったです(笑)。ネームが送られてくるまで半信半疑でした。

三木:掲載誌はやっぱり、妹と言えばこの雑誌でしょうと言うことで、電撃G's magazineに決定しました。妹が可愛い雑誌で、「妹がこんなに可愛いわけがない」というタイトルで妹好き読者をビビらせたいと思いまして(笑)。きっかけは、アニメ『禁書目録』の主演声優さんのグラビア撮影をしているとき、待合室でばったりG'sの編集者と一緒になったんです。そこで僕からこういう企画を考えたんだけどって提案したら、ものすごく微妙な顔をして「上に持ち帰って相談します」と言われたところからですね(笑)。

伏見:作画はいけださくら先生でして、ネームを見させていただいたんですが、かなり桐乃がセクシーになってますよ。かんざき先生の可愛い桐乃もいいですけど、いけだ先生の桐乃も魅力的なので、ぜひその点注目してほしいですね。

小原:漫画家さんサイドから高坂家の間取りを教えて欲しいと言われまして、普通だったらラフで簡単に済ますところを、伏見先生はフリーの設計ソフトを使って本格的な3Dモデリングを作成しちゃったんです。しかも桐乃の隠し部屋までしっかり計算に入れていて……、それがちゃんと漫画の方に反映されています。

伏見:いやこれがもう完璧で! アングルから家具の位置まで(漫画の中で)全部再現されているんですよ。隠し収納もたぶん第二話あたりで出てくるので、私も今から楽しみにしています。


かーず:漫画化も決まってますます盛り上がっていく『俺の妹』ですが、最後に読者へのメッセージをお願いします。

伏見:そういうわけで、シリーズが本格的に始動いたしました! 巻を追う事に面白くなる――そんなシリーズを目指します。これでも少しずつ腕を上げているつもりですので、昔の自分が書いた作品に負けるわけにはいきませんからね。もちろんいけださんの漫画にも負けるつもりはないです。応援よろしくお願いいたします!

かーず:長時間お付き合いいただきましてありがとうございました。
ちょっと気が早いですが、第三巻はどんな内容になる予定ですか?

伏見:いま、京介が妹とラブホテルに行くシーンを書いています。

かーず:ちょ! なんという爆弾発言! kwsk!

伏見:どうしてそんなことになったのかは読んでからのお楽しみということで(笑)

(某月某日、アスキー・メディアワークス本社にて)


ここで伏見つかさ先生&かんざきひろ先生のサイン色紙、「俺の妹(2)」伏見先生サイン本+ポストカードのプレゼント!

サイン色紙 「高坂 桐乃」
1名
サイン色紙 「黒猫」
1名
サイン色紙 「麻奈実」
1名

「俺の妹がこんなに可愛いわけがない(2)」 伏見先生サイン本+ポストカード 5名

申し込み方法
■受付メールアドレス:oreimo2@yahoo.co.jp
■受付期間:2008年12月5日(金)~2008年12月19日(金)

■ハンドル/ペンネーム (本名ではなく)
■志望アイテム いずれか1点
 ・サイン色紙「高坂桐乃」
 ・サイン色紙「黒猫」
 ・サイン色紙「麻奈実」
 ・ 「俺の妹2」伏見先生サイン本+ポストカード
■伏見つかさ先生、かんざきひろ先生への応援メッセージがあれば

・当選者への当選お知らせメール 12月20日(土)夜予定
・申込は1人1件まで。複数申込は無効。申込多数の場合抽選となります
・当選発表は、当選者への当選お知らせメールをもってかえさせていただきます
・当選お知らせメールの際、お届け先とサイン色紙へのお名前をご返信ください
当選された方(色紙3名+サイン本5名)に、メールをお送りしました。

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「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」 売り切れてる
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」 かーずSP・アキバBlogが名指しで登場

【関連リンク】 
伏見つかさ先生のブログ 「LUNAR LIGHT BLOG」
かんざきひろ先生のブログ 「tabgraphics_blog
電撃G'smagazine.com
電撃文庫&電撃文庫MAGAZINE

取材・文:かーず(かーずSP
取材協力:ノトフ(はつゆきエンタテインメント

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08/12/10 俺の妹がこんなに可愛いわけがない2巻を読み終わりました。感想もアップしました。 次に読むのはバカとテストと召還獣にしようかと??..
http://junkheadnayatura.blog24.fc2.com/blog-entry-150.html【Junk Head な奴ら】at 2008年12月10日 22:43